今月のお薦め本         

03月は、

  
 M・バルツァーノ
  「この村にとどまる」



 ダム建設計画により故郷の町が沈む、というだけの哀しみではありません。チロル地方にあってイタリアのファシズム、そしてナチズムに翻弄されて町を出ていく人もいたという哀しみ。
 小さな町で暮らす人々の日常、幸せを奪われる哀しみが心に沁み込んできます。





 
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 阿部暁子「カラフル」



 高校の入学式の朝に出会ったのは、車いすユーザーの同級生。戸惑いも新たに知ったこともあります。そうした中で気持ちのすれ違いも当然ながら起きること。そんな時に大事なことは、お互いに話し合うこと。先行きへの希望を感じさせてくれる、爽快な青春小説の逸品。




 
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 佐藤まどか「アドリブ」



 私の好みにドンピシャ、な児童小説の逸品。
フルートの綺麗な音に見せられた音楽院の扉を叩いたユージ。
 しがらみを持たず、純粋にフルートに傾倒するユージの成長物語に感動が尽きません。




 
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 知里幸恵「アイヌ神謡集」



 泉ゆたか「ユーカラおとめ」で、初めて本書のこと、著者である知里幸恵さんのことを知りました。本書、そして知里幸恵さんのことを、是非多くの方に知っていただきたいです。




 
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−過去1年分一覧−

【2024年】

 03月
  工藤純子    だれもみえない教室で 
  天童荒太    ジェンダー・クライム 

 02月
  砥上裕將     一線の湖
  F・ハーディング 呪いを解く者 

 01月
  B・エヴァリスト  少女、女、ほか 
  C・ホワイトヘッド ハーレム・シャッフル
  
  
【2023年】

 12月
  八重野統摩   同じ星の下に
  伊与原新    宙わたる教室

 11月
  荒山 徹    風と雅の帝
  高丘哲次    最果ての泥徒

 10月
  木内 昇    かたばみ 
  畑野智美    ヨルのヒカリ
  中脇初枝    伝言

 09月
  H・ジャクソン 卒業生には向かない真実 
  瀬尾まいこ   私たちの世代は 
  辻村深月    この夏の星を見る

 08月
  乃南アサ    雫の街−家裁調査官・庵原かのん− 
  楊 双子    台湾漫遊鉄道のふたり 
  M・オファーレル ルクレツィアの肖像

 07月
  吉田修一    永遠と横道世之介(上下) 
  成田名璃子   いつかみんなGを殺す 

 06月
  村上しいこ   あえてよかった 
  窪 美澄    夜空に浮かぶ欠けた月たち 
  ウォンピョン  アーモンド 

 05月
  宮島未奈    成瀬は天下を取りにいく
  上田早夕里   上海灯蛾 

 04月
  T・フレンチ  捜索者
  岩井圭也    完全なる白銀

                   

          

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