第48回企画展「文学紀行-青森県の名湯」開会中
令和6年4月1日(月)~令和7年3月21日(金)
幸田露伴、田山花袋、若山牧水、竹久夢二……、明治以降、名だたる文人墨客が青森県の温泉地を訪れ、その魅力を詩情豊かな文章に書き綴ってきました。滾々と湧き出る温泉、人里離れた閑静な宿、情緒あふれる街並み、得も言われぬ山水の美観・奇観……、温泉地ならではの風景が〈旅人のまなざし〉で情感豊かに描かれ、日ごろ見慣れた景色が新たな魅力をもって迫ってきます。また、青荷温泉の丹羽洋岳、大鰐温泉の増田手古奈のように温泉地に暮らした文人や、故郷から遠く離れた蔦温泉を終の棲家とした大町桂月のように、〈生活者のまなざし〉で温泉地を描いた詩文にもまた心惹かれるものがあります。
本展は、これらの文学作品、紀行文などを通して、本州最北端・青森県の温泉地の魅力にあらためて迫るものです。
スポット企画展「現在活躍中の作家展」開会中
令和6年3月3日(日)~4月15日(月)
古川智映子、三浦雅士ら現在活躍中の文筆家の著作などを紹介します。
次回スポット企画展「没後80年 岩谷山梔子展」開会予定
令和6年4月17日(水)~7月8日(月)
岩谷山梔子(本名・健治)は、明治15年10月30日、現在の青森市米町に生まれました。正岡子規が死去した明治35年、肋胸骨カリエスの療養中に子規の著作を読み、その頃から俳句を始めます。翌36年、新聞『日本』の河東碧梧桐選「日本俳句」に初めて選ばれ、以後、碧梧桐の門下で頭角を現わします。その後、京都に移り住み、大谷句仏の俳誌『懸葵』に参加し編集や選にも携わります。大正期に入り、新傾向俳句に進む碧梧桐からは離れ、大須賀乙字に師事しました。昭和に入っても句作を続け、昭和19年1月4日、太平洋戦争さなかの京都で63歳で世を去りました。句集に『山梔子第一句集』(大正13年)があります。
本展は、岩谷山梔子の句稿・句帖・短冊などの直筆資料を中心に展示し、「巧緻洗練」と称された山梔子の俳句の魅力を紹介するものです。
陸羯南(安政4年~明治40年・弘前市)は、日本が近代化を大きく推し進めた明治の時代、苦難の前半生をたどりながらも、大日本帝国憲法発布のその日に新聞『日本』を創刊。高い理想を掲げ、その実現のために格闘し、〈独立不羈〉のジャーナリストとして、日本の言論界に大きな足跡を残しました。
令和5年、弘前市教育委員会から刊行された『マンガふるさとの偉人 陸羯南』は、マンガ家・仁山渓太郎さんの手によって、羯南が生きた激動の時代とその生涯が生き生きと描かれた1冊です。
北の文脈文学講座の様子をアーカイブ公開しています。
「荒ぶる血の末裔」
講師:佐藤きむ氏(佐藤紅緑の姪、文筆家)
日時:令和5年5月20日(土) 午後2時~午後3時
配信:動画サイト アップルストリーム(https://applestream.jp/14673/)
〈協力〉アップルウェーブ株式会社
〈お問い合わせ〉弘前市立郷土文学館 TEL0172-37-5505
第48回企画展「文学紀行-青森県の名湯」の図録を1冊1,000円で販売しております。
ぜひこの機会にお買い求めください。
「北の文脈文学講座」は、企画展に関連した内容を中心に、文学や展示資料への理解を深める催しとなっております。
「ラウンジのひととき」は、朗読やミニコンサートなど気軽に参加できる内容となっています。
事前申込制(先着20名)です。お申込は、お電話(0172-37-5505)または文学館窓口まで。
「文学忌」は弘前ゆかりの作家11人の各忌日に行い、忌日の前後1週間にはその作家の特別展示をロビーで開催いたします。
また、弘前ゆかりの作家を広く知っていただくため、忌日は無料開館いたします。
弘前の文学者の文学碑の紹介や略図をまとめた『弘前の文学碑マップ』を作成しました。観光や散策のお供にご利用ください。(現在品切れ中につき、文学館での無料配布を一時中断しています。)