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山本教授の「読書術」指南   本を安く入手し味わいつくすぞ!

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山本教授は、塾生が来ないので、しばらく悠々読書の日々です。


【山本塾設定基本ルール】
・廉価で入手可能な作品 (原則=100円購入)
・ジャンルに拘泥することなく、視野を広くとる
・活字中毒症状(自立)がみられしだい終了する

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2011/01/01
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カテゴリ:書評・公表版
あけましておめでとうございます
「銀座に店を構える」という夢を実現させた「西武有楽町」が、2010年暮に営業を終えました。"銀座店"と名乗れなかったことなど、開業当時を苦々しく想起します。堤一族の野望も、いまやヨーカ堂Gの効率主義の中にあって、かつての栄光のかけらもありません。/ネットブックからスマートフォンヘ。この流れはコンピュータのケイタイ化に外なりません。/今、電子書籍が注目されます。これは「読書」という行為そのものもまた、消費にさらされるということです。すべてがお手軽へと収斂しケイタイ化していく道筋を、あえなく見守ることしかできないのかと忸怩たる日々です。
 
<2010年ベスト10>             2011年 1月
no 書   名 著者名 出版社名 刊行
1 『感応連鎖』 朝倉 かすみ 講談社 2010/2
2 『団地の女学生』 伏見 憲明 集英社 2010/4
3 『更年期少女』 真梨 幸子 幻冬舎 2010/3
4 『チベットのラッパ犬』 椎名 誠 文藝春秋 2010/8
5 『「悪」と戦う』 高橋 源一郎 河出書房新社 2010/5
6 『麗しき花見』 乙川 優三郎 朝日新聞出版 2010/3
7 『小暮写眞館』 宮部 みゆき 講談社 2010/5
8 『高く手を振る日』 黒井 千次 新潮社 2010/3
9 『やすらい花』 古井 由吉 新潮社 2010/3
10 『パスタマシーンの幽霊』 川上 弘美 マガジンハウス 2010/4
次 『ブギウギ』 坂東 眞砂子 角川書店 2010/3
番外1 『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』 岡本 和明 新潮社 2010/4
番外2 『ナニカアル』 桐野 夏生 新潮社 2010/2

▼自意識の肥大化につれ、他者もまた変容をはじめる。連作『感応連鎖』はたんなる学園小説ではありません。これは自意識の増長の果てを我々に見せてくれる極めて稀有な作品です。「内側の芋虫の量がはんぱなく多い男」はオタクに対する新たな表現。そこには蔑視と羨望が入り混じります。▼ゲイでも、やっぱり老後は深刻だ。すぐさま「大きなお世話よ」という反論が聞こえそうですが興味は尽きません。『団地の女学生』には究極の孤独があります。▼『更年期少女』は、グロテスクな6人の「姫」たちの奇妙な会話とシリアスな現実。彼女たちの行く末を読まずにはいられません。▼20年前「水域」登場の衝撃が忘れられません。『チベットのラッパ犬』は奇妙なリアリズムを久しぶりに堪能できます。▼幼児を抱えたお母さんが「わたしは「悪」と戦っているのです」と言い、叫ぶ。これを体勢を整えて受け止める子ら。このシーンの緊張感で、『「悪」と戦う』に参ってしまったのですよ。障害児を持つ親として?ゲンちゃんの苦悩は続く。▼女の身でありながら蒔絵職人として一途な思いを内に秘める主人公の、芸と男のはざ間で揺れ動く心理。『麗しき花見』は一流の域に達した乙川の新作。▼黒井千次、古井由吉息は、ともに老いを描いて苦しい作品。年齢を重ねるということの孤独と悲しみは、こちらにも事情はあるが、同じように年を取った相手方にはもっと深刻な事情があるのです。▼今年の川上作品はいささか平坦な感じが、しかし、迷惑かも知れぬ女の一途な思い込みはしっかり書かれています。▼番外は、三遊亭歌笑と林芙美子の評伝。ともに読み応え充分の作品です。





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Last updated  2011/01/01 11:19:57 PM


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