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気が、向かなくても。 鵺@うり坊さん
January 20, 2005
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カテゴリ:書評
『クリスマスの4人』井上夢人


 こんなオチありなのか?

 例えば、だ。お店でお品書きを見て、てんぷら定食を注文したとする。すると、ウェイトレスが料理を運んでくる。運ばれてきたお盆の上には、飯椀と汁椀があって、メインのてんぷらがあって、わきにはふた付きの湯のみ大の陶器。その湯のみ大の陶器のふたを開けると、中はたまごの薄い黄色。表面上なにも見えていないが、この中には銀杏や鶏肉が沈んでいることを想像する。美味しそうな茶碗蒸しだなと思いながら、冷めないようにその陶器のふたを元通りにしておく。メインのてんぷらを食べ終えて、さて、茶碗蒸しを食べようと思い、一口分箸でつまんで口に運ぶ。そこで初めて間違いに気づく。確かにたまごの黄色だ。でも、これは、この味は……。

 これはプリンだ。

 そういう感じ。
 確かにどこにも、茶碗蒸しだと書いてないから、勝手に勘違いをした僕が悪い。だけど、てんぷら定食についてたら、普通はプリンだとは思わない。

 例えがわかりにくいか。

 僕はこの作品をミステリだと思って読んだ。

 1970年。その年二十歳になったばかりの四人が夜のドライブを楽しんでいる。そこに一人の男が突然飛び出してくる。その時ハンドルを握っていた人間は、よりにもよって無免許。その上、マリファナまでやっている。よけきれるはずも無かった。そして、車全体を衝撃が包む。四人は車から降りて、轢いてしまったであろう男を確認する。すでに死んでいた。警察を呼ぶべきか、呼ばないべきか。四人は悩む。無免許な上にマリファナまでやっている。もし警察に捕まれば、その刑罰は重いものとなるだろう。そして出た結論は、呼ばずに逃げよう、ということだった。それから、10年後。その死んだはずの男が、四人の前に姿を現す。それだけではなくさらに、その10年後には……。またさらにその10年後に……。そして、そこから更に10年後の2000年。衝撃の結末が訪れる。

 という話。なぜ、死んだはずの男が? 一体どういうことだ。どんな結末がまっているんだ、と思いながら読んだわけで……。ミステリだとはどこにも書いてないわけだから、どんなオチでもいいわけだけど……。
 ミステリじゃなければ、何なんだということになるけど、それを書くとネタバレになるので、書かない方向で。

 でも、オチはともかくとして、文章は好き。特に、1970年に二十歳だった四人が、10年ごとに、その四人の関係性や生活を変えていっている様子の描写はうまい。それと共に変化する時代背景も描かれており、そういった部分でも充分楽しめた。

 岡嶋二人が解散する前の作品はかなり読んだけど、解散して井上夢人だけになってからの作品は初めて読んだ。岡嶋二人のイメージをもったまま読んだから、こんなオチありか、と思ったけど、今回でこういうオチもありな作家だとわかったし、次からは井上夢人をもっと楽しめそうに思う。





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Last updated  January 20, 2005 10:02:59 PM
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