当時はお姉さんの日記、今は娘の日記
愛宕山に登っている途中,なぜか「昔、二十歳の原点って本があったよなあ」と思い出し、やたらと印象深く胸に刻まれました。下山して2、3日経過する間も「どんな内容だったっけか」「確か学生運動にかかわる話で」「著者は若くして自死したはずで」とおぼろげな記憶がよみがえります。何より一番覚えているのは著書の中に出てくる京都のジャズ喫茶に友人と赴いたことです。確か高校3年生の遠足で京都自由行動の中で行ったはずです。そおなると「これは読まずにいられない」とばかりに本屋さんに行きますが見当たらない。それならと近くのブクオフに行き見つけて買いました。買ったは良いのですがそこで疑問に思ったのが「あれ?文庫本で読んだっけ?」調べてみたら文庫本の発行は昭和54年「てことは19歳?おかしいなあ」そこで今度はネットで検索して四六版の発行を見ると昭和46年に絶版とのこと「と言うことは四六版の古本を買ったってことかな」高校生の時に古本屋に通っていたかは定かではありませんがまあ大きな本を読んだのは間違いなさそうなので、とにかく扉を開いて読み出しました。一気に読んだ。鮮烈。そして死を予感させる一篇をもって唐突に終わりを告げます。巻末に記された父親による著者年表の最後の文字「鉄道自殺。」最後の句読点が父親目線でのやるせなさを表しているようで何ともせつない気持ちになりました。ところで友人と行ったジャズ喫茶『シアンクレール』ですがネットのない時代にどうやってたどり着けたのかはまったく不思議で昔の情報収集は大変だけど何とか工夫していたんだろうなあと思わずにはいられません。