光射す
2009年 08月 29日
先日、希望退職制度のことを書いたが、考えた挙句、やはり希望退職制度に応募することにした。
希望退職、とは言うものの、部長から全員に面談があり、人によって、「残ってほしい」「どっちにする?」「あなたのポジションはもうありません」の3通りに分かれるらしい。
私の面談は、「できれば残ってほしい」という温かい面談だったので、残ることもできたのだが、よくよく考えてみると、私のやりたいことは、今ここでやっている仕事ではない。
異動の制度が凍結された今、望むキャリアをここで実現することは非常に難しい。
大嵐が幾晩も続き、揺れに揺れて沈みかけている船から、死ぬのも覚悟で荒海に飛び込み、島があるかもしれない方向へ向かって必死に泳ぐか、半分穴のあいた船に残って決死の思いで船の状態を立て直すべく粉骨砕身するか、の、二択。
失業率過去最悪の中で離職となり、転職活動をするのは非常にリスキーだが、虎穴に入らずんば虎児を得ず。私は結局、前者を選んだ。
毎晩悪夢を見たが、とにかくもうやりたい仕事に向かってバイトでも派遣でも構わないから頑張ってみよう、と思いつつ、覚悟を決めて、部長との二回目の面談の時に、やりたい仕事をやる方向で何としても頑張ろうと思っていることを伝えた。
すると部長から、思いがけない言葉が飛んできた。
「俺の飲み友達の会社が、ちょうど人が抜けて困っているよ。採用もやってるみたいだから、声をかけてみようか?」
びっくりしたが、聞いてみると、この道で知られた大手の会社だ。創業100年の大手。文句はない。むしろ、入れたらいいなぁと思っていたあこがれの会社だ。
早速言われるまま人事に電話し、エントリーし、必死で勉強して筆記試験を2回受け、面接を2回。これが瞬く間に、たった2週間の間で終わってしまい、あっという間に合格してしまった。
選考は非常に大変で、特にテストの勉強で週末中勉強する、ということが2回続いたが、なんとか通ることができた。あとは健康診断を受けて、条件提示を待つのみだが、今回の場合、年収は悪くても別に全く問題ない。
今月の初めから動き始めて、2週間でもう次の転職先が決まってしまった。話をつないでくれた部長はとても喜んでくれ、事情を話していた周囲の同僚も、あまりのスピード選考にびっくりしていた。
10/1から、私は早速次の会社に移ることになった。上司はおそらく、部長の飲み友達。一次面接で会ったら、今の会社にいそうな、年齢よりずっと若く見える、エネルギッシュな人だった。
まるで、荒海に飛び込もうと、船の甲板で懸命に精神統一をしていたら、あっという間に救助ヘリが来て、なわ梯子に一心につかまって半日歯を食いしばって耐えて、救い出された…というような感じ。
これで私は、異動前のキャリアよりもさらに1歩進む形で、専門職としての仕事をしっかり身につけられる環境に移れることになった。しかも前よりも、やれる仕事の質も規模も上がる。夢のような本当の話で、自分でも驚いている。
この1年、どこを見ても八方ふさがりで、なぜそういう状況になったのか、悩み苦しみ続けたが、その苦労が報われて、歯を食いしばって仕事をしている姿を評価してくれた部長からの紹介が縁で、あっという間に解決した。
その会社が採用を始めたのは最近だから、おそらく、去年異動したての時に動いても入ることはできなかっただろう。苦しみぬいた末のタイミングだったから、この縁をつなぐことができた。
不思議なこともいろいろあった。
部長との面談を控えた前日、夢を見た。夢の中で、私は困難にさらされて逃げまどうが、行く先々で、誰かがやってきて手を差し伸べてくれる。みんなが私の味方、という夢。
そして、新しい職場の最終面接の前の日の夢では、私の母方の祖母と、小さい頃に私をとてもかわいがってくれた祖母のお姉さんの二人が、昔のままの祖母の家にいて、帰ってきた私を笑顔で迎えてくれた。歓迎してくれて、お茶を飲ませてくれた。
両方とも、姑さんがその話を聞いて、いい兆候だろうと言った。姑の言ったとおり、やはり幸運がやってきた。
人生は不思議だ。仕事でここ1年は何もいいことがなかったのに、皆既日食から太陽が再び射すかのように、心配事が急に消えていった。
あとは、ここに残る仲間に少しでも迷惑をかけないよう、きれいに出て行くだけだ。
友人から、「連打屋ちゃんは時々、ものすごい運の引き寄せ方をするよね。結婚もそうだし、今回の転職もそう。」と言われた。
確かに、念じればかなうのかもしれない。ただそのために、とても長い時間、歯を食いしばる必要はあったが…
退職までは少し有給も使える。9月には、実家に戻ってしばらくゆっくりしようと思う。
希望退職、とは言うものの、部長から全員に面談があり、人によって、「残ってほしい」「どっちにする?」「あなたのポジションはもうありません」の3通りに分かれるらしい。
私の面談は、「できれば残ってほしい」という温かい面談だったので、残ることもできたのだが、よくよく考えてみると、私のやりたいことは、今ここでやっている仕事ではない。
異動の制度が凍結された今、望むキャリアをここで実現することは非常に難しい。
大嵐が幾晩も続き、揺れに揺れて沈みかけている船から、死ぬのも覚悟で荒海に飛び込み、島があるかもしれない方向へ向かって必死に泳ぐか、半分穴のあいた船に残って決死の思いで船の状態を立て直すべく粉骨砕身するか、の、二択。
失業率過去最悪の中で離職となり、転職活動をするのは非常にリスキーだが、虎穴に入らずんば虎児を得ず。私は結局、前者を選んだ。
毎晩悪夢を見たが、とにかくもうやりたい仕事に向かってバイトでも派遣でも構わないから頑張ってみよう、と思いつつ、覚悟を決めて、部長との二回目の面談の時に、やりたい仕事をやる方向で何としても頑張ろうと思っていることを伝えた。
すると部長から、思いがけない言葉が飛んできた。
「俺の飲み友達の会社が、ちょうど人が抜けて困っているよ。採用もやってるみたいだから、声をかけてみようか?」
びっくりしたが、聞いてみると、この道で知られた大手の会社だ。創業100年の大手。文句はない。むしろ、入れたらいいなぁと思っていたあこがれの会社だ。
早速言われるまま人事に電話し、エントリーし、必死で勉強して筆記試験を2回受け、面接を2回。これが瞬く間に、たった2週間の間で終わってしまい、あっという間に合格してしまった。
選考は非常に大変で、特にテストの勉強で週末中勉強する、ということが2回続いたが、なんとか通ることができた。あとは健康診断を受けて、条件提示を待つのみだが、今回の場合、年収は悪くても別に全く問題ない。
今月の初めから動き始めて、2週間でもう次の転職先が決まってしまった。話をつないでくれた部長はとても喜んでくれ、事情を話していた周囲の同僚も、あまりのスピード選考にびっくりしていた。
10/1から、私は早速次の会社に移ることになった。上司はおそらく、部長の飲み友達。一次面接で会ったら、今の会社にいそうな、年齢よりずっと若く見える、エネルギッシュな人だった。
まるで、荒海に飛び込もうと、船の甲板で懸命に精神統一をしていたら、あっという間に救助ヘリが来て、なわ梯子に一心につかまって半日歯を食いしばって耐えて、救い出された…というような感じ。
これで私は、異動前のキャリアよりもさらに1歩進む形で、専門職としての仕事をしっかり身につけられる環境に移れることになった。しかも前よりも、やれる仕事の質も規模も上がる。夢のような本当の話で、自分でも驚いている。
この1年、どこを見ても八方ふさがりで、なぜそういう状況になったのか、悩み苦しみ続けたが、その苦労が報われて、歯を食いしばって仕事をしている姿を評価してくれた部長からの紹介が縁で、あっという間に解決した。
その会社が採用を始めたのは最近だから、おそらく、去年異動したての時に動いても入ることはできなかっただろう。苦しみぬいた末のタイミングだったから、この縁をつなぐことができた。
不思議なこともいろいろあった。
部長との面談を控えた前日、夢を見た。夢の中で、私は困難にさらされて逃げまどうが、行く先々で、誰かがやってきて手を差し伸べてくれる。みんなが私の味方、という夢。
そして、新しい職場の最終面接の前の日の夢では、私の母方の祖母と、小さい頃に私をとてもかわいがってくれた祖母のお姉さんの二人が、昔のままの祖母の家にいて、帰ってきた私を笑顔で迎えてくれた。歓迎してくれて、お茶を飲ませてくれた。
両方とも、姑さんがその話を聞いて、いい兆候だろうと言った。姑の言ったとおり、やはり幸運がやってきた。
人生は不思議だ。仕事でここ1年は何もいいことがなかったのに、皆既日食から太陽が再び射すかのように、心配事が急に消えていった。
あとは、ここに残る仲間に少しでも迷惑をかけないよう、きれいに出て行くだけだ。
友人から、「連打屋ちゃんは時々、ものすごい運の引き寄せ方をするよね。結婚もそうだし、今回の転職もそう。」と言われた。
確かに、念じればかなうのかもしれない。ただそのために、とても長い時間、歯を食いしばる必要はあったが…
退職までは少し有給も使える。9月には、実家に戻ってしばらくゆっくりしようと思う。
# by rendaya | 2009-08-29 23:42 | 近況