日々、在りしことども



如月十九日
昨日だが、実はもう一つ――豆板醤を求めて、店巡りを行っていた。

先日の麻婆豆腐で豆板醤を使い切ったため、新しいものを求めてのことだが、 そこでサテと品に迷う。
普通のスーパーで小瓶を買うと、百グラム二百円ぐらいの高値になるし、すぐに尽きる。
しかし一キロほどのものを業務用店の安売りで探すと、百グラム五十円程の単価で(キロ五百円) ある。

ではどうするかと言うことで、取りあえず店の棚に向き合ってみて、更に深く悩み迷うこととなる。
『Cook Do』の豆板醤は、味は良いものの最小の高い小瓶ものしか無い。
『youki』は添加物の類が良くも悪くも入っておらず、塩も匂いもきついが辛みも強く、 これで真っ赤な激辛チャーハンを作って貪ると、『辛さは幸せ』という病的な魂の何処かが 満たされ、同時に内臓に若干のダメージを負う。ああ、そういや最近喰ってない……
『李錦記』は有名所だが、ひょっとすると今まで試した事がない。こちらも『youki』と同じで 一キロ瓶がある。
微妙なところで『京醍醐』とやらが輸入販売しているもの。他の輸入味噌と共に八百グラム 四百円ぐらいとかなりお得で、しかも安っぽい外見で敬遠していたが、存外に聞く評判は良い。
番外として三百グラム百数十円の瓶も見付かったが、余りに安価すぎてどうも こちらは本能が断る。

以上の結果だと『京醍醐』を試してみるか、或いは『李錦記』でもとなるのだが、もう一つ、 何となく目で探していた問題の品が見付かってしまい、かくして優柔不断から決定不可能へと至った。

『ピーシェン豆板醤』キロ約千三百円。

別名黒豆板醤。二年ほど寝かせた某地方の豆板醤らしく、使った人々が好き嫌いではなく べた褒め。『もう戻れない』とまであって、評判を調べていた時に若干の恐怖と興味を覚えた高級調味料が、少々高いものの――こんな場所に。

かくして安くいくべきか? 新しき美味に挑戦するべきか? 気楽に激辛チャーハンも味わうために 『京醍醐』とセットで――ただでさえ金がないのに、更に積んで二キロ近い豆板醤を常備するなど、 ちょっと待て自分、それは正気じゃない! ……と、散々迷って結局決められず、 昨日は店を去った。

実のところ未だに迷っており、最終的に衝動買いに身を任せるのではないか……と思う。
ただ、家で豆板醤系の辛さを求めるのは自分だけであり、一人二キロ豆板醤を消費する未来を 考えると――ああ、汗が赤く! 辛く!
如月十八日
東氏に誘われ、彦根に新しく出来たという『梅香亭進化論』へラーメンを啜りに行く。
冬も終わりの寒波、かなり冷え込み雪も舞う。
大体の場所は聞いていたので、見付けた店の駐車場に車を放り込む。――饂飩屋だった。
道へ戻り、もう少しだけ進んで今度こそ見付けたラーメン屋へ滑り込む。――店名が違った。
何処だ何処だと車を走らせ、川越え山越え云キロ先の本店へ向かいつつあることに気付いて 急いでUターン。更に少しだけ迷って、眼鏡屋隣の小さな店に何とかたどり着く。

店内は広く明るく、ラーメン屋にしては落ち着いて楽しめる雰囲気良い処だった。
胡瓜とキャベツの突き出しを齧りつつ、頼んだ鮮魚出汁の大盛りを待つ。醤油では無かった……? 気もする。上品な味わい。見た目も良い。最後の方は、醤油ダレを少しかけて味わう。

久方振りに御会いした氏と、だらだら雑談。洞窟マニアの彼は、この頃何やら 大阪の方の怪しい店を探検しているらしく、絵本バー、ファミコンバー、金髪兄ちゃん美食寿司 、ボトルからして亀甲縛りされているソッチ系のお店などへ突貫しては、人生、否、冒険を堪能している らしい。

追加注文もせず、グダグダとだべる。後、久し振りだし、もう少しということで、スターバックスへ。
ちなみに自分は人生初。名前だけは聞き知っている高名珈琲店ということで、若干の身構え。
『確か……マシマシとかモリとか注文するんだよな?』
『ハ?』
泡とかキャラメルとか甘さとか、通は細かく自分に合ったカスタマイズをするらしいが、 そもそもラテとはなんぞ、という人間であるため、取りあえず店名にラテがついていた ものを頼む。
実は商品説明パンフレットが店内に備えられていたのだが――そういう物は受け取り窓口の横ではなく、 注文カウンター脇にあって欲しいと思うのは、間違った要求ではないはずだ。
店内は賑わっており、見目の良いケーキに視線が惹かれる。熱い容器を手巾でくるみ、途中 二度ほど卓を変えつつ、とりとめ無い話を続行。ちなみに店内に入る前に、入り口に気付かず、 喋りながら店の周りをぐるりと一周して元の場所へ戻るという奇行を行ったが、幸い入店拒否や 奇異の視線は無かった、と思う。たぶん。

そうして時間を潰した後、繁盛しているドライブスルーを横目に、帰路へ。途中、氏の購入した 新居へ寄り、数奇な縁で入手したという二十年ものの中国茶塊(下手すると云十万)から、お裾分けを 頂戴する。

書店にぶらりと入り浸ってから、薄雪を踏み潰しつつ帰宅。久々に珍しく人間っぽい一日であった。
如月十一日
サントリーから届け物。ネットで応募したものが当たったらしい。 『金麦』十二缶。
そういえば昨年は同じくサントリーから当選景品として蕎麦一年分を頂いた。
更に遙か昔、山梨のサントリー工場見学が当たって、古いウィスキーを堪能した覚えがある。

……何の縁、加護だ?
如月十日
中華おこわに炊飯器で挑戦。やはり少し芯が残ったので、蒸し器にクッキングシートを 敷いて追加調理。
ピラフやパエリアといい、炊き込み御飯と違ってどうもこちらは失敗が多い。
米が油を吸い込みにくいので透明になるまで事前に炒める、というのが 足りてないようだ。
次こそは、とリベンジを誓う。
端月中旬
パソコンだが、結局マザーボードに限界が来ている模様。ビデオカードも、という 可能性までまた含む。
これまでのように部品を載せ替えるも何も、既に二世代ぐらい古いので、二三万ぐらいの 格安パソコンを買った方が早くて安上がりという案配。古いノートでも求めるべきか。
端月八日
昨日辺りから右腰が痛む。変な寝方でもしたせいで、断じてぎっくり腰では…… と信念を虚空に叫び続けるそんな日々。
端月六日
早速新しいパソコンの電源が届く。良い仕事をする店だと喜びつつ、載せ替え。 これで問題は解決したとスイッチを入れ――直ぐに停止。
結局、電源が問題ではなかったらしい。
directXとやらの機能を片っ端から切って、何とか使用。……窓がもう古すぎるとか、そういう オチか?
端月五日
湿った雪。
早朝四時代、機械の音。除雪車かと出てみれば、何故か動き回っているノーマルショベルカー。 半時間を過ぎても行ったり来たり。新種の除雪車?
端月一日
大分体調も戻ってきた。

喉が痛いのは口を開けて寝ているのだろう。寒気は酷いが熱は無さそうだし、気のせい 気のせい……と思っていたが、どうやら実際調子を崩していたらしい。
未だ節々に痛みも残るが、かなり気分爽快となった今はそう思う。

パソコンの調子が悪いのはやはり電源のせいかと分解してみたら、350Wとかいう数字が 見付かった。
……この低さで、よくまあ何年も使い続けてこれたものだ。
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