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随筆の樺の木

随筆の樺の木

2008.10.09
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カテゴリ:小説を読書
奥泉光『バナールな現象』の読書会を開く。
参加者は四人だったが途中で一人抜けてしまい実質は三人で行うことになる。正直、読書会で今日ほど盛り上がらなかった回はなかったと思う。
まず題材が複雑な構成が失敗を呼んだのかも。
湾岸戦争と同時期に発表された本作は当時の湾岸戦争がまるでテレビゲームのようにしか見えなかった(「nintendo war」と揶揄される)こと、リアルに触れることができなかったことに結びつけて、時系列を欠いた物語で突拍子もないフィクショナルな事件や戦争が脈絡なくでてくる。ほんとうにそれこそゲームのように。
一回、読んだだけじゃどこがどうなってこうなったのか、ちんぷんかんぷん。大江健三郎の『個人的な体験』をもとにしているそうですが、筒井康隆の『脱走と追跡のサンバ』を思い出しました。

そしてこの小説はよく「砂漠」がでてくる。主人公の木苺(きいちご)はニーチェの研究者だけあって、ニーチェの『ツァラトゥストラ』の砂漠(ヨーロッパの人間中心主義から逃れるための自由になるための砂漠?)をモチーフとしているそうですが、ぼくはよく分からず、友達もそうなのか?て感じだった。
話はずれるけど、あと浅田彰『構造と力』の最後の「砂漠へ」も気になる。そしていとうせいこうの小説『ワールズ・エンド・ガーデン』でも「砂漠(デゼール)」って単語が散見されたと思う。

一体、砂漠ってなに?

って問題にせまろうとしているのが東浩紀のゼロアカ道場のやずや・やずやさんなんじゃないか。ゼロアカの公式ホムペでやずやさんの自著の素晴らしい構想が読めますが賛否両論が激しく分かれると思う。友達はけっこう批判的な意見でした。

そして耳よりな情報。
いま「団地」を舞台にした小説を書こうと思っているんだけどって友達に話をしたら『見張り塔からずっと』ていう重松清の作品がどうやら団地ものらしい。俄然読みたいって思ったのは上野千鶴子の『家族を容れるハコ 家族を超えるハコ』。これはなんと団地論だそうだ!はやく読みたい。





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Last updated  2008.10.09 10:51:41


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