趣旨
「材料で日本製造業の競争力を強化しよう」をコンセプトにスタートしたコラム――なのだが,途中で「材料」と「競争力」を無理に結びつけるのではな く,競争力強化の視点を重視して,必然性のある場合に材料について言及するという方向に方針転換させていただいた。日本の製造業は,価格下落による収益性 の悪化や韓国・中国・台湾などとの熾烈なグローバル競争といった環境にさらされ,「シェア vs 利益」「コスト vs 品質」「標準化 vs 差異化」などの二律背反の難問に直面している。処方箋を書くのは容易ではないが,競争力向上のために何をすべきなのか考えていきたい。
内容としては,筆者が所属する「電子・機械局」で直近1~2週間で起こったことを中心に,筆者の25年間の記者生活の経験などを交えながらエッセイ風に書かせていただいている。日経エレクトロニクス,日経マイクロデバイス,日経ものづくり,日経Automotive Technologyの 最新号の記事,開催したセミナーやシンポジウムでの講演やディスカッションの内容,当社が発行した別冊・書籍,当社以外の発行でも読んで面白かった本の内 容などから筆者なりの考えや想像を膨らませて文章化している。気軽にコメントや意見を書き込んで頂き,読者の皆様と一緒にさらに議論を深めていければと考 えている。
藤堂安人(とうどう やすと)
日経BP クリーンテック研究所主任研究員
1981年、日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1982年、日経メディカル記者。1986年1月、日経ニューマテリアル記者。1997年1月、日経メカニカル編集長。2003年1月、電子・機械局長。2004年1月、執行役員。2008年1月、日経BP社編集委員会委員長 兼 電子・機械局主任編集委員。2010年4月、 日経BPクリーンテック研究所主任研究員。