第6回 平田弘史さん

 劇画家の平田弘史さんと初めてお会いしたのはいつのことであったか。
 インタウエアでPowerPC 604e CPUを2個積んだアクセラレータBOOSTER MP (注)を発売することとなったとき、製品パッケージの絵を平田弘史さんに描いてもらう企画を上司とともに立てた。
 端的に言うと、CPUを2個積んでいるから2刀流である、すなわち宮本武蔵である、と単純に発想したのである。たしか1997年のMacWorldExpo/Bostonにも出展することになっていて、武士道の宮本武蔵ならば、アメリカ人にも受けるんではないかとも考えたのである。アメリカで「サムライ・アクセラレータ」なんてキャッチで売り出せば、上手くすると当たるかもしれないなんてね(そう考えていたのは店主ぐらいかもしれなかったが。インタウエアの他の社員は、分にあわず、イメージ広告的な上品なものを好む傾向があったのであるが、根っからのひねくれ根性が出て、わざと逆らったという部分はある。まあ、ベンチャー企業は目立って露出してなんぼでしょ。)
 話を元に戻すが、宮本武蔵を平田弘史さんに描いていただこうということで、話を持ち込んだのだが、生憎ご多忙でこの企画は実らなかった。
 宮本武蔵の絵は当時仕事を依頼していたデザイナーさんの知人に描いていただいた。
 宮本武蔵の絵をポスターにして持っていきましたよ、1997年の混迷のボストンへ。ボストンでは外人にけっこうウケてた。してやったりでしたね。ま、その辺の話はまた別の機会ということで。
 また話を戻さないといけない。アメリカから帰ってきたら、もうじきPowerPC 750(つまりG3である。ほんとはG3の一部なんだが。そんなこと、いまとなってはもはやどうでもいいか)のアクセラレータの開発が完了し、出荷準備に入るという。なら、焦って製品パッケージやら広告を作らねばならない。平田さん宅にお伺いし相談したら、オーケーとのこと。
 そして描いていただいたのが、このパッケージである。絵に迫力があるし、なんといっても目立つ。店頭に並ぶとものすごく目立った。広告効果抜群であった。よそのメーカーでこんなこと滅多にしないから。
 店主がインタウエアを辞めた後も、平田さんとはメールのやり取りをしている。気さくでいい方である。
 その平田さんが、ご自身のホームページでDeepMacを紹介、リンクして下さっている。感謝です。
 今後も末長くおつきあい下さい>平田先生。
 
 (注)今、真実を明かすとこのアクセラレータは実はDayStarから買ったものであった。たしか1000台程度買ったと記憶している。しかし、さっぱり売れなかった。製品名はすでに忘れてしまった。

(2003/7/4)

第5回 浅暮三文さん『推理作家協会賞受賞』祝賀オフ会

 店主はパーティ好きである。それで、時々自前でオフ会を開いたりする。店主が趣味で運営している掲示板オフ会の常連である浅暮三文さんがこのたびめでたく推理作家協会賞を受賞された。おめでとうございます。ベストセラー作家になって下さい!
 受賞を祝って、6月21日(土)、浅暮三文さんの祝賀オフ会を開催した。
 場所はこれまた、因縁浅からぬ赤坂の「ですぺら」である。ここは文壇(←もう死語かもしれない)バーの様相を呈しているのである。参加者は12名。
 今回は評論部門で推理作家協会賞候補になっていた東雅夫さんの残念会も兼ねようと思っていたのだけれど、東さんは地方出張で欠席。東さん、次を期待しています。
 店主の掲示板は京極夏彦さんが読んでいたり、西崎憲さん(←昨年ファンタジーノベル大賞受賞、実はマック使い)が書き込みして下さったり、岩井志麻子さん(←すっかり売れっ子になってしまいましたね。また遊んで下さいね)がオフ会に参加して下さったりと、なかなかにユニークなので興味ある人はのぞいてみて下さい。いまはサーバーの不調で止まっていますけど。
 それはさておき、会場の様子はこんな感じ。

 浅暮さんは関西人である。いままで開いたオフ会では、自己紹介の際に「あっさっぐっれ、どえーすっ」から始まる、芸たっぷりの話芸を披露なさってきた。初めて見たとき、私は面白くて大笑いしてしまった。根が関西芸人なのだと思う。今回は、なさらなかったけどね。
 で、今回の話題の一つ。推理作家協会賞の授賞式で、浅暮さんは芸をやるべきか否かであった。芸達者を披露して、さらに知名度をあげるか(大森望案)。しかし外すとダメージは大きい。それともウケ狙いをせず穏当にまとまったスピーチをして地道路線を歩むか(倉阪鬼一郎案)。これでは浅暮さんのユニークなキャラクターをアピールできない。難しいところである。議論は真っ二つにわかれ、決断は浅暮さんに委ねられたのであった。さあ、どうなったでしょうね。

評論家の大森望さんと店主

浅暮さんと店主 実は1学年違い 似ているかも
(顔に酔いが漂ってますね)


 浅暮さんはiBook使いである。それでDeepMacのメモリをご購入していただくこととなった。ありがとうございます!もちろんメモリ増設作業は店主が行います。
 そんなこんなで、深更まで宴は続いたのであった。

(2003/6/29)

つづく

第1回 仮開店の弁

第2回 リッツふたたび

第4回 高原英理さん『無垢の力ー<少年>表象文学論』出版記念パーティ

店主のプロフィール