マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─田上孝一

 来年の2024年2月に法政大学出版局から刊行予定の共編著(仮題『普遍主義の可能性/不可能性』)に「マルクスにおける普遍と特殊」という章を執筆した。  様々な視点から普遍主義と特殊主義の関係を考察しようとする論集だが、一 … Continue reading マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─

社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ田上孝一

 「マルクス主義」という言葉は今日でも使われているが、「マルクス=レーニン主義」という言葉は殆ど聞かなくなった。自らをマルクス主義者だと規定する人々はある程度いるものの、マルクス=レーニン主義者だと自称する人が極端に少な … Continue reading 社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ

社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)田上孝一

 『ゴータ綱領批判』は1875年で、マルクスが亡くなるのが1883年なので、晩年の著作と呼んでいいと思うが、その社会主義というか共産主義論は、1867年の『資本論』第一巻と共通するところもあれば異なるところもある。当然マ … Continue reading 社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)

十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(下) 助川幸逸郎

いっけん「自己啓発本」、実態は「心の闇を暴露する書」 「太平の世」になりつつある同時代の社会になじめない――そんな「はみだし者」の手がけた「成功のハウツー本」。それが『日本永代蔵』です。  そういう作品ですから、語りくち … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(下) 

十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(上) 助川幸逸郎

まだ「江戸時代」になりきらない世の中で育った西鶴  今回の主役・井原西鶴が生まれたのは寛永19年(1642?)です。天下分け目の関ケ原の戦いが慶長5年(1600)、豊臣家が滅びた大坂夏の陣が慶長20年(1615)。西鶴が … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(上) 

社会主義入門 第六回 マルクスの社会主義思想(その3)田上孝一

 さて、マルクスの社会主義(共産主義)に対する代表的な言及としては、『経済学・哲学草稿』や『ドイツ・イデオロギー』という初期著作におけるものと『資本論』での有名な文章、そして最終的な完成形としての『ゴータ綱領批判』のゲノ … Continue reading 社会主義入門 第六回 マルクスの社会主義思想(その3)

社会主義入門 第五回 マルクスの社会主義思想(その2)田上孝一

 マルクスが最も詳しく社会主義論を展開した『パリ草稿』だが、社会主義論は主として『経済学・哲学草稿』の「第三草稿」と「ミル・ノート」で展開される。『経済学・哲学草稿』は主に三つの草稿群からなるが、「第二草稿」は短い断章以 … Continue reading 社会主義入門 第五回 マルクスの社会主義思想(その2)

社会主義入門 第四回 マルクスの社会主義思想(その1)田上孝一

 マルクス以前の社会主義思潮を瞥見し終えたところで、いよいよ本書の中心内容であり、社会主義を考えるに際しての前提的立場となるマルクスの社会主義思想を概説する段となった。ここで注意しなければいけないのは、本書が重視するのは … Continue reading 社会主義入門 第四回 マルクスの社会主義思想(その1)

外国語学習にとって異文化理解とは何か? 釣りとかフランス語とか音楽とか黒木朋興

はじめに  ロックと悪魔の連載を一時中断してフランスと日本の文化の違いについて考えてみたい。  フランス政府公式の学位にFLE(外国語としてのフランス語教授法)がある。フランス語が母語ではない人間にフランス語を教えるメソ … Continue reading 外国語学習にとって異文化理解とは何か? 釣りとかフランス語とか音楽とか

十分でわかる日本古典文学のキモ 第七回 『風姿花伝』(下)助川幸逸郎

(承前) グールド:世阿弥さんには、お父さんのほかにジェラシーを感じる相手とか、いたんですか? 世阿弥:うーんとね、これを説明するのはすこしたいへんだな。たとえばグールド君は、じぶんより若いピアニストが台頭してね、スター … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第七回 『風姿花伝』(下)