50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2024-04-29 最も効果的な宣伝

今まで何度か逐次通訳や逐次通訳時のノート取りの講座を担当しました。機会を与えてくれた日本会議通訳者協会 (JACI) やイカロス出版にはお礼を申し上げます。


そうしたときに
「聴衆がいる講演会のような場面での逐次通訳は営業広告の点でとても効果的」
と何回も伝えてきました。

日英通訳では両言語を理解する人が多いので、通訳が効果的かそうでないかもかなり伝わります。英語学習者や英語を使って仕事をする人だといわゆる「粗(あら)」を見つける程度にとどまりますが、通訳者を手配するような人だと今聞いている通訳がどの程度優れているか(あるいはそうでないか)がよくわかります。そして
「これはけっこう良いのではないか」
と感じると、講演後に通訳者のところに来て名刺を求めたり主催者に連絡して通訳をどこで手配したかを尋ねます。


今年2024年は JACI 活動開始10周年を記念して日本の10都市で逐次通訳ワークショップを実施し、これまでに東京・名古屋・大阪・札幌・広島を終えました。私が講師や進行係を担当した会場で上記の効果を伝えたのですが、口に出した効果なのか実際に経験することが続きました。


最近よく一緒に仕事に出る頼りになる通訳者と担当した国際カンファレンスで逐次を担当したところ、終了直後に聴衆のお一人が通訳者席にやってきて名刺交換を、とのことでした。その日の講演内容に直接関係する仕事をしている博士号を持った方。

その2日後に一人でまったく新しい分野で逐次通訳を担当したところ主催者が通訳者と通訳派遣エージェントの名を挙げて感謝を伝えてくれ、複数のさまざまな業界の来場者と連絡先を交換することができました。

こうした機会は広告宣伝として非常に効果的です。通訳を使う人、少なくとも通訳を意識する人が集まっているのでウェブサイトを設けて「待っている」より出会いの確率ははるかに高くなるからです。

「頼んでよかった」
と言われるような仕事をするために少しずつでも技能を高め、関連知識を増やし、顧客が何を必要とするかの理解を深めていこうと思います。


神奈川県大和市のネパール料理店「ハーブストーリー」は繊細で本格的な料理を出します。店主がとても研究熱心。

車内では柿の葉寿司





2024-03-05 10年経過

職業通訳者としてエージェントの名刺を持って初めて仕事に出たのが 2014年3月5日でした。どんな仕事だったか今でも良く記憶しています。この年は 7月末までの業務日数がわずか13日で半ば「開店休業」だったのですが、8月に遠隔地の長期出張が始まって年間の業務日数は91日になりました。

仕事の量はさほど多くなくても、なんとなく
「通訳を仕事として続けていけそうだ」
と感じました。最初の3年間は年収300~400万円程度でした。その後2018年度から売上が急激に増加します(最近では当時の4~5倍になりました)。他のたいていの仕事と同じで基礎づくりの期間が必要なのでしょう。


たまには肉も食べます。



2024-01-22 ちょっとした「山場週間」

内容の濃かった一週間というお話です。


平日3日にそれぞれ顧客と直接契約の通訳業務がありました。うち2件は同じお客さんです。すべて2人体制の仕事なので幹事通訳者の専決事項として同席通訳者への依頼をします。こちらからの打診が比較的早かったこともあり、みなさん予定が空いていて無事に参加してもらうことができました。

今回はたまたま3人が別の方となりましたが、すべて今までの仕事でご一緒したときに連絡先をお尋ねしておいた皆さんです。頼りになる仲間がいるのは心強いことです。


そして週末は日本会議通訳者協会主催の逐次通訳ワークショップに機材運搬(といっても小型スピーカーを運び込むだけ)で参加しました。講師お二人の発言に学習や通訳業務にとってとても大切なことがいくつもあり、聞いているだけでも得をしました。受講者の訳出や質問も積極的で「熱量の高い」二日間になりました。


土曜・日曜にワークショップをしたので月曜日は完全な休日、火曜は在宅で一時間だけ業務、水曜も在宅です。一週間単位くらいで疲れをためないようにしないとどこかで「ぐらり」となりかねません。


横浜駅地下街「ザ・ダイヤモンド」直結の「エキニア」地下にある「西安刀削麺」は好きな店の一つ。排骨刀削麺はあっさりしていながら深みのあるスープにほろほろと肉が外れる排骨(骨付きスペアリブ)が実においしい。

高島屋に出店している「御座候」は意外とヘルシー系?でしょうか。甘みが軽く、小豆と皮の香りが楽しめます。




2024-01-02 あけましておめでとうございます

みなさまあけましておめでとうございます。

私の住む南関東ではおだやかな冬で、元旦も風は強いながらもうららかな日差しでした。

本年もどうぞよろしくお願いします。


昨年2023年はフリーランス通訳者として仕事を始めて10年目を迎え、仕事の種類も量も増えた年になりました。年間の業務回数(複数日の業務は複数と数えて)は404回となりました。おそらくこのくらいが物理的な上限ではないかと思います。

出張は福島県山形県、長野県、群馬県、栃木県、埼玉県、東京都、静岡県、愛知県、広島県、福岡県、台湾でした。現場での業務と遠隔業務が重なることもあり、貸し会議室やホテルは年間で16回使っていました。

日本会議通訳者協会の行事では
・東京逐次通訳ワークショップ(1月)
・日本通訳フォーラム(8月)
で講師・進行を担当しました。通訳フォーラムでは「通訳学校を使いたおす」というセッションを受け持ち、会員には録画を見ていただくことが可能です。


いろいろな業務を経験すれば自分が何をしたいか見えてくるだろうと
「来る者は拒まず」
で進んできた10年を過ごしてきました。今年は仕事を引き受ける時に自分にとって、エージェントにとって、通訳発注者にとってどのような価値が生まれるかを考えてみたいと思います。

2023-12-18 忘年会

一般社団法人日本会議通訳者協会(JACI)主催の忘年会がありました。参加資格は一切なく、通訳者、通訳学習者、翻訳者、通訳/翻訳エージェントといろいろな人があつまってにぎやかでなごやかな会になりました。

料理もなかなか良かったです。まあ、会費が少し高めということもありましたが…。


私はあつかましくもでテーブル間を少し移動してあいさつに回りました(訪問できなかったテーブルのみなさん、ごめんなさい)。

オンラインでよく投稿を見かける方々や、同時通訳グランプリで声だけ聞いた方とお話しできました。その他にも翻訳をしている方、異なる言語組み合わせの通訳者にお目にかかる機会にもなりました。

この場を借りて参加してくださった皆さんにお礼を申し上げます。それから、忘年会の手配をした日本会議通訳者協会の担当理事にも感謝の意を表したいと思います。


会が終わったときのあいさつが
「良いお年を」
であることに改めて月日が過ぎる速さを感じます。

今年はまだ仕事が多く残っていますが、いままでさしたる事故や困難もなかったのはとてもありがたいことでした。


立派なイチョウの木があるところ、夕日の差す山に新しい高速道路ができつつあるところ、古い家や蔵があるところなど…。




2023-11-22 逐次通訳ワークショップ【東京・2024年1月】

一般社団法人日本会議通訳者協会(JACI)が活動開始10年を記念して全国各地で通訳基礎ワークショップを実施します。

ワークショップも充実したものになるのは間違いありませんが、「通訳者による通訳者のための」活動ですので、対面ならではの貴重な情報交換の場にもなると思います。

www.japan-interpreters.org

現在のところ以下を予定しています。

1月20日~21日 東京

2月3日~4日 名古屋

2月17日~18日 大阪

3月2日~3日 札幌

4月20日~21日 広島

5月11日~12日 仙台

5月25日~26日 福岡

6月8日~9日 新潟

6月22日~23日 高松

7月13日~14日 沖縄

7月27日~28日 東京


まず東京実施分のチケット発売が開始されました。豪華講師陣ですね…。

1月20日~21日 東京

 

2023-11-21 二度目の海外出張

久しぶりに仕事で国外に出たお話です。


通訳の仕事を始めて3年ほど経ったとき、意外な縁からインドに出張する機会がありました。その後はドバイやドイツ、ブラジル出張の話がありましたが予定が合わなかったりエージェントが落札出来なかったりでしばらく国外に出ることがありませんでした。


今年になって以前から取引のあるエージェント経由で台湾で日英通訳を提供する仕事を受託しました。台湾には1987年、1988年、2013年に観光で行ったことがあります。2004-2012年に中国語を学習したので2013年の訪問ではすべて中国語でやりとりができました。


そして今年の出張の通訳パートナーはかつて台湾に在住経験のある方。仕事ではありますが、こんなに楽しいことはそうそうありません。業務・業務以外の両方でとても充実した経験ができました。


国際会議場から大通りを渡るだけでこんな店もあります。地元の人に混じって食べるとおいしさもひとしお。