朝のドラめもん

2024/04/24

お題「金曜の会見が今から心配で仕方ない昨日の国会/GCとか交付税6Mとか2年入札のメモ」

とりあえず日経ちゃんと読売ちゃんをみたが変な抜き記事はないようですね。

〇でまあ金曜の会見が悪目立ちしそうなんだが

そういや昨日は国会で植田さんの委員会質疑があったようですが。

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/TOI7ST6FYRP2JANBDQ2AO3WZDU-2024-04-23/
基調的な物価、2%に向けて上昇なら金利引き上げていく=日銀総裁
By 和田崇彦、 竹本能文
2024年4月23日午前 11:54 GMT+9

『[東京 23日 ロイター] - 植田和男日銀総裁は23日の参院財政金融委員会で、先行き、基調的な物価上昇率が日銀の見通しに沿って2%に向けて上昇していけば、金融緩和の度合いを調整し、短期金利を引き上げていくと述べた。物価・経済見通しやリスクが変化すれば、政策変更の理由になるとも話した。ただ、金利変更の時期や幅については、予断を持っているわけではないとした。』(上記URL先より、以下同様)

ということでまあ穏当な書き方になっているのですが、実はこれロイターさんこの記事って当初のヘッドラインは上記記事で紹介されている答弁の中の「物価・経済見通しやリスクが変化すれば、政策変更の理由になるとも話した。」の方がヘッドラインになっていたんですよね。

まあ結局はヘッドラインバイアスだったのですが、当初そのヘッドラインでの記事だからってヘッドライン引用した形で別のベンダーさんとかでも記事紹介されてたりしてて、「ちょっとまって植田さん植田さん、そもそも見通し通りに推移したら短期金利は引き上げになるんじゃないの(見通しは「今後2%物価目標に向かって進む」としているのだから)」とツッコミを入れておった次第なんですねアタクシ。

ということでまあ国会中継ちゃんと見てろというお話ではあるのですが、これ植田さんの説明もどういう文脈なのかわからないけど不親切というか余計というか切り取られリスクを意識してないというかな訳で、そもそも論として「この先経済物価情勢が我々が示した見通し通りに推移すれば徐々に金融緩和の度合いを弱くしていきますそれは短期政策金利の引き上げによって実施します、ただしその速度や幅については現時点でお示しできる状況ではありません」という話なのであって、「見通しが〜」ってのは明らかに余計な発言なわけで、こういうのを言ってしまうのが植田さんの悪い所で、こういう余計な発言が切り取られてフレームアップしてしまうから市場がそれ見て反応しちゃうし、そういう市場の反応を火消ししようとして逆の発言をするもんだから言ってることが凄まじくブレブレになっているようにしか見えないし、「不規則発言と市場の悪循環」が高速大回転しておられるようにしか見えない訳です。

・・・・・ていうかですね、わざわざ言わずもがなの「物価・経済見通しやリスクが変化すれば、政策変更の理由になる」って言ってるのって実はこれが植田さんのハトハトチキンな本音がダダ漏れしたものであって、実際には見通し通り推移しているから短期政策金利上げますっていうのにビビっているんじゃなかろうか、とまあそんな邪推もしたくなるわけで、とにかくまあどうでも良いからお前は公式見解以外喋るなという事で金曜に向けて植田さんの余計な発言に不安しかありませんですわよ。


しかしまあ何ですな、こちらの記事によりますと

『植田総裁は先週19日、訪問先の米ワシントンで行った講演で、基調的に物価が上昇し続ければ金利を引き上げる「可能性が非常に高い」との考えを示した もっと見る 。米国での記者会見や講演での一連の発言について植田総裁は「特に新しいことを話したというより、先々週までの記者会見や国会で話してきた内容をもう一度丁寧に説明した」と述べた。』

確かにそんなに新しいことを言った訳でもなさそう、というのはまあそうなんでしょうけれども、どっからどう見ても当初言ってた事からトーンを軌道修正してるようにしか見えない訳でして、これ植田さん頭が無茶苦茶良いもんだから多分ワシのようなアホアホさんの挙動が読めないのだろうなとは思うのですが、丁寧に説明しようとしてドツボに嵌っている、というのがあるのと、さっきの「見通しが変化すれば云々」にありますように、たぶん根が正直者だから言葉の端々から本音がダダ漏れしてしまう、というのに問題がある訳ですわ。


・・・・・・という訳で金曜を迎えるということになる訳ですが、アタクシもさっぱりコンセンサスが分からんのですが、たぶん円債の人って会見での発言トーンがハトハト音頭の緩和節一辺倒ではなくなって、ちゃんと今後は利上げだって国債買入減額だってするんだよ見通し通りに推移すれば、位の発言が出てくればそれでまあ順当って評価だと思うのです。

ただ、為替市場のベンダーニュースで出て来るコメントとかを見てると、なんか他市場、特に為替市場様の方ではもっと威勢の良い発言を期待しているんジャマイカという気がするのですけれども(個人の印象です)どうなんでしょうかね、と思う訳ですよ。もしアタクシの妄想があっているとなると、いつものように植田さんが丁寧な説明の積りで微妙に本音ダダ漏れ系の発言を交えて両論併記をしちゃうと、それだけれ「やっぱり日銀はダビッシュだぜ円売りヒャッハー」となりそうな悪寒がだいぶするんですよね、たぶん足元の円安ってドル高のせいでもありますけど、やっぱり「日銀は財政従属状態で利上げが出来ないから通貨の信認は上がることはないし下がってウヒョーの可能性もあるで」という円の売り方に見えて仕方ない(だから昨今のドル円見てると気持ち悪いことこの上ない)ので、まあ植田さんがちゃんとそのハトハトチキンの本音(かどうか知らんけどアタクシにはそう見えてしまう)を封印して、きっちりと本来すべき話を行って頂きたいですが、まあ無理だろうなあと思って戦々恐々とするのでありました。


いやまあ円安ぶっ飛んでしまえば日銀の「通貨防衛利上げ」が近くなって来るからそれはそれで見たい気持ちはあるが、そんな時にはこちとら舶来品を買えない世界になりかねないので勘弁して頂きたいものであります。

しかしこの植田さんの円安放置の不手際、本来はアベノミクスの答え合わせが今まさに行われている訳なのですが、このままだと「待つことのリスクは大きくない」とか言いながら円安を助長した植田さんの不手際という事でアベノミクスのせいにならなくなってきそうなのがさらにムカツク所ではありますし、黒ちゃんったら為替のこのテイタラクが起きるリスクを勘案して私の履歴書を物凄い勢いで出したんだったら流石だわと思うのでありました。


あ、そうそう。それから最近植田さん「基調的な物価」っていうのをやたら連呼するようになったんですけど、基調的な物価ってなんですかそれ数字と計算方法出してくれませんかねえ・・・・・・・・・・


〇GCレートやっとちゃんとした水準に近付いてきたのかしら&交付税特会6M借入結果

という訳でいつもの東京レポレートしかGCって出てるもんが無いので(さすがにこれはベンダーの市況解説とかでも出てこないわな)

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/4/18 0.026 0.015 0.028 0.031 0.029 0.026
2024/4/19 0.033 0.043 0.031 0.031 0.031 0.030
2024/4/22 0.054 0.068 0.042 0.038 0.036 0.034
2024/4/23 0.060 0.068 0.041 0.041 0.038 0.037

先週水曜木曜に下がったあと短国発行日要因(と思われる)で金曜のトモネが上がった訳ですが、その後も月曜火曜とトモネのレートが高め(というほど高くはないが今までがクソ低いので高く見えてしまいますな)に推移でござるの巻でして、新発3Mの入札が事実上1週間飛ぶので月末に向けて需給どうなんでしょとか単純に思っていましたが、マーケットメーカーの在庫が多いのか何だか知らんけど足元GC確りしてきて、結果金利弱含みになっていた1M辺りの気配も戻ってきているようで、短い所の国債がハイパー別世界になっているのが是正される傾向になるのでしたら非常に結構な事ではありますな。


でもって昨日の交付税特会6M

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240423.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。


1.借入根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項
2.借入日    令和6年5月2日
3.償還期限  令和6年11月5日
4.償還方法  令和6年11月5日に一括償還
5.借入利率競争入札について  
(1)応募額      7兆2,906億円
(2)募入決定額    1兆2,990億円
(3)募入最高利率     0.115%
(4)募入最高利率における案分比率  89.0232%
(5)募入平均利率    0.112%

(非競争入札が毎度のように今回も10億円入っていますので総額はきっちり1.3兆円になります)』

ということで、11月に償還の来る短国だと前に出た1年短国の成れの果てしかないので、そもそもそのようなオールド銘柄だとポート(というか担保玉というか)に沈んでて流通玉あるのか問題がありましてアレなんですが、10/21のTDB1189も11/20のTDB1195も売買参考統計値を見ると6bpになってて、まあこの差が「国債のモノとしてのプレミアム」と「国債の相対的な流動性の高さを反映したプレミアム」という事になるんですけど、5bpっていうと少なく見えるけど利回り2倍だと思うとヘソが茶を沸かすという水準な訳でして、この辺りの価格形成に関しても政策金利が25bpになってから真のスプレッドが見えて来るでしょうし、その時のスプレッドがそこれこそ今の2倍半になるのか、はたまた差分が横滑りするのか、とか個人的には興味深いことになりそうんですなとは思うのでした。

なお交付税特会6Mのレートですが、

4/23入札分:平均0.112%、最高0.115%
4/11入札分:平均0.107%、最高0.115%
4/05入札分:平均0.107%、最高0.110%
4/03入札分:平均0.097%、最高0.110%

ということでじりじりとレートの方は上昇しているのですが、これ足が後ろに来れば来るほど利上げの影響が加味されるかも、と言いたいですけど、まあ10月利上げだと昨日の6Mで初めて10月展望越えのテナーになっていますので、これはつまりまだそういうのは織り込みにくい(そりゃまあ国債の金利がこれですとね)という事ではあるのかも知れませんな、知らんけど。


まあ昨日の2年国債だって

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240423.htm
2年利付国債(第460回)の入札結果

『本日、2年利付国債(第460回)の価格競争入札、非競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号  利付国庫債券(2年)(第460回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成24年法律第101号)第3条第1項及び特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

3.表面利率   年0.3パーセント
4.発行日    令和6年5月1日
5.償還期限   令和8年5月1日

6.価格競争入札について
(1)応募額      7兆2,939億円
(2)募入決定額     2兆955億円
(3)募入最低価格    99円98銭5厘
(募入最高利回り)(0.307%)
(4)募入最低価格における案分比率  65.7448%
(5)募入平均価格    99円99銭4厘
(募入平均利回り)(0.303%)』

つーことで堂々の0.3クーポンアンダーパー入札となりまして、これ自体はベンダー集計ベースの足切り予想水準と同じだったので落札結果自体で長い方になんか大きく影響したということでもなさそうではありますが、まあ2年の0.3%ってよくよく考えたら年内に利上げが行われてその後順調に1%に向けて徐々に金利が上がっていく、と計算すると利回り足りなくねえか、と思うのですが、今回の正常化局面でそもそも0.5%で止まる訳もないでしょ(と田村審議委員の金懇では田村さんが仰っているようなもんですが実際に中の人達がそういうコンセンサスであるという保証はないのが悲しい所ですけどね)と思うのですが、まあそういう意味ではハトハト金利パスしか織り込んでいない状態なのか、モノとしての短いゾーンの国債需要が強いのか、というのが判然としないのがこの辺りの(短国もそうですけど)国債の金利水準を評価するときに困る問題でありまして、まあ要は貸増を始めとする各種長期オペってマジで邪魔なのですがこれを途中で期限前返済しろとは言えない以上、長期国債のバランスシートの方の縮小って急務じゃないか、というのがまあ始まってみて見えてきたと思うので、MPMではその辺もちゃんと議論してほしいものです、どうせまともに議論しないでしょうけどw

てな訳で本日はショパンの事情で簡単メモ状態になってしまいまして恐縮至極ですがこれで勘弁してつかあさい、あ、そうそうそういえば今日は今月ラストの輪番でしたな結局今月は動かずの事実上の追加緩和実施でしたちゃんちゃん、ということですな(トホホ)。




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