心をめぐる探求の旅へのいざない
心とは何か、その探求はおよそ人類が生まれてからずっと行われてきた長い道のりです。例えば、心理学の源流は、少なくとも古代ギリシャ時代にまでさかのぼることができます。それほど長い時間をかけた探求を経ても、私たちは、心とは何かについて最終的な答えを見つけるには至っていません。しかし、一方で、人は誰しも心について「良く」知っています。例えば、あなたは今何を考え、感じているでしょうか。そのことを自分の内側に問うたとき、そこに何がしかの答えを見つけることでしょう。その意味では、人は誰しもが心について何かを語ることができる「専門家」です。ですが、その答えは他の人にも当てはまるでしょうか。
心理学では、そういった人の内側に秘められた「私」という一人称視点を越えて、一段高いところから心を眺める視点を目指します。そのような視点を得ることによって初めて、心を客観的に眺め、万人とは言わずとも多くの人に共通した心のありようを理解できるからです。
さて、ここ百年ほどの間、心理学はその裾野を大きく広げました。その中には、脳科学、生物学、進化学や、人工知能を含む情報科学といった学問との接点を持つものがあります。一方で、人とのつながりが重要な教育、医療、福祉、産業、さらにそれらを包括する臨床場面の中で活かされる心理学もあります。本学科では、多様な視点を持つことが、より高い位置から俯瞰的に心を眺めることに役立つと信じ、多様な背景を持つ教員による総合的な心理学教育を展開しています。私たちと一緒に「心」という人間にとって最大の謎をめぐる探求の旅に出ませんか?