2010年10月19日火曜日

Peter Merian Haus_Zwimpfer Partner with Donald Judd

 米出身のミニマリストの代名詞でもあるDonald Juddがファサードのデザイン監修に関わった建築。ダブルスキンで、ターコイズブルーのガラスファサード。これだけのボリュームで、しかもシンプルなのに、実際対峙してみるとその表層の表情が不思議とマッシブさを感じさせない。中の空間構成は明快、中庭が線路側と道路側(Nauenstrasse)に取られている。設計は、Zwimpfer Partnerというスイスの大手組織系事務所。

 Basel Bahnhofの近くにあり、Zurich側からBaselに向かうSBBでは、駅に入る直前に右手に見える。個人的には、ドナルド・ジャッドの最後に関 わった作品ではないかと勝手に思っている。「specific object」を読んでいない状態でJuddを語るのはおこがましいかもしれない。けど、スタックで有名になったJuddだけれども、晩年は、木材やコー ルテン鋼などの素材を使い始め、素材の「さび」のような部分に注目し始めていた彼の視点が少し感じられた気がする。


[Project data]
Architect: Zwimpfer Partner
Client: Bauherrengemeinschaft Bahnhof Ost, Basel
Immobiliengesellschaft Bahnhof Ost, Basel
Dates: planning, projection 1986-1993
construction 1994-2000
Location: Basel, Switzerland

2008年8月24日日曜日

Residential building_Silvia Gmür Reto Gmür Architekten



Residential building

architect: Silvia Gmür Reto Gmür Architekten

Location:Froben strasse 4, 4053 BASEL

 Silviaとその息子Retoが親子で設計したという集合住宅。 

 BaselSBBから徒歩10分ぐらいの所にあります。ストラクチャーは単純ですが、3階部分が全面ガラスになっていて、それがRCの重厚感を軽くしているように感じました。微妙に少 しづつ細くなったり太くなったりしているファサードの柱の表現が、個人的にはかなり好きなポイントです。内部は、中央部分に階段があって両サイドに空間が 分けられています。


 2006年に竣工されたので、まだ英語の本では見かけたことがありません。『NuesBasel』(Braun社)というドイツ語の本には載っていたの ですが。この本は、こういう建築があるというのを知るのには便利ですが、残念ながら写真が全然だめで、全体像を捉えることが出来ません。でも、バーゼルの 建築巡りをしようとしている人には役立つと思います。


 というか、Gmürの発音難しすぎです。。

2008年8月23日土曜日

Woman's Clinic with operating theatres_Gmür/Vacchini


Woman's Clinic with operating theatres



Architect: Gmür/Vacchini(Silvia Gmür/Livio Vacchini)
Location: Spitalstrasse 21, 4031 Basel, Switzerland

 いつだったか、日曜日の新聞(Basler Zeitung)にこの建築とこれを設計したGmür(女性)が特集されていた。Gmür一家は、建築家一家らしい。夫婦と息子、全員が建築家。これを設計したのは奥さん。以前載せた集合住宅は旦那さん。スイスミニマリズムから脱却した、少し遊び心のある面白い建築を作る一家だという印象。

  






 斜めにボイドをとり、地下への採光としている。この三角形のRCが一見単調なカーテンウォールにリズムと締まりを与えている。









 大学の施設の増築で、向かいには、HdeMのRossettiがある。このRossettiを見に来て、向かいにあるこの建築に興味を持った人も多いのではないかと思う。



 この大学病院は、もともと1945年にHermann Baurという建築家によって設計された。これが老朽化のためGmür/Vacchiniによって2003年に建て直された(その際構造は以前の形態を踏襲した)。その後、更に増築されたのがこの建築。(Architectural Guide Basel 1980-2004, Birkhäuser参照 )
 このプロジェクトのクライアントは州立病院、つまりCanton Basel(行政機関)。このように、スイスでは、公共施設の設計も当たり前のようにアトリエ系建築事務所に発注したりする。