823554 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

TakadaHMT

TakadaHMT

Favorite Blog

Comments

貝崎佳祐@ Re:東京スカイツリー(11/03) 貝崎佳祐 小梶孝行
東京スカイツリー@ Re[1]:東京スカイツリー(11/03) 東京タワーさんへ
東京スカイツリー@ Re:東京スカイツリー(11/03) 東京スカイツリー 東京スカイツリー
Djo@ Re:Green Finance Network Japan 紹介記事(06/27) 帰っていたんですね!J'apprends le …
川元ゆみ@ Re:クーリエ・ジャポン誌寄稿(日本とヨーロッパの官庁の比較について)(03/07) 目からウロコの記事でした。 日本の官僚…

Freepage List

Feb 2, 2023
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
出張でロンドンを訪れた。以前、パリ・OECD勤務中にも、何度かロンドンを出張や旅行で訪れたが、約5年振りである。1月の半ば、大臣の随行でシンガポールに出張したが、これが、コロナ発生後、プライベートを含めて初めての海外渡航であった。ようやく、ロンドンにも行けるようになった、という感がある。とはいえ、ロシアのウクライナ侵攻の影響により、フライトは以前より長時間かかる。全てが正常化したわけではない。


今回の出張の主目的は、ロンドンで2月2日(木)午前に、東京都の主催により開催される「Tokyo-London Financial Seminar 2023」及び、同日午後にFinCity Tokyoの主催により開催される、「Tapping Into the Asset Management Market in Japan」というイベントに登壇することである。それと併せ、翌2月3日(金)にはChatham Houseでのラウンドテーブルが予定されており、その他、多数の面会をセットしてある。2月2日の二つのイベントの主なテーマは、日本の国際金融センター構想の推進であり、その他の面会等では、サステナブルファイナンスを主に議論する。


2月1日(水)の朝、羽田を発ち、時差で時間が9時間戻った後、同日の夕刻にロンドン市内に到着する。宿泊場所は、地下鉄Lancaster Gate駅の近く、Hyde Parkに面したホテルである。ロンドンでの留学時に住んでいた場所(Queensway / Bayswater)からは徒歩15分ほどであり、馴染みのある地域だ。


初日の夜は、英国財務省に出向していた頃からの知人である、現地在住の日本人Y氏と夕食を共にする。レストランは、Queens駅すぐ近くのRoyal Chinaを希望として伝えてある。Royal Chinaは、留学時に住居のすぐ近くにあり、よく利用した。自分としてはロンドンで随一の中華レストランだと思っており、実際評判も高い(「地球の歩き方」には最初、自分が投稿し、掲載されたのだが)。その後も、ロンドンへ行く度に、しばしば訪れてきた。しかし、衝撃的なことに、この店が閉店してしまったという。手元にあった2018~19年版の「地球の歩き方」にはまだ載っていたので、閉店したのはごく最近のことであろう。コロナの影響だったのだろうか。かつて英国在住時に愛用していた店の数々も、時と共に無くなっていく。やむを得ないことではあるが、大変残念だった。ともかく、Y氏が近くにある別の中華レストランを予約してくれ、昔話も相まって、食事自体は大変楽しませていただいた。


2月2日(木)、いよいよ本番だ。まずは朝、Mansion Houseへ。Mansion Houseは、ロンドンの金融界を司るCity of London Corporationの代表、Lord Mayorの公館である。ここで、東京都主催の、「Tokyo-London Financial Seminar 2023」が幕を開ける。まずは、参加者全員が起立する中、Lord Mayorが厳かに入場してくる。そして、歓迎の挨拶を行う。続いて、小池都知事、そして、前駐日英国大使のPaul Madden氏からスピーチがなされる。次は自分の番だ。日本の国際金融センター・イニチアティブについてプレゼンテーションを行う。このMansion Houseで、Lord Mayorや都知事を前に話すのは、大変光栄なことだ。

豪奢なMansion Houseの内装


このイベントの後、昼食を取る間もなく、PRI(Principles for Responsible Investment)、GFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)の事務局と相次いで面会を行う。そして、FinCity Tokyoが主催するセミナー「Tapping Into the Asset Management Market in Japan」に赴く。なお、FinCity Tokyoとは、東京の国際金融センター化を推進する団体である。こちらは、午前中のイベントとは異なり、インフォーマルな雰囲気だ。ここでも国際金融センター構想について話し、さらに終了後、ネットワーキングを行う。


この日の夜は、かつてケンブリッジで留学していた際のクラスメートであるDavidと食事をする。Davidはアイルランド人だが、ケンブリッジの法学修士コースでファーストを取った秀才だ。かつて、アイルランドに旅行し、彼の実家にも連れていってもらったことがある。久しく会っていないが、毎年の年賀メールでやり取りを続けていた。今回ついに、再会を果たすことができた。お互い、以前からすれば年を取った。Davidは、英国の法廷弁護士の最高峰であるQC(Queen’s Counsel)の称号を得ている。つい最近、エリザベス女王の逝去に伴い、彼の称号はKC(King’s Counsel)に変わった。彼との間では、十数年の空白を埋めるように、会話の花が咲いた。思い出話や、家族のことなどの他、英国の情勢に関するシリアスな話もした。特に、Brexitについては、彼が非常に残念がっていたのが印象的だった。


翌2月3日(金)、朝からミーティングの後、Chatham Houseのラウンドテーブルで講演を行う。Chatham House(チャタム・ハウス)は、王立国際問題研究所の通称であり、長い伝統と高い知名度を有する機関だ。「チャタム・ハウス・ルール」という会議のルールで世界的に知られている。チャタム・ハウス・ルールとは、その会議で話された内容を外に発信することはできるが、それぞれの内容につき、誰が言ったかを漏らしてはいけないという、いわば紳士協定である。このルールの下での会議には何度も出たことがあるが、その本家であるチャタム・ハウスで話すのは初めてだ。

雰囲気のあるChatham Houseの図書館


壁に架かる、Chatham House Rule


午後さらに、4件のミーティングをこなす。そのうち1件は、英国財務省(HM Treasury)への往訪だ。自分が英国財務省で勤務したのは2003年から06年であり、勤務開始からはもはや20年が経過することになる。当時、同じチームにいた人物が今、英国財務省の金融担当の審議官を務めており、彼との再会を試みた。残念ながら予定が合わなかったものの、彼の部下と面会することができ、久しぶりに英国財務省の中に入る機会を得た。自分が勤務していた頃とは、ややレイアウトが変わっていたが、雰囲気は同様である。なお、面会時は金曜の午後であり、またその日に鉄道のストが行われていたこともあって、多くの職員が休みないしテレワークを行っており(自分のチームメイトと会えなかったのも、彼がその日テレワークをしていたためである)、庁舎内は閑散としていた。日本の官庁では、今も多少はテレワークが行われているものの、大半は出勤している(せざるを得ない)のと対照的である。


夜は、現地の日系金融機関の方々との意見交換会を兼ねた夕食会に臨む。未だ地位を確保している英国の金融界における人材の厚さ、そして、それらの人材の多くが海外から来ているといった話が印象的であった。


翌日の土曜日、帰国の途に就く(日本には、日曜の夜到着)。夕刻のフライトであったため、しばし、ロンドンでのフリータイムを過ごすことができたのは幸運であった。


今や世界のだれとでもオンラインで簡単に話すことができるが、やはり、対面でのコミュニケーションには、特有の価値がある。今回の出張を通じて、それを改めて感じた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Feb 15, 2023 11:02:15 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.