プロジェクトマネジメントの話とか

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人生の終わりから考える。ゼロからやさしく学ぶ7つの習慣【第1・第2の習慣】


 『7つの習慣』って、あの分厚くて難しそうな本でしょ?読みづらそうだし、枕にするには低すぎるわ。でもこっちのマンガを読んで驚いたの!わかり易い!(80歳主婦:キヨ(仮名))

 いまさら『7つの習慣』だって?何度も読み直して完全にモノにしているよ。毎日音読してるから目次は完璧に暗記した。でもこちらの漫画版を読んで、新たな気づきがあり僕の人生は激変したんだ。25歳浪人生:BENZO(仮名))

 などという声が全国各地から続々と届いているかどうかは定かではないが、今回紹介するのは『まんがでわかる7つの習慣2 パラダイムと原則/第1の習慣/第2の習慣』だ。

まんがでわかる7つの習慣2 パラダイムと原則/第1の習慣/第2の習慣

まんがでわかる7つの習慣2 パラダイムと原則/第1の習慣/第2の習慣

 

 『7つの習慣』は、人生の原理原則を示した、世界で最も売れたビジネス書だ。世界的な名著であるにも関わらず、とても分厚いので、とっつきにくい印象があるのが難点だった。

 そこでマンガの登場ですよ。マンガだと何の抵抗もなく「スッ」と頭に入って来るんだよね。難しいことは何一つ書かれていないので娯楽漫画を読むレベルで理解できるんだ。

※最近はコムズカシイ話をマンガで説明するのが流行ってるけど、今後はそれが当たり前になっていくんだろうね。分厚い名著『ザ・ゴール』のマンガ版も出てきたし。

 さあ、小手先のテクニックに走るのではなく「人生の原理原則」を「ゆるく・楽しく」理解して、人生をカイゼンしよう!

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7つの習慣の全体像

まず全体像について整理。

  • パラダイムと原則について
  • 第1の習慣:主体性を発揮する
  • 第2の習慣:目的を持って始める(終わりを思い描くことから始める)
  • 第3の習慣:重要事項を優先する
  • 相互依存のパラダイム
    (第4~6の習慣を達成するためには、他人との信頼を築く必要がある)
  • 第4の習慣:Win-Winを考える
  • 第5の習慣:理解してから理解される
  • 第6の習慣:相乗効果を発揮する
  • 第7の習慣:刃を研ぐ
  • 第8の習慣:「効果」から「偉大」へ

■私的成功(Private Victory)
第1~3の習慣が該当する。
他者に依存した状態から自立を獲得した状態へ。

■公的成功(Public Victory)
第4~6の習慣が該当する。
他者と協力し合い、相互依存の状態に至ることで相乗効果を発揮し、一人では成し遂げられなかったことを成し遂げる。私的成功なくして公的成功はありえない。

大前提としての「パラダイムと原則」

 7つの習慣を学ぶ前に「パラダイム」について確認しておく必要がある。

 「パラダイム」とはひと言で言うと「思い込み・先入観・バイアス」のこと。(ひと言じゃなくて、なぜか三言になってしまったが)人はみんな、「思い込み」を持って生きている。

7つの習慣を実践して人生を明るく変えたいというとき、まず意識すべきことがある。それは「自分の見方、考え方はパラダイムに縛られている」ということ。

言われてみればその通りだが、日頃は意識されていないことが多い。自分はどれほど偏った人間なのか。まずはその自覚を持つことから始めよう。(P.5)


誰しも、自分は物事をあるがままに、客観的に見ていると思いがちである。だが実際はそうではない。…何を見たか説明するとき、私たちが説明するのは、煎じ詰めれば自分自身のこと、自分のものの見方、自分のパラダイムなのである。
(P.17―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.22)

 「自分は偏った人間で、思い込み・先入観を抱いて生きている」という前提に立て!ということだ。

 自分は誤った考えを持っているかもしれないし、「自分にとっての常識」が、実はマイノリティーなのかもしれない。アナタが「ラーメンはニ○郎にんにくマシマシが最強!異論は認めない!」と思い込んでいても、職場のみんなは家○畜のエサだと思っているかもしれない。正解なんてどこにもないんだ。

 「なぜ、こんな当たり前のことを言っているんだ」と思うかもしれないけど、これを日常から意識できる人間は少ないからなんだ。

自分の…基本的なパラダイムと、それによって受ける影響の程度を自覚し、理解するほど、自分のパラダイムに対して責任を持てるようになる。

自分のパラダイムを見つめ、現実にすり合わせ、他人に耳を傾け、その人のパラダイムを受け入れる。その結果、はるかに客観的で、より大きな絵が見えてくるのである。
(P.22―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.23)

 また今回も出てきたね。自分の思考を客観視(=メタ認知※)することの重要性を説いている。

■Googleの社員教育はこちらを参考に。

Googleが社員教育で実施している「無意識バイアス」の講義を徹底解説 - GIGAZINE

■メタ認知に関する関連記事はこちら

 パラダイムを意識した人は、他人と意見がぶつかっても頭ごなしに相手を否定することはないし、無駄に熱くなることもないんだね。「自分のパラダイムと相手のパラダイムは異なる」という大前提を理解し、意識しているのだから。

 百人いれば百通りのパラダイムが存在するわけで、意見が対立しても相手の意見をwrong(=誤り)でなくdifferent(=違い)として処理できるわけだ。

効率が上がれば問題は解決するのだろうか。より少ない時間でより多くのことができれば、状況は良くなるのだろうか。

効率を上げるというのは結局のところ、自分の生活を支配している状況や人々にそそくさと対応するだけのことではないのか。
(P.31―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.41)

  ぐぬぬ……全く持ってその通りである。ただ誤解してほしくないのは、「効率化を求めることが悪」ということではないということだ。

 根っこの部分でどの方向に向かっているかもわからない、ひょっとしたら間違った方向に向かっているかもしれない、そんな状況でただやみくもに突っ走るのは意味が無いだろう、という意図だ。

オーナー「人はみな自分の経験で学んだ範囲でしか世の中を見ることができないのさ でもそのことを知っているのといないのとでは大違いですね」(P.17)

 パラダイムについての考え方を知ることで一番インパクトがあるのは人間関係だと思う。自分の考えと相手の考えは違って当たり前だという前提を意識した結果、相手を尊重する行動につながるわけだ。

パラダイムの変化がある暮らし

 もちろん、これから学んでいく第1~第7の習慣によって自分のパラダイムを大きく変化させることで、人生が大きく改善することになる。

 また、ちょっとした変化を日々取り入れることで、常にパラダイムは変化する。パラダイムを変化させつづけるためにPDCAを回すんだ。
「PDCA」って言葉は正しいの?―全く回らない「PDC」とその対策。 - プロジェクトマネジメントの話とか

 例えば…

  • 何年も連絡を取っていない友達にメールしまくってみよう。できれば会おう
  • 帰宅途中に途中下車して徘徊してみよう
  • ランチに行ったことのない同僚をランチに誘ってみよう
  • ビジネス書ばかり読んでいるなら、たまには小説を読んでみよう
  • XVIDE○Sばかり観ているのなら、たまには映画館に行こう

小さな日常の変化が、新しいパラダイムを生み出すんだ。

 

第1の習慣:反射的に怒るのはNG。主体性を発揮する。

「刺激と反応の間には選択の自由がある」という話なんですけど…「お客さんにはいろんな人がいるからね 失礼なことをされたり言われたりして反射的にカッとなるのは仕方ない 『そう思ってしまう』という反応は止められないから でもその感情にまかせて行動するのか大人の振る舞いに徹するのか それはその人の選択による」(P.60)

 カッとなった後にどうするか。外部からの刺激に対して、何も考えずに「ヒステリックに反応」するのか、それとも頭で考えて処理するのか。

 人間は動物ではないので、感情をコントロールすることができる。主体的に生きるということは、自分の全ての行動に責任を持つということであり、外部からの刺激や感情に振り回されることではない

 …って文章で書くのは簡単だけど、実際どうなんだろうコレ。頭にきたらやっぱり反応しちゃうよね。

 知らないより知っていたほうがはるかに良いことだし、完璧にできなくても少しコントロールできるだけでも結果は全く異なってくる。なので冒頭に挙げた「瞑想」などを駆使して、感情を穏やかな状態でキープしたいところだ。

主体性のある人は、自分の行動に責任を持ち、状況や条件づけのせいにしない。自分の行動は、…価値観に基づいた自分自身の選択の結果であることを知っている。
(P.61―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.81~82)

 よく聞かないか?ダメな人ほど人のせいにする、って。自分の行動は自分が決めた結果だ。そこに責任を持てないということは、自分の人生を放棄していることと同義だ。

 とはいえ、本当にどうしようもない不可抗力に見舞われることもあるだろう。その際は「自分にできる最大限は何か」を考え、少しでも改善できれば儲けモノだ。

主体的な人は…自分自身が変わる、自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくという考え方を持つ。
(P.109―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.106)

  インサイド・アウトという考え方だ。自分は何者の奴隷にもならない、自分で自分を管理する考えだ。

 この習慣が身につくことで、周囲が変化すると共にことになるだろう。

 

第2の習慣:人生の逆算。終わりを思い描くことから始める(目的を持って始める)

にて、仕事に着手する際にはゴールから逆算せよ、と述べた。第2の習慣は、この「人生バージョン」に相当する。

 最期に息を引き取る際、どのようなことを考えながらこの世を去りたいだろうか?今の生活を続けた場合、どんな後悔をするだろうか?

自分の人生での大切な役割を念頭においてミッションを決めると、生活にバランスと調和が生まれる。…一つの役割だけに注意が向いていないか、同じように大切な役割、あるいはもっと大切な役割をないがしろにしていないか、確かめることができるのだ。(P.148―『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P.177)

 例えば、課長、夫、父親。バランスを崩していないだろうか。典型的な例は、仕事中心の生活を送り家庭が崩壊し、後から後悔するケース。

 不幸な成功者に多いパターンだ。バランスを無視した生活を続けると、この世を去る際に「仕事をし過ぎなければよかった」と必ず後悔する。

※2015/02/22 公開
仕事が人生に占める割合は2割。そこに情熱を注ぐのは不毛なのか? - プロジェクトマネジメントの話とか

 ココは7つの習慣の中でも大切なポイントだ。(全部大事かもしれないケド。)日々、何も考えずに目の前の仕事に忙殺され続けているお父さんは要注意。定期的に立ち止まって、人生について考える時間を確保しよう。

 自分の人生で何が一番大事なのか。年収?ポジション?本当にそうなのか?家族は?やりたかったあの趣味は?改めてよく考えようか。


最期は笑って終わろう。

さあ。そのための今日一日を送ろう!


 

 

 

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photo by Philip Chapman-Bell

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