連載コラム・日本の島できごと事典 その126《焼酎》渡辺幸重

 島にはそれぞれ特色のある“味”があり、そして“島酒”があります。「おいしい酒」というと、島に生まれ育った人間や島旅が好きな人はどうしても自分の故郷や贔屓の島の酒を第一に挙げることが多いようです。私の場合は屋久島の芋焼酎「三岳(みたけ)」ということになります。

伊豆諸島・青ヶ島の島酒は「あおちゅう(青酎)」です。酒造会社は1つでラベルも同じですが、各家庭に伝わる製法と味が10人ほどの杜氏に引き継がれ、それぞれが異なる味を持っているといわれます。サツマイモと麦麹を使ったものが主流で、流通量が少なく島外では購入が難しいため“幻の酒”と言われましたが、最近ではスーパーで目にすることもあります。私にとっては「トビウオのクサヤで一杯」が最高です。
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原発を考える。《規制委員会に権限を与えるな!》一之瀬明

2024年2月3日静岡新聞

《原子力規制委「自然災害への対応は範疇外」 道路寸断、家屋倒壊の中での避難対策は自治体に丸投げ》
⇒東京新聞 2024年2月14日 21時45分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/309302

原発事故が単独でも起こりうるが、今回の能登半島地震や先の東日本大震災の時のように通常考えるに「自然災害」と共に起こるという可能性が高いことは考えれば専門家でなくともわかるだろう。しかるに今回のような地震の場合でも原子力規制委員会は「自然災害への対応は範疇外」と臆面もなく述べた。 続きを読む 原発を考える。《規制委員会に権限を与えるな!》一之瀬明

現代時評《被災地からの警告 その2》山梨良平

福島県松川浦漁港

能登地震で、もっとも問題になるのは「孤立」と言うキーワードで表されるのではないか。それは地震によって道路の寸断で脱出にも救援にも行くことができないケースのもならず、限界集落化した地域の情報網の寸断にも表れている。となりの家までの道路委の寸断や自宅の崩壊により避難出来なくなったケースも含まれる。 続きを読む 現代時評《被災地からの警告 その2》山梨良平

徒然の章《不順な気候》中務敦行

この春の天候は近年の温暖化に逆らって、異常なモノでした。寒い日が続き、あちこちで積雪が見られました。「暑さ、寒さも彼岸まで」と言われますが、関西では「お水取りが終わると、春が来る」と語り継がれてきました。その通りにならないのがこの春。春はウメの開花から始まりますが、この春はずいぶん長く咲いたように感じました。開花と一緒に、寒波がやってきたからでしょう。逆に早咲きで有名な「河津桜」は、例年なら2月下順に満開になるのですが、京都・淀の水路沿いの花は2月末になっても、2~3分咲き。同じに行った城南宮では梅はいつものように花びらが舞っていました。大阪城、月ヶ瀬梅林なども少し早めだったようです。花を追って各地を回ったこの春の花を遅ればせながらお届けいたします。
2024

連載コラム・日本の島できごと事典 その125《臥蛇の入道先生》渡辺幸重

「臥蛇島の入道先生」比地岡栄雄(『臥蛇島離島50年記念誌』より)

学校は島社会にとって重要な施設で、先生も地域社会に溶け込んでいます。私も子どもの頃、親に言われて野菜や魚を教員住宅に届けたりしました。夜は先生の家に勉強や珠算を教えてもらいに通ったりもしたものです。島の子供たちだけでなく島の生活や将来のために貢献した先生方もたくさんいます。その代表が「臥蛇の入道先生」こと比地岡栄雄(ひじおかえいお)(1907ー1998)です。 続きを読む 連載コラム・日本の島できごと事典 その125《臥蛇の入道先生》渡辺幸重

連載コラム・日本の島できごと事典 その124《立神》渡辺幸重

沼島の上立神岩(淡路島観光協会サイトより) 沼島の上立神岩(淡路島観光協会サイトより) https://x.gd/UpUaM

伊豆諸島と小笠原諸島の間の海上に天に向かって直立する大きな岩があります。孀婦(そうふ)岩と呼ばれるその岩を見たとき私は神々しさを感じました。信仰深い昔の人はもっと感じたことでしょう。全国には矛先のように屹立する大小の岩礁を「立神」と呼んで信仰や神話の対象としているところがたくさんあります。

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現代時評《被災地からの警告その1》山梨良平

東日本大震災の被害の一部・福島県松川浦漁港

最近各地で地震が多い。能登半島地震は結構広い範囲で被害が出た。また茨城県東方の海域でも群発地震と呼ぶのか何度も結構大きい地震が起こっている。そうかと思えば今度は九州宮崎県でも、和歌山県でも・・・。一体どうしたんだろうと心配になる。また今月7日には「愛媛 伊方原発3号機 運転停止求めた訴え退ける 大分地裁」というニュースも。 続きを読む 現代時評《被災地からの警告その1》山梨良平

とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その4  中川眞須良

写真はイメージ

風無し地蔵

なぜかお地蔵さん  
辻、角に祀られている事が多い。 穏やか表情 生けられた花の微かな香り そして焚かれた線香の僅かな煙の末端とがお地蔵さんと人とを結ぶ絆である。それは時に人を立ち止まらせ思いを改めさせ進む道を再考するきっかけを与える時すらある。 続きを読む とりとめのない話《風と気配と地蔵さんと》 その4  中川眞須良

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