イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2024年4月22日月曜日

最近のバスデン情報です

 気がつけば今年でバスデンさんのファンになって15周年。と気がつき、最近全然バスデン情報をアップしていなかったことを思い出しました。最後にバスデン情報を上げたのが、1年前だったことが発覚して、これはファンとしてヤバいのではないか、と思い、アップすることにしました。


1)ウエストエンド上演作の「Accidental Death of Anarchist」がオリヴィエ賞のNoël Coward award for best new entertainment or comedy playにノミネートされました。

賞自体は取ってない。Stranger Things: The First Shadow by Kate Trefry – at the Phoenix Theatre (WINNER)って書いてある

オレ的角度からの、バスデン・アダプテーションのAccidental Death of Anarchistについてはこちら。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/11/basdenaccidental-death-of-anarchist3.html


2)Here We Goのシリーズ2がオンエア。非常に評判も良く終了。

続きはあるのか?

(全然作れると思うから多分ある気がする)


オレ的角度からのHere We Go についてはこちらのなかに

http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/02/the-witchfinder-white-lotus-s2-south.html

このシリーズのパイロット版についてはこちらのなかに

http://www.gojohnnygogogo2.com/2021/02/20211ukpandemonium-back-s2-pls-like-s3.html


3)Tim Keyのポエトリープログラム(BBC Radio4のシリーズ)新シリーズ配信

今までLate Night Poetry Programmeだったんですが、夕ご飯の時間の1830分にくりあがっちゃったので、Late Night がなくなってTim Key Poetry Programmeになりましたが、シーズン6って言っていいんだと思います。同じ設定でバスデンさんが出てます。

https://www.bbc.co.uk/programmes/b03pn5pl

毎回、いいゲストをブッキングしてるんですが、Tim Keyのソーシャルネットワークが素晴らしいので、旬な芸人さん方を取り入れるのも素晴らしいシリーズです。今全シーズン聴ける状態だと思うので、ぜひ未聴の方は、どうぞ。


4)BBCの人気コメディ・ドラマ「ゴースト」でカメオ出演という名のちょい役。

ゴーストは最終シーズンの最終話。すみません。非常にやばいのですが、このシリーズまるで見てなくて、見なきゃいけないのに、最終シーズンの最終話に出てたって教えていただいて、そこだけ見たとかいう酷いことをやっています。本当にすみません。

5)BBCの人気コメディ・ドラマ「マンディ」でベネフィット・アドバイザー役でご協力。

最近新シーズンが配信されたので、3話くらい顔出しをなさっている。トレーラーにも顔出しをなさっている。

以上よろしくお願いします。

2024年4月16日火曜日

英国&アイルランドとアメリカのNetflixでNo1です。リミテッドシリーズ「Baby Reindeer(邦題:わたしのトナカイちゃん)」 についてのリンクまとめ

オレが叫んでもこの高すぎる温度では誰も避けていきそうなので、以下でエントリー記事書きました。ガッドさんがスコッツのおかげで、ひとさまに触れる用に開設している、スコットランド関連情報をたまにのっけるnote.comで、文法の間違いとかめちゃくちゃ気を使ったやつです。

https://note.com/scot_geek/n/n10f83a2e4815

イギリス&アイルランドとアメリカで1位なのに、日本で10位内にも入ってないどころかトレンドにも入れてないの。日本市場って、マジでどのジャンルもめちゃくちゃ大変。泣きたい。

猫被ったほうでは書いてないことで、1つだけここで追加したいと思ったことがあります。

オレ、芝居は2回観ましたが、1回目で受けたときの重い衝撃と、このシリーズで受けた衝撃がかなり同じバイブです。なんでかってと、初期の上演のほうが、あのモンキーとの関連性を伝えるジャブをパスパス打ってたと思う。だからモンキーを知ってる客は終わったあと客席から立てなかったし、オレもモンキーが一番重いと思っちゃいかん、みたいなことを言ってた。4月11日の夕方から一気見して、まだ、後遺症です。ココロ痛いのから抜けれない。

ガッドさん自体は、大丈夫だから心配しないでねーってファンに念押しポスティングしてるけど、いや、ガッドさんはオーバーカムかもしれんけど、オレたちが再びメンタルやられてるから! 

忘備録としてガッドさんがお気に入りのレビューだったDen of Geek の記事(ネタバレあり)

https://www.denofgeek.com/tv/netflixs-baby-reindeer-totally-transforms-in-its-stunning-episode-4/

わかってるよねな、ベネットさんの5つ星レビュー

https://www.chortle.co.uk/review/2024/04/11/55388/baby_reindeer

Digital Spy もまあまあ良かったと思う(書いた人はツイート時にマスターピースって言ってたから)

https://www.digitalspy.com/tv/a60450359/baby-reindeer-martha-true-story/


インタビュー記事

Vanity Fair

https://www.vanityfair.com/hollywood/baby-reindeer-netflix-richard-gadd

Gay Times

https://www.gaytimes.co.uk/originals/netflix-baby-reindeer-richard-gadd-nava-mau-interview/

Independent 

https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/tv/features/richard-gadd-baby-reindeer-interview-netflix-stalking-b2526548.html

attitude 

https://www.attitude.co.uk/culture/baby-reindeer-creator-richard-gadd-on-netflix-bunny-boiler-drama-a-lot-of-this-stuff-happened-to-me-463493/



2024年4月2日火曜日

サム・キャンベルSam Campbellの新作 Wobservations、イギリス・アイルランド絶賛ツアー中、4月オーストラリア巡のちに、Netflix is a JokeでLA上演、おまけにニューヨーク行きます。

カンボーの過去の記事はこちら。

http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Sam%20Campbell

 

ついにエージェンシーが立ち上げたウエブサイトからお近くで行われるキラキラ☆ライブ情報をゲットしてください。今まで、彼の笑いを1時間ナマで見る機会がなかったコメディファンの方々も、見るチャンスが続々増えてきました。メーリングリストに登録も、アリだよ!

https://www.samcampbelltour.com/


TaskmasterUK効果てきめんのため、イギリスの追加公演日程はどこもおっきな劇場になっちゃってるのはわかるしあのハネっぷりでは当たり前でしょうだし、オーストラリアは生まれ故郷なんだからもっと前からもっとちやほやしてるべき・・・と思っているのですが、LAとNYの会場は、ガチのファンでも、ちょっこし心配になるデカさです。

Taskmaster UKってアメリカでも視聴率あるんですか(恐)?あんなになんでもかんでもアメリカ版リメイクを作る国で、UKものがそのまま大衆に受け入れられてる気がまるでしないよ。

エージェントは、エイカスター氏をモデルにして米市場拡大してる気がするんですが、エイカスター氏がアメリカで今の規模に達するまでNetflixでの4部作デビューとTaskmasterUKから1-2年経ってるのを備考しておきたいよ。コツコツ☆ビルズアップだった気がするよ。

過去作のアメリカでのハコのサイズを考えると、周りのお祭り騒ぎの勢いでリープを強制しちゃってるみたいで、本人のメンタル心配・・・。どうかオレの不安は大きな間違いであると信じたいです。マジで。


【新作 Wobservationsの感想】

わてくしは、世の中に素晴らしい傑作コメディを見つけ、いろんな1時間ものの(スタンダップを含む)ライブコメディショーを最高、最高、最高。と褒めた倒してきて、ある一定の才能に関しては、長期間にわたって崇めてきました。

そんなドンハマりした芸人さんの笑いのなかで、たぶん、この芸人さんの笑いだけ種類違うな、と思っている点が2点あります。

1つ目は、笑いに生活感がないこと。Tales of my life (それがフィクションにまたがっていても)じゃないんです。近い友人や知り合い、家族がネタにならない。訪れた場所とそこで見聞きした人は着想になることはあるけど、具体性が、ない。Never Mind the Buzzcocksに出たときに「歌音楽に興味ない。「あー君と別れてうんちゃらー」とか、お前の気持ちなんか知るかよ。どーでもいいわ」的なことを言ってたんですよね(→音楽とカンボーがあまりにも縁遠いのになぜ出演、みたいないぢりあって)彼の笑いのスタイルとつながってる気がします。

その結果、プライマリーもセカンダリーもエンドポイントが究極の「笑い」だけになる。「笑いを通して」「笑いの先に」あるのは「笑い」だけ。共感や共有からのつかみやオチをびっくりするくらい作らない。60分、清くパンクに「笑い」だけで突っ走る。でも、ただのギャグのアッセンブルになってるんじゃなくて、シアトリカルでインタラクティヴなテクニックをいくつもsubtleに使いこなしてるんですよ。2回観ると、いかにどれもこれもが緻密に構築されたショーの一部だったかがわかる。初めてみたときも同じこと書いたけど、Harry Hillと似てる種なんだけど、違いはシアトリカルのsubtleさとそこに差し込まれる毒の強烈さですかね。

2つ目は、(1つ目の関連しているのですが)カンボーの基盤が、我々の住む世界じゃないんってことなんですよね。(例えばAunty Donnaとかもね)、この種類のぶっ飛びナンセンスの「ヘン」コメディでも、我々の住む世界って見せかけといていつのまにか芸人さんの世界に誘われ、ライドする。基盤を我々の住む世界からスタート、または入れ込むことが多いと思うんです。

一方、カンボーのショーは、(どうやったら説明できるかすごい考えたんですが)、 ショー自体が、映画「マルコビッチの穴」でいうところの「マルコビッチの穴」って言ったらわかってもらえるでしょうか。会場入ったときからすでに「マルコビッチの穴」に出てきたあの「穴」のある部屋で、始まったらみんなその中入っていく。1時間後に吐き出される。

ということを考えていると、タイトルがオブザベーションをもじったWobservationsってのが、本当に的を得てるバングオンなタイトルだな、と思いました。アメリカでいい距離感で見たかったら80ドル?とかするみたいだけど・・・ぜひ。



2024年3月28日木曜日

最近観たライブ感想その3:絶賛UK ツアー中☆Nick Helm's Super Fun Good Time Show 観ました

【これまでの(ファン的角度からの)お話】

ニック・ヘルムさんについてはこちら。その場限り的な空前絶後のパフォーマンスが得意なので、詳細を記録しときたいという理由からショーの一部始終を書いちゃってるものもあります(こことかこことか)。2017年2019年2022年は鬱三部作と言われていて(*1)、そのうち2022年の作品の感想をまともに書いていないまま今に至ってしまっております。

https://www.nick-helm.co.uk/#live

2024年3月26日からツアーが始まりました。が、チケットは完売していないようです。(今日のグラスゴーもチケットあるらしいよ!)テレビ出演、人気(コメディ)ドラマ出演も多く、知名度は高いはずなんですが、ライブへ客は流れづらい印象。常々書いてましたが、(コメディ)ドラマの役柄イメージとライブパフォーマンスのパーソナとの間に、一見すると果てしないギャップがあるように見えるからなんじゃないかというのが、オレの見解です。表現方法が違うだけで、基盤は同じなんだけどね。それが見えるリテラシーを大衆に求めるもんでもない。というわけで、劇場サイズはでかくても300くらい+完売なかなかしない。

とはいえ、ファン的には、布教活動に勤しむモチベが維持されるし、10年以上前と変わらぬ距離でライブ観れるのは、めっちゃありがたいというのは否めないですが…

【今回の作品について】

過去3作が「気が付かず鬱」(2017年)、「鬱と自分」(2019年)「パンデミックを潜り抜けた鬱病者(自分)のケーススタディ」(2022年)的なテーマで。今回のテーマはどうしようかなーと思っていた昨今、抗うつ剤をいろいろ試しても鳴かず飛ばずな効果なんで、医者に相談に行ったら、じつは鬱というよりはbipolar(双極性障害?)だって診断されちゃった。

ええええええ! 

「でも先生、オレ「躁」のときの認識がないんですけど・・・?」

「bipolarの種類もいろいろあって、患者さんの場合は躁が💩レベルしかない(→鬱のときとあんまかわらない)」

「・・・・・・」

そんなわけで、bipolarの処方をもらい始めたのだけど、ずいぶん調子がいいらしいんですよ(*2)。観客のみなさんと、心の底から最高に遊べるfun timeを作ろう!って気分になり、今回のショーが誕生です。

ショー自体の長さは「60分」。なんですが、エディンバラのフリンジやそれをそのまま転送できるSOHO THEATRE的なところじゃないかぎり、芸人さんは90-120分の任務を課せられるんですよね。対処法としては、1)前座を1-2人入れちゃう 2)自分で全部時間埋めちゃう 3)(劇場サイズのデカいところでやる大物さんにはよくあるケース)始めからショー自体の長さを45分x2(15-20分インターバル)で構成しちゃう。で、ヘルムさんは迷いもせず(2)なんですよ。なんでかってと、crowdworkの天才だから(*3)。本編ほどに綿密に準備もせず、クオリティを落とさず、量を増し増しにできるんじゃないかと思います。

よって、最初の40分(実際には60分に伸びてた)は「ショーまだ始まってない」と定期的になんどもなんども断りを入れつつ、Super Fun Good Time Showの導入口的な話。薬は効いてていいんだけど、イカないんだこれが! いや、大丈夫、勃起はする!めっちゃ!硬くなる!めっちゃ!めっちゃ!!めっちゃ!!!硬くなる!!! (前に座る男性客指して)大丈夫!ハードファンをがっかりさせるようななよったちんこじゃない!安心して!めっちゃ!めっちゃ!めっちゃ!!!硬くなる!!!だけど、どうにもイカない!!!

からの、「自分90sがティーンエイジャーだったからCOMEって言葉に汚れを感じる世代なんだけど、どうみんな?COMEってなんて言ってる?言ってた?」と、どこに座ってても直撃&つっこまれる、ヘルムさんおなじみの展開に。しかも下ネタ全開。この「ニックヘルムのショーに来たら、どの席座っても安全な場所はない」って緊迫感(?)が最近緩かったんで(*4)ああ、たしかにお薬効いてるのかしら、とほっこり。

多分ネタなんだろうけど、「お前らノリが悪すぎ!おまえもおまえもおまえもCxxxばっかり!!」とか。トイレに立つなどの大きな動きをするお客さんだけじゃなく、、顔にてェあてて感慨深そうに見てた(かなり後方の)お客さんにいきなり突っ込み始めたり。

「ショーは始まってない!!!」とものすごい頻繁に言い張り続けるものの、これらのティーン時代・思春期時代の下ネタ、そしてヘルムさんがいぢってるお客さんたちが、きちんと「ショー」自体(→結局80分くらいの長さに)のなかでストーリーとしてつながりを持ち、高クオリティのメタジョークとなり、またいぢられたお客さんたちはのちに舞台に立たせられ、ネタの落としどころとして役立ち、大活躍していくんですよね。ヘルム氏、4人舞台に立たせられ、客席内でも(前方後方関係なく)3人くらいと一体となって一番のメインネタを作り上げていくってね。神業スキルだな、と思います。ご本人社交性がないんで・・・って言ってますけど、それとこれは別なんですよね。

お客さんたちは素人さんですから使いづらいことも結構多いと思います。でもヘルムさんのすごいところは、素人さんどんなボールも貶してスマッシュ決めるんですよ。スマッシュ決めてかつコントロール下に維持する。今回はフェスティバルでもない平日は水曜日の地元客ばっかりだったので、よっぱらいやスタグナイトのヤバいやつはいなかったけど。

というわけで、20時に始まったショーは15分のトイレ休憩をはさみ、22時35分に終わりました。めちゃくちゃ!疲れたけど最高でした。


(*1)2017年は本人やってるときにまるで気が付いてなかったけど、周囲から「どんよりモードにもほどがある」って言われて認識したらしいです。オレはじつはWiPしかみてないのと、本人が気づく前の者だったに違いないので、「鬱」の印象があんまりないんですよね。ただすげえ暗黒世界の究極のエロ芸術コメディで、感動した記憶が今も残ってます。

(*2)前作も鬱病の薬をもらってよくなったーよくなったーっていってたんだけど、今度はもっと実感してるみたい。

(*3)crowdworkっていうと一番前に座るお客さんを中心に「なまえは?」「どこからきたの?」「職業は?」「そこカップル?」みたいなやりとりでウォームアップというか、場をつないでいく、みたいのが典型的ですが、ヘルムさんのは、もうその域とレベルを完全に超えていて、ナタリー・パラミディスが大絶賛されてる系のクラウニング・スキルです。実際以前ヘルムさんどこかの媒体でクラウニングのレッスンを数カ月受けたって言ってたと思う。ただ数カ月のレッスンからの実践の繰り返しでこの達人レベルに至っているのは、天性の才能があってこそ、と思わざるを、得ません。

(*4)Hot'n Heavy の10周年記念ライブを去年エディンバラフリンジでやったときは除く


2024年3月26日火曜日

待ちすぎた、ガッドさんのBaby Reindeer (邦題は「私のトナカイちゃん」???)Netflixシリーズ、待望の4月11日配信

 日本も同じ日に配信開始でしょうか? 一応チェックしたら日本のネトフリの4月配信リストに入ってました!

スコットランドが産んだ天才リチャード・ガッドさんが、英語圏のコメディ・アワードといえば、のエディンバラのフリンジ・フェスティバルでアワードを受賞した3年後に、第4の壁を流行らせた(→語弊)フィービー・ウォーラー・ブリッジのフリーバッグのプロダクションとタッグを組んで発表、

Stage Awards (2019)でOutstanding Performance

Olivier Awards(2020)でOutstanding Achievement in Affiliate Theatre

Holden Street Theatre Awards (2019)でBest Theatre Show

を受賞した一人芝居Baby Reindeerが、ネトフリドラマシリーズとなったやつです。






イギリスではすでに相当知られているはずなのですが、世界配信ということもあり、今回のPR方法が、ガッドさんの名前だけでは弱いと思われてるみたいで、やたらと The End of Fxxxing Worldチームの制作です、ダケで押し通そうとしているのには、結構ムカムカきてます。しょうがないのかね。
ワーカホリックな天才のガッドさんが、闘魂こめて作ってるこのシリーズは傑作しかないです。ですので、皆さん見て騒いでください。