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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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「今はみんなが被災者なんです。」

救命病棟24時第3シリーズで、進藤先生が言っていた。

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3月11日の日中に起きた地震。
揺れる病棟、その後の停電。そして非常用電源への切り替え。
病棟内のパソコンの電源が落ち、NSTの遠隔モニタリングが止まり
病棟スタッフみんなが、ナースステーションから走り出し
各部屋を見て回った。
「大丈夫ですか?」「怪我はないですか?」「心配ないですよ。」
微量点滴装置の電源はきちんと入っているか、保卵器の電源は?
転倒している人はいないか?今病棟から離れている患者はいないか?
今手術中の患者の状況は?

確認する事は沢山あった。

師長が持ってきたラジオから流れる情報に、みんなが耳を澄ます。
「非常に大きな地震が・・・」
その間にも繰り返される余震。

院内に緊急対策本部が設けられ、各病棟の被害状況の報告を求められる。
電源が落ちたパソコン、何をするにも仕事にならない。
幸い落ち着いていた病棟にスタッフが次々と集まり、情報収集に努める。

ラジオから流れてくる情報に、事態が深刻である事を知り
スタッフも家族に連絡を取り始めるが、殆ど通じない。
夕方になると、病院から見える風景は暗闇のみ。
普段光が溢れる風景が、一変しているのを見て、更に心配が募る。
停電が広範囲に渡っている事、尋常ではない揺れであった事

みんな、心配で、家族に連絡を取りたくて、早く家に帰りたかったと思う。

自分達は非常用電源のある病院で、暖房が確保されている場所で、
人が沢山いるところで、TV/ラジオから情報を得られる状態であったけど
家族は、妻だけで、子供だけで、親だけで、暗闇の中どうしているんだろうと
思う人が、たくさんスタッフの中にもいたと思う。

帰す事が出来るスタッフを送り出した後も、院内には沢山のスタッフが残った。

家族と連絡がつかないままのスタッフも多く
ここよりも、もっと被災状況がひどい場所に、家族がいるスタッフもいる。

病院を離れると携帯が通じず、呼び出す手段がなくなり
院内でさえPHSが通じないため、真暗闇の医局か、ナースステーションに詰めて
いるしかなかった。

寒い、喉が乾いた、暗い、お腹が空いた、いつ直るんだ、明日からどうする?

どうしようもない状況で、ただ、万が一の事態に備えて、みんな待機していた。
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これが、地震直後の状態。
みんな医療スタッフとして、当然の事として、自発的に行った事。


今も前線で働く全国の医療スタッフ、自衛官、警察官、消防士などなど
被災現場で働くすべての方々
お疲れ様です。
みんな、同じような状況で、professionalの誇りと共に頑張っているのだと思います。

そんな方々の後ろには、その方々の帰りを待っている家族がいます。
その人達が長く現場で頑張れば頑張る程、残された家族は寂しい思いをしながらも
余震に脅えながらも、professionalの誇りと共に働く方々を支えるために
離れた場所で耐えています。

その方々の家族にも、どうか、どうか深い尊敬と感謝を。







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「ギネ 産婦人科の女たち」 2話目感想です

・双子のお産
:テレビ的ですね
:この病院は正常分娩ならDr立会いしないんでしょうか?

・gradeAカイザー
:手術室までこの位のスピードで移動できれば確かに理想です
→それにしても手術室遠いですね
:この早さで手術室に入れる施設は、実際どの位日本にあるのでしょうか?
:手術決定から12分で児を娩出
→この位のスピードで児を娩出させる事は、生涯ないかも・・・

・口唇口蓋裂の病状説明
→難しいとこですが、柊の説明導入は受容しがたいでしょうね
:「人を殺してはならないんです」
→個人の信条を理由に患者の自己決定権を損なうなら、開業してやる
  べきです

・筋腫分娩の多量出血
→輸血全開でも間に合わない位の出血ならば、緊急手術も仕方ないでしょうか
:血液型が判明しているという事は、術前検査は同時並行ですね

・子宮外妊娠破裂
→それまで無症状のわりに、ショックになるまでが早いですね
:間質部妊娠+AVM??
あの出血量でvital signs保てないなら、子宮全摘もやむを得ないです
:「2人とも生きているそれが最善」
→意見が別れるところだと思いますが、現場の緊急の判断としては
「最善」だったとは思います
:母親に摘出前に話が出来たのか?その余裕があったのか? 
→術前説明で可能性としては子宮全摘に触れると思います

・当直室での徐脈心音
→夢に出そうですが・・・
:60bpmのprolonged deceleration,8cm開大,station±0
→緊急帝王切開ですね。ただ凝固系採血や超音波でさらっと見る位をしてから
決定するのかなとも思いますが、case by caseですね
→視聴者がどう思うのかわかりませんが、11分は異常に早いです

・緊急帝王切開での多量出血
→これも夢にでそうですが・・・
:原作どおりの展開ですが、一部原作と違うのは最初に柊が術者をどかない事です
→どんなに慣れている産科医でも、湧き出る出血に足がすくむ瞬間があります
:上級医がいてくれるのと、自分以上の医師がいないのでは大違いです

・ラストシーンの医療制度に関する医長の言葉
:産科医側からの代弁者ですね

・「でもあの子は生きています」

:うーん・・・


*原作「ノーフォールト」の一番の読み所、と勝手に思っている手術での多量出血
の流れは、さほど改変されていないので良かったです
*以上勝手な感想
新しく始まったドラマ
「ギネ 産婦人科の女たち」

初回の勝手な感想・つっこみです


・妊娠36週 JCS10 頭部外傷 妊娠36週の陣発 交通事故妊婦
1)通常オーベンの許可を得ず、上記のようなhigh risk患者を単独で受け容れる
自信過剰な医師はいないと思います
→それって本当に一人で救えるの?誰かの助けが必要ならば(緊急帝王切開や
急変時の対応)、その助けを求める集団のキャパシティを考慮するのは当然
2)仮に受け容れるにしても、閉腹をネーベンがして、現場に向かうのがオーベンで
しょう。

・救急車内で分娩決行
:胎児情報なしの妊婦の分娩を救急車で、保育器も待たずに?
→既に児頭・体幹が娩出しているならまだしも
:本当に発露?クリステレルでも娩出せず、最終的に鉗子で出して?
それならば救急医が言う「だったら最初から処置室でやれよ」の言は真です
:まず母体最優先は産科・救急のデフォだと思いますが
→まずは児頭を両手で抑えて、娩出させずに分娩室まで運ぶのが吉でしょうか

・収縮期血圧180のPIH妊婦 gradeA帝王切開同時進行
:gradeAと言うからには、血圧だけではなく胎児心拍ががた落ちで、NRFSとなって
いたのでしょうか。

・入局者2人に対して「大事に大事に育ててくれよ」
:設定上の東京の大学病院である事を考慮すると、新規入局者が2人は寂しいですね。
まさに金の卵の3年目医師に対し、藤原演じる柊のような無愛想な態度を取っていれば
普通医局長あたりが調整して然るべきでしょうね。現状の産科医不足では。

・大学病院に緊急避妊ピルをもらいに来る患者
:当直中の夜中3時位に、救急で「避妊ピルくださーい」と言ってくる患者には、さすがに
「イラッ」としますが
→確かに72時間以内と言っても、早めに内服するほど失敗率は下がるようですが、
それでも次の日の通常外来に来ても遅くはありません
:と言う事を、高等教育までに教えないのが非常識な受診を生む原因でしょうか
:否応なく患者を帰す柊の態度は、それはそれで良いです。が、法に疎くて自信はないの
  ですが、この場合信条の理由から(それも自費患者であり)診療を拒否していると言う事
で応召義務違反には当たらないのでしょうか

・27週のTTTS MD twin 夫の「手術しないで死産にして下さい」
:27週で900gと500g、intact survivalは10%以上はありそうですが、それでも当事者
の立場からすればやむを得ない発言だとは思います
→胎児適応の中絶は法的に認められません
:ですが、「自然経過でお願いします」と頼まれた場合、産科医はそれを説得する
根拠・強制力は持ちません
→故に柊の「それって人殺しじゃないですか?」との発言に違和感を覚えるのでしょう

・幸帽児の帝王切開
:柊はオーベンの指導を受けながらやっていましたね
→オーベンの指導が必要な立場という事はわかりました

・もう少しで臨月の妊婦が救急搬送。便秘
:結果的に便秘でしたが、最初に診た救急医はいまひとつですね。
→妊婦の腹痛を見て、早剥の可能性を考慮し産科医への診療依頼を優先させない救急
医はどうかと思います

・窓から見たら痛がる中国人妊婦
:一番テレビ的な流れですが。正解は、迷わず119へ電話でしょう
:子癇発作起こしてますが・・・
→バイトブロック・・・

・中国人妊婦 gradeA帝王切開

:健診未受診、凝固系・感染症のデータ待たずに緊急帝王切開
→high riskこの上ないですが。
:術中2000ml以上の出血、未交差のO型輸血依頼
→PIH合併妊婦で、産科DICでもおかしくない状況です。
心停止まで行ってます。怖いですね
:結局弛緩出血?DIC?


明らかに酷い作り!と言う事もなく、原作の改変にとまどいますが
総じて、次回に期待と言うことで


日本テレビで10月から産婦人科医を主役としたドラマが始まります

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「ギネ 産婦人科の女たち」
http://www.ntv.co.jp/gyne/
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原作は昭和大学医学部産婦人科学講座主任教授でいらっしゃる
岡井 崇先生の「ノーフォールト」

ドラマ化の常として、どう原作が捏ね繰り回され、改変されていくのか不安ですが
原作の方は間違いなくお薦めできる医療小説です

2007年に発刊され、その後の産婦人科の学会の書籍コーナーでは平積みされ、
多くの医師達が買い求めていました

主人公の柊奈智が置かれる状況は、臨床にあたる産婦人科医として決して他人
事ではない、明日起こってもおかしくない状況です。
そしてその周囲の人達とのディスカッションで導き出される治療方針・戦略は同
様の場面があれば多くの臨床家が取りうる選択です。

そんな彼女が医療過誤訴訟という場に身を置き、心身ともに追い詰められていく
描写は我が身事として、臨床に携わる事に対する意識を新たにするものでした。

ドラマ化では、公式ホームページによると

主人公は入局5年目の産科医・柊奈智。
奈智は、異常なまでに「命」に強い執着を持ち、高リスクを背負ってでも患者を
決して見捨てない信条の持ち主。又、極端に言うと、「命を救うこと」にしか興味
がないため、周囲とのコミュニケーション能力が欠落している。
それ故、奈智の行き過ぎた行動は、周囲に理解されぬ事もしばしばで、医局で
は鼻つまみ者の存在。そんな折、新人医師・玉木聡が、奈智の下につくことに
なる。
玉木は指導もせず、自分を無視し続ける指導医の奈智に苛立ちを募らせる。
そんな中、奈智の人生を狂わせる、ある重大な事件が起こる


と「5年目の産科医」と「柊奈智」以外の設定が別ものになっています。
研修医も「矢口・女性」→「玉木・男性」と異なっています
また原作が産婦人科医5年目(非新臨床研修制度以前の直接入局)であるのに
対し、藤原紀香が演じるのは入局5年目の産婦人科医。現時点の設定ならば
初期臨床研修2年+入局5年=7年目の医師でしょうか。
→ん?ストレートの5年目で研修制度にかからない学年?わかりませんね。

原作の中で重要な手術執刀シーンに関し、柊奈智の経験年数は2年目でもなく
10年目でもなく、5年目周辺である必要性が物語成立の為にあったと思います。

自分一人の判断と技術で出来る事
自分一人では出来ないけれど、サポートが少しあれば出来る事
自分一人では出来ないけれど、直接指導があれば完遂出来る事
例え直接指導があっても技術的に完遂は難しい事

そんな、現場では十分な戦力とみなされつつも、上級医の助けも必要な
中堅手前の経験年数であるからこそ、
実際の医療場面でも遭遇し得る、判断に迷う場面での葛藤にリアリティがあった
のだと感じます

そんな原作を基に「入局5年目の産科医」をドラマでどう描くのか、非常に興味
深いところです。

多くの入局5年目の産婦人科医は
・通常の帝王切開には自信はついてきたけれど、前置胎盤・癒着胎盤合併の帝王
切開や帝王切開後子宮全摘の症例経験数は多くなく不安
・腹腔鏡下手術の執刀数も、非内視鏡学会技術認定医であり多くない
・産科超音波スクリーニングはしていても、胎児治療の主治医としての経験数・技術
は多くなく不安
・人に自信を持って教える位の骨盤位分娩数・鉗子(吸引)分娩数は持っていない
・広汎子宮全摘など拡大手術の術者としての技量をまだ有さない

などなど、決してスーパードクターにはなり得ません
それは個人の努力云々と言うより、10年目の医師になる為には、やはり10年前後の
経験年数が必要だからです。

その為、緊急を要さない場面では分娩のハイリスク群・ローリスク群をしっかり選別し
技量に合った関わり方が実際の臨床では重要なのだと思います
自分が命を救う事が出来なくても、他人(上級医)が救う事ができれば、それはチーム
医療として成功しています。

「自分が助けなければ!」と言うのは、緊急の場面では確かに重要な情動です。
ですが、それが「異常なまで」ならばメサイアコンプレックスと紙一重です

産婦人科医がクローズアップされる医療ドラマは珍しいので、良い意味で注目される
展開になる事を期待しています。

*コメントを下さった方々へ。
*コメントありがとうございました。後日お返事致しますので、遅筆失礼致します。






・自殺の患者の救命を巡り衝突する進藤先生と研修医
→来院時CPA、何をやっても救命できず、仮に一時的に戻りICUに入っても
いずれdown hill。
研修医の感じる徒労感は理解できます。
「どんなに熱心にやっても結局自己満足じゃないの?」とは、3次救命でローテ
する研修医が多かれ少なかれ抱く思いかもしれません。
豊富なマンパワーがあり、目の前の救命に専念できる体制ならば、そんな思い
も小さくなるかもしれません

・心臓マッサージを途中で投げ出す研修医
→リアルでこんな研修医がいたら、翌日までに院内・院外まで噂が広がり伝説
になりそうです

・死に慣れるかどうか
→よく言われる事です。医療従事者は死に慣れすぎだと。
通常死とは忌避すべき事として取り扱われ、それが日常である医療従事者と
非医療従事者との考え方に乖離があるのは当然だとは思います。
ですが、非医療従事者が当事者として死を受け止め、喪に服す猶予を与え
られているのに対し、医療従事者はある意味当事者でありながら与えられる
猶予は極めて短いものです。
    そのわずかな猶予をどう過ごし、どう明けるかは個人差があって然るべきで
すし、個々人の心の安定を取りやすい方法を経験的に身に付けていくものだ
と思います。その喪の服し方には色々な型があるのだと、非医療従事者が
少しでも知ってくれればと思います。

・認知症に関する受け止め方
→小島先生の言う「早期に治療すればこんなに悪化しなかったのでしょうか」
進藤先生の言う「いずれ克服できると信じている」
実際のところ認知症はcommonの疾患ではありますが、専門医にconsultす
るtimigを遅らせないのも一つだと思います

・クレヨンを自宅まで持っていく看護師、スタッフ総出で患者を探す
→テレビ的ですが・・・。実際の大学付属病院ではありませんけどね。

・軽度の発作だと思ったら急に状態が悪化した喘息患者
→アナフィラキシーショックですか・・・ってなんででしょう
何か事前に投薬か摂取してましたでしょうか(?_?)。胸を開いて聴診していれば、
皮疹は確認できます。喘息患者はhigh riskであり教育症例ではありますが、
   実際に当たったら怖いですね。

・ピーマン
→平和で良いですね

*以上勝手な感想。
*今回もサイド目な話でした。ユースケは出番少ないですね。


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