電球(4/28)
◆ 電球型蛍光灯は1990年頃から市場に出始めたが、まだまだ高額だった。私が電球型蛍光灯を使い始めたのは1990年代の終わり頃で、2千円前後の価格だったと思う。それでも寿命が白熱電球の5〜6倍だとか、消費電力が1/4位だとか、それに伴う発熱の少なさが商品価値だった。
◆ しかし輝度が上がるまでに時間がかかり、特に冬場の冷えている時には実用照度になるまでは暗い状態を我慢しなければいけなかった。なので短時間しか使わない階段灯とかトイレの照明に使う事は難しかった。この点は後に改善がされるのだが、白熱電球同様とは行かなかった。
◆ 電球型蛍光灯の価格が下がれば白熱電球の需要は減少し、2008年頃には国内メーカ各社は白熱電球の製造を縮小或いは中止している。しかし位相制御型の照度コントロール装置付きの灯具など、白熱電球でなければならないものも多く残っていた。
◆ LED電球は2010年頃から一般に出回ってくるのだが、これも寿命と価格の面がネックになっていた。LEDの発光効率自体が低かった事もあり、発熱が多くなった。白熱電球や放電管では全く気にならないというか、むしろ高温状態が好ましいとされるランプもあるが、LED灯は逆だ。半導体の寿命の面でも、駆動回路にしても高温は敵となる。
◆ LED電球各メーカは放熱性を考え、ヒートシンク構造を採るなどの工夫をした。一方で駆動回路の長寿命化も行われる事になる。LED自体の寿命は確かに長いのだが、それより先に駆動回路が壊れてしまう。具体的には半導体類の故障や、電解コンデンサの容量抜けだ。これは電解コンデンサを極力使わない設計を行う事、LED自体の効率向上による発熱低減が信頼性の向上につながっている。
◆ 2020年頃になるとLED電球はすっかり一般的になり、100円ショップでも(100円ではないが)売られるようになった。発光効率も上がっていて、従来の同消費電力のLED電球よりも明るく、演色性も良くなっている。これは電球型蛍光灯同様で、技術の進化によって性能向上と価格低下が起きたわけだ。
◆ LED電球の価格が下がると付加価値を上げる方向にもなる。ホームオートメーションが一般的な中国や米国向けに、WiFiトランシーバ入りのスマート電球が製造され、安価に販売される。これまではスマートスイッチやスマートコンセントを使っていた灯具も、スマート電球に買えるだけでワイヤレス制御が可能になる。
◆ 今でも特定器具用などに電球型蛍光灯は売られているが、多くはLED電球に変わった。LED電球は位相制御型の照度コントローラ対応のものもあり、この点では電球型蛍光灯よりも使いやすい。シーリングライトなどと灯具自体もLED化が進んでいて、当初のLEDシーリングライトのような発熱もなく、消費電力に対する明るさも改善されている。
◆ ダウンライトなどでももはやLED電球専用であって、発熱のある白熱電球は使用禁止と明記されているものもある。レールライトや小型のスポットライトでは電球効果に対応していないものもあり、壊れたら灯具ごと交換するスタイルになっている。これ、同じ灯具が入手できれば良いが、そうでないと取り付けや形状が変わってしまう事になる。
◆ 中華LEDライトも寿命は長くなってきたが、それでも相変わらず壊れる。バラしてみると駆動回路の電解コンデンサの容量抜けや、駆動回路のデバイス不良が見られる。短いものでは1年位、結構長く使えたなと思うものでも3年の命かな、今のところは。少なくとも国内メーカ品はそんな短命ではないので、中華小型LEDの信頼性は今ひとつと言う事だ。
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