2024/04/19

アナグマの巣穴付近で餌を探すシジュウカラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地をトレイルカメラで見張っていると、昼間にシジュウカラParus minor minor)が現れました。 


シーン0:7/13・午前16:33・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
若い二次林の林床にアナグマが掘った巣穴Rが開いています。 


シーン1:7/17・午前9:47(@0:04〜) 
モノクロ映像で被写体のシジュウカラが小さいので、1.5倍に拡大した上でまずはご覧ください。 
後にオリジナルの映像でリプレイします。 (@2:06〜)
アナグマが巣穴を掘った土砂を外に捨てる際にできる特有の斜面や溝をアクセストレンチと呼びます。 
巣口Rから右に伸びたアクセストレンチで、シジュウカラがピョンピョン跳んで移動(ホッピング)しながら地面をしきりに啄んでいます。 
採食しながら巣口Rの縁ギリギリまで行くものの、巣内には決して侵入しませんでした。 


シーン2:7/17・午後12:04(@1:04〜) 
2時間15分後の正午頃に、右手前に生えた灌木の細い枝にシジュウカラが止まっていました。(赤丸に注目) 
周囲の安全を確認すると、少し奥に生えた細い蔓に一旦飛び移ってから、地上に飛び降りました。 

今度は左側の穴Rlに入り、その少し奥でも採食しました。 
巣口Rの周囲に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根本で嘴を拭ったり、羽繕いしたり、落葉を嘴でめくって虫を探したりしています。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
アナグマの巣穴(現在はタヌキもときどき出入りしている)にシジュウカラが繰り返しやって来る理由は何でしょう? 
監視映像を見ると、昼も夜もハエやアブが巣穴の回りを常にブンブン飛び回っています。 
アナグマが掘った巣穴の中には枯れ草などの巣材が大量に溜め込まれていて、その寝床は幼獣の糞尿で汚れて堆肥状になっているはずです。
私の嗅覚では巣口が特に臭いとは感じないのですが、それに誘引される食糞性昆虫や分解者がいるのでしょう。 
実際に現場検証すると、キイロコウカアブPtecticus aurifer)をよく見かけます。 
アナグマの巣口付近に通うシジュウカラは、キイロコウカアブの老熟幼虫や囲蛹を捕食しているのかもしれません。 


【参考文献】
櫻庭知帆; 小林秀司; 髙﨑浩幸. キイロコウカアブはニホンアナグマを対象とした自動撮影カメラの設置適地を教えてくれる. Naturalistae, 2016, 20: 57-60.


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2024/04/18

ニホンアナグマ家族群による獣道を塞ぐスギ倒木への対処法:くぐり抜け、乗り越え、伝い歩き【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林の中で倒木の横にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phにニホンアナグマMeles anakuma)が登場したシーンをまとめました。 

シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ立木の根本とスギの倒木の間に黒々とした糞塊がこんもりあります。 
夏の林床にはシダ植物が繁茂しています。


シーン1:8/5・午前0:27(@0:04〜) 
深夜にトレイルカメラが起動すると、アナグマの成獣がスギ倒木の下の隙間をくぐって右へ行く様子がちらっと写りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
続けて左から2頭の幼獣が来たので、先行する個体は母親♀だったようです。 
(計4頭の幼獣が居るはずなのですが、残る2頭はカメラの死角を通ったのか、あるいは単独行動をとっているのでしょう。)
まだ体の小さな幼獣は、倒木を乗り越えるのにひどく苦労しています。 
アナグマ母子の群れはタヌキの溜め糞場phには近寄らずに素通りしました。 


シーン2:8/12・午後20:59(@0:49〜) 
7日後の晩にもトレイルカメラの起動が遅れ、倒木を伝い歩いて右下へ行く獣がちらっと写っただけでした。 
顔が見えませんでしたけど、夏毛のタヌキはこんなに丸々と太っていないはずなので、おそらくアナグマの成獣だと思います。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
今回のアナグマ個体もタヌキの溜め糞場phには興味を示さずに素通りしました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。

リョウブの花蜜を吸うイチモンジチョウ♀

 

2023年7月下旬・午後13:15頃・晴れ 

山道の横に咲いたリョウブの灌木でイチモンジチョウ♀(Limenitis camilla japonica)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせは初見でした。 
ゆるやかに翅を開閉しながら吸蜜しています。 
前翅の中室内の白斑が不明瞭ながらもあるので、性別は♀のようです。 
少し飛んで別の花序に移動し、吸蜜を続けます。 
今度は翅裏をしっかり見せてくれました。 

イチモンジチョウ♀がリョウブの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜)

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