九州のとある町。予防歯科開業医です。
昨今の国による医療費削減という錦の御旗の元に 『医療の崩壊』が推し進められています。 虫歯も歯周病も予防できる病気なのですが 予防という分野は今の医療保険給付制度の中でガンガン削減されています。 だからといって従前の”削り散らす歯科治療”に抱いてしまった疑問を 払拭できず、予防の道に残ろうと高楊枝を銜えるおバカな歯医者です。 御来院の患者さんに、歯科医師の考えているところ、歯科衛生士の思い、アシスタントのふんばり(笑 を分かりやすくお伝えできないものかとブログの開設を思い立ちました。 受付でメールアドレスをお知らせいただいた方に、メルマガとして配信してゆきます。 患者さんの貴重なご意見、是非お寄せ下さい。 また、恐縮ですが当医院、或いは歯の話と全く関係が無い または悪意の書き込みに関しては 管理人の判断で削除させていただくことがあります。ご了承下さい。 楽天市場
テーマ:歯医者さんや歯について~
カテゴリ:今日の2次カリエスシリーズ
40代女性、左上6、ハイブリッドクラウン破折、2次カリエス
前回のつづき https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202404260002/ ハイブリッドレジンの補綴物は物性が改良されて強度が増しているとはいえ、強い咬合力で撓むので接着剤が剥がれ脱離しやすい。すぐに取れればまだ良いが接着剤が剥がれて隙間ができても脱離しない場合は最悪のケースとなる。 隙間腐食により内部の象牙質がブヨブヨに溶けてしまう。軟化した象牙質(虫歯)を除去すると残根状態になってしまった歯は治療不能で抜歯になってしまうこともある。 残根というのは元々抜歯の病名だ。 再度虫歯にならないためには歯質を完全にイオン伝導性のないレジンで覆うのが良い。歯質に直接冠を被せるのがよくない。隙間ができるとまたそこから虫歯になる。 歯質にイオン伝導がなければ虫歯にならない。歯質に金属を直接接触させるのも良くない。異種金属接触腐食が起こる。 虫歯とはハイドロキシアパタイトの電気化学的腐食だからだ。これを「虫歯の電気化学説」とよんでいる。 レジンで歯根面を覆う場合は歯根面は凸凹な方が良い。レジンの食い付きがよくアンダーカットもあり脱離しにくいからだ。 またレジンコアは丸く低い方が咬合力による応力が歯根の中心に向かい歯根が破折したりレジンコアが脱離するのを防ぐことができる。維持力にはピンレッジを使うと良い。 意外なことだが、多くの症例ではポストを使わなくとも簡単には脱離しないことを経験する。 ポストはない方が歯根破折を招きにくいし、中途半端に脱離して2次カリエスを招くこともない。むしろポストを使わない方が問題が起こる前に脱離するので歯質が守られると言っても良い。これはフェールセーフと呼ばれる手法だ。 ハイブリッドレジンは撓みやすいので単独で使用せず、金属フレームを使うべきだ。銀合金はコストパフォーマンスが良いが耐摩耗性が良くないので、直接対合歯と噛ませるのはよくない。耐摩耗性の良い吟味されたハイブリッドレジン系の素材をメタルフレームの上に築成して歯冠を作るとよい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/04/27 11:02:20 PM
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