スタイルブック Blog

機械式時計はお買い得である

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 機械式時計は高価である。しかし、時計取材を重ねているうちにそれはとんでもない誤解だった事に気付く。高級と呼ばれる機械式時計は実に驚く程の時間と手間をかけて作られているからだ。

高級であればあるほど、効率を度外視して作られる。顧客が見る事もないネジや歯車を自分たちで作るのも、そのひとつ。

時を刻ませる、時を作るという作業は時計を身につける者の人生を作るという行いと同義であると高級時計メーカーは思っている。しかも、どの時計が刻む一秒は同じ筈なのに、彼らの作る一秒は尊いものとる。ゼンマイに蓄えられた力を少しずつ解きながらアンクル、ガンギ車を伝わってテンプに届く。テンプは往復運動をしながら、時間を作り出し、秒針を動かす。
 
シースルーバックから覗く各パーツの動きを見ていると、時間というものは重いものだった事に気付かされる。

さらに驚かされるのは彼らの作る時計は実に長命だということ。数年毎のオーバーホールをして、時計に愛情をかけてあげれば、何十年どころか100年以上動き続けてくれる。実際、時計メーカーは100年以上経ったものでも修理を受け付けてくれる。作る時計すべてが彼らの自信作であり、未来へ伝えていかなければいけないものだと信じているからだ。

そう考えると、乱暴ではあるが一年あたりの価格で見てみると、意外と現実味を帯びてくる気がする。勘違いかもしれないが。

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「天才たちの声が聞こえる 〜機械式時計〜」
2010年6月26日(土)よる11時30分

上海!

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 上海万博に行ってきました!

人が集まりすぎて大混乱とか、全く逆に人が集まらなくて閑散とか、散々周辺情報ばかり報道されていますが、実際に行ってみるとそんなことはどうでも良くなる賑わいで、みんながにこにこしてましたよ。

今回の取材は7月上旬に放送する予定です。お楽しみに。

写真は会場中央にそびえる中国館。
photo by TSUGIHIRO Yasushi

新型ハイビジョンカメラ導入か?

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皆さん、ご存知の通り、BS放送はハイビジョンでお送りしていますが、新しいモノ好きの STYLEBOOK では、新方式のハイビジョンビデオカメラが発売されるとすぐさま飛びつき、導入するというミーハーな部分があります。


今まで使っていたのはHDVフォーマットのビデオカメラ。あるときはメインカメラとして、時にディレクターが自ら撮影するカメラとして活躍してくれました。


そんな我々が今、気になっているカメラが 5月1日の放送で紹介した SONY の CX550V というAVCHD規格のハンディカム。放送にも耐えられる高精細、高画質のカメラであることも導入したい大切な要素ですが、テープレスという特徴も気になっているところなのです。


毎回 STYLEBOOK で使う収録テープは60分×5本。年間では250本以上となり、保管場所にも困っていました。それが新しいハンディカムでは32GBの小さなメモリーカード2枚(1放送回)に収まるのです。これは凄いことです。保管場所、ロケ移動、制作費etc...そのどれもがコンパクトになるのですから。


これまでのHDVカメラではディレクター全員が所有するほど普及しましたが、今度のビデオカメラもそうなるような気がしています。

混雑から逃れる旅

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僕の旅は混雑を避けることにある。


例えばお盆。帰省ラッシュも一段落終え、都心へと向かう上り線が渋滞する頃、

旅に出る。シーズンオフの行楽地を訪ねたりもする。


理由はその土地をきちんと楽しみたいから。混雑を避けると、ゆっくりと流れる時間を味わえる。


春の花が終わるこの時期、特に「島」は夏のシーズンまで閑散とする。それがいい。


途中、気になる店があれば覗いてみるのもいい。雨が降れば、雰囲気ある喫茶店でのんびりと雨宿り。行列もないので、自分のペースでたっぷりと島を楽しめる。


シーズンオフだからこそ味わえる楽しみもある。


島の人たちとの会話。忙しくないからなのか、話が弾む。自慢の観光地、食、酒、なぜか家族のこと。茶目っ気たっぷりに話を聞かせてくれる。でも、それが島を知る一番の方法である。


以前、こんな事があった。


十数年前、八丈島で居酒屋の主人と意気投合。あまりに仲良くなってしまい、なんと翌日主人の友人の法事に付き合わされた。何故そんなことになったのか。主人曰く、僕があまりに食べっぷりがいいから、墓前に供える自慢の料理を食べてもらいたかった為という。


法事当日、主人の喪服を借り、島の味をこれでもかというくらい楽しみました。


スタイルブック
「ちょっと島まで」
4月10日(土)よる11時30分

人類の進歩と調和

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 ボブ・ディランのコンサートを観に大阪に行って来ました。

大阪行きのもう一つの目的は万博記念公園に行くこと。ちょうど3月13日に「EXPO '70パビリオン」がオープンしたからです。
 
EXPO '70パビリオンは文字通り1970年の日本万博というか大阪万博の記念館。元の鉄鋼館をベースに、当時の展示品やパンフレット、映像などが展示されています。

ぼくは小学生のとき実際に大阪万博に行ったので、とても懐かしく思いました。40年ぶりに太陽の塔の前に立ち、胸が高鳴りました。
 
 
会場には若い学生風の人もたくさんいました。そして当時の技術、当時のデザインの最先端を見ながら、とても感心している風でした。ぼくも懐かしいと思う気持ちが半分。もう半分は「今でも新しいんじゃないか?」と感じずにはいられませんでした。

たとえば電気自動車。たとえばリニアモーターカー。技術だけではありません。「人類の進歩と調和」というテーマ。

どれもまだ一般には実現できていないことばかりではないでしょうか?

EXPO '70パビリオンはたしかにレトロフューチャー(昔から見た未来)な企画です。しかしそこからは大切なメッセージをたくさん読み取ることができます。

会場で流れていたフィルムで岡本太郎さんのメッセージが繰り返し流れていました。過去が無ければ現在は無い、未来を見なくても現在は無い、人間はぽつりと刹那を生きているわけではなく、大きな時間の流れの中にいる。というコンセプトはテーマ館全体、そして太陽の塔の外にも中にも表現されていました。

今年の5月から開催される上海万博はどんなメッセージを残すでしょう。とても楽しみです。

photos by y.tsugihiro

パノラマ写真のすすめ

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以前も書いたことがありますが、STYLEBOOK のスタッフには写真好きがたくさんいます。そしてこれだけデジカメの機能があがってくると「普通」の写真ではない写真も撮りたくなって来ます。

3月13日放送の「2010年春の散歩スタイル」で都内をまわった時に撮った写真の一つがこれ。

 
中央区築地のはとば公園からみた隅田川。iPhone 3GS のビデオ機能を使って、サッと横に一振りするとパノラマ写真が作れるという素晴らしいアプリケーション「オートパノラマ」(Video Panorama)を使って作ったパノラマ写真です。
 
 
スタッフの中にもパノラマ写真ファンがいて、Kodak のV570オーナーも2人います。
ちなみにぼくのパノラマ写真コレクションはこちら。よろしければご覧下さい。

昔だったらかなり苦労したこういう写真が、簡単に撮れるようになって、ほんとうにいい時代だなと思います。

おまけにもう一枚。晴海大橋から見た豊洲のパノラマ。これも iPhone 3GS + Video Panorama です。

 
 

12時間の列車旅

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秘境駅として、絶景の地として知られる大井川鐵道井川線の奥大井湖上駅。

その名の通り、湖の上にある駅で人家も付近を通る道路もない、まさに秘境。

動物や鳥類の鳴き声、風が通り抜ける音が騒がしい。遥か遠くの雷鳴も聞こえてくる。

体験した事のない感覚。大自然の一部になったような気さえしてくる。

この別天地へ行くのなら、是非とも列車を乗り継いで向かってほしい。さまざまな鉄道を乗り継ぐ事で、あらゆる景色が楽しめるからだ。

朝9時03分。
東京駅発の新幹線「ひかり」に乗って静岡へ。富士山を右に見ながら、快適な列車旅を味わう。

11時23分。
静岡発浜松行きの東海道本線の普通列車に乗る。焼津付近では海が見えてくる。

11時48分。金谷駅で大井川本鐵道本線に乗り換え。ここからはSLに乗って、川奈の茶畑を楽しむ。蒸気機関車から吐き出される煙が車内に入ってくる。それがとても楽しい。

13時32分。
千頭駅で奥大井湖上駅へと向かう大井川鐵道井川線に乗り換え。のんびりと走るトロッコ列車の旅。大井川沿いの森林を眺めながら、列車は勾配を登っていく。途中、アプトいちしろ駅で日本一の急勾配を登るためにアプト式機関車を増結する。

ダム湖が見えてくる。別天地に近づいてきた。

14時47分。
奥大井湖上駅到着。大自然の澄んだ空気をいっぱい吸い込んだあと、千頭駅で買った弁当をたいらげる。

さあ、何もすることがなくなった。ここからが楽しい。

帰りの列車まで2時間ある。自由に時間を過ごそう。

16時42分。
現実へと戻る時間となった。

列車を乗り継いで21時17分、東京駅着。12時間の楽しい列車旅が終わる。

STYLEBOOK スタッフのおしゃれ度

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2月20日放送「日本のデザイン 〜メガネ〜」の回で取材させていただいた "REAL" さん。

ちょうど撮影の頃メガネを壊していた(原因はご想像にまかせます)スタッフの岡くん=眼鏡歴10数年=が「これなら!」と購入したところ...


井上さん、ありがとうございました!

チョコレートという文化

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番組の撮影のため、有名なチョコレート店の看板チョコレートを食べた。ビックリするような味だった。どうビックリって、STYLEBOOKのスタッフが10人食べたら、おそらく8人は「これは僕の中ではチョコレートじゃない」と評するに違いない。

外側はビターなちょっと酸味のあるクーベルチュール、中は強烈なハーブのリキュール。甘さは相当控えめ。きっと二度と食べたいと思わないだろう。

だが、最初にこの味を知っていて、肉料理を食べ、コーヒーで口の中を温め、シャンパンとシガーと一緒に食べたらどうなるだろう。きっとカカオとハーブのそれぞれの香りと味わいが口福の一時へと誘ってくれるに違いない。

いい年の人なら、風変わりな味のチョコレートも一度は食べたことがあるはずだ。しかし、食べるシチュエーションや楽しみ方が分からないがために、これはちょっと・・・と素通りしてしてしまってるのではないかと思う。

 
「日本人は甘いチョコレートしか食べたことがない」「子供や女性が好む甘いおかしで男性はあまり食べない」とよくいわれるが、ヨーロッパの人々には不思議なことであるらしい。フランス人のショコラティエに話したら、「日本の歴史の中で何かあったのか?」と聞かれた。「もちろんヨーロッパでも子供用の甘いチョコレートもあるけど、男性も女性も隔たりなく食べるよ。君たちは食後のコーヒーの後に食べないの?」

確かに日本のチョコレート文化は幼い。数百年の歴史がある国々と「ギブ・ミー・チョコレート」から始まっている国とでは大きな開きがあって当然だと思う。

前述のショコラティエは「年齢を重ねた大人にしか分からない味がある。そんなチョコレートをこそ食べてみて欲しい」と言っていた。

現在の日本では世界中のチョコレート、様々な味のチョコレートが手に入る。せっかくだから、いろいろな味のチョコレートをたくさん楽しんでみたいと思う。バレンタインデーじゃなくても男性がチョコレートを食べ、贈る、そんな日も近いのでは・・・

今回の取材で、フランス人のショコラティエ、イルサンジェーからお土産にもらった「タブレット型のオランジット」がとても美味しかったです。残念ながら日本では未発売ですけど・・・

今回ご紹介するお店・ブランド
〈ピエール マルコリーニ 銀座〉
 住所:東京都中央区銀座5-5-8

〈ル・ショコラティエ・タカギ〉
 住所:東京都世田谷区深沢4-18-14

〈デルレイ カフェ&ショコラティエ〉
 住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 本館3階

〈イルサンジェー〉
〈ジョエル・デュラン〉

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「チョコレート 〜毎日がバレンタインだったら」
2月13日(土)よる11時30分

今夜はスープ特集

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今回ご紹介するのは...
吉祥寺 カフェロシアの〈ボルシチ〉、新宿 ピッチーファーの〈トムヤムクン〉、麻布十番 グレイスの〈サムゲタン〉、丸の内 グランド・セントラル・オイスター・バー&レストランの〈クラムチャウダー〉、南青山 シェ ピエールの〈ブイヤベース〉

名前を見るだけでも温まりませんか?


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「皿の上の魂 〜世界のスープ〜」
2月6日(土)よる11時30分放送