活きよく跳ね、匂うばかりに美しい雄大な鯛の皿。透明ガラスの外側に赤色ガラスを被せ、日本独特の切子のぼかし技法を用いて鱗や鰭を巧妙にカットし、見事に鯛を表現しています。優れたカット技法、赤の発色の美しさ、ガラス質の良さは、まさに明治大正ガラスを代表する名品といえるでしょう。 江戸時代のびいどろ・ぎやまんから近代的な明治大正ガラスへと花ひらいていく過程を、初公開の作品を揃えてお披露目します。
明治政府が殖産興業の一環として開催した博覧会に出展されたもの。竹ひごに、算盤玉のよう にガラスのビーズを通し、枇杷・桃・葡萄・仏手柑(ぶっしゅかん)と果物を表現している。
トルコ石のような青に赤の意外ともいえる配色の台付鉢。三層に被せられた同色のガラスは、可 愛い花縁、華やかな襞(ひだ)、シンプルな高坏と、まるで三姉妹であるかのように造形の豊かさ を競い合っている。
盃・盃台・盃洗などを組み合わせ、雪見燈籠に見立てた酒器セット。プレス技法、型吹き技法、エナメル彩による焼き付け技法等、数々の技巧を凝らした細工物である。目に楽しく、酒宴に興を添えたことだろう。
畳の上にじかに置いて使われた座敷ランプは、行灯や燭台のスタイルを取り入れ明治期に作られた。伝統ある根来塗の台座と淡い色調のガラスの笠が、不思議な調和を見せている。
※会期中、一部展示替えを行う場合があります。