朝のドラめもん

2024/04/26

お題「決定会合ですが政策金利示唆ではなくて国債買入の方でお茶を濁すのかあ・・・・/レポレートなどのメモ」

いやー決定会合ですねえ、と思ったら4月決定会合ということは大型連休じゃないですかヤダー

なお今日の決定内容の度合いによっては今週末に多少更新するかもしれませんがそこまで暇でも無かったりするかもしれないのでその際は勘弁してつかあさい(次の連休もありますし)

〇時事通信砲というほどでもないし円債だけ反応しても何かねえ

・時事が報道しているのだが今回は何か記事のディテール部分の造りが雑なんだよな

昨日の夜遅くにこんなのが出ましてですね(タイムスタンプよりもヘッドライン早かった筈)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024042501265&g
日銀、国債購入縮小の方法検討 事実上の量的引き締めへ移行
時事通信 経済部2024年04月25日23時20分配信

はいはい時事通信時事通信という所ですが。

『日銀が26日に開く金融政策決定会合の2日目の議論で、国債買い入れ縮小の方法を検討することが25日、明らかになった。3月にマイナス金利政策の解除など大規模緩和の正常化に踏みだしたが、国債買い入れについては減額を見送っていた。縮小すれば、日銀が保有する国債の償還ペースは、新規買い入れを上回ることになりそうで、国債保有残高を減らしていく事実上の量的引き締め局面へ移行することになる。』(上記URL先より、以下同様)

まあFED位の規模なら量的「引き締め」とかいうのかもしれないけど、日銀の場合はそもそも論としてこの世の物とは思えないバランスシートを抱えているんだから、保有国債の売却くらいやって初めて「量的引き締め」という言葉が似あうのであって、長期国債の買入量がちょっと減る位で引き締めとかいうのは引き締めに失礼ですwww

『日銀は3月に17年ぶりに利上げに踏み切った。しかし、国債の大量購入を続けて潤沢にマネーを供給する金融緩和環境を維持しているため、外国為替市場で円安が進む一因となっている。』

一般向けだからこうなるんでしょうけど問題なのは3月会合後の情報発信でして、

声明文で(敢えて英文の方を使ってみるが)
https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf

「Changes in the Monetary Policy Framework」とフレームワークを変えたと言ってるのにハトハト踊りで長期国債の馬鹿買入を継続し、声明文では「Given the current outlook for economic activity and prices, the Bank anticipates that accommodative financial conditions will be maintained for the time being.」としか言っていないのに、金融緩和をまだまだ継続しますよというニュアンスの強いメッセージを出し続けて来たのが、日銀は金利上昇を恐れているから利上げなんかできない、という発想になって円売りしやすくなっているって事でしょうよとは思いますがそれは兎も角として、

『3月に政策変更を決めた際の声明文で、日銀は国債について「これまでとおおむね同程度の金額(月間6兆円程度)で買い入れを継続する」と明記。実際の買い入れは、市場の動向や国債の需給を踏まえて実施していく方針を示していた。』

月額6兆円は声明文本文ではなく脚注ですし、脚注に書いてあるのは「足もとの長期国債の月間買入れ額は、6兆円程度となっている。実際の買入れは、従来同様、ある程度の幅をもって予定額を示すこととし、市場の動向や国債需給などを踏まえて実施していく。」であって、6兆円程度買うとは書かれていません、正確に書いて下さい。

『25日に始まった今回の会合では、3月に決めた国債買い入れ方針の下で、実際に購入額を縮小していく方策を議論。日銀が公表している月間の国債購入予定額(約5兆〜7兆円)についても、引き下げを含め見直す可能性がある。』

この先引用すると全文引用になるので以下引用割愛しますけど、「25日に始まった今回の会合では、3月に決めた国債買い入れ方針の下で、実際に購入額を縮小していく方策を議論。」ってのも良く考えたら不思議な話で、だったらそもそも何で長期国債の買入(フローでもストックでも良いけど)についてディレクティブに記載していないのか、という話になる訳でして、ディレクティブで記載するなら「次回決定会合までの長期国債買入額は月額換算で何億円(または日銀保有国債残高が四半期平均でこれだけ減るような)ペースで行う」と示すべきであって、何でこの前「政策金利は次回会合までなのに国債買入は6月末までの買入を勝手に市場局が示したのか」という事になるんだが。

ということでだな、まあ前回は長期国債買入を殿軍にして他の施策をバサッと削るために長期国債買入の建付けを曖昧にして、買入をへらさんことによって長期金利急騰を回避したかった、というのはまあ気持ちはわからんでもない(市場動向読めていないというのがダメなのだがそれはさておき)のですが、今回の会合では長期国債買入の位置づけをもっとキチンとして頂きたいですし、そこでちゃんと建付けをしっかりして頂けるんならまあエエンとチャイマスカねとは思いますがさてどうなるやら。


・なお債券先物はさがっているものの肝心の為替ちゃんは

ほいな
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
先物価格情報

長期国債先物
限月:24年6月限
取引日:04/26
夜間取引

始値:144.15(04/25)(15:30)
高値:144.15(04/25)(15:30)
安値:143.61(04/25)(23:10)
現在値:143.80(04/26)(04:30)
取引高:19,671

ってこれ引け前に取っているので夜間取引終了時は別の値段かもしれませんが、まあこんなもんでっしゃろということで勘弁してもらうとして、安値2310ということで、先ほど申し上げたように時事の記事自体は詳報付きでアップデートされたのがちょっと後の時間になっているのですが、実際には時事のヘッドライン受けて先物が下がった筈なのでまあそういうことです。

昨日の日中の引けからは35銭下がっておりますがな、ということで円債ちゃんは流石に反応したのですけれども、為替ちゃんの方はというと、アメリカン長期金利が上昇したせいなのかこっちの発言のせいなのか知らんけど普通に155円半ばとかいうチャーミングなお値段で推移されておられるようで、まああのハトハトチキンがハトハトチキン音頭を踊りだすと全部台無し、という流れを完全に断ち切らないと円金利だけ上がって為替は全然反転しない、とかいう空砲事案になる(まあこちとらマイナス金利解除しているのに金利が上がらんじゃあ商売の方はあがったり(ダジャレではない)にも程があるのでドンドン正常化して欲しいので大歓迎ですけど)という実にオシャンティーな事になりそうで今から楽しみです。

ということでイエレン
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/JC42KLOZJVMIFHFCOARFCEU534-2024-04-25/
〔ロイターネクスト〕為替介入はまれな状況でのみ容認=イエレン氏
By ロイター編集
2024年4月26日午前 4:29 GMT+9

『[ワシントン 25日 ロイター] - イエレン米財務長官は25日、ドル高は米経済の力強さと高金利を反映しているとし、各国政府による為替市場への介入はまれな状況でのみ容認されると述べた。』(上記URL先より、以下同様)

これは神田大明神も涙目と言った所でしょうかしら、知らんけど。

『ロイターとのインタビューで、ドル高は「米経済の力強さと金利水準」を反映していると指摘。ただ、日本円の現在の水準に関する見解は述べず、日本当局による介入の可能性についてもコメントを控えた。』

だそうなんですけど、これもうちょっとうがった見方をしますと、イエレンさんとしては日銀がハトハトチキン音頭を相変わらず踊り続けて金利上昇を抑制しているのに通貨当局が介入するとか言うのは許さん、と仰せになっているという風にも読めます(個人の勝手読みにも程がありますので念のため申し添えます)訳で、利上げとか利上げ予告ホームランくらいに明確な動きをしてからお前ら介入云々考えろやヴォケが、と言われていると(勝手に)読みますとこれは大明神も泣き崩れる展開ですねわかります。

『一方で「全ての主要国に期待するのは、為替レートが市場で決定されるということであり、これは主要7カ国(G7)のコミットメントでもある」とし、市場の混乱や過度の変動に対処するための市場介入がまれにしか行われず、かつ事前に協議されることを確実にすべきとした。』

とある訳で、これどこからどう見ても介入できないじゃんって読めてしまうのですが、介入するなら今日利上げするか6月利上げ予告ホームランでも打たないとアメリカ様がお許しにならないんでしょうかということで謹んでお悔やみを申し上げますナムナムナム。


〇なお日経は冷静な記事が出ているだけのようですな

日経さん
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24BHE0U4A420C2000000/
日銀、26年度物価上昇2%程度を提示へ きょう決定会合
金融政策
2024年4月26日 5:00 [会員限定記事]

5時のタイムスタンプでこれという事は今朝の記事はこれ以上のものはない筈ですね。

『日銀は26日に金融政策決定会合を開く。会合後に初めて示す2026年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)の前年度比上昇率は2%程度となる見通しだ。低金利が円安進行の一因になっているとの指摘もあるが、日銀は3月会合でマイナス金利政策を解除したばかりで、市場関係者の多くも金融政策の「現状維持」を見込む。

植田和男総裁が26日午後に記者会見し決定内容を説明する。』(上記URL先より、以下は有料会員記事)

いや別にべき論で言えば今日利上げしろと思う訳ですが、どうせあのハトハトチキンがそんな蛮勇振るえないだろというだけの話なんですけどね。

というのは兎も角として、まあ日経もこう言ってますし、別に金利の方に手をつけたり、利上げやる気満々みたいなメッセージは出なくて、これうっかりすると長期国債買入の減額云々をしても「緩和的な状況は続けます」「利上げは極めてゆっくりとしか行いません」のメッセージの方が強くなるんじゃなかろうか、という気はするんですよね、知らんけど。


でもってまあとにかく最近の説明はこの前のマイナス金利解除が「2%物価目標達成の確度がより高まった」という「確度が高まる高まらないというお気持ち」の世界で実施されている上に、直近では「基調的な物価が2%行ってない」「インフレ期待が2%行ってない」の説明もだいぶ加わるようになっていまして、もはや物価見通しベースは政策反応関数に非ずくらいの勢いになっています、「賃金と物価の好循環」の連呼が控えめになっているということはこれ即ち今後出て来る今年度春闘の詳細な結果に関しても徐々に知らんぷりしますよ、という事を意味しているのでして、つまりは展望レポート見てもほぼ政策インプリケーションは得られない、というかなりトンデモナイ流れを作りつつあるんですよ今の日銀って(個人の偏見ですので念のため申し添えます)。

なので26年度の見通しが2%だろうと何だろうとシランガナというのが今回の展望レポートのミソともいえる訳でして、何ですかその政策運営はとは思いますが、まあそういうことやぞという認識で今回の会合を迎えるのが吉なのではないかと思います。

いやまあこれで今日利上げとか6月利上げ予告ホームランとかしたら感動しますけどね。


・・・・・ということで今回は何か長期国債買入についての微修正に留まる、ということになりますと、それは円債方面では需給に影響してくる話なので影響するのですが、他市場的にはシランガナという感じになるんじゃねえのと思うのですがどういう反応になりますかね〜。



〇まあ曜日アノマリーというか単に新発要因とその剥落なんすかねえ(TKRR)

まあ東京レポレートも11時時点の気配値の集計だからその日の最終時点になっていると状況が異なるのですけどこれしか表に出てくるの無いからな〜ということで。

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/4/23 0.060 0.068 0.041 0.041 0.038 0.037
2024/4/24 0.057 0.031 0.035 0.036 0.035 0.033
2024/4/25 0.004 0.013 0.029 0.031 0.033 0.034

あらあらトモネGC1.3bpだわオーバーナイト殆どゼロまで急落だわ、ということで、オーバーナイトもエラ下がりしているんですから昨日もそうですけど一昨日の後場もという感じなんですかね。

まあ木曜のトモネは今回連休あるので土日+1日だから資金運用サイドの圧力が強いと金利がダダ下がりしてしまう(逆もあり得るがこの量的大緩和のご時世だと中々ね)の巻という事で、まあ結局のところ新発3Mの発行要因で瞬間的には在庫が重くなるマーケットメーカー(およびそれを見越した動き)で金曜の東京レポレートは上昇する格好になり、在庫がバッシバシと捌けていくとレポレート下がりやすくなる、ということなのでしょうかねえ知らんけど、ということですが、そうなりますと本日の場合は新発3Mの入札が無い(次回は5/2)ので、東京レポレートはアガランチ会長、ということになるんでしょうか、とまあ興味津々ではあります。どうなるんでしょ。


あと昨日書くの忘れてましたが、

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba240424.htm

CP等買入 9,122 3,990 0.120 0.154 46.0

水曜のCP買入は0.154%平均の0.12%足切りになっていまして、前回の4/10にオペのオファーがあった時は

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba240410.htm

CP等買入 9,162 3,985 0.100 0.129 6.7

平均0.129%足切り0.10%(極薄按分)となっていましたので、レートの方は明らかに上昇という所ですが、CP発行レート自体は足元は運用圧力の方が強そうな感じもせんでもないのですけど、まあ既存の玉自体は今月前半から中盤にかけてということになるからこんなもんなのかもしれませんけどこれまたよくわからんのでとりあえず備忘で書いておきます。


まあ色々とございますが、利上げ予告ホームランでも出てこないと、そう面白展開になるようなこともなかロッテと思うのですがどうでしょうかね。





トップページに戻る