散文-ただそこに在る日常の考察-
by she_is_t
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静寂が広がる無重力の海にさっきまでの灰色を全部
放り出す
ひんやりした外気に触れ
クリックまたクリック
他人の様なそうでない様な
手の甲の引っかき傷
ヒリヒリ加減横目に
深夜の水道水で
戯れに顔を
ぱしゃり…
ライン上に蒔かれたさら砂
地下から続く段々に
小さくも鮮明な輝き
傾いて丁度の角度で
数々の調和を贈る
しびれた歯の記憶
消えないうちに
ミルクティー派から
レモンティー派への瞬間移動
薄く薄くスライスした
黄緑が
ペろりと横たえて
ハローハロー
窓際席から流れる時間
回転軸が前後にふたつ
ガラスの向こうに並ぶ文字
だズーチの本日がれこ
だズーチの本日がれこ
ぐっと凝視したらば
マットな黄緑に透けた黄色の粒々の連続が
レモンの表皮を形成していた
あ
これが日本のチーズだ、
か。
込み上げる何かを
遮る獣の群れ
足並み優雅に
ビロードの感触を確かめる
内股かがに股か
取捨選択
5センチ前の後ろ姿から
伺う吐息
誰かが
ハーフカットのレモンを硝子のボウルにねじ搾る
ざくざく
灯る痛み
リトマス試験紙を浸して酸性だと
何色になるんだったか
と言うか
浸したりするものだったか
毛布の中で足を解凍
チンと鳴るまでうつ伏せで
受話器のコードを人差し指に巻き巻き巻き