2024年4月19日金曜日

イラン

ウクライナもガザも、
まだまだ「解決」にはほど遠いのに、
イランとイスラエルの対立が、
2つの侵略を目立たなくさせつつあります。
これはある程度は、
イスラエルの意図でもあるのでしょうか。

イランは、ペルシャ語を話すペルシャ系で、
アラビア語を話すアラブ系ではありません。
(このことは、どうもよく誤解されているようです。)
また世界で、イスラム教<シーア派>を国教としている国家は、
イランだけです。

「イラン映画」は、いい作品がたくさんあります。
例えば、






近くて遠いのか、遠くて近いのか。
ペルシャ語が専門の知り合いは1人しかいませんが、
彼女の意見を聞いてみたいです。

2024年4月18日木曜日

Merci(s)


 なんだか裏表紙だけあげるっているのも品がない気もしますが、

『フラ語入門』を宣伝してくださってる白水社に Mille mercis を込めて。


(さて、Mille mercis ? それとも複数の s はいらない??

https://www.lalanguefrancaise.com/orthographe/mille-mercis-ou-mille-merci )

2024年4月16日火曜日

一回り

今日で、
今年度の担当クラス、一巡りしました。
まあ、例年通りの滑り出しと言っていいと思います。
いつもと違ったのは、
大学院の授業「映画と都市」の履修者が多かったことくらい。
(まあ、来週は少し減っていると思いますが。)

そして今日、
5年ほど前に退職された先生がたまたま大学にいらしていて、
久しぶりに、
以前よく一緒に行った蕎麦屋さんでランチしました。
26日に締め切りが!
と言っているあたり、
昔通りで嬉しかったです。

2024年4月12日金曜日

授業開始

学部の「フランス語」の授業と、
大学院のゼミ、
ともに水曜日から始まりました。

フランス語のほうは50人ほどで、
通常よりほんの少し少ないです。
でまあ、
最初の授業はいるもそうですが、
みんな緊張してるので、
ちゃんと聞いてくれてます。
少し発音練習もしましたが、
ちゃんと声も出ていて、
しかもわりと上手くて、
ひとまず安心です。

ただこのクラス、
一番前の2,3列はほとんど座っていなくて、
後ろの方は満杯です。
こういう座り方をしているクラス、
時に見かけますが、わたしのクラスでは珍しいです。
今後どうなるんでしょう?

でもとにかく、
職業病というか、
授業をやるとテンションが上がって元気になります。
1年生は1コマだけなので、
楽しみな授業です!

2024年4月7日日曜日

「ウザイ」はどこから

まあ、5分ほどで調べただけで、
間違ってるかもなんですが……

ウザイ、という語はよく耳にするし、
考えてみたら自分でもけっこう使ってる気もしますが、
今日、ふと、
語源は何?
と思って、検索してみました。
その結果は;

擬態語 うじゃうじゃ(こまかいものがたくさん)
  ☟
うざうざ
  ☟
うざっこい
(こまかいものが集まっていて煩わしい)
  ☟
うざったい
(昭和40年代、東京多摩地区の若者言葉)
  ☟
ウザイ

のようです。
大元が、うじゃうじゃ、だったとは!
そしてわたしたちは、
昭和40年代から50年代にかけて高校生だったので、
「うざったい」はめちゃめちゃ日常語でした。
それがいつか全国に広まり、
今のウザイにまで辿り着いたんですね。

なんだか、少し歴史に参加した気分です!

2024年4月6日土曜日

辞書

新学期に、学生に辞書について説明するときは、
薄っぺらいのじゃなければなんでもいいけど、
ただ、
古いのはダメ、
と言っています。
ママが使ってた、みたいな辞書を持ってくる学生が時々いるんですが、
もう、まったく使い物になりません。

もちろん今は、
ネット上にも辞書的なものはあるし、
わたしもよく使っています。
「ふらんす」4月号でも、いろいろ紹介されてましたね。

ただそれはそれとして、
ふつうの仏和辞典も確認したいので、

(というのも、例えばCNRTL

新語には強い wiktionnaire

なんかと仏和の比較もおもしろいです。
かなり違うことも少なくありません。)

わたしは電子辞書も持ち歩いているんですが、
やっぱりエアに入れた方が使いやすいので、
仏和辞典  for mac で探して、2つ買ってみました。
新学期で安くなっているみたいだったし。

でも、仏和辞典の新しいのを買うのは久しぶりで、
なんかフレッシュになった感じで、嬉しいです!
(紙の辞書は、わたしたち教員は、
献本してもらえることが多いので、「買う」機会はあまりありません。
ただこの頃は、あまりないかな。)

ぜんぜん回し者じゃないですが、
買ったのは、ここです。



2024年4月3日水曜日

まじめに

ここしばらく、
自分で言うのもなんですが、
とてもちゃんと仕事しています。
実は来年の初めに、
レナさんと一緒に参考書を出すつもりで、
早くもその準備を進めているのです。
レナさんもわたしも、
授業が本格化するとなかなか時間が取れないので、
春休みのうちにある程度進めておこう!
ということで気が合ったのでした。
去年の暮れあたりから、
メインのPCがマック・エアーになり、
勢いカフェでの仕事のしやすさも増したので、
長居しておかわりしたり、
夜行って閉店の時間までいたりしています。
閉店は、10時の店と、11時の店があります。

これくらい仕事をしていると、
ちょっとNHKの仕事をしていた時期を思い出します。
中でも、2010年の番組は、月〜木だったので、
あの時は人生で一番忙しかったと思います。
もちろんその時ほどじゃありませんが、
なんというか、集中の度合いが、って感じでしょうか。
でも、一度すごく忙しい時期を経験していると、
あのくらいまでは大丈夫、というのがわかっていいですね。

まだ10か月ほどありますが、
新刊を期待していただければ嬉しです!

2024年4月2日火曜日

新学期開始!

4月1日は、
恒例の大学院ガイダンスがありました。
今年の総合芸術系への入学者は7名。
私の研究室にも一人入りました。
一緒に頑張っていきましょう!

そしてわたしの研究室には、
博士課程の学生もいて、
今年彼は、博士論文を提出する予定です。
彼に博士号をとってもらうことは、
わたしにとっても、
今年度の大きな目標の1つです。

授業は10日からですが、
気分はもう「始まった」感じです。

2024年3月28日木曜日

ふらんす 4月号 発売!

さあ今年も、「ふらんす」の4月号が発売される時期が来ました。
今年度は、
レナさんと一緒に、

フラ語シンプル会話、こんな簡単に言えるんだ!?

を連載します。
レナさんが中心になって選んだ、
シンプルで、かつよく使われる表現を、
順番に紹介していく企画です。
みなさんご存知の定番表現から、
辞書に出てない、でも頻繁に使われる表現まで、
さまざまな言い方が登場します。
どうぞ、1年間、お付き合いください!

もちろんそれ以外にも、
楽しみは企画が目白押し。


さすが「ふらんす」というか、
「ふらんす」以外ではあり得ないラインナップです。

どうぞ楽しんでください!

2024年3月26日火曜日

『不適切にもほどがある!』の社会学

今日は卒業式でした。
(おめでとうございます!)
で、
その合間におしゃべりしていて、
上に挙げたドラマが話題になりました。
わたしは、主演の俳優をあまり評価していないので、
見ていませんでしたが、
一応、帰宅してから、第1話だけ見てみました。
まあ……

そしてその後ネット散歩中に、
これを見かけました。


12ページあるので、
ネット記事としては長めですが、
おもしろかったです。
図と地という捉え方も、よく理解できました。

2024年3月24日日曜日

Tu me manques...

明治大学の同僚で、
大好きだった杉山利恵子さんが、
今年の初めに亡くなりました。
ショック。
残念……

杉山さんと初めて会ったのは、
東京工業大学でのこと。
二人とも非常勤講師として、
大岡山に出講していたのでした。
(当時東工大には、
堀江敏幸さんも、黒田龍之助さんもいました。)
杉山さんとは、歳が同じっていうこともあって、
いろんな話をしました。
もちろん雑草派であるわたしと違って、
杉山さんはエリートでしたが。

そして2007年、
NHKから連絡があり、ラジオを仕事を依頼されたのですが、
後から聞いたところ、
杉山さんが推薦してくれていたことがわかりました。
当時すでに、教科書や参考書は出していましたが、
だからと言ってすぐにNHKから仕事が来るわけではありません。
NHKの仕事は、「割りがいい」というのとはほど遠いんですが、
でも語学教員として、経験値が上がることは確実で、
間違いなくやりがいのある仕事でした。
杉山さんのおかげだと思っています。
そしてそのラジオのすべての収録が終わり、
打ち上げに飲みに行った時には、
お花を持って駆けつけてくれました。
ありがたいですね……

その後、2008年にわたしが明治に着任し、
学部は違えど、杉山さんと同僚になりました。
で、何度か、
学内業務を一緒にこなし、
同じ方向なので、
一緒に電車で帰ったりしました。

杉山さん、早過ぎますよ。
一緒に退職したかったのに。
そして70歳同士で、
飲みにいきたかったのに。

どうぞゆっくりお休みください。
ありがとうございました。

Maurizio Pollini R.I.P.

院生時代、
ロックやソウルを聴いていたわたしが、
クラシックに集中してゆくきっかけになったCDがあります。
1984年、ポリーニが発表した、
シューマンの「交響的練習曲」です。

このアルバムは、何回聞いたか分からないくらい聞いて、
本当にガ〜ンとなって、
その後現在に至るまで、
聴く音楽の70%くらいはクラシック、
ということになっています。
その後コンサートでポリーニを聞いたこともありますが、
わたしにとってのポリーニは、
あのシューマンのアルバムで、
ポリーニはずっとヒーローです。

このマーラーは、
ポリーニと一緒に聞いている気持ちで聞いています。
43秒あたりです。


Maurizio Pollini R.I.P.

2024年3月23日土曜日

アディダスとドイツ

アディダス(と、おそらくはその兄弟会社であるプーマ)が、
ドイツにとってこれほど重要、
というか、
アイデンティティにまで食い込んでいるとは、
思っていませんでした。

2024年3月20日水曜日

Zoom 4時間 〜新企画

会議が連続したのではなく、
今日は、
レナさんとの二人での打ち合わせに、
4時間かかりました。
これは、ほぼ1年後の完成を目ざしている企画です。
これから、
今日の内容を踏まえ、
実際に書いてゆくことになりますが、
なかなか長い道のりです。
でも、なかなか良い内容になると思っています。
だいぶ先ですが、
期待していただけると嬉しいです!!

2024年3月19日火曜日

『ダムゼル』



この画像に惹かれ、
ふだんはあまり見ることのないファンタジー映画を見てみました。
ネトフリです。


ある豊かな王国があり、
そこでは代々、王子が嫁をもらうと、
最初の三人まではドラゴンの生贄に捧げるという、
恐るべき習慣が続いています。
そこに、
貧しい国の王女エロディが、
なにも知らずに嫁いでゆき、
でも!
ドラゴンを前にして覚醒する、
という物語です。
上のポスターは、もちろん覚醒後です。

やっぱり、子供向けの映画と言えなくはないけれど、
時間の流れがちょっと遅い気もするけど、
まあおもしろかったと思います。
アクションは控えめで、
それは見どころではないし、
また根本的な設定、
つまり、王国があって、
王と「民」という構造は所与のものだし、
その割には「民」は一人も出てこないし、
ドラゴンの思考は人間そのものだし、
といったことはあるんですけどね。

それでも、
ミリー・ボビー・ブラウンが覚醒してゆく流ればは、
それなりに説得力があるし、
やっぱり彼女の魅力が大きいんでしょう。

そうそう、ロビン・ライトの名前があったんですが、
これは見る前の予想通り、
豊かな国の女王でした。
またヒロインの母親役は、アンジェラ・バセット。
彼女が、白人世界に継母として参加しているのは、
良いキャスティングだと思いました。






『ザ・バンク 堕ちた巨像』

アマプラで見かけた

『ザ・バンク 堕ちた巨像』(2009)

を、見てみました。
インターポールの捜査員が、
NY検事局の検事補と協力して、
メガバンクの犯罪を暴こうと試みる物語です。


2009年の映画ですが、
古さもなく、リズムもスピードもいい感じで、
楽しんで見られました。
この頃のまでのものは、
今の雰囲気と変わらないものも多い気がします。

検事補役はナオミ・ワッツ。
彼女がクルマにはねられるシーンには驚きました。
そういったアクセントの付け方や、
緩急の配置などが、やはり上手いんでしょうね、
アメリカ映画の出来の良い作品は。

この頃は、
仕事をしている時間が長いので、
ついエンタメに走ってしまいます……が、
それもまたよしということで。

「どんな悪事もいいメロディに乗せると感動的になる?」

おもしろい!

2024年3月17日日曜日

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』

ネット散歩中に、
たまたまこの記事を見かけました。

「映画館で見たいスター」トップ20の平均年齢は57.8歳!



で、この記事の意図とは別に、
ここに掲載されているランキングには、
ちょっと興味を覚えました。
そして唐突に、トム・クルーズが見たくなりました!

何か見てなかったトム・クルーズはないかと思って探してみると、
アマプラに

『ザ・マミー』(2017)

がありました。
公開当時、評判がよろしくなかった作品です。
『キングスマン』にも出ていた、
アルジェリア系フランス人のソフィア・ブテラが、
2000年の時を超えて現代に甦った、
古代エジプトの王女を演じています。


ちょっと変わった映画で、
アクション映画とゾンビ映画の合体でした。
ただわたしは、そんなに悪くないと思いました。
トム・クルーズは単純なヒーローじゃないし、
ゾンビもゾンビらしいし。
なぜあんなに不評だったんでしょう?
まあ、多くの人がトム・クルーズに期待するものとは、
違っていたかもしれませんが。

2024年3月13日水曜日

"Il ne faut pas hésiter à gifler un mec"

マチュー・カソヴィッツのテレビ・インタヴュー、
こんな記事になっています。


(『アメリ』出演俳優!?
それはそうですけど、
やっぱり『憎しみ』の監督でいいような。
あるいは、フランスの有名映画監督、で。)

で、この番組です。
1分30秒あたりからです。


フランスの記事はこれ。


この中でははっきりと、

c'est aussi à nous de rester attentif et d'intervenir 
quand on est témoin d'un comportement 
que l'on n'accepterait pas avec notre mère, nos soeurs.

と言っています。

陰謀論にしても

ブリジット・マクロンは男だ、という、
訳のわからない「物語」が再燃していると言います。




ほんとは、こんな風に相手にすること自体、
よくないのかもしれません。
ただここまで大きくなると、
無視するよりは、
冷静に突き放す必要があるかもしれません。

それにしても、
これが「陰謀」であり得る前提には、
同性愛嫌悪があるのでしょう。
それは、福音派を含むアメリカの宗教保守が共有しているものです。
ただ、ミッシェル・オバマに向けられた「陰謀論」なら、
その意図は明白ですが、
海の向こうのフランスの大統領夫人を「問題視」することが、
どれだけアメリカの保守の利益になるのか、
疑問が残ります。


2024年3月12日火曜日

『エージェント・ライアン』

去年の夏、
パリ往復の飛行機の中でずっと見ていたのは、
ドラマ「ジャック・ライアン」シリーズでした。
で、
「ジャック・ライアン」はいろんな俳優が演じてきたキャラなわけですが、
第四代目に当たるクリス・パインが演じた、

『エージェント・ライアン』(2014)

を見てみました。


なんというか、
ちゃんと作られていて、
安定して「おもしろい」もの、
を見たくなったからです。
監督は、今話題のケネス・ブラナー。
主人公の恋人は、キーラ・ナイトレイ。
『ベッカムに恋して』から、約10年経っています。


期待通り、おもしろかったです。
エンタメとして過不足ないし、
見せ場もあるし。

正直言って、
1ヶ月後には、
ほとんど内容を覚えていない気がしますが、
エンタメ映画としては、これで十分という気もします。

「ジャック・ライアン」、
初代から全部見てみたいけど、
どうしようかな。

2024年3月10日日曜日

『フューリー 闇の番人』

主演が Lina El Arabi で、
相手役が Marina Foïs で、
しかもどうやらアクションものらしいという、
意外な組み合わせが魅力的な、

『フューリー 闇の番人』(2024)

をネトフリで見始めました。
が……

つい最近見たAlphonse 同様、 
なんというか、ちゃちな感じ。
設定も馬鹿馬鹿しいし、
アクションなのかもわからないし、
そもそも、脚本も浅はかなのが致命的……

どうもこのところ、
「フランスもの」はハズレに当たることが多いです。
たまたまなのか、
わたしの選び方が悪いのか、
わたしの見る力が足りないのか、
フランスもののレベルが低いのか、
この中のどれかだとは思いますが、
どうなんでしょう?

Lina El Arabi は、これらが印象的でした;



後者の主演も彼女です。



JUDITH BUTLER - CONTRE L’ANTISÉMITISME

ジュディス・バトラーのインタヴューがありました。

https://twitter.com/ParolesDHonneur/status/1766370563461652710


YouTube にはインタヴューの全体があります。


総合芸術系には、「総合芸術特論」という、
オムニバス形式の授業があるのですが、
わたしの担当回では、
改めて、パレスチナ問題を取り上げて、
改めて、『オマールの壁』を見ようと思っています。

それはともかく、
1日も早く、
イスラエルが自らの愚行に気づくことを祈っています。
(あるいはバイデンのアメリカが、はっきり気づかせるか。)

2024年3月7日木曜日

Alphonse

アマプラに登場しているフランスのドラマ、

『アルフォンス』(2023)

を(途中まで)見てみました。
主演はジャン・デュジャルダン、
その妻役にシャーロット・ゲンズブールと、
配役は豪華です。
ヴァンサン・マケーニュや、
わたしの好き なLubna Azbal も登場します。
(彼女については、これを;

さて、
このドラマのアマプラでの公開は、
そもそも問題含みでした。
というのは、監督の Nicolas Bedot が、
セクハラの訴訟を抱えていて、


しかもこのドラマ自体、
金持ちで高齢の女性たちの相手をする男娼が主人公だからです。

とりあえず予告編を;


ジャン・デュジャルダン演じるアルフォンスは、
マザコンで、
父親に恨みを抱き、
今は妻に抑圧されています。
この彼が、父の後を継ぐような形で、
男娼稼業に乗り出してゆくのです。

今、全6話中2話しか見てないんですが、
なんだか、見続けてもなあ、という仕上がりです。
キャスティングを見て期待したんですが……

2月に予定されていた判決は、
9月に延期されたようです。

2024年3月6日水曜日

『Code 8』

トロントを舞台にしたカナダ映画、

『Code 8』(2019)

を見てみました。
(「2」がネトフリに登場したので、
ますは「1」をアマプラで見たわけです。)


少しX-Men と似ていて、
少数の超能力者が迫害される社会を舞台にしています。
となると、
この「超能力者」はなんの比喩なのか、
とつい考えてしまいますが、
明確に「これだ」と言えるような描写は見つけられませんでした。

おもしろくなくはないんですが、
X-Men に比べるとかなり小粒で、
物語も単線的。
主人公の最大の葛藤は、
母親の病気の治療のためのお金がない、ということなんですが、
これって、江戸落語の設定にさえよくあったやつですね。
そういう意味ではかなり古めかしいです。
なので、印象がB級なのでしょう。

でもわたしは、
手から電気を出す、
みたいな映画が好きなので、
OK とします!

『スポットライト』

もう10回以上は見た『扉をたたく人』。
その監督であるトム・マッカーシーの

『スポットライト』(2015)

を久しぶりに見てみました。
ドラマ『プレス』の中で言及があったのですが、
イマイチちゃんと思い出せなかったからです。


全米、いや、全世界に広がっていた、
聖職者による、小児に対する性的虐待。
その長く隠蔽されてきた構造を、
ボストンの新聞社が暴く物語です。

演出はむしろ淡々としたもので、
もっと「感情的」にするのは簡単だったでしょうが、
その辺はストイックな作りになっています。

アカデミー賞を取った映画だし、
悪くはないともいますが、
映画としては、まあまあ、くらいだと感じました。
(で、あまり印象に残ってなかったのでしょう。)

ちなみに、これもトム・マッカーシーです。

『人類の深奥に秘められた記憶 』

2021年のゴンクール賞を獲得した小説、

La plus secrète mémoire des hommes


を読んでみました。
日本語訳もしばしば参照しました。
それが、昨秋刊行された、

『人類の深奥に秘められた記憶』

です。
訳者は野崎歓さんですが、
いつもながら素晴らしい訳でした。
最後の解説も必要十分という感じで、完璧でした。
(解説に書かれていたことは、
わたしが感じたのとほぼ同じで、
何かちょっと安心しました。)

あらすじを書くのはなかなか至難なので、
Amazonの紹介文をコピペします;

********************************************

なぜ人間は、作家は、“書く”のか。
根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!

セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、
気になる同郷の作家がいた。
1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、
「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。
しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、
ほぼ忘れ去られた存在となっていた。
そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、
内容に感銘を受けたジェガーヌは、
エリマン自身について調べはじめる。
様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。
時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、
そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。

***********************************************

まあ、これもまたわかりやすいとは言えませんが。

わたしは一般に、
小説家の出てくる小説、
演出家の出てくる芝居、
映画監督が出てくる映画、
は面白くないと思っています。
どんな形にせよ、
(つまり素直であれ歪んだものであれ)
そこには自己愛が横溢しているのが常だからです。
で、
この小説もそれに該当するので、
どうかなあ、とやや不安な気持ちで読み始めたのでが、
これがなぜか読んでしまうんですね。
主人公は、確かに、いわば昔風の「文学青年」なんですが、
大きいのは、さまざまな相対化がなされている点でしょう。
このおかげで、自己愛ズブズブにはならず、
むしろ引っ張られるように読み進めていけます。

……というようなわけですが、
それにしても、
久しぶりに読んだ強烈な小説なのは間違いありません。
1990年生まれの若い作家が、
ここまでのものを書くということに、
驚きを禁じ得ません。

セネガル出身の、
超優秀なワカモノにとっての、
パリのポスト・コロニアルな状況。
これはまだ古い問題ではないのでしょう。
この辺りは、特に力がこもっていると感じました。

テクニックとして、
いったいこれは誰のモノローグなの?
と思うことが何度かありました。
つまり、
ある人の視点からの文章の中に、
それとは違う視点の文章が投げ込まれているのです。
これは、おもしろい手法だと思いました。
その匙加減も絶妙だし。
(つまり、迷うけど、分かるわけです。)

でも結局最後まで読まされてしまうのに、
最も力を発揮したのは、
彼の物語ることのうまさなのでしょう。
400年前の『ドン・キホーテ』もそうでしたが、
突如挿入される「物語」が、
それ自体魅力的なのです。

オススメします。
















2024年3月3日日曜日

『プレス』

 アマプラにあるイギリスのドラマ、

『プレス』(2018)

を、同僚からオススメされたので、見てみました。
全6話のミニ・シリーズです。


結論から言えば、かなりおもしろかったです。
(回を追って、じわじわおもしろくなるタイプ。)

ロンドンの、2つの新聞社。
ヘラルドとポスト。
前者は良識派で、でも売り上げは上がらず、資金もない。
後者は扇情的なタブロイド紙で、資金もコネも十分。
この構図の中で、
2者で働く人たちの揺れを描いてい行きます。
まあ、ジャーナリズムものですから、
いわゆる報道の倫理のほうなものも、
強く問われています。

人物の配置は、分かりやすく対照的です。

     ヘラルド             ポスト
編集長  アジア系女性           ヨーロッパ系男性
副編集長 ヨーロッパ系女性(主役)     アジア系男性
若手記者 ヨーロッパ系女性         アフリカ系男性

コアなメンバーについて言うなら、
ヘラルドは全員女性で、ポストは全員男性です。
(もちろんチームは大きいので、
そこまで含めればもっと複雑です。)

印象に残ったのは、
二人の編集長です。
ポストの編集長ダンカンは、
実質的な主役とさえ言えるかもしれません。
なぜなら彼が、もっとも多くの屈折を抱えているからです。
(それに比べると、表面上の主役であるホリーは、
行動派で思慮も深いけれど、
とても分かりやすい人物として描かれているように感じます。)
ダンカンは、首相とも対等な権力者で、
仕事中毒で、
離婚し、
愛する子供にはなかなか会わせてもらえず、
美しい愛人がいます。
お金もあります。
そして彼の仕事上の非情さは、
息子への悲しい愛と矛盾しているように見えます。
ここに、ダンカンという人間がいるようです。

小さなことですが、
ポストの副編集長は映画ファンらしく、
映画に関わるセリフが何度かあります。
笑ったのは、
鉄鋼王のスキャンダルについて話しているとき、
ダンカンに、その man of steel は誰なんだ、と訊かれた時です。
副編集長は、
「クラーク・ケント?」
と答えるのです。
これですね。


もちろんダンカンは、うんざりした表情をするわけです。
イギリスだなあ、と感じたのでした。

2024年3月1日金曜日

Moi, chef.fe d’orchestre ?

もう5年以上前ですが、

マルケスの 

について書きました。

https://tomo-524.blogspot.com/2016/01/danzon-no-2.html

で、このヴィデオの指揮者である、

アロンゾ・デラ・パーラが登場しているインタヴューがありました。

https://www.youtube.com/watch?v=SYE6OaZw91s&t=851s

これはおもしろかったです!


2024年2月28日水曜日

『パイン・ギャップ』

ネトフリのドラマ、

『パイン・ギャップ』(2018)

を見てみました。
全6エピソードで、あっと言うまでしたが、
なかなかおもしろかったです。
オーストラリアの中部、
アリス・スプリングにある米豪共同の軍事施設、
パイン・ギャップを舞台にしたドラマです。
1つ知っておく必要があるのは、
このアリスという土地は、
アボリジニの1グループである、
Arunta people が「6万年前から」(←ドラマ内のセリフ)居住していた土地だ、
ということです。
(英語版の wiki には、「少なくとも3万年前から」とありました。)


パイン・ギャップ、
米豪共同施設なので、当然、
オーストラリア人も、アメリカ人もいます。
アメニカについて言えば、
CIAも、NSA(安全保障局)なども関わっています。
米豪は「同盟国」としてやってきたわけですが、
21世に入り、
オーストラリアと中国の関係が密接になり、
オースロアリアは、アメリカとの同盟を重視しながらも、
中国ともうまくやっていく必要があります。
エネルギー輸入の95%を中国に頼り、
小麦等の輸出先としても中国が1位なのです。
戦争などせずとも、中国はオーストリアを潰せるの、
と、パイン・ギャップのオーストラリア人女性副司令官は言うのです。

そんなパイン・ギャップのものすごいコンピュータ・システムの一部に、
マルウェアが見つかります。
内部の犯行です。
この犯人探しが、ドラマの縦糸です。
(もう1つ、アフリカ系アメリカ人男性と、
セルビア系オーストラリア人女性の関係もまた。
彼女は、コソボ解放軍に両親を殺されているのですが、
この軍をトレーニングしたのはアメリカなのです。)
そして横糸は、容疑者となった6人と、
犯人探しをする上司たちとその家族の人生です。
(米豪の間で起こる小競り合いもまた。)

犯人探しの中で、こんなセリフがありました。

裏切る動機は4つ。
M  is for money.
I    is for ideology.
C  is for compromise「妥協」 or coertion「強制」
E  is for ego.

これはその場にいた3人が、
変わるがわる発言して、
1つの流れをなすように脚本されています。
なかなか巧み。
そして6人はそれぞれ、
このどれかに該当しているようなのです。

ドラマも映画も、人物が魅力的なら、
それは作品の魅力にもつながると思いますが、
このドラマを見終わって、
特に印象に残ったのは二人、
まずはさっきも触れた、オーストラリア人女性副司令官キャシー。
若い研修生と浮気した夫を捨て、
厳しく堂々と、しかも理知的に仕事を遂行しています。
ただもちろんある種の空虚も抱えていて、
それは彼女が可愛がっている猫のブルースによって象徴されているようです。
(実は同僚である元夫は、
この猫の所有権を主張して裁判を起こしています。
家はいらない、猫をよこせ、というのです。
でもキャシーは、ゼッタイに、ブルーシーを渡そうとはしません。
それは彼女の精神の、最も柔らかい部分なのでしょう。

もう一人は、物語の発火点を作る人物で、
アメリカ人のPC&ゲーム・オタクの男性です。
彼は、ごく少数の人と以外、
同じチームのメンバーとも会話もしないようなタイプです。
(悪意を持って、彼を
bog-standard single guy nerd 「ごくありふれた独身のオタク男」
と呼ぶのは、キャシーの元夫です。)
そんな彼に、とても意外な出会いがあります。
この淡く、感情的な出会いとその帰結は、とても印象的でした。

というわけで、
こうして色々書いていると、
自分がおもしろかったと思ってるんだなと気づかされます。
ただ、
終わってないんですよね。
謎が残ってるし、
サスペンデッドな状況が複数あります。
シーズン2の話はあるようですが、
ぜひお願いしたいです。

とにかく、アメリカとオーストラリアの関係という、
ふだん考えたことのない視点が感じられて、
それだけでも新鮮でした。

2024年2月26日月曜日

ドラ1

今日のスポーツ・ニュースでは、
広島カープのドラフト1位の投手が、
調整が遅れていてキャンプ後は2軍へ回る、
という情報がありました。


ああ、でも読んでみると、

大学の卒業試験のため1月の自主トレを十分にできず……」

とあります。
有名スポーツ選手に対しても、
厳しく試験やレポートを課してるわけなのでしょうか。
もしそうだとしたら、
ちゃんとした大学だなって感じます。
246沿いの、あの大学ですね。

2024年2月25日日曜日

猛スピードで

先日、同僚がコロナ陽性になりました。
珍しく飲み会の予定があったのですが、
再調整となりました。
どうやら、第10波というものが来ているようです。
(もうピークは超えたと言いますが。)
まだ、無視できる存在ではないですね。
(わたし自身は、マスクはしていませんが。)

「ふらんす」の連載の仕事、
猛スピードで進んでいます。
何しろ、4月号の発売まで1ヶ月切ってますから!
そしていずれはこの連載をまとめて、
それをベースに別の形に、とも相談しているので、
そちらの方も進めています。
3月は、この仕事がメインになりそうです。
(読んどくべき本も溜まってるんですけど……)

2024年2月21日水曜日

確定申告

 



これね、ほんとにこう返事したい気持ち。

画像の引用元は:

https://www.tokyo-np.co.jp/article/309964

2024年2月18日日曜日

『ドン・キホーテ』

なんだか書いたような気がしていましたが、
書いてないことに気づきました。
今更ですが、
去年読んだ本の中で、
一番印象に残ったのは、

『ドン・キホーテ』

でした。
岩波文庫で全6巻。
前編3巻の刊行が 1605年で、
後編3巻の刊行が 1615年とされているようです。
とにかく、17世紀初頭の小説です。

わたしには、おそろしくおもしろかったです。
400年以上前に、
こんなに自由で、
さまざまなジャンルの要素が入っていて、
メタな部分もたくさんある小説が書かれていたなんて、
驚きでした。

ドン・キホーテは、
中世に流行った騎士道文学に入れ込み、
その荒唐無稽なフィクションをすべて現実だと思い込みました。
そして、
騎士道精神を「現代」に復活させるべく、
自ら「遍歴の騎士」となり、
冒険と栄誉を求めて、
まさに「遍歴」の旅に出るわけです。
彼の狂気は滑稽で、
周囲の人も呆れてしまい、
場合によっては彼を信じたふりをして揶揄うわけですが、
ドン・キホーテの狂気は揺るぎもせず、
その様子は、戦慄的でさえあります。
滑稽で旋律的。
これが『ドン・キホーテ』なのだと感じました。

なにしろ6巻もあるので、
読み始めるのにちょっと勇気が入りますが、
翻訳はとても明晰で読みやすく、
ぜんぜん辛くありませんでした。
ナチの迫害を避けてアメリカへ向かう船旅の際、
トーマス・マンもこの小説を読んだそうです。

とても素晴らしい小説でした。

(シェークスピアの『リヤ王』は、
初演が1606年だそうです。
1年違いですね。)




Titans

ネトフリのドラマ、

Titans

を見ていると書きましたが、
あっという間にシーズン1を見終わりました。
が!
ぜんぜん終わってなくて、
しかも、最終話は話が飛んでいて、
(実は飛んでなかったんですが、
どう見ても最初は飛んでるのかと思う展開)
しかも(2回目)、後半はイマイチ「動き」が少なく、
失速気味だったので、
シーズン2に行くかどうか迷ったんですが、
ちょっと調べてみると、
シーズン2の第1話で、
シーズン1が解決するとあったので、
そこまで見ました。
最後はあっけなかったですが、
まあ、Anna Diop のスターファイヤーが良かったので、
ヨシとしましょう。
(でも、シーズン2以降はまたいつか!)

2024年2月17日土曜日

The Book of Clarence

今、シーズン1の終盤まで来た

ドラマ『タイタンズ』

ですが、
中で一番目立っているのが、
赤い髪に紫のドレスの、Anna Diop です。


かっこいいですよね!

で、
彼女のことをちょっと調べたら、
新作が公開されたところでした。
そしてなんと、オマール・シーと共演してるのでした。


舞台は、紀元33年のエルサレムだそうです。
どうも、偽イエスが登場するようです。
見たいですね!
 


2024年2月16日金曜日

ありきたりでOK

今週は、月曜日にZoom会議が4つありましたが、
それ以降は……、
何をしていたか分からないうちに、
金曜まで来てしまいました。
まあ思い出すと、
テニスはした(3回!)し、
カフェには(ほぼ毎日!)行ったし、
来年度に関わる学生関連の重要な書類も提出したし、
舌平目(←スーパーで30%引きでした!)のムニエルも食べたし、
スマホのバッテリーも変えましたが、
それくらいかな?

……と書いていて思い出しました。
カフェで、詩を書いてたんですね。
これにとても時間かかりました。
(しかも完成してないし。)
それからもう1つは、
例の連載のための内容を、
レナさんとやりとりしながら、
詰めていました。
あとは、
『世界はラテン語でできている』という新書を読んで、
(著者の「ラテン語さん」のX、時々見てました。)
『バットマンvs,スーパーマン』
が面白くなかったので途中でやめて、
『デューン』も面白くなかったので途中でやめて、
(ティモシー・シャラメは、人気があるようですが、
わたしの好みのタイプの俳優ではありません、)
でも、新しく見始めたネトフリ・ドラマ、
『タイタンズ』
これは今のところけっこうおもしろくて、
毎晩楽しみにしてます。

というわけで、
ありきたりですが、
まあ、楽しい今週でした。

2024年2月11日日曜日

「行き過ぎ」

イスラエルによる戦争犯罪は続いています。

https://twitter.com/UNIC_Tokyo/status/1755879218599047459

戦争前からの国際法違反行為も、
今だに続いています。

そしてついにバイデン大統領も、
イスラエルは「行き過ぎ」だと。


彼にはあまり期待はできないけれど、
それでも、
アメリカの大統領の他に、
イスラエルを止められる人はいないのでしょう。
もっともっと強く。早く。

「ふらんす」連載します!

日本で唯一のフランス専門雑誌といえば、
白水社の「ふらんす」ですが、
4月号から、
レナさんと一緒に連載することになりました!
(パチパチパチ!)
テーマは「会話」で、
初級から始めて、
だんだんニュアンスをつけた表現までいければと思っています。
で、今日も、
レナさんと、いつもお世話になっている担当のMさんと、
三人でZoom打ち合わせをしました。
ほんとに頼もしい二人です!

どうぞお楽しみにしてください!

『マン・オブ・スティール』

『ジャスティス・リーグ』がおもしろかったので、
そもそもなぜスーパーマンは死んだのだろうと思って、
『バットマンVS.スーパーマン』
をみ始めたのですが、
これを見るなら、その前に

『マン・オブ・スティール』(2013)

を見て、
スーパーマンが何をしたのか見ておく必要がありそうだったので、
こちらを先に見ることにしました。


この『マン・オブ・スティール』、
わたしはなぜか、とてもおもしろく感じました。
こういう映画を楽しんでいると、
子供に戻ったような気がしてきます。
アメリカ軍に花を持たせる部分もありますが、
結局は、アメリカ軍の、
そして人間の無力さ、卑小さ、が滲み出ていたのも、
好感を持った理由です。

監督はザック・スナイダー。
彼は『ジャスティス・リーグ』の監督でもあります。


二人

わたしのお気に入りの映画である、
『キラキラしてる』(Tout ce qui brille)


については、
ここでも何度か触れました。
ほぼすべてのシーンの撮影場所にも行ってみたし。
(でも論文は書けずじまいになってますが!)

この映画の主人公は二人。
ユダヤ系のジェラルディン・ナカシュと、
アラブ系のレイラ・ベクティです。
パリ郊外に住む二人は、
「パリ」への憧れを共有し、
喧嘩もしますが、
友情を育みます。
そしてその友情は、
ユダヤーアラブ間の友情でもあるわけです。
パリ郊外に、小さなパレスチナがある、
ただしこちらは、友情で結ばれたパレスチナです。

昨日、
ガル・ガドットがイスラエル擁護の立場にあることに触れました。
で、
そういえば、(もっと早く気づくべきでしたが)
ジェラルディンとレイラは、
どんな立場にいるのだろうと思ってちょっと検索すると、
すぐにこれがヒットしました。


ジェラルディンは、
彼女に意見を言えと迫ってくる、
メディアからのプレッシャーについて語っています。
そしてもちろんそれが、
自分が俳優だからと言うより、
「ユダヤ人」俳優だからだという点を指摘しています。
(実際そうでしょう。)

...on se demandait si on était invitées en tant qu’actrices, 
jeunes actrices, jeunes tout court, 
ou finalement comme juive et musulmane ? 
(…) Oui c’est vrai, je suis juive, Leïla est musulmane

一方レイラは、はっきりこう言っています。


ほんとにその通り。

日本では、
例えば俳優が、
ガザ問題についての立場を問われることはないのでしょう。
けれどもフランスでは、
おそらくアメリカでも、
そういう質問を避けることはできないのでしょう。
(そう言えば数年前、
それまで沈黙していたテイラー・スイフトが、
初めて政治的立場を鮮明にした時には、
大きな話題になっていました。)

今朝テレビで、
ある評論家が、
「中東問題はわからない。
勉強し直してもなかなかわからない。
宗教問題だから」
と発言していました。
評論をしてお金をもらう立場の方が、
この位置にいるわけですね。

2024年2月10日土曜日

『ジャスティス・リーグ』

アマプラにオススメされた映画、

『ジャスティス・リーグ』

を見てみました。


地球が危機に瀕し、
死んだスーパーマンを甦らせるべく、
バットマンやワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュ、
などが集合する総花的映画です。
でも、ジャンル映画としては、
なかなかおもしろかったです。

ただ、
ワンダーウーマンのガル・ガドットはイスラエル出身で、
元イスラエル軍の軍人でした。
(女性も兵役があるので。)
そして、まあ想像通りではあるんですが、
彼女は10/7 以降、
パレスチナでの死者数が1万人を超えた昨年末の段階でも、
イスラエルを支持していて、
一部からは批判も出ています。

わたしも、彼女の態度にはややがっかりしましたが、
だからと言って、
彼女の出演作をすべて否定するなんていう気もありません。
こうしたことは、単純ですが難しい問題で、
個別のことはそれぞれになんらかの態度を取れるでしょうが、
なかなか一般論に至りつきません。

2024年2月6日火曜日

『アリータ』メイキング

2019年の映画なので、
何を今ごろ、
と思われるでしょうけど、
ヒロインであるアリータの表情の現れ方が、
今まで見たどのCGとも違っていた気がして、
メイキングを探したら、すぐに見つかりました。


このヴィデオのタイトルにある通り、
製作者の一人は、

1つのフレームの中での「実写とCGIの「完全な融合」

を達成できたと言っています。
「完全」かどうかはともかく、
たしかに、今までとは違うぞ、と感じました。

また、これほど練習してたんですね。


もっと早く観ればよかった!

浮いてる?

来年度のカリキュラムを確認せよ、
という連絡が来ました。
で、
確信したんですが、
今更ながらおもしろい(?)と思ったのは、
例えば、大学院の、後期の月曜2限の開講科目。

電磁波特論
システム工学特論
ソフトロボティクス特論
建築数理情報分析特論
文学と都市
データ化学工学特論
幾何学特論D
素粒子物理学特論B

どれとは言いませんが、
1つ浮いてるような!
とはいえ今年は、
総合芸術系以外の、
建築、情報、機械、などを専門とする学生も履修してくれました。
嬉しかったです。

4・36%

マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」の
国家公務員の昨年11月分の利用率が
4・36%だったことがわかった。
最も低いのは防衛省で2・50%だった。」
(朝日新聞)

つまり、100人中95人は使ってないと。

2024年2月5日月曜日

『アリータ:バトル・エンジェル』

やはり見逃していた、
ジェームズ・キャメロン監督の

『アリータ:バトル・エンジェル』(2019)

を見てみました。


特に期待もなく、
たまたま出てきたから見た、
というのも良かったのかもしれませんが、
なかなかおもしろくて、
一気に見てしまいました。
原作は、1990年代の日本のマンガ、
『銃夢』なんですね。

300年前の火星軍との戦争の結果、
今地球には、ザレムと呼ばれる空中都市と、
その廃棄物が積み上がる地上の街、アイアン・シティーしかありません。
そしてある日、サイボーグを治す医師が、
くず鉄の山の中から、
女性サイボーグの頭部を発見。
それがまだ生きていることに気づいた彼によって、
金属の肉体を与えられた彼女は、
アリータとして再生します。
記憶を失っていた彼女は、
何度か危機に襲われる中で、
「自分」を思い出してゆきます……

<以下、ややネタバレします>

サイボーグは心を持てるのか、
サイボーグと人間は愛し合えるのか、
など、古典的なテーマにも触れていますが、
見所はやはり、アリータのキャラなのでしょう。
彼女は、戦う少女から、
戦い愛する女性へと「成長」してゆきます。
時には、「父親」である医師の言葉を無視し、
自分の信念を貫くし、
時には、愛する人のあめ、
自分の命を差し出そうとさえします。
こちらが油断していた(?)せいもありますが、
アリータの涙にはグッときてしまいました。
また、善人と悪人、みたいな単純な構図ではなく、
ファルマコン的な人物もいるし、
例の「セイヴ・ザ・キャットの法則」
(弱っている猫を助けた人物に観客は好意を抱く)
をストレートに使い、
ただそれを反転させたりもしていて、
よく練られていると感じました。

ただ、この映画、誰が見ても「終わってない」んですよね。
もう4年経つのに、まだ続編は出てません。
公開されたら、劇場で見ます!





『バービー』

見よう見ようと思いながら今日まで来てしまった

『バービー』(2023)

やっと見ました。
直接のきっかけになったのはこの記事です。


マーゴット・ロビーの言葉が、
清々しくていいですね。

映画としては、
前半は快調で、
中盤過ぎもいい流れだと思うんですが、
後ろの1/3ほどが、
ちょっとまどろっこしかった、
つまり、説明的というか、理に落ちるというか、
着地地点をしっかり提示することにこだわりすぎた気がします。
ただもちろん、そうしたくなるのは当然だし、
なんなら、何か新しいパラダイムの萌芽くらいは示したい、
と思うのも当然なので、
そういう風になってしまうのは理解できますが。
ただ、とりわけ「アイデンティティ」というものの理解が単純なので、
深いという感じはしませんでした。
もちろん、おもしろかったんですが。

それにしても、
ライアン・ゴズリングは、
ライアン・レイノルズと似てますねえ。
まあ後者の方が、ちょっと陽気な感じだけど。
そしてふつう、
有名俳優に似てると、
かえって役がもらえないって聞きますけど、
そうはなってないんですね。

読書用ランプ

このところ、
選択の失敗が続いています。

『バッドランド・ハンターズ』
『ザ・キッチン』
『ベルリン』

どれもわたしにはイマイチでした。

マ・ドンソク主演の『バッドランド・ハンターズ』は、
まあ彼が出ていてば75点は固いだろうと思っていたのですが、
荒唐無稽で浅はかな脚本と雑な演出が目立ち、
20点くらいでした。
『ザ・キッチン』は、遅すぎる、と感じました。
このスピードでやるなら、もっと映像が魅力的じゃないと。
『ベルリン』は、
あの傑作『ペーパーハウス』のスピンオフなので、
これはエンタメとしては間違い無いだろうと思っていたのですが、
ハズレでした。
こちらも、浅くて単純。
舞台がパリなので楽しみにしてたんですが……

実はもう1本、途中で辞めている映画があるんですが、
これは、映画は悪くないというか、
主演女優はとても上手くてよかったんですが、
話の展開が苦手なパターンに入ってしまったので、
つい止めてしまいました。
実はこの長尺の作品、
最初の30分ほどは会話ばかりだったんですが、
それでも、
俳優の細かい演技と、脚本のおもしろさに引っ張られていたので、
残念でした。

話は変わりますが、
読書用の小さなライトを買いました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09J4QRFFB/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

リビングのソファのアームに置いてみたら、
とても本が読みやすくなりました。
これ、買って良かったです。

2024年2月1日木曜日

『偽りの銃弾』

ネトフリにお勧めされたイギリスのドラマ、

『偽りの銃弾』

を見てみました。
見終わってから知ったんですが、
ネトフリ内ではかなりヒットしているようです。

宣伝文句はこんな感じ;

殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。
2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、
2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。

続きが気になりますね?
8話なので、あっという間です。

ドラマは、映画と違う時間が流れています。


で、今回のドラマはというと、
(単なる印象批評になってしまうんですが)
いわゆる「ドラマを見てる」というより、
小説を読んでいる時の感覚に近かったです。
謎のある犯罪物の小説を読んでいるみたいな精神状態になりました。

でやはり、原作小説がありました。
人気作家、ハーラン・コーベンの小説で、
訳者はお馴染みの田口俊樹。
彼の翻訳、何冊読んだかしれません。
その感覚です。

ただどうしても違うのが、
役者の存在です。
たとえばヒロインのマヤ。
ドラマを見ていると、当然ながら、
マヤは、演じるミシェル・キーガンの容姿に見えていて、
それ以外の容姿にはどうしても見えません。
(ミシェルはきれいだし、かっこいいですが、
元特殊部隊には見えません。
小説だったら、
おそらくもっと逞しい、
スポーツ選手のような雰囲気の女性を想像していたでしょう。)

というわけで、
原作小説も読んでみたくなりますが、
読むべき本が高く積み上がっていて、
そこまでは無理かな……

2024年1月31日水曜日