with photograph

大きな楠の木の下で


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

ワンさん、荒ぶる。


ワンさんたちも大クスの生命力にあずかろうと必死で大地に身体をこすりつけておりました。
(いえ、飼い主さんいわく何かケモノのおしっこの臭いでもするのだろうということです。)


Panasonic LUMIX G100 / Panasonic LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.

そして新戦力がやってきた。
手持ちのペンタ645レンズがどれもフィルム時代のFAレンズなので、デジタル設計のD FAレンズを使ってみたかったの…
フルサイズ換算43.5mmということでFAリミテッド43mm的な感覚で振り回せていい感じ。
43mmはこれ1本で何でも撮れるぜッ!!って無敵感があって大好きな画角です。(実際に何でも撮れるわけではない)

志々島の大クス Spring 2024


FUJIFILM GFX50S II / FUJIFILM GF 20-35mm F4 R WR

集落をぶらぶら撮り歩き、宿台帳を記入して挨拶と前回の食い逃げ(コーヒー代払い忘れた)の謝罪を済ませたら念願の大クスへ。
「ああ…久しぶり。」思わず声が出てしまう。
変わらないなあ。変わらないでいてくれてよかった。


この大クスの下で過ごす時間は私の中で特別なものとなった。
巨樹と向き合うとか巨樹を撮るとか、そういう対象とは少し違ってきているのを感じる。
実家に帰ってじいちゃんばあちゃんを撮るような感覚。あと何回こうして写真を撮ることができるのだろうと考えると1分1秒が愛おしい。

じいちゃんばあちゃんと一つだけ異なるのが、ほぼ確実に私の方が先にこの世を去るということ。
私が他人と比べてあまり忙しい方ではないからなのか日頃からよく死について考える。
100歳まで生きているかもしれないし、あるいは明日にでもくたばっているかもしれない。
大クスの下で過ごせる時間は貴重であり有限だ。


今回も許可を得て無人の時間帯に3回ほど拝ませていただいた。
たくさん写真を撮ったので少しずつまとめながら公開していきたい。
志々島の写真をまとめていたら、今すぐにでも定期便に飛び乗りたくなってきたから困る。
6月前半、あるいは梅雨の時期のしっとりした大クスもいいかもしれない。しかしこれからの時期は虫地獄がな…

旅の断片


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 45mm F2.8

島に上陸し、まずは何よりも先に食料品を冷蔵庫に放り込む。
くそ重いスーツケースと大量のエビスビール、金陵の4合瓶から解放されると嘘みたいに身軽になった。
いや、嘘です。645ZとGFX50SII、そして三脚とペットボトルの装備だけでも充分重い。

別に急いで大クスに会いに行く必要もあるまい、ということで早速1本目のエビスビールを解禁して庭からぼけーっと瀬戸内海を眺めていた。


島の猫がお出迎え。名前はノスケという。
他の猫たちは警戒心が強く一定の距離感を保っているのに対して、ノスケだけは人懐っこく寄ってくる。
ただし触ろうと手を伸ばすと逃げていくのだった。(早朝だけは腹を空かせているからか、やたら愛想を振りまきながら足元に擦り寄ってきた。)


今回出発直前まで悩んでいたのが645Zに装着するレンズについて。
対大クス用にベストな33-55mmか、あるいは万能レンズっぽく使える45-85mmか。いっそ複数本持って行くか。

結局大クスはGFX + 20-35mmに任せることにして散歩スナップ用の45mm単焦点1本に絞ることに決定。
今回ズームレンズは巨樹用の20-35mmだけでその他はGF110mm、XF35mm、そしてこのFA645 45mmと全て単焦点レンズで揃えてみた。

結果的にこれで大正解。
旅先で見たものを全て持ち帰る必要なんてない。そのとき撮れるものだけ撮って、撮りこぼしたものがあればまた訪れればいい。
旅を楽しむのに最適なおおらかさみたいなものが単焦点レンズにはあるように思う。
写真なんて記憶の断片が残っている程度でいいんだ。あとは目で見て体で感じられたらそれでいい。
今回の四国旅で、ばかみたいに重い上にクセの強すぎる645Zが少しだけ自分に馴染んだように感じるのが嬉しい。

旅の断片


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 45mm F2.8

早めに到着してのんびり荷物をまとめ、宮の下港をぶらぶら撮り歩こうと思っていたワタクシ。
出港1時間前だというのに既に並び始めているではありませんか。え?もしかして混雑する?
万が一定員オーバーになると海上タクシーを呼んだりと色々面倒なので仕方なく並ぶことに。


結果的に平日朝イチの便だというのにほぼ満員でした。どうやら前日のテレビで志々島の花畑が紹介された模様。
まあ例年この時期だけは(大クスではなく花畑目当てで)混みますからね。
今回島に宿泊して観光客不在の時間帯に好き勝手歩き回れる私にはあまり関係ありませんが。

大クス目当て、かつ日帰りで考えている方は4月後半から5月前半までの花畑最盛期を避けた方が無難かもしれません。
一対一で大クスと向き合えないと魅力が半減してしまうように感じます。というか私は絶対にイヤだ。


津嶋神社でも感じたばかりだけど、船に乗って遠ざかる宮の下港を眺めていると「ああ、帰って来たな」なんてしみじみしてしまう。
島生まれでも何でもないのに。

かつて隣の粟島で生き方を変える決断をした自分としては、瀬戸内の離島が第二のふるさとのようにも感じるから不思議。
というか幼少の頃から引っ越しが多かった私にとって「ここが故郷!」というものが無いので、ふるさとがあるってこういう感覚なのかなと思ったり。
志々島を想って郷愁のような気持ちが芽生えるのは、ただ単に歳をとってオッサンになったから、という理由だけなのかもしれませんが。

旅の断片


PENTAX 645Z / PENTAX smc PENTAX-FA645 45mm F2.8

いつもの神社で旅の安全を祈願。
というよりも、これだけ通い詰めると実家に顔を出す感覚に近い。
おかげさまで元気にやってますよと報告して、また来ますわと去る感じ。

コロナで世間がゴタゴタしていた頃から我が家は大病やトラブルとは無縁に、平穏無事に過ごすことができたのもこの津嶋神社のおかげだと思っている。
(今思い返してもあの頃はトチ狂ってる人が多かったなあ。ニュースに触れすぎている人ほどトチ狂っていた印象。私の親とか…
両親とも聡明な人だし母親なんて医療従事者なのに論理的な会話がまるで出来なくなって驚いた。人ってこうして偏った情報に洗脳されるんだなと。)


平穏無事に過ごせたといいますか、多少のトラブルにいちいち気を揉まないといいますか。
結局のところ寛容に生きることが大切で、そのためにもストレスになりそうな場は極力避けて生きるのが賢明かと考えております。
これからも毎年こうして生存報告をしに津嶋神社に帰って来られるといいなあ。

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