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2011年 03月 17日
ええと。どこの吉原ですかこれ。めさくさ価値のある情報だと思ったので、こちらさまから全部転載です。
被収容者を部屋に閉じこめ鍵をかける!――大地震発生時の入管の対処 わたしたちは3月11日(金曜)の東日本大震災での被収容者の状況を調べるため、3月14日(月曜)、東京入管(品川)と東日本入管センター(茨城・牛 久)に行きました。 東京入管では、朝から夕方まで、再入国許可の手続きにきたひとたちの長蛇の列が建物の外の歩道にまであふれていました。地震と原発事故の危険からのがれるために出国しようとする、在留資格のある外国人たちの列です。 いっぽうで、入管には難民認定の申請者やオーバーステイの人たちなど、在留資格のないひとたちが収容されています。被収容者たちとの面会をとおして、地震発生時に東京入管、東日本入管センターとも、被収容者の安全と人権を考えているとはとうてい思えない、きわめて問題のある対処をしていたことがわかりまし た。 茨城県の東日本入管センターでは、11日15時まえの地震のショックで3人の被収容者がたおれたそうです。この日は医者がいなく、看護師が AED(自動体外式除細動器)をつかって、3人を救助したとのこと。 このような深刻な状況にもかかわらず、入管職員は被収容者たちを共用スペースから各部屋に閉じこめ、鍵をかけたそうです。パニックになった人々もいました が、職員は「心配ない」「心配ない」と言って、全員が部屋のドアを叩くまで鍵は開けなかったとのこと。 東京入管でも、同様の対処がなされたようです。東京入管においては、ケガ人等がでたとの事実は把握しておりませんが、被収容者たちはみな、地震のゆれにひじょうな恐怖を感じたと言っています。東京入管は、東京湾の埋め立て地に建てられた建物です。また、収容場は8から11階にあるので、いざというときの避難がむずかしいという不安もあるでしょう。 ところが、職員は被収容者たちに部屋にもどるよう命令したそうです。当然、これにつよく抗議した被収容者たちが多数いましたが、15時から16時のあいだには部屋に閉じこめられ鍵をかけられたとのこと。さらに、収容されたブロックによっては、職員からの地震についての説明すらなかったといいます。 こうした入管側の対処は、考えられるあらゆる対処のなかで、最悪のものといえます。 緊急の避難の必要が予想されるときに、入管はわざわざその避難経路をたつという「対処」をとったわけです。こうした危険な状況で密室にかぎをかけて閉じこめられることの恐怖と精神的なストレスもそうとうなものです。また、もし建物の一部がくずれるなどして救出が必要になったばあいに、鍵をかけることが救出作業のさまたげになるのはあきらかです。 そして、11日だけでなく、いまも午前と午後の「フリータイム」と呼ばれる時間帯以外は、被収容者たちは鍵つきの各部屋に閉じこめられており、共用スペー スにすら出られません。 入管が被収容者の安全と人権をすこしでも考えているならば、けっしてこのような危険な処置をとらないはずです。入管は、被収容者たちを管理し統制すること しか考えていないとしかおもえません。 わたしたちが面会した収容者たちが心配していたのは、ご自分たちの安全だけではありません。すでにみんな東北・関東が地震でおおきな被害を受けていることや、福島の原発がトラブルをおこしていることを知っています。東京入管では、日本から脱出しようとする人たちの列が建物の外まであふれているのが収容場の 窓から見おろせるとのこと。被収容者たちは、被災地や原発の近くに住んでいる家族や友人らのことをとても心配しています。 ところが、11日の地震発生時には、入管側は電話をひとり5分に制限したり、ブロックによっては「家族に電話をさせてほしい」という要求を拒絶したりしたそうです。 被収容者をこのような危険にさらし、精神的な不安をもたらしている入管の震災時の対処をあらためることをもとめるため、わたしたちは東日本入管センターと東京入管に申し入れをおこないました(申入書はこの記事の末尾にのせております)。 東京入管への申し入れでは、処遇部門面会担当責任者の Yさんらと話をしました。 わたしたちが「処遇規則第16条に基づいて保安計画を立て、訓練を実施しているのか?」と聞くと、Yさんは「ちゃんとマニュアルを作っているし訓練もしている」とこたえました。 「では、地震後に各部屋に被収容者を戻らせて鍵をかけたのはマニュアル通りなのか?」と聞くと、Yさんは「保安上の業務については答えられない」などと逃げまわり、マニュアルの内容についての質問にたいし、いっさいの回答を拒否しました。 話の流れからして、被収容者が「フリータイム」で共用スペースに出ているあいだに地震(あるいは非常事態)が発生した場合、房に戻して施錠するとマニュアルにあるとしか解釈できません。Yさんは、「マニュアル」の存在をみとめており、その「マニュアル」のもとで実際にとられた対処が、被収容者の証言では「房に戻して施錠する」だったわけですから。 ここでもまた、法務省と入管に被収容者の安全確保や人権尊重という発想などハナから存在しないこと、被収容者を管理・統制の対象としてしかみていないことを、確信せざるをえません。 法務省が入管法にもとづいて出している省令「被収容者処遇規則」の第17条では、入国管理センター所長や入国管理局局長の権限として、災害時における被収容者の一時解放をみとめています。つまり、入管には、現場の判断として被収容者を「一時解放」して安全なところに避難させるという選択肢があったことになります。すくなくとも、地震の危険が小さくなるまでは、部屋の鍵をあけておくという処置だってありえたはずです。ところが、今回の地震で入管がじっさいにとった対応は、「逃げられないように鍵をかけて閉じこめる」という最悪のものだったわけです。 したがって、今回の件について、法務省はもちろんのこと、現場の入国管理センターおよび入国管理局にも重大な責任があることを指摘しなければなりません。 わたしたちの申し入れや抗議などに対応する入管の職員は、いつも「自分たちは入管法にもとづいて適正にやっている」「処遇規則にのっとっている」とくりかえすばかりで、ろくな回答をかえしてきません。しかし、その「処遇規則」に照らしてさえ、この震災下での入管の対処はひじょうに問題のあるものです。 しかも、東京入管処遇部門の Yさんが事実上みとめたとおり、大地震あるいは緊急事態が発生したら鍵をかけて閉じこめるという「マニュアル」が存在するのだとすれば、入管を監督する法務大臣・法務省の責任も問われなければなりません。 「仮放免者の会」が14日に提出した「緊急申入書」を以下にのせておきます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 緊 急 申 入 書 2011年3月14日 東日本入国管理センター所長 殿 東京入国管理局長 殿 仮放免者の会 今月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに続く事態は「大震災」とも呼ばれる極めて甚大な被害を生み出しました。東日本センター・東京局におかれ ましても混乱の中に週末を迎えられ、今後の事態の進展に備えご多忙の事と拝察いたします。 昨年9月に関西に居住する仮放免者たちを中心に「仮放免者の会」が結成され、続いて関東に居住する私たちは10月に「仮放免者の会」を結成しました。関東 の仮放免者の会では、結成後、二回に渡って法務大臣・法務省入管局長・東京入管局長あてに、仮放免者への在留資格の付与と難民手続きや行政訴訟の結果を もっての再収容をしないよう申入れを行いました。東日本センターに対しては初めての申入れになりますが、本来は長期収容者・重病者・未成年者などに対して 仮放免を速やかに許可していただけるよう、また以前のように3寮5名までの同時面会、仮放免者も日本人や正規滞在者と同じ面会条件に戻していただけるよう 申入れようと検討していました。 私たちと貴センター・貴局とは立場が異なりますので、今後もさまざまな軋轢は生じると思います。しかし、現在生起している非常事態において、私たちは仮放 免された者の事よりも収容されている仲間たちの事を第一に考えざるを得ません。これまでの申入れ事項を脇に置いても、被収容者への適切な対処を切にお願い するところです。 東日本太平洋側での余震や連動して頻発する各地での地震が続き、さらに福島原発の事故も含め、予断を許さない状況にあります。そうした状況にあっても、貴センター・貴局収容場内の被収容者は身体を拘束されており、それぞれの安全確保、さらには生命の維持においても貴センター・貴局の処置に委ねられるところ です。被収容者の安全と生命を守っていただくこと、また非常時に置かれた被収容者の状態にご配慮いただき最大限の便宜を図っていただくことを切望し、以下 の緊急申入れを行います。 記 一、 被収容者処遇規則第十七条に定められた避難や一時解放の可能性も含めて、被収容者の安全、さらには生命を守るために万全の準備と対処をしていただきたい。 これは、非常災害時の判断の遅れや対処の滞りが、貴センター・貴局それぞれに収容された数百名ずつの生命をみすみす死に追いやる危険性すらあるからです。 そのような非常災害が起こらないことを私たちとしても念願するところですが、少なくとも関東地方においては入国管理局設置以降最大の震災の渦中にあるな か、被収容者処遇規則第一条(目的)に記された「人権を尊重」する観点から迅速かつ適切な準備と対処をお願いします。 一、震災が沈静化するまでの期間、一日中開放処遇としていただきたい。少なくとも各房の扉に鍵をかけず、緊急時に被収容者が共用スペースに出られ るようにしていただきたい。現在に至るも地震は頻発しています。さらに福島原発事故などの予期せぬ災害も発生しています。被収容者は、各房に閉鎖処遇されることに強い危機感を感じておりストレスは高進しています。パニック状態に陥った被収容者もいると聞きましたが、誰もがその一歩手前の状態にあると思われます。また関東・東北地方に家族やフィアンセなどのいる被収容者は家族の被災状況や生活状況について心配が募っています。家族の側でも被収容者の置かれている状況について不安を感じています。被収容者、その家族の双方の精神状態を少しでも改善するため、最大限、通信の自由を認めていただきたいところです。 一、関東・東北地方の家族やフィアンセなどのいる被収容者、重病者、歩行困難者について、即刻、仮放免許可を出していただきたい。関東・東北地方 に家族などがいる者は、上記項目にも書いた状況から非常にストレスが高進します。これは本人だけの問題ではすまず、各房・各ブロックの周囲の被収容者にも 悪影響を与え、他者のストレスも増して悪循環となります。また重病者は震災のなかで病状の悪化、さらには治療を継続でるかどうかも懸念されます。歩行困難者は、万が一の場合、本人自身が逃げ遅れる危険性があると同時に、貴センター・貴局による避難や一時解放時の誘導にも支障となると思われます。 以 上 #
by sirokanippe
| 2011-03-17 18:06
| 反暴力
2011年 03月 17日
日付は不明ですが、メールから転載です。
福島県で思い出すのは、プルサーマルに慎重だった佐藤前知事さんを国が冤罪で嵌めて国策逮捕し辞任に追い込んだことですね。この方と支持者の方々の胸中を思うともう……。あと、今日の事態を正確無比に予測し、繰り返し訴えられてきた議員さんたちとその支持者さんたちの胸中を察しようとしても、わたしの想像力と言語能力を超えています(この期に及んで東電は「想定外」って。「情報の無視」と「想定外」って全然意味違う)。原発は地元のコミュニティを無惨に引き裂きます。その中で果敢に闘ってこられた方々……。 検察と戦ってきたひとたちも、間接的にこういう事態を防ぐ方向で戦ってきたといえるのではないでしょうか。日本で民主主義がまともに機能していないからこそ、この事態になったわけで。 いい加減これ、石棺レベルだと思うのですが暢気すぎませんか。 あと極めてどうでもいいことですが天皇京都に逃げたと聞きました。まあ本当かどうかはどうでもいいし、現場に行っても迷惑なだけでしょうが。 以下転載 ◆破局は避けられるか――福島原発事故の真相 広瀬隆 2011年3月11日、東北地方三陸沖地震が起こって、福島第一原発1号機で格納容器内の圧力が異常に上昇し、そのあと建屋が爆発。続いて3号機も同じく爆発。さらに2号機は、格納容器内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)が破損した。 破損が進めば絶望的な破局に向かう。これと並行して、日本人の頭の上に大量の放射能放出を始めた。一体、何が起こったのか。 ○「想定外」の言葉を濫用する電力会社とマスメディアの異常 津波そのものによる天災は、避けることができない。これは日本人の宿命である。 しかし福島原発で起こったこの悲惨な事故は人災である。それを起こした責任者は、電力会社だけではなく、これまで何もこの事態を警告をしなかったテレビと、テレビに出てデタラメを解説している専門家と呼ばれる大学教授たちである。 2011年3月11日14時46分頃、北緯38.0度、東経142.9度の三陸沖、牡鹿半島東南東130km付近、震源深さ24kmで、マグニチュード9.0の巨大地震が発生した。マグニチュードが当初8.4→次に8.8→最後に9.0に修正されてきたことが、疑わしい。原発事故が進んだために、「史上最大の地震」にしなければならない人間たちが数値を引き上げたのだと思う。これは四川大地震の時に中国政府がとった態度と同じである。 地震による揺れは、宮城県栗原市築館(つきだて)で2933ガルを観測し、重力加速度の3倍である。しかし2008年の岩手・宮城内陸地震では、マグニチュード7.2で、岩手県一関市内の観測地点で上下動3866ガルを記録している。今回より大きい。 NHKなどは「1000年に1度の巨大地震」と強調するが、この東北地方三陸沖地震の実害と、原発震災を起こした原因は、津波であった。では、津波の脅威は、誰にも予測できなかったものなのか。日本の沿岸地震では、ほんの100年前ほどの1896年(明治29年)の明治三陸地震津波で、岩手県沿岸の綾里(りょうり)では8.2m、吉浜(よしはま)24.4m、田老(たろう)14.6mの津波高さが記録されている。 「想定外」の言葉を安っぽく濫用するなとマスメディアに言いたい。被害が出たあとに、被害を解析してくれても困る。事故後に、「想定できなかった」ということは、専門家ではない、ということだ。すべて私のごとき人間に想定でき、昨年8月に発刊した『原子炉時限爆弾~大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)に書いたことばかりが起こったのである。電力会社が「故意に想定しなかった」だけであり、想定しなかったその責任は、被曝者に対してきわめて重大である。 ○冷温停止に至っているのは原子炉11基のうち3基だけ 昨年のことから理解しておくべきである。昨年3月25日に、1971年3月26日に運転を開始した福島第一原発1号機について、東京電力は、この原発が40年を迎えるというに、超老朽化原発の運転続行という暴挙を発表し、60年運転も可能だと暴言を吐いて、原子力安全・保安院がそれを認めた。これは福井県の敦賀原発・美浜原発に続く、きわめて危険な判断であった。さらに昨年10月26日、営業運転開始から34年が経過した老朽化原発・福島第一原発3号機でプルトニウム燃料を使った危険なプルサーマル営業運転に入った。 地震発生時の運転状況は、○福島第一1・2・3号機は運転中→スクラム(緊急自動停止)4・5・6号機は定検停止中○福島第二1・2・3・4号機はすべて運転中→スクラム。制御棒が挿入され、核分裂反応は、全機が停止した。しかし…… 地震発生後、原発は「止める」「冷やす」「閉じ込める」機能があるので大丈夫だ と宣伝してきたが、ほかの原発も含めて、自動停止した11基の原子炉のうち、原子炉内の温度が100℃以下で、圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、地震4日目の14日現在、福島第二原発3号機と女川原発1・3号機の3基だけであり、残り8基が迷走運転中である。 ○炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600℃で起こる 電気出力100万kW原子炉では、熱出力がその3倍の330万kWある。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、1万5560kWもある。またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなければならない。 なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内では、熱がどんどんたまってゆくからである。 それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水がなくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。それが炉心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これが「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。 一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化されるので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。原子炉の正常な運転条件は、福島原発のような沸騰水型では、280~290℃、70気圧である。従来は燃料棒の過熱温度が2800℃で炉心溶融が起こるとされていたが、スリーマイル島原発事故などの解析によって、実際には600℃で起こることが明らかになった(2009年7月6日~7日にNHK・BS1で放映されたフランス製ドキュメント「核の警鐘~問われる原発の安全性」)。NHKなどは、御用学者を動員して「史上空前のマグニチュード9.0」を強調しているが、建物の崩壊状況を見て分る通り、実際の揺れは、兵庫県南部地震(阪神大震災)のほうがはるかに強烈だった。この地震被害の原因は、揺れではなく、ほとんどが津波であった。 ○地球の動きがもらたす未曾有の「原発震災」が現実化した 福島第一原発では、地震から1時間後、15時42分に全交流電源が喪失して、外部からの電気がまったく来なくなった。あとは、所内の電源が動かなければ、何もできない状態である。ところがそこに津波が襲って、15時45分にオイルタンクが流失して、さらに配電盤などの配線系統が水びたしになって、内部はどうにもならなくなった。初めは炉心に水を注入するためのECCS(緊急炉心冷却装置)を作動したが、すぐに注水不能となった。非常用ディーゼル発電機はまったく作動しない。電気回路が大量の水を浴びて、配線系統がどうにもならない。コンピューターも何もかも、電気がなければ何もできない。 このような所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力のすべてが失われた事態に備えて、原子炉隔離時冷却系と呼ばれるECCSの一種がある。これは、炉心の崩壊熱による蒸気を利用してタービンを起動させ、ポンプを駆動して注水する装置である。しかし、これも制御機能が失われれば、駄目になる。 そもそも、地震発生当初から、非常用ディーゼル発電機がまったく働かないというのだから、電源車が到着したかどうかに鍵があるのに、その最も重要なことについてさえ、報道されなかった。テレビの報道陣が、いかに原発事故について無知であるかをさらけ出した。 そして1号機の原子炉内の水位がぐんぐん下がり始めた。非常用復水器と原子炉隔離時冷却系によって、何とか水位の復帰につとめたが、格納容器(ドライウェル)内の圧力が、設計上の使用最高圧力4気圧をはるかに上回る8気圧に達している可能性が高く、加えて、除熱ができていないので、水位が下がってゆき、4メートルの燃料棒の頭は、1メートル以上が水の上に顔を出した。 事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない。もうすでに、事故解析の段階は過ぎたようだ。15日昼頃には、敷地内での放射能が通常の360万倍に達した。 テレビでは、コメンテーターも政府もみな、微量、微量と言い続けた。ここまでくれば、みな、おそるべき犯罪者たちである。さらに2号機では、格納容器の破損が起こり、4号機では建屋内の使用済み核燃料のプールが沸騰を始めたという。ここには、原子炉より多くの放射性物質が入っている。作業者が近づけない場所である。福島第一原発の6基のうち、1基がメルトダウンすれば、そこには職員がいられなくなる。すべてを放棄して逃げ出すだろう。あとは連鎖的に事故が起こる。 この発電所には、全部合わせて、事故を起こしたチェルノブイリ原発の10倍を超える放射能があると思われる。あとは、この放射能が無害であると、政府と原子力安全保安院と電力会社とテレビの御用学者たちは言い続けるはずだ。もし日本の国民が愚かであればそれを信じて、汚染野菜を食べることだろう。明日、すぐには死なないからだ。しかし間違いなく発癌することが分っている。津波の被害でみな、泣きそうな状態になっているというのに、その上に放射能を浴びせるとは、ひどすぎると思わないだろうか。子供たちを守れるのは、事実を知っているあなただけである。 『原子炉時限爆弾』で、私はこう書いた。 ──「10年後に、日本という国があるのだろうか」と尋ねられれば、「かなり確率の高い話として、日本はないかも知れない」と、悪い予感を覚える。……この先には、まったく報じられない、とてつもなく巨大な暗黒時代が待ち受けているのだ。その正体は、想像したくもないが、人知のおよばない地球の動きがもたらす「原発震災」の恐怖である。──と。 その通りになってしまったのだとすれば、悔やんでも悔やみきれない。 --------------------------------------------- 「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列」(2010/8発行) の著者の広瀬さんからです 転載可とのこと #
by sirokanippe
| 2011-03-17 14:47
| 災害
2011年 03月 17日
まづ計画停電について。薄々感じてましたが広瀬隆さんのインタビュー記事出ました。3.15日時点です。まあ、こんなところでしょう。原発については、広河隆一さんと並んで最も信頼できるひとの一人です。
広瀬隆さん 電力不足危機あおる東電に憤り 東日本大震災で、東京電力福島第1原発が爆発事故を起こし、東電は「計画停電」を実施した。原発の危険性を告発し続けてきたノンフィクション作家広瀬隆さんに事態をどう受け止めたか聞いた。 何よりも心配なのは、被ばくに関する情報だ。発表するのは1時間当たりの放射線量。それを1年間に浴びてもいいとされる線量などと比較して、すり替えている。呼吸による内部被ばくの可能性も高い。住民の被ばくを防ぐことが最優先課題だ。 停電にしても、首都圏に集中する中央官庁や産業界が節電すれば、止めなくても大丈夫なはずだ。水道や病院、救急態勢に優先的に送電しなければならないのに一体、何をやっているのか。 東電は「電力が不足する」と危機感をあおって「もっと原発を造らなければならない」という方向に持っていき、原発の必要性を市民の頭に刷り込みたいのだろう。今後を見据えて、いろいろな戦略を練りながら巧妙に対応しているはずだ。本当に腹立たしい。 以下主にスペイン、英、米。メールの転載です。 スペイン最大手紙エル・パイスは、3月16日に「日本は35年間にたった3回しか地震対策を見直していなかった」という目次の記事を出しました。 http://www.elpais.com/articulo/internacional/Japon/solo/reviso/veces/35/anos/medidas/antisismicas/nucleares/elpepuint/20110316elpepuint_22/Tes これによると、2008年にIAEA(国際原子力機関)が日本政府に対して、原子力発電所の地震対策に対して、35年間にたった3回しか地震対策要綱を見直していないと警告を発していたそうです。情報源は例のウイキリークスですが、同様の記事は英文でも読むことができます。英国テレグラフ紙です。 http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/wikileaks/8384059/Japan-earthquake-Japan-warned-over-nuclear-plants-WikiLeaks-cables-show.html Japan earthquake: Japan warned over nuclear plants, WikiLeaks cables show なお、エル・パイス紙は、上の記事で、2007年の新潟県の地震で柏崎刈羽原発の放射能漏れで、東京電力が遅く不正確な情報しか出さなかったことを指摘しています。 またエル・パイスは同じ紙面で、米国の原子力規制委員会のGregory Jaczko委員長が、「福島原発から出る放射能は極端に高い」と断定したことを伝えています。 http://www.elpais.com/articulo/internacional/EE/UU/alerta/radiaciones/extremadamente/altas/central/nuclear/Fukushima/elpepuint/20110316elpepuint_1/Tes これは次のニューヨークタイムズの記事が元情報です。 http://www.nytimes.com/2011/03/17/world/asia/17nuclear.html?_r=2&hp U.S. Calls Radiation ‘Extremely High’ and Urges Deeper Caution in Japan スペイン第2の新聞エル・ムンドでも、同じ内容が記事になっています。 http://www.elmundo.es/elmundo/2011/03/16/internacional/1300289455.html 同委員長によると、4号機の廃棄燃料を入れたプールから水が無くなり、放射線は短時間であっても致死的な量になっている、と指摘しました。ただし、東電側はこれを否定しているようです。ただし実際には、最新の何時間かプールの水の量は確かめられておらず、米国側は最悪の予想、日本側は最良の予想をしている様子がうかがえます。 エル・ムンド紙は、別の記事で「日本はもう原子炉を冷やすことができない」と書いています。 http://www.elmundo.es/elmundo/2011/03/16/internacional/1300258232.html 炉心の全面的な溶融もありえ、その場合に最も危険なのはプルトニウムを使っている3号機であることもかかれています。 こちらではテレビでも連日、福島原発の状況がトップです。またスペインにも日本から次々と人々が引き上げて帰って来ています。外国がどれほどの危機感を持って事態を見守っているのか、一人でも多くの日本人に伝えてください。 一方で、日本の朝日新聞によれば、米軍は米国兵士に、原発から80km以内に立ち入りを禁止したそうですね。 http://www.asahi.com/international/update/0317/TKY201103170049.html 80kmですよ! 彼らは事態がどれほど深刻なのか知っているのです。 あきれ果てたのは次の記事に書かれていたことです。 http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031601000882.html 『枝野長官は、1~3号機の原子炉について「現時点ではしっかり冷却されているデータだと聞いている」と述べた』そうです。 その中で次の記事などはすばらしいですね。「西日本に<疎開>をー 伝えたい、阪神から」です。 http://www.asahi.com/national/update/0317/OSK201103160089.html ちょっと引用します。 「危機的状況では、リスクを過小評価するよりは過大評価する方が生き延びる確率は高い。避難が無駄になっても責める人はいない。「何事もなくてよかったね」と喜べばいい。「安全だ」と信じ込まされて、いきなり「さあ逃げろ」と言われたらパニックになる。メディアの報道では「避難できる人は避難した方がいい」という専門家の発言が抑圧されているように感じる。 」 もっともっとあるのですが、これくらいで失礼します。 #
by sirokanippe
| 2011-03-17 12:33
| 災害
2011年 03月 16日
ひとさまから情報いただく(特に村野瀬玲奈さまとか原子力資料情報室さまとか)(それから、今回に限らず国家間の暴力とか植民地主義とか経済とかいろいろ考える上で私の闇の奥さまとか)ばかりでアレなので久々に。
あとですね、皆さん仰ってることですがBBCとかロイターとかシュピーゲルとかCNNとかの海外メディアのが、今回地震がはじまってすぐからこっち、ずっと情報が早くて正確です。チェックできる方はそちらを。 あと、これは前から原発についてちょっとでも関心のあった方なら漏れなくご存知のことでしょうが何故か日本のメディアにまったく出ていないようなので。3号機はMOX燃料。プルトニウムを混ぜて運営しています。設計の時点ではプルトニウムを燃やすことを想定していない通常炉で、多数の反対を押し切りプルサーマルとして運営していました。通常炉をそのまま使っていた場合の事故とプルサーマルの事故では性質が根本的にまったく違います。 当方個人の意見ですが、少なくとも50km圏内の方は今すぐ退避してもらいたいです。各自治体の方はどこにも沢山ある空家をどうか提供してください。特に西日本の自治体の方には是非即刻検討していただきたく。「今すぐ150キロ、段階的に250キロ」という意見があるくらいです。それが無理でも、せめて50キロ圏内は……。 外出せざるを得ない方は、濡れタオルで口を覆うと大分吸入を防げます。上に雨合羽、なければこの際ビニール(空気穴は開けてください)を被り、長靴の履き口や袖口にはガムテープで目張りを。 チェルノブイリ被曝者支援をちょっと手伝ったことのある北海道人のわたしには、二重の意味でひとごとではありません。 以下、12日に出たらしい、ATTACドイツから。自国の銀行などの加害性をきちんと視野に入れた、流石の内容だと思ったので転載。あと、欧州の原発の名誉の為に(わたしは脱原発派ですが)言い添えますと、独といい仏といい日本から見ると地震とか起きない土地ですね。それと、大きな科学者の独立組織が監視してます(日本の原子力資料情報室さんも実に健闘されてますが如何せん小規模ですよね)し、世間も日本ほどはそういう意見を黙殺したりしてないようで。この差はでかい。 そのドイツでこの反応です。実に理性的な反応です。因みに追悼お見舞い反原発集会、参加者10万越えたと聞きました。 以下転載 ATTACドイツ、日本の震災に肝を冷やす 福島原発における炉心溶融の可能性は 原子力エネルギーが制御できるものではないことを明らかにしている 日本で起きた重大な自然災害と福島の原子力発電所でこれから起こるかもしれない炉心溶融にアタックは非常な驚きと衝撃を受けている。私たちは日本の人びとの身を心から案じ、思いを寄せている。原子力エネルギーは原理上制御できないものである以上、原子力発電所稼働期間の延長は取り消されなければならないし、すべての原子力発電所はただちに稼働を停止されなければならない――ドイツならびに全世界で。それゆえアタックは、3月14日月曜日にドイツの多くの地で行われる追悼お見舞い反原発集会への参加を呼びかけます。 大地震が津波と福島第一原発の炉心溶融の可能性を引き起こし、なおまた引き起こすかもしれないという、日本の人びとが受けている苦しみを、私たちは恐ろしいテレビの映像や報道を通じて感じ取ることしかできないでいる。 ドイツがこの大災害に直接見舞われていないにしても、問題のあるつながりはあるのだ。ドイツのいくつかの銀行も日本の原子力発電所に関与しているし、ドイツでもいつ原発で想定可能な超大規模事故が起きるかもしれないのである。 ドイツ銀行やウェスト-LB銀行やイング-ディバ銀行は福島原発の経営企業体、すなわち原子力コンツェルン東京電力株式会社(TEPCO)にその〔出資要請の〕都度数千万ユーロ規模の出資を行ってきた。 これらの銀行も、東電がすでに何度も安全対策の不十分さ責められていたことを知っていたにちがいない。2002年には東電原発のうちの一基で安全に関する偽造記録スキャンダルがあった。2007年には同じく東電が運転する世界最大の柏崎原子力発電所で怠慢による放射能漏れ事故が起こった。 いま日本でさし迫っているような想定可能超大規模事故は、原子力発電所の運転から原理的に排除されえないものである――比較的地震の起こらないドイツでも同様である。人的技術的欠陥によっていつ重大な事故が起こるかもしれないのだ。たとえばネッカーヴェストハイム原発とビブリスB原発は地震地域にあるが、その施設構造は地震の危険に十分に対応していない。 こうした危険にもかからわず、ドイツの電力コンツェルンEONやRWEやENBWやファッテンファルは、連邦政府の助けを借りてスクラップ原子炉稼働期間の延長を押し通そうとしている。電力コンツェルンにとって紙幣印刷〔金儲けの〕機械であるものは、寒心にたえない日本の出来事が明らかにしているように、人びとにとっては想像を絶するほど生命を脅かすものなのである。コンツェルンの関心は住民の必要と相いれない。 それゆえ、原子炉稼働期間延長は取り消されなければならない。延長ではなく、ただちに原子力から降りなければならないのだ。民主的、環境保護的、社会的かつ原子力を使わないエネルギー供給はコンツェルンなしでしか可能ではない。きょう〔3月12日〕すでにバーデンヴユルテンベルク州で数万人の人びとが原子力政策に反対して人間の鎖によるデモを行ったが、アタックは、日本の震災を機に3月14日月曜日にドイツ各地で行われる追悼お見舞い反原発集会に参加するよう呼びかけます。 #
by sirokanippe
| 2011-03-16 22:31
| 災害
2010年 10月 03日
面白いので転載します。日本で日本語しかわからないわたしでさえ、「CIA手ぇ出すんじゃねーぞ」て思ってましたから(何しろ先日の地震のときの米軍の邪魔っぷりはすごかった。あらゆる意味で邪魔だった)(そうでなくともラテンアメリカの「政情不安」のほとんどは米国と西側のせいだ)、その国で生きてきたひとは更にそう思いますわな。
日本のなかから日本語で農業関係だけちょこちょこ勉強していても、「自由主義」(←つまり単に西側資本主義という意味でしかない「自由主義」)並びに「新自由主義」というものが農業と環境と農民の生活の破壊をしてきたのは、ラテンアメリカでもインドでも自明の理なんですけど。その国に生きてきたひとたちの声は重みが違うなあ。 あ、以下転載ですが太字強調はわたしが勝手にやったことです。 エクアドル――クーデター反対! 法の支配を守れ 警察によるエクアドルの左派大統領誘拐に対して緊急の注意が必要である。現在のところでは、起きたことの真実の側面を理解することは困難だが、この事件が警察の一部のたんに地方的な不満の表れと考えることは無理がある。百五十人の軍部隊がキト国際空港を占拠・掌握した。以下に掲載する声明を発表した女性集会のメンバーは、エクアドルやその他の国で数千人の人びととともに街頭でクーデターの企図に抗議した。 ………………… 私たちは「民衆的で多様なエクアドル女性集会」に組織された女性として、それがいつであろうともあらゆるクーデターの企図を拒否する。私たちはラテンアメリカにおいて、残忍な独裁体制を数十年にわたってくぐりぬけてきた。この独裁体制は、行方不明事件、拷問、あらゆる世代にわたる人びとの殺害をもたらし、人びとを無権利と沈黙の下に置き、大陸全体におよぶ新自由主義の進展に道を開いた。したがって私たちは、クーデターと独裁の復活を許すことはできない。 ラテンアメリカでホンジュラスを再び起こさせるな! エクアドルでのクーデターの企図に反対! CIAは私たちの国に介入するな! 私たちは、民衆の権限に反し、恐怖・迫害・脅迫の体制を打ち立てるクーデターを許さない。二〇〇八年に採択されたモンテクリスチ憲法は、私たちの多くの闘いの成果であり、私たちの希望と夢が表現されている。そして私たちは、大統領の憲法上の権限が完全なものとなり、民主主義が尊重され、私たちの権利が保障されることを要求する。 私たちは、生活のすべての分野、すべての運動と組織において民衆の利益と一致した政策を要求する。 民衆的で多様なエクアドル女性集会 カサ・フェミニスタ・デ・ロサ(赤いフェミニストの家) #
by sirokanippe
| 2010-10-03 16:54
| 反暴力
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