とある地方公務員のブログ

このブログでは地方公務員が日々考えたことや思ったことをなんとなく書きます。

生活保護受給者からも党費を取るという日本共産党の不都合な真実

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久しぶりにブログを書くわけですが、今回伝えたいことは、標記のとおりでございます。

私自身は、公安調査庁から破防法に基づく調査団体である日本共産党について、その必要性は感じております。

特に現在の安倍政権と、無力な野党勢力を踏まえると、相対的に共産党の存在意義がクローズアップされていると思いますし、やはり共産党は現在の日本政治には必要だと思います。

私が共産党の必要性を感じるのは、やはり貧困問題における働きぶりです。格差、貧困といった問題について、真正面から取り組んでいる政党はやはり共産党といっても過言ではありません。

 

生活保護受給者に寄り添う共産党

最も行政支援を必要としている層の代表格である生活保護受給者への支援であることはいうまでもありません。

それは、上から目線の施しではなく、それは単なる就労支援ではなく、日常生活を営むところから伴走していくところから、スタートしないといけないと思うわけです。

ケースワーカーの数も限りがありますから、すべてのケースに対応できません。

そんなとき、共産党系の人々が行政が見落とす隙間を埋めて戴いているので、そこは正直ありがたいと思うときもあります。

しかしですね。やはり、生活保護受給者に対しても、党費を要求するのは間違っていると思うのですよ。

 

 

党規約で党費免除の規定があるが・・

日本共産党の規約において、以下のように記述があります。

日本共産党規約

 第四十六条 党費は、実収入の一パーセントとする。
 党費は、月別、または一定期間分の前納で納入する。
 失業している党員、高齢または病気によって扶養をうけている党員など生活の困窮している党員の党費は、軽減し、または免除することができる。

このようにみると、生活保護受給者の党員は間違いなく、生活の困窮していると考えられるので、党費を払わなくてもいいと思うのですが、実際にケースの方から、党費を払うように言われているという相談を受けました。

党費は、党活動を行う上で重要だから、いくらかは払ってほしい、せめて500円は月払ってほしいとのことでした。

 

政党助成金を受け取らない共産党不都合な真実

共産党はご存知の通り、政党助成金を受けていない政党ですが、これを党員に負担、それも生活保護受給者にも負担を与えているとしたら、それは日ごろから共産党が訴えている格差是正、弱者保護と反すると思うのですよ。

ちなみに先ほどの事情を共産党系の市議に話したところ、そのように対応している地区委員会もあるということで、そのケースの方は、困難であるということを承知した、ということで、免除にする、とのことでした。

私としては、税金で党費を賄っていたら、それって、政党助成金ではないだけで、迂回して税金で党活動をしているに過ぎないじゃないか・・・とがっかりしました。

しかもそれが、憲法25条で保障されている生活保護費であるならば、質が悪すぎですよね・・・。

そんな、がっかりした思いから、本日ブログを書いたわけです。

 

共産党という党は、私も事情に詳しい方だと思いますが、本当に党中央に忠実な組織です。なので、今回の生活保護費による党費徴収が全国的に行われているならば、これは大問題です。

表で政党助成金を批判して、裏では生活保護受給者に党費を徴収、さらにしんぶん赤旗の購読をさせている、というのであれば、これは貧困ビジネスと言われかねないことです。

今回の内容はあくまで私の観測範囲の話であるので、これだけで全国的に共産党が組織ぐるみでやっているとは言えません。

ただ、やはり、生活保護費から党費を徴収しているならば、今すぐやめてほしいと願うばかりです。

 

役所の掃除は外部委託させず職員でやった方が良い理由

最近はなんでもかんでもアウトソーシング、外部委託をしているわけですが、背景にはあるのは厳しい財政状況と国のプレッシャーであることは言うまでもありません。

確かにアウトソーシングによって雇用が生まれて、経済が活性化、もちろん、費用も抑制できてwinwinといったところかもしれませんが、役所の庁舎内清掃は職員でやってもいいのかな、と思います。

掃除をしていると、庁舎内の損傷箇所がわかるんですよね、錆びてるとか、草が生えてるとか、案外掃除していないと気づかない細かいとこに気がつくんですね。

また、トイレ掃除をしていると、やたら小便器の周りが汚いけど、何か改善できる方法ないかな、という考えるきっかけにもなる。

とはいっても、大きな役所になればなるほど、掃除は外部委託で、庁舎を綺麗に使うという当事者意識が薄くなっていくんですよね。

公共施設マネジメントで超寿命化を推進するのであれば、建物チェックの一環で掃除もしたらええんやないのということで、今度の庁舎プロジェクトチームで提案してみる。

徒然なるままに書きました。

安直な企業誘致マインドが生み出す移住者と地元のミスマッチ問題

 

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増田寛也氏のぶちあげた「人口減少社会」「消滅可能性都市」というショッキングなフレーズは、地方自治体に危機感を改めて顕在化させ、同時に「地方創生」という、どこかで聞いたような(DAIGOのおじいちゃんだっけ??)国策でもって、人口減少に歯止めをかけて、国力の維持を図ろうという方針に地方は付き合わざるを得なくなりました。

地方創生は好機であり、積極的に事業提案していこうと市長の鼻息は荒かったのは今や昔。最初こそ、手厚く国も「先行型」「加速化」という交付金を用意していましたが、100%国費が徐々に減らされ、逆に目先の国費狙いで事業提案をしてしまったもんだから、KPIに5年間は縛られて事務量が増えただけとなってしまいました。

 

前説が長くなりましたが、地方創生は現場自治体にとって、評価・報告義務を課したため、表面的な数字のクリアに不振することになります。そのような人口減少問題に取り組む、重要なKPI数値は今回のテーマである移住者誘致問題です。

 

地方自治体が誘致といったときに、まっさきに思い出すのはやはり「企業誘致」でしょう。

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公務員の生産性を劇的に下げる「パワーポイント」という文化

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パワーポイントというソフトウェアをご存知でしょうか。いちいち説明はしませんが一言で説明すると、どんなスカスカな内容でも、それっぽく凄いような感じを与える印象操作粉飾ソフトウェアのことです。

 

私は常々、このパワーポイントが公務員の生産性を奪っていると感じましたが、そんなパワーポイントが役所内で独自の進化を遂げていることを発見しました。

 

紙芝居化するパワーポイント

 

パワーポイントは使ったことならわかると思いますが、本当にこだわればいくらでもこだわることができる中毒性のあるソフトです。内容よりもレイアウト、内容よりも図表やイラストといったように非常にやり込み要素満載のソフトです。

 

そんなソフトウェアが活躍するのが、会派説明、市長、副市長レクなどいわゆる偉い人へのレクです。レクの時には、紙資料を使うことも多いのですが、パワーポイントを使うことがあります。パワーポイントで資料を作って配布をすると、内容よりもしっかり資料を作っている!という印象を相手は持つようです。

 

また、はりきってスクリーンをもってきてレクをすると、しっかり準備して伝える熱意が感じられる!というようにもなります。内容を突っ込まれるのをかわすために敢えて内容以外のところに関心を誘導しているわけです。

 

そのような現状を踏まえると、パワーポイントとは、形を変えた紙芝居であり、エンターテイメントの一つなのではないかと思うわけです。資料やグラフといった数字、その事業の意義、効果等、よりも効果的な映像、動画といった「演出技法」が求められます。このようにして、内容がスカスカでも説明では強力な資料が作られていき、そのようなノウハウを持つ人は、資料作成のプロなんて言われるわけです。

 

ここで、一つ断っておくと、この手法については地域向けの学習会、講習会では有効です。ひたすら文書を説明すると眠くなるので、パワーポイントを使った方法は一定有効です、が、それが日常的に使われてしまうと非常に効率性を奪います。

 

係会、課内会においても、なぜか念入りにパワーポイントで資料を作る職員が一定数おり、もはや資料を作ること、そのものが目的化しているようです。

 

 

曼陀羅化するパワーポイント

 

いわゆるポンチ絵と呼ばれる代物で、一枚で事業概要がわかるものをよく作らされます。当然、一枚に収める目的は、要点を絞り、短時間に相手に伝えることですが、その取捨選択ができなくなると、結果的に曼陀羅のように、逆にわかりづらい資料ができあがります。

 

このようになるのは、漏れがあると突っ込まれるので、いろいろ補足説明やエクスキューズを入れた結果なのですね。本来わかりやすく伝えるはずが独自の進化を遂げてしまいました。あと、項目別に色分けをしたせいで、目がちかちかするパワーポイントになってしまうこともしばしばです。

 

 

 役所に蔓延るパワーポイント信者

 

このようにパワーポイントは手段でもあるにもかかわらず、紙芝居、曼陀羅と独自の芯かを遂げてきたわけですが、その進化を後押しする集団として、役所内にいるパワーポイント信者です。パワーポイントは便利で、効果的な表現ツールであり、これを使わないのはスキルが低いと思っているような人たちです。

 

当然彼らのパワーポイントは皮肉抜きにすごいものもあります。そのような演出があったのか!といったこともあり感心することもありますが、基本的にパワーポイントは他に転用が難しいので、基本的にオーダーメイドです。

 

なので、コストパフォーマンスが低いんですが、それでも、アートであるので、コストという考え方自体が野暮なんですね。それに残業する方が役所では頑張っているという文化があるので、もはや何が正しいのかわからなくなります。

 

そして、残業をするということで、出世をする確率も高くなりますので、まさにパワー(権力)ポイントといったところです。

 

 パワーポイントは文化である

 

役所の世界には技術屋、事務屋という大きなくくりがありますが、その中でも事務屋という人々のスキルの見せ所はそんなにありません。そこで、少しでも自分の力をアピールする手段がパワーポイント、というわけです。

 

くどいようですが、私はパワーポイントを否定していません。否定していませんが、あまりにも乱用しているのではないか?と思うわけです。まさに権力の濫用ならぬ、パワーポイントの濫用です。

 

しかし、ワードで作った資料、ましてはメモ帳で作ったような資料であれば、手抜きと思われてしまうジレンマもあり、パワーポイントはいかに手抜きをして作るかということが最適解となります。ただ、これは最適解であっても、正解ではないことはいうまでもありません。

 

有利な起債が生み出すモラルハザード

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最近まったく書いていないことに気付いて、久しぶりに書きます。
無事、年度も本日で終わり、これからは出納整理期間は、支払いで若干ばたばたするものの、実際、予算編成期時期、年度末に比べれば、異動もしたばかりで落ち着ける期間であるので、ワークライフバランスのライフの部分をこの期間に取り戻したいと思います。

 

とにかく「カネ」がないと何もできないんやー!!!


ふりかえれば、平成27年度はTPP対策の大型補正、地方創生バブル(26年度と比べて萎んだけど)とやはり3月補正はドタバタでしたが、しばらくはどの自治体も地方創生の戦略、総合ビジョンを作り、慣れないKPIと悪戦苦闘する日々になることは間違いありません。


また、最近の政治情勢は「フレーズ」に事欠きません。アベノミクス、三本の矢、一億総活躍、地方創生、話題のフレーズが次から次へと出てくる一方で、実際の地方では景気回復の実感がなく、さらなる産業政策で何とかてこ入れをしなくては、持続していない状況です。しかも、その産業政策も結局、国の補助メニューに合致しないと実施できず、よほど首長の強い意志がなければ、一般財源投入はしません。

国の補助メニューを利用すると、すぐ思いつくのがひも付きの補助金、国庫補助金の類を思いつくかもしれませんが、実際運用していると、このようなお金は使いづらいうえに、後々会計検査の検査対象(いわゆる会検)になりますし、どうせならば、地方交付税のようなひも付きではないお金を使いたいと思うわけです。

とはいえ、地方交付税は地方の実情を把握するために、いろいろ複雑な制度設計となっているし、結局地方財政計画のフレームで制約があるので、受け取れる金額も限界があります。

 

確かに、地方創生のように政権のカラーが色濃くでているものは、特交措置を目当てに「素晴らしい」計画を策定して、お金を国から貰うわけですが、まあ、そこは財政サイドと企画総務サイドの腕の見せ所であるわけですが・・・


そこで財政課の職員はもっと他に歳入はないか、県単、国、いろいろなルートをさぐって歳入をさがすわけですが、やはり、地方財政においては起債というのが有力な財源獲得手段であることは間違いありません。起債、地方債、早い話が借金ですね。

 

有利な借金は借金じゃない!?

 

地方債のメニューは一般単独債やら、臨財債、過疎債やら、いろんな起債メニューがあり、そのメニューに合致するものを財務省に提出して起債を打つわけですね。(正確には所管の財務局に借入をする)

 

借金は通常、返すもの、しかも通常は利息を付けて返すものであり、借金は有利も不利もなく、消費者金融のイメージもあってか、借金=悪いものという意識を持つ人も少なくありません。しかし、しかしですよ。その借金が全額返さなくていい。国が一部肩代わりしてくるとしたらどうですか??

 

たとえばですが、1億借りて、そのうち、7000万円キャッシュバックがあるとしたら、実質3000万円の自己負担で済む、といううまい話があったらどうですか??


それが、あらゆる起債メニューでも圧倒的な有利な起債である、緊急防災減災事業債というわけです。充当率、算入率、どれをとっても有利です。

 

http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/zaisei_info/pdf/zaiseisoti25.pdf

 

確かに1億借りたら、一億返さなくてはいけないものもある一方で、一定額が交付税というキャッシュバックで返ってくるものもあります。なので、一言で借金、起債といっても異なるわけなんですね。

 

じゃあ、財政課はいずれ一般財源で償還しなくてはいけない起債よりも、交付税キャッシュバックがある起債、いわゆる有利な起債を利用しようというインセンティブが働くわけです。財政に余裕がない地方自治体の財政担当者としては、至極当然の考えだと思います。

 

借金を借金で返すという悪循環

 

しかし、ふつうの感覚、というか財政担当もそれは知っているのですが、そのキャッシュバックの原資も元をたどれば、税金、というか、国債、借金なわけですね。なので、地方を子供として、親を政府とすれば、子供の借金を、親が借金して肩代わりしているという笑えないことになっているわけです。

そもそも、日本の起債メニューは、ハードに偏っているので、どんどん地方ではハコモノができるわけですね。ハコモノができれば、首長のアピールにもなるし、短期的には土建者にカネを供給できる。しかも、その原資は国が負担する。こんなうまい話ないですよね。じゃあ、やろう、と。

 

なので、制度自体がモラルハザードを生みやすい形になっており、首長が選挙を見据えてハコを作りたがり、それに付き合って財政サイドはそのような起債メニューを使って金を引っ張る。そして、どんどん都市計画なんてこれっぽちも考えていないように、公共施設をガンガン作って、維持費が将来の財政を圧迫するということで、現在の公共施設マネジメントにつながるわけですが。。。。

 

それでも、借金はやめられない!!ハコ作りたい!!わー!!!

 

地方経済のてこ入れ策としては、公共事業が最も有効です。だから、ハコモノを作るのは単純に首長の選挙目当てというわけでもないんですが、やはり、景気よくハコ作りたいんですよね。甘い収支計画、民間なら絶対でスタートしないようなビックプロジェクトができるのも、有利な財源があるからです。

 

しかし、ハコのイニシャルコストは安くできても、ランニングコストはすべて一般財源です。いずれ、必ずその代償は返ってくるということを忘れてはいけないけど、あー、起債の借入の時期を考えるとそんなこと言ってられませんね。明日も早いので寝ます。おやすみなさい。

固定費が家計圧迫の諸悪の根源・・・「通信料」お前のことだよ!

 

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固定費は確かに月々の支払いは細くとも、かならず家計を蝕み、ヒシヒシと乗しかってきます。今回はそんな固定費でも、特に携帯電話の「通信費」について書きたいと思います。

 

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ふるさと納税でふるさとは消え、消費者だけが残った

 

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ふるさと納税がブームになっているようで、NHKクローズアップ現代でも特集を組まれていましたね。


ふるさと納税 ブームが問うものは - NHK クローズアップ現代 

 

確かに一般の消費者の方からすれば、ふるさと納税は魅力的だし、どんどんこれから増えていくでしょうが、地方公務員の立場からしたら複雑だったりします。ということで、ビール片手に書いてみたいと思います。

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