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統幕公表 23年度スクランブル 露軍機の領空侵犯1件 中国軍の無人機に警戒(2024年4月19日)

2024年4月25日更新


緊急発進の対象となったロシア機と中国機の飛行パターン(統幕資料より)


東シナ海から与那国島と台湾との間を抜けて太平洋に進出し、先島諸島の南の太平洋上で旋回後、バシー海峡方面に飛行した中国軍の偵察型無人機「BZK005」(23年8月28日)=空自戦闘機が撮影(統幕提供)


日本海での飛行が初めて確認された中国軍の偵察型無人機「WZ7」。大陸方面から山陰沖を能登半島に向けて南東進してきたため、中部航空方面隊などの戦闘機が緊急発進。無人機は東北東に針路を変えて佐渡島沖まで進出後、北西に旋回して大陸方面に飛び去った(今年3月26日)=空自戦闘機が撮影(統幕提供)

 統幕が4月19日に発表した2023(令和5)年度の空自戦闘機による緊急発進(スクランブル)回数は669回で、過去10年間で最も少なかったものの、中国無人機に対するスクランブルの公表が前年度と同水準で続くなど、中国軍機による活動の拡大・活発化を裏付ける結果となった。中露の爆撃機による日本周辺での長距離共同飛行も確認された。領空侵犯は23年10月31日にロシア機と推定されるヘリコプター1機が北海道根室半島沖の我が国領空を侵犯した1件で、推定を含むロシア機による領空侵犯の公表は19年以来5年連続。ソ連時代を含めると43件に上る。10年ぶりに北朝鮮機に対するスクランブルも実施された。

対北朝鮮機は10年ぶり

 中国機に対するスクランブル回数は479回で、前年度より96回減少したものの、全体に占める割合は約72%と2015年以来9年連続で対ロシア機を抜いて首位を占めており、統幕では「年度全体の緊急発進回数が高い水準で推移し始めた2013年度以降でみれば平均的な水準にある」と分析。防衛省・自衛隊としては引き続き警戒監視に万全を期す考えだ。

 中国機に関しては、特に無人機に対するスクランブルの公表回数が前年度と同水準(10回)で9回を数え、今年3月26日には偵察型無人機「WZ7」1機が中国無人機として初めて日本海を飛行するのを確認し、公表した。併せて、偵察型無人機「BZK005」などによる与那国島と台湾との間の通過が目立ったのも大きな特徴だ。

 一方、ロシア機に対しては174回と・・・

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