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about progballerina(はらだつとむ)

1971年生まれ、プログレッシブ・ロック歴 - 中学の頃からなのでかれこれ30数年、
プログレをこそこそ聴きながらパンクバンドでギターを弾いてた学生時代、
プログレをこそこそ聴きながらディスコでユーロビートに陶酔していた青年期を経て、
プログレをこそこそ聴きながらDTMでテクノを演る現在に至る、
しかし、じつを言うとほんとはポール・サイモンとペット・ショップ・ボーイズが大好き!、雑多で不届き者なグレヲタ中年男子です、
最近じゃすっかりミオラーです、メンヘラです、でもってドルヲタKissBee中山星香推し、
──
プログレの名盤の感想を書いてます、
たまにレビューどころか感想ですらなく、なぜかコラム化して好き勝手なことを徒然なるままに書いてたりもしますのであしからず、
──
便宜上PROGRESSIVE ROCK CHANNELとタイトルしていますが、実質はEUROPEAN ROCK CHANNELと思ってください、
ユートピアだとか四人囃子だとか、欧州以外のプログレも好きでよく聴いてるのですが、このブログでは欧州しばりをルールにしています、
とくに深い理由はないんですが、そのほうが統一感があってカッコ良い気がしたのでそんなルールに、
逆に欧州であれば「ちょっとこれはプログレじゃないかも」といったものも平気で扱いますけど、
雰囲気的にはプログレ・ヨーロッパ紀行な感じを目指していますよ、
ユーロ・ロック・奥の細道とも言うかも(??)、
(注:イギリスあたりもユーロ圏に含めてます)、
──
このブログの目的はタバコの増税分をなんとかアフィリで補うことと、
現在の音楽シーンのダウンロード販売への微力ながらせめてものカウンター、
音楽はジャケットとともにアルバム全曲を楽しもうよ、という想いなのです、
ノスタルジーだけじゃないもん!、
アルバムジャケットをただのちっちゃなアイコンだけの存在にするな!
ほんとそれ、
──
さらにこのタンブラーでいまどきにいちいち時間をかけて長い文章を書いているというのも、今となっては古き良き時代のテキスト主体ブログを守る!という力のひとつになれればいいな、なんて想いもあって時代に逆らってます、
ビバ!カウンター精神!、
非喫煙者は敵とみなす!、いやジョークっすw、
──
追記:2016年7月より禁煙なう、いや~病気には勝てないです、入院にのどの手術なんかもしましたよ、
時代に抗うのをやめて禁煙ブームの波に飲み込まれたってわけではけして…、
──
お便りはこちらまで、
ballerina2106@gmail.com
ありがちですが「@」を半角に変えてください、


LINK

プログレ盛りだくさんのCDオンラインストアです、読み物も充実してて見てるだけでも楽しい、、、



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MEZQUITA - RECUERDOS DE MI...

MEZQUITA - RECUERDOS DE MI TIERRA

メズキータの故郷の思い出(‘79スペイン)。メズキータというのはスペイン語でモスク、つまりイスラム教の礼拝堂のことだそうだ。荒涼とした土地に佇む礼拝堂を模したジャケ。大地は割れ、月の光に浮かび上がるその姿は朽ち果てる寸前のように見える。デカダンス、、、

このメズキータというグループはスペインのアンダルシア地方コルドバ出身。ちょっと検索してみるとコルドバはスペイン南部のアンダルシア州にある都市で、コルドバ県の県都です。古代ローマ帝国の重要な都市として発展し、中世時代はイスラム王朝の主要中心都市として繁栄しました。西暦 784 年に建てられた巨大なモスクのメスキータはこの街で最も有名な建物で、円柱が立ち並ぶ礼拝の間とビザンチン様式のモザイク装飾が特徴的です。その後 1236 年にカトリック教会となり、17 世紀にはルネサンス様式の身廊が増築されました。とのことです。故郷の思い出という邦題に納得です。ただし画像検索にかけると退廃的なジャケとはまるで別モノの荘厳で立派な巨大モスクが…、、、

さて、そんな歴史を紐解きながら針を落とすと(CDだけど…)、中近東音階を想像させるエキゾチックなシンセの音色に哀愁のフラメンコギターが絡み付き「嗚呼、これがコルドバの土着感なのであろう」と。イスラムとスペインの音が混ざり合っているのだ。この異国情緒がじつに気持ち良い。そしてこのメズキータというグループはそれだけではない。手数のやたら多い超高速ドラムが引っ張るように怒涛のハイテンションが、これまたスパニッシュギターとエキゾチックシンセとハイテクベースが畳み掛けながら緊張の糸を切らすことなくハイテンションを最後まで持続させていく。ボーカルもまるで熱風を浴びたかのように熱唱。これは私のような異国情緒派も、はたまたテクニック重視の技巧派をも絶対満足させる傑作です。コルドバ、面白いな、、、



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Fantasy - Paint A...

Fantasy - Paint A Picture

長らくコレクターズアイテムとしてほとんど都市伝説のように語られていたファンタジーのペイント・ア・ピクチャー(‘73英)。この私も90年代にたぶん月刊誌メタルギアだったと思いますがプログレ特集が組まれこのファンタジーが紹介されていて、捜索リストの中に追加、埃まみれの中古レコード店で漁りまくっていましたが結局捕獲できなかった想い出が。怒涛のCD化ラッシュとAmazon等の通販の台頭により今はクリックひとつで自宅に届くっていう良くも悪くも凄い時代になったなあ、としみじみと想う、、、

↑メタルギアだったかどうかは記憶違いの可能性もあります。ただ記事は2色刷りのページで、その2色のイメージからLPを1枚1枚めくって探し出すっていうね。もう、指が埃っぽくなっちゃって「早く帰って手ぇ洗いてー」なんて思いながらも『F』の欄を全部チェックするまで離れられない、そんな時代でした、、、

さて老害の想い出話はこのくらいにして、バンド名のファンタジー、アルバムタイトルのペイント・ア・ピクチャー、そして幻想的なジャケのイメージからゴリゴリの物語性を追求した深いリバーブによる幻想ファンタジー作品かと想像してましたが、聴いてみると意外なほど牧歌的かつタイトな演奏で「あれ??」て思ってしまう。ともすれば気付けないほど自然な流れでリズムチェンジさせてみたりと、じつはかなり高度な作曲能力と演奏力を持ったバンドであることが分かる。ハモンドオルガンの音色はレスリーを回し過ぎず、うっすらと微ファズをかけたギター等派手さはないものの「いやー、絶妙ないい音してんなー」とまるであまりにも透き通った透明スープのラーメンのような調味料で誤魔化さない出汁の旨味にも似たシンプルな味わい。ああ、これが都市伝説的に語られる程の傑作としての所以であるな、と納得、、、

メロトロンも決して大洪水ではなく、自然にそこにある、ていう感じ(それだけにボーナストラックのBeyond The Beyondのラストには「ギョッ」としてしまうんですがw)。この自然さを地味ととるかスルメ的な味わいととるかで大きく評価が分かれるかとも思われますが、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニの幻の映像あたりと比較してイタリアの情熱と英国情緒の違いを実感してみるのも面白いと思います、、、

とにかく何度も噛んで沁み出る出汁を味わって欲しい作品でありますよ、、、



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Pulsar -...

Pulsar - Halloween

ピュルサーのハロウィン(‘77仏)。なんとも官能的なジャケ。良からぬ妄想をしてしまいますな。このジャケットがどんな意図を持ってデザインされたのかはよく解らないんですが、なんというか近親相姦的なものに見えちゃうのはわたしだけ?。イッツ・ア・シン!。つうかこのジャケとハロウィンというタイトルがまったくマッチしていない気がしてならないんですがどうでしょう?。しかも裏ジャケはもっと意味解らないです。まあ、できれば実物を手にとってみてください。世俗の規範から外れ罪深い淫夢に耽るのも悪くはないのかも知れない。カトリック教会へのレジスタンス、ワレリアン・ボロズウィックのインモラルな世界観ですな、、、


ハロウィン、あるいはハロウィーン(英: Halloween または Hallowe'en)とは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習などがある。

キリスト教の祭ではない。ハロウィンに対してはキリスト教からは容認から批判まで様々な見解がある。

──Wikipediaより抜粋──


さてさて、音楽。レコード時代のA面1曲、B面1曲ていうプログレッシャーが一番萌える大作主義。とは言っても大仰な静と動の対比が織りなす一大絵巻という感じではなく厳かな静寂リバーブがじつに心地良い空間音楽です。宇宙を漂うようなスペーシーさと牧歌的な素朴さ叙情性に不吉な予感をさせる暗黒めいた音色。ダウナーな魅力に体をあずけるように耽美な世界観に溺れ沈んでいく。雰囲気もんではありますがこの堕落的な感覚というのが最上級の悦びなのであります。フルートやメロトロン、時代を押さえるべきところはきちんと押さえてるのですが、こちらの聴覚がゲシュタルト崩壊してしまうところも大変にグッジョブ。そういやこの歌詞は英語?仏語?、、、



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Keith Tippett Group - Dedicated To You, But You Weren’t...

Keith Tippett Group - Dedicated To You, But You Weren’t Listening

キース・ティペット・グループのデディケイテッド・トゥー・ユー(‘71英)。キース・ティペットというひとはご存知だろうか?。ここを読んでいるひとにとって一番なじみ深いとすればクリムゾンのキャットフードでの変態的なピアノプレイであろう。一瞬子供が適当に鍵盤をバンバン叩いているだけにも思えてしまうが当然そんなことはなく、このアドリブプレイがとてつもなく凄い。聴いたことのないひとは、テレビ番組でのライブ映像があがっているのでぜひご覧いただきたい↓、、、


まあ、ライブではなくアテフリではありますが、キース・ティペットのピアノのハジケ具合は分かってもらえたと思う。この曲ですがビートルズのカム・トゥゲザーのパクリだとか言われてますが、たしかにベースラインなんかもうほぼそのまんまだったりして、言い逃れできないほど似ているのですが、ティペットの変態プレイにすべてを持っていかれてしまうので、パクリだなんだなんて関係なくなってしまう。それほどにこのピアノが凄いんです。ちなみに個人的にはパクリではなくビートルズに対抗してわざと似た曲を作ったんじゃないかと思ってますが。アンサーソング的な、、、

さて私的Tシャツにしたいアルバムジャケット1位です、これ。女性は子宮で考えるなどと言いますが、もはや脳が子宮になっちゃって胎児に支配されちゃった、ていう。脳も子宮も脊髄の末端ですから当然のごとく繋がっているので女性の精神というのはこのジャケットのような状態なのか、と。男がチ〇コで行動するのといっしょですな。いや、違うか。まあ、そんなことは置いておいてこのデザイン単純にカッコイイですよね。じつはロジャー・ディーンということを、じつは最近になって知りました。あんまりぽくない。でも良いデザイン、、、

さてさて音楽。各プレーヤーの出処はググってもらうとして、出来上がった音楽はとにかくカッコイイ。ティペットの変態ピアノ、ブラス隊、リズム隊、ジャズ寄りのロックというよりロック寄りのジャズ。「ああ、自分もこんなふうに思うままに自由に演奏できたら楽しいだろうなあ」てほんと思う。そう、自由なのである。ロックだとかジャズだとかそんなこときっと意識してなくて思ったまま感じたままのプレイが詰まっているのだろう。もちろんここまで来るのにとてつもない鍛錬を積んでいるに違いない。そうして届いた自由は気持ち良くノリノリでカッコイイのだと。デジタルに支配されない時代の貴重な遺産である、、、



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Illusion - Out Of The...

Illusion - Out Of The Mist

イリュージョンの醒めた炎(英'77)。高校生の頃に地元の中古レコード店(←今や伝説AMBUSH土浦&つくば!)でLPをジャケ買いし部屋の壁に飾っていたのが思い出される。闇の中に浮かび上がるこの幽玄な佇まい。フロイドの振り返る牛と並んで大好きなジャケである。真っ暗なステージで赤いライトに照らされ冷静さと熱の同居したジェーン・レルフ様の姿はまさに邦題-醒めた炎-にぴったりではないですか。この人知を超え神々しく美しいジャケットにはひれ伏すしかない。神のようななにかが憑依したとしか思えないのである、、、

─ キース・レルフの遺志 ─
キースはヤードバーズ解散後に色々としてルネッサンスを結成。メンバーには妹のジェーン・レルフも在籍しクラシックとフォークロックの融合を目指したサウンドで2枚のアルバムを残すも尻つぼみに解散。その後メンバーを一新しキース不在の新生ルネッサンスが誕生。そして成功を収める。そのころキースはブルースロックのアルマゲドンを結成。アルマゲドンはヤードバーズ時代よりもさらにハードな音楽性だったが成功とまでは言えず、たった1枚のアルバムを残して解散。自身不在で成功を収めたルネッサンスを横目にやはりフォークロックとクラシックの融合を諦めきれないキースはオリジナルのルネッサンスのメンバーを招集し新グループを計画。がしかしそんな時に不慮の事故によりキースは命を落としてしまう。自宅でギターを弾いているときに感電死してしまったのだ。残された妹ジェーンを含むオリジナル・ルネッサンスのメンバーはキースの遺志を継ぎイリュージョンとして活動する、、、

おそらくここを見ているひとはだいたい知っていると思うのでざっくりです、、、

しかしギター演奏中の感電死って…、、、

さて音楽。記憶の中の印象として暗く耽美系なイメージが強いのですが、改めて聞き直してみると意外にもバラエティに富んで様々な曲が収録されている。4曲目ソロ・フライトに至ってはドラム兼ボーカルのジム・マッカーティの声質も含めてかなりコロシアムっぽいファンキーさ。それでも全体のイメージはやはり暗く耽美系である。おそらくはジェーン・レルフのあまりに切ない歌声によるものが大きいと思われる。ジムとジェーンの声はもちろん非常に相性が良いのだが、やはりジェーンのインパクトが勝っている。1曲目の名曲イサドラなんてジェーンのソロ曲かというイメージだったが、聞き直してみると、なんと歌い出しがジムであったばかりでなく主旋律自体がジムなのである。そんな勘違いをしてしまうぐらいにジェーンの歌声は切なく儚い強烈なインパクトなのだ。それにしても美しい曲だ。流麗なピアノに泣きのギターソロ。なんとも胸を打つ。オリジナル・ルネッサンス時代のカバー曲フェイス・オブ・イエスタディ等キース・レルフの遺志とはこの暗さと耽美な音世界にあったのかなあ、などと想像。時は1977年パンクの時代にこれを演るっていうのが「そりゃ売れないよなあ」と思ってしまうが、実際イリュージョンもたった2枚のアルバムを残し散ってしまう。なんとも非業の死的な哀愁まで含めてマイナーな魅力に溢れているではないですか、、、



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Itoiz -...

Itoiz - Ezekiel

イトイスのエゼキエル(スペイン'80)。あまりにも郷愁的でセピアなジャケ。退色の加減が絶妙です。廃駅のホームに腰掛け、来るはずもない汽車を待つ。この哀愁漂うデカダンな寂れ具合がじつに素晴らしい。旅の男はなにから逃げ、なにを待ち、なにを探し求めているのか?。孤独とは?、、、

いつから廃駅となったのか、腐りかけた木柱が流れていった時間を静かに物語っているかのよう。この駅にも労働者たちでごった返した瞬間があったのだろう。そうか、もう解体すらしてもらえないのか。時代って…、、、

と、ジャケを眺めているだけでセンチな気分になってしまいますが、音楽のほうも負けず劣らずの哀愁を携えています、、、

さてイトイスですが、スペインのバスク地方出身、他のヨーロッパとはまるで異なる言語と独自の文化を育んだ地域とのことで、いわゆるスペインのフラメンコロックの趣はまったくありません、、、

全体の音像としてはフォーキーなシンフォニックロックといった印象。中でも特に際立っているのは英語ともスペイン語ともまったく違う語感のバスク語のボーカル。朴訥と語るように歌う、あまりに素朴な歌声と相俟って浮世離れした異境感がハンパないです。さらに子供達の合唱やら戯れる声、さらにさらに女性ボーカルなんかも入ってきて、この女性ボーカルがじつに美声で丁寧に歌い上げたかと思うと、ジェーン・ソレンティか?ケイト・ブッシュか?と思うような鬼気迫るスキャットを繰り出すという。この方、バスクの有名な女性歌手の方なんだそうです。素晴らしい、、、

インストのほうは爪弾くアコギが主体であり、そこにサックスやフルートにバイオリン、ピアノにハモンドとジャズロック的な演奏。ジャケのイメージも手伝って物悲しい哀愁を帯びたサウンドが支配していて、この荒涼感があまりに心地良い。派手さがなくCDをいつまででもリピートさせて聴いていられる素朴さが魅力。なんなら1980年にこんな純朴なアルバムが出ていたということに驚きます、、、



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Novalis -...

Novalis - Sommerabend

メロンソーダの向こう側のような緑基調が美しいジャケ。『あの夏に…』感に溢れています。あなたにもきっとあるでしょう、ソーダ水を覗けば甦る儚くも美しいあの夏の想ひ出。忘れることのできないあの夏の体験。このジャケを眺めているだけでそんな感傷に浸っちゃいます、、、

わたしの13歳の夏の話は置いておきますがw、、、

そう、誰しも特別な夏があった。それをストリングス・シンセの清涼感あるサウンドに乗せたノヴァリスの過ぎ去りし夏の幻影(‘76独)。リズム、メロディ、すべてがメランコリックな想いに耽っている傑作です、、、

プログレッシャーには嬉しい大作3曲という構成でありながらどの曲も言ってしまえば似たり寄ったり。にもかかわらずまるで飽きさせないのはメロディセンスの良さと『あの夏』という明確なコンセプトによるもの。このコンセプトを体現しているのは、先にも書いたキラキラと輝く水滴のようなシンセストリングスの音色と郷愁を誘うアコースティックギター。ジャケまで含めてイメージだけで押し込んでしまう力業とも言えますが、ここまでやってくれれば文句もありますまい。アオハルかよ!、、、



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Il Paese Dei Balocchi - Il Paese Dei Balocchi
イル・パエーゼ・デイ・バロッキの子供達の国(伊'73)。グループ名かつアルバム・タイトルにもなっている"Il Paese Dei...

Il Paese Dei Balocchi - Il Paese Dei Balocchi

イル・パエーゼ・デイ・バロッキの子供達の国(伊'73)。グループ名かつアルバム・タイトルにもなっている"Il Paese Dei Balocchi"とは"おもちゃの故郷"という意味だそうだ(2004年リリース時のライナーノーツより)、、、

蜂の巣パッチワークがじつにノスタルジックなジャケ。これはなんでしょう??おばあちゃんが作ってくれた巾着袋っぽくもわたしには見えます。とにかくいかにもハンドメイドな雰囲気は郷愁的で童話の中のような世界観ですらありますね、、、

さて、そんなジャケからわたしが勝手に想像していた"子供達の国" 、

──古(いにしえ)から伝わる村の伝説、森に消えゆく子供達、そんな神隠し事件を追いかけ森の奥深くへと進んでいった男が見つけた子供達の国の真実…──

ずっとそんなようなことを夢想しながら聴いていた本作ですが、ライナーノーツを丸写しさせてもらうと、

──本作はコンセプト・アルバムになっており。LPのA面では、主人公が理想の世界、理想の人間像を捜し求めて旅に出る模様を描いている。LPのB面では、理想の世界に辿り着いたものの、そこに待ち構えていたのは幻想だったということに気づき、夢と希望が崩れ去っていく模様を描いている──

とのこと。うむ、ライナーノーツというものもたまには読んでみるものだ、、、

さてさて、音楽。ハモンドオルガンの轟音リフが強烈なロックパート、メロトロンもシンセも使わず生の弦楽隊による厳かかつ耽美なパート、と両極端に分かれている。そう、誰もがギョッとしたであろう1曲目途中での切り返し。レコードの時代だったら針が飛んだんじゃないかと疑うほどの唐突な切り替え(いや、CDの時代でさえレーザーが飛んだと思うほどだった)に違和感どころか不気味な不安感に苛まされたに違いない。この得体の知れなさにわたしは神隠し的なホラーを感じてしまっていた。アコースティックギターと歌が入ってくるとイタリアンロックの静のパートらしさを感じるものの、全体的にはイタリアらしいいかにもな熱は感じられず、むしろスカスカで奇妙なほどの低温な音である。もちろんこの低温さが聴けば聴くほど魅力に感じるのではあるが、サウンドのボリュームと反比例する隙間は謎でしかなく神域に触れてしまったかのような寒々としたオカルティックな雰囲気なのだ。そしてイル・パエーゼ・デイ・バロッキのメンバーたちはこの傑作一枚を残したのみで、その後誰も大成することなく1970年代の森の奥へ消えていったというのも、どこか象徴的なことのような気がしてならない。聴くべし!、、、



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Akritas -...

Akritas - Akritas

アクリタスのアクリタス(‘73ギリシャ)。ジャケの「AKPITAΣ」は「AKRITAS」のギリシャ語表記と思われます。宇宙空間に投げ出された寝間着姿の少女ジャケはインパクト抜群。夢の世界か?悪夢にうなされ非現実世界へと放り出されたのか?。ポジティブともネガティブとも判別つかないのは狙いすましたトラップなのか?。とにかく脳にこびりつく傑作ジャケと思います、、、

聴けば、これがバルカン半島最南端の辺境、いや偏狭とも言える垢抜けなさなのか、と思えるような独特の違和感。しかしこれが天上天下唯我独尊の強烈な魅力としてこのアルバムを傑作たらしめている、、、

この違和感、具体的にどかが?と言葉で表現することはなかなかできない。EL&Pのようなキーボードリフがあったり、オザンナのような呪術的な土着感もあったり、フロイドのように大風呂敷をひろげたトータルコンセプトであったり、なんというか他のロック先進国からの影響というのは物凄く感じる。にもかかわらず違和感がハンパないのだ。鍵盤ロックにサイケなギター、手数の多いドラム、EMSやモジュラーシンセ等を使ったサウンドエフェクト、いやそういうことではない。隠そうにも隠せない、もっとにじみ出てきてしまうような違和感だ。たった1枚のアルバムを残して消えていったアクリタス。『狂気』にはなれなかった本物のダークサイド。この違和感の答えは聴き出せぬまま、それでもプログレマニアによって聴き継がれる影の傑作アルバムである、、、

とまあ、うっかり語ってしまいたくなる大傑作なんですわ、、、



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The Enid - Aerie Faerie Nonsense : Original...

The Enid - Aerie Faerie Nonsense : Original Version

時代は21世紀、オーケストラの演奏がノートパソコン1台で再現できる時代である。どこぞの素人がベッドルームで入力したMIDIデータを無料で配布している時代なのである。そこそこのソフトシンセで再生させれば本物のオーケストラと聴き紛うほどのリアルなサウンドだ。しかし時は1977年である。「オレは反キリスト!他人なんかになにも感じねー!」てな時代にアナログシンセのミルフィーユでオーケストラサウンドを構築した男たちがいた。エニドのエアリー・フェアリー・ナンセンス:オリジナル・ヴァージョン(英'77)、、、

妖精と言うよりも…、はて??人間か?人形か?水死体か?などと思ってしまうジャケ。永遠の美を封じ込めたかのようなジャケ写にうっとりしてしまいます、、、

音楽のほうは、妖精に扮したバレリーナがロイヤル・オペラ・ハウスのステージを舞う姿、そしてギターヒーローが髪をなびかせる姿、この躍動感に充ちた美しい映像が脳幹を駆け巡ります。やがてバレリーナとギターヒーローは宙を舞い音楽がクライマックスへとなだれ込む。なんと感動的なことか!、、、

正直なところ、いったいどこまでがシンセでどこからが生楽器の音なのかわたしには判別できないのですが、堅牢なまでのストリングス・シンセの壁による完全なオーケストラサウンドの再現はどこか偏執的で、いったいどんな強迫観念に突き動かされているのか?などと勘繰ってしまったり。ギターソロの音色の美しさ、宇宙的ひろがりを魅せるリバーブ、静と動のコントラスト、なにからなにまで秀逸であります、、、

大人な事情によって再録ヴァージョンだったりとかありますが、やっぱりオリジナルですね!、、、



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