プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第1回
新・新証券税制??ができます

皆さん、はじめまして。山田淳一郎です。
この度邱先生のHPに原稿を掲載させていただくことになりました。
このHPをご覧の皆さんに「なるほど!そういうことね」
と思っていただける内容にしていこうと思います。
どうぞ宜しく。

さて、今年も例年通り、税制改正が行われます。
様々な改正がありますが、
その中でも個人の税金にスポットを当てますと、
大きなものは「相続・贈与税」と「証券税制」の改正ですので、
そのうちの「証券税制の改正」の説明から始めます。

「証券税制」は、平成14年度の改正で大きく変わったのですが、
平成15年度の税制改正でさらに大きく変わります。
皆さんも昨年、新聞などで「源泉分離課税の廃止」や、
「特定口座」という言葉を目にしたと思います。
いわゆる「新証券税制」です。

株の売却による税金について証券会社が
株の売却代金からその1.05%の税金を天引きして
オシマイにすることができた制度を廃止して、
これからは、自ら売却損益と
税金の計算を行って申告し納税するか、
又は証券会社に自分名義の「特定口座」という口座を設けて
全ての税務手続きを証券会社にまかせてしまう方法を
選択することになりました。

株式の売却益は、売却代金から
その取得費(購入代金)を差し引いて計算しますので、
自ら申告・納税する方法によることにするならば
今後は、株の購入価額などを管理しなければならなくなり、
手間が増えることになります。
これに対して「特定口座」を使いますと
証券会社が全て代行してくれますから
私達一人一人は税務署に足を運ばなくて済む、
つまり確定申告しなくて済みます。
税務署には行きたくない、と思う人は
この「特定口座」の制度を使えばよいわけです。

なお、平成15年度の税制改正は、
「貯蓄から投資へ」という方針に基づいて行われ、
株の売却益や配当金・株式投資信託の収益分配金にかかる
税金の負担軽減、即ち、株式の売却益に対する税金を10%とし、
配当に対する税金も10%になりますので、
株式投資に興味のある方には朗報です。

2004年4月13日(火)更新
- このコラムは連載終了いたしました -

これ以前の記事はこちらからご覧ください


■山田 淳一郎 (やまだ・じゅんいちろう)
1947年鹿児島県生まれ。74年中央大学商学部卒業。81年に公認会計士・税理士山田淳一郎事務所(現 税理士法人山田&パートナーズ)を開設。TFPコンサルティンググループ(株)代表取締役会長。(社)日本租税研究協会資産課税委員会委員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会理事。主な著書は『FPセンス、FPマインド』(日本法令)、『金庫株の税・会計・法律の実務Q&A』 『新株予約権の税・会計・法律の実務Q&A』(中央経済社)など。


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