sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

Anker Soundcore AeroFit Pro インプレッション

冬のあいだは丈の長いコートをよく着ていたので自転車に乗る時間があまりとれず、あわせて消費カロリーを稼ぐために通勤時に歩くようにしていたから、オープンイヤー型のイヤフォンを持つ必要性を感じていなかったのだが、先日自転車のタイヤを交換してからまた自転車に乗っていこう、っていう気持ちになり、そうしたらオープンイヤー型のイヤフォンが欲しくなった。移動中に音楽を聴きたいし、でも、自転車に乗っているときには耳を塞いでおきたくない。覚えているのはそこまでで、気がついたらAnkerのSoundcore AeroFit Proを購入していた。Ankerの完全分離式オープンイヤー型イヤフォンである。

オープンイヤー型、といえば、過去にはAftershokz(現: Shokz)のAeropexを持っていたのだが、3年ぐらい使ったらバッテリーの持ちが30分ぐらいになってしまい廃棄した(自分でバッテリー交換できるかな、と思って分解してみたらバッテリーがパンパンに膨らんでおり恐怖。なお、バッテリー交換自体はそこまで難しくなくできそうであったが面倒になってやめた)ことがある。

それで、てっきり「オープンイヤー = 骨伝導」と思い込んでおり、このAeroFit Proも乙伝統なのだと疑わずに買っていたのだった(買ってから骨伝導じゃないことに気づく)。普通のイヤフォンが耳の穴に蓋をして音を再生しているのだとすると、これはその手前で耳の穴に向けて再生している感じ。調べたらShokzの競合製品も同じ仕組みらしい。穴の手前で音を再生している都合、静かなオフィスで使うなら音量は控えめにしないとかなり音漏れしていた……。

難点といえば、それぐらい。もともとの想定ユースケースである「自転車に乗っているときの使用」に関しては、スピードがでていると風切音でなにも聞こえなくなるが、これは、骨伝導タイプでも同じだし、なんなら普通のイヤフォンでもよく聴こえなくなるからやむなしだろう。骨伝導じゃないことによって、獲得している音質の良さ、というメリットも感じられる。骨伝導イヤフォンではどんな音源もFMラジオぐらいの音質にダウングレードしてしまう印象があったのだが、AeroFit Proにはそのような残念さは感じられず、まとまりのある自然な音質が保たれている。もっともカナル型イヤフォンのように低音がダイレクトに鼓膜を刺激するような感覚はないわけだけれど、一方で、AeroFit Proぐらいがちょうど良く感じられるリスナーもいるように思われる。

音質について言えば、音量を大きくすると音がすぐに割れる。ただ、耳の穴を塞いでいない時点で外部の環境音が同時に耳に入ってくる製品特性上、音が割れるような音量で聴くシーンが想像できないので問題ないだろう(普通のイヤフォンで音量をあげなければ再生音が聴こえない環境では、だいたいなにも聞こえない状態になると思う)。

着脱可能なバンドも気が利いている。ヘッドレストがある椅子に座って使用する際に、Aeropexでは後頭部にまわったバンドが邪魔になってストレスだったが、AeroFit Proに付属のバンドはサイズ調整が可能なので、首にほぼ沿わせる形で装着可能。するとヘッドレストとも干渉しないのが良い。しっかりした装着感がほしいユーザーはバンドを使うほうが良いだろう。

また、長時間つけていても耳が痛くならないのも良い。眼鏡と同時に使っているせいもあったのだと思うが、Aeropexでは1、2時間もしていると耳が痛くなっていたが、AeroFit Proでは最大で4時間ぐらい連続でつけていてもそのようなストレスを感じたことがない。さすが、Ankerって感じの完成度の高さ。

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2024年4月23日、あるいは朝から仕事

4時に起きる。朝ジム。胸、腕、腹筋。筋トレの頻度が微妙に不定期なので今日が何の日かわからず、日記の記録が役立った。帰宅して英語……といきたいところだったが作らなきゃいけない資料があったので仕事。

昨晩から気持ちが落ち込んでいるからなのか(悪いことばかりじゃないのだが)ミニマル・テクノのモード。虫の知らせなのか、調べたら今年『Transport』がリプレスされることを知り注文。

 
 
 
 
 
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合間に仕掛かっていた仕上げ金継ぎの仕上げをする。

あっという間に夕方。わずかな休み時間に英語ができたから良かった。小学校からHが帰ってきて相手をしながら仕事。

今日は、冬のセーターを全部洗って、圧縮袋にいれてしまった。しばらくはカーディガンで温度調整。

2024年4月22日、あるいはスーツを見る目

ティム・クック時間に起きる。AI英会話を30分ほどやる。雨なのでこないだ買ったゴアテックスのシューズを履いて出かける。濡れないが少し蒸れる。当たり前か。

sekibang.hatenadiary.com

インプレッション記事も書いておいた。

本を読みながらうとうと電車に乗り、目を開けると目の前に良いスーツをきた若い男性が座って寝ていた。無地のチャコールグレーのほどよく艶のある生地に、ステッチの入り方がラペルの際から3mmくらいのところで入っている。時計ははっきり見えなかったがステンレススティールのダイバーズウォッチ。白地にブルーの太いストライプが入ったシャツに、無地のブルーのネクタイ。ほどよく遊んでいる感じの、マチュアな雰囲気でまとまっていた。土曜日に2度目のスーツをつくりに行ってから、スーツに対するディテールを見る目が備わってきた。

4月に入ってミーティングがどかっと増えて、午前中はほぼミーティングで潰れる状況。あっという間にお昼になっている。打ち合わせのあいまに新しい資料を作り、新しい仕事の打ち合わせをはじめる。悪いこともあれば良いこともある。学びもある。現場にスーツで行ったのは2回ぐらいしかないのに今日は「お、珍しくスーツじゃないんですね」と言われた。謎。

帰宅して朝とまったく同じものを食べて寝る。マシンのよう。

2024年4月21日、あるいは心のざわつき

4時半まで寝る。少し仕事。朝ジムへ。背中。出社時のジム行きを減らすためにタイミングをいろいろ変えてスケジューリングしていく。今日も帰りに少し遠回りして自転車で帰ってくる。プリンスの命日なのでプリンスを聴きながら。2016年4月21日。当時、ある生命保険会社に転職したばかりで、毎日青山一丁目にあるオフィスで前職とのカルチャー・ギャップに苦しみながら過ごしていた頃だ。その日のランチ・タイムに同僚と歩きながら「今朝、プリンスが亡くなったのがショックで……」みたいな話をしたのを覚えている。

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靴を磨く。

革底用のクリームを注文してみる。

Hのリクエストで某所の福岡物産展へ。色々買い込む。

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Hはこの久留米ラーメンが食べたかったらしい。替え玉してしまったがスープはほどほどにしておく。

本屋で立ち読みして震えた。野球星人、大谷翔平の曇りなき意思と歩みが表現されていて素晴らしかった。

Hの本を買って帰る。不注意で車を思い切り擦って凹む。傷ついた気持ちのまま、Hを散髪に連れていく。めちゃくちゃ混んでいた。

終わってディーラーに車を持ち込み、修理の見積もりなどを出してもらう。そんな気分じゃないのに「良かったら、ガチャガチャ抽選会していきませんか?」と言われ苛立つ。30万弱の見積もりがでてきて(また保険使うかどうか微妙な金額……)より「ガチャガチャ抽選会」への苛立ちが高まった。苛立ち、というよりも、心に不快な肌触りのものが触れてざめくような。

夕食後、プリンスのセカンド聴いてて、この頃からギターはめちゃくちゃ上手いんだけど、まだ、「あの」スタイルは確立されてないな、って思う。「Purple Rain」以降なのかな、ハッキリと、ああいう感じになるのは。

「光る君へ」を観て寝る。先週に引き続き、高畑充希の素晴らしさ。auのCMみたいに見えてくるのだが。

Hoka Transport GTX インプレッション

先日の雨の日、いつものHokaのClifton9を履いて、ジムにいってから出勤したら雨が内部に染みて半日ぐらい微妙に嫌な気持ちだった。リモートワークの定着以降、定期的な出勤が自分のライフスタイルから消えていたのでひさびさに感じた濡れた靴下のストレス。それを解消するために気づいたら新しいシューズを買っていた。同じHokaのTransport GTX。GORE-TEX仕様で防水が謳われているタウン・カテゴリーの製品。Amazonの商品紹介では「トレッキングシューズ」ということになっているが……。

GORE-TEX仕様のシューズもいろいろあるが、デザインがスポーティ過ぎたり、重かったりする。するとジムにも仕事にも、というわがままなニーズにマッチするのは難しい。オールブラック(カーキみたいな色のもある)のTranport GTXはこのへんの難しい気持ちにほとんど答えてくれる。デザインはややもっさりしていて、おじさん感はあるし、トレッキング・シューズらしい名残りもあるのだが、重量は普通のスニーカーと変わらないので用途だけ考える分にはまったく問題ない。

履き心地はClifton9のようなふわふわのクッション性はなくやや固め(比べる対象が悪い感じだが、要するに普通のスニーカー、って感じだ)で、Hokaの多くのシューズと同様につま先が反り上がった形状なので、足が前に自然にでる。Vibramソールは、駅の濡れた床でもしっかりグリップする安心感があった。防水性についても雨の日の通勤ぐらいではまったく靴下が濡れることがない(が、そのかわりに少し蒸れる。このへんはトレードオフで仕方ない)。靴紐はデフォルトで結ばなくても良い靴紐とあわせて、普通の靴紐の2種類がついてくる。結ばなくても良いのが地味に便利。雨の日に外歩いてて靴紐ほどけるのって、これもまぁまぁ嫌じゃないですか……。

サイズ選びは、Clifton9の記事でも書いたけど、足幅広い人だったらランニング・シューズを選ぶときと同様通常から1cmサイズ・アップで良いと思う(自分はAdidasなら27cm、New Balanceなら27.5cm。Hokaだと28cmをチョイスしている)。

ってことで、満足度が高い買い物。もともと雨の日に履くようのごっついブーツなんかも持ってたのだが登場機会がますます無くなりそうだ……。

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2024年4月20日、あるいは自転車の日

4時過ぎに起きる。朝ジムへ。胸、腕、腹筋。怒りややるせなさを霧散させるための運動。帰りに自転車で少し遠回りして帰る。道端に停車しているジープに、中高野球部でした、今は飲食店経営してます、風の中年男性二人組がゴルフバッグを積んでいる姿が目に入る。そのうち片方はマルジェラのノーカラージャケットを着ており、ああ、マルジェラってこういう人たちも着るブランドなんだ、と思った。

 
 
 
 
 
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帰宅後、届いていたMac miniのセットアップをする。移行アシスタントを使わずに、毎回最初から立ち上げる派。2時間ほどで大体整う。購入していたケース(4980円もした)はあまりにも色味がイメージと違ったので封印。ディスプレイの影にマシンを隠して運用することで視界から消えてもらうことにした。

車をキレイにする。黄砂? で過去イチ汚れていた。

その後、散髪へ。担当してくれている美容師さんに「こないだ駅で見ましたよ」と言われる。が、言われてた時間に駅にいるケースがほとんどないような気がし「それ、似てる人かも……」という疑念が湧いた。真相は不明。「⚪︎⚪︎さん、雰囲気あるじゃないですか、だから、見間違えないと思うんですけど……」とのこと。

 
 
 
 
 
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ランチを食べて帰宅。レコードを聴く。最近新譜を追えてないなー、って感じなのだが、Bullionの新譜は素晴らしい。ホルガー・シューカイのひ孫、ブライアン・ウィルソンのひ孫、ぐらいの遺伝子を感じつつ、激烈に沁みるエレポップ。

AFFECTION

AFFECTION

  • アーティスト:BULLION
  • GHOSTLY
Amazon

おやつどきに夏スーツを作りに行く。なんか話し込んでたら冬スーツよりも高くなってしまった。

今日の移動はおもに自転車。良い季節で楽しい。

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読了。

斎藤幸平 『マルクス解体: プロメテウスの夢とその先』

正直、本文の8割(え? マジかよ、って感じの誤植が序盤からあって、読んでて「これ大丈夫な本なの?」って思うのだが)『大洪水の前に』となにが違うんだ、って感じ。やってることは「これまでのマルクス学者はマルクスを読み間違えている、評価しそこなっている、出版されていない遺稿や大量のノートを読むと、こんなことが言える!」という学者的な仕事であり、まー、マルクス解釈に興味ある人じゃないと、こんなのまったく興味を持てないであろう……『大洪水の前に』ではマルクスのエコ思想を発掘していたが『マルクス解体』ではマルクスから脱成長コミュニズムを発掘しており、終盤では「テクノロジーの革新によってみんなハッピーになれるんだ!」的なテクノロジカル・ユートピアを批判し、脱成長コミュニズムに従ったポスト資本主義社会を描こうともしている……のだが……別にそのポスト資本主義社会って、マルクスから掘り出さなくてもよくねえ? って感じであって、端的に言って徒労感が多い読書だった。平たく云えば、一部による富の独占はやめて、コンサルや広告代理店みたいな(本書のなかでこうした職業が名指しされているわけではない)ブルシット・ジョッブは捨てて、みんなが得意な領域でコミットしながら、嫌な仕事は平等に分担してやっていきましょうよ、みんな仲良く!! だもんなー。それをギャルソンが好きです、藤原ヒロシが好きです(対談もしてる)って言ってる筆者がいえんのか、っていう。なんだっけ、あの北欧の電気使わないガキのほうがまだ筋通ってんじゃないの、みたいな引っ掛かりが拭い去れない。