真夏の暑さも“蚊”も吹き飛ばす、韓国携帯の夏サービス韓国携帯事情

» 2005年08月08日 14時57分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 レジャーの季節、夏真っ盛りということで、韓国の携帯電話もすっかり夏モードだ。キャリアやメーカーでは、旅行の際に重宝するサービスや、暑さを克服できる機能など、季節に特化したさまざまなサービスを用意している。暑さを吹き飛ばす、韓国の携帯サービスを紹介しよう。

蚊退治……夏のトラブルに効くアプリ

 海に山に、自然を満喫できるのは夏の醍醐味だ。しかし自然の中だけに起こり得るトラブルもあるもの。でもそんな時、携帯電話さえあれば安心だ。

 SK Telecom(以下、SKT)は今夏も、蚊退治ソフトを提供している。蚊退治ソフトとは、人間の血を吸う妊娠したメスの蚊が嫌う周波数の音波(300Hz〜600Hz)を出して、蚊を追い払うというソフト。無線インターネットによるコンテンツ提供サービス「NATE」でダウンロードできる。

 2003年から提供が始まり、そのユニークさで人気を博している。今年はタイ、インドネシア、マレーシアの東南アジア地域の蚊が嫌う周波数(560〜900Hz)の音波にも対応している。音波は蚊の種類ごとに嫌いな9種が交代で出力されるほか、妊娠したメスの蚊が嫌うオスの蚊の羽音を録音した音が流されているのも特徴だ。さらにタイマー設定やボリューム調節も可能となるなど、大きな機能アップが図られている。

胃腸に効くツボを携帯で

 海水浴場で遊んでいるうちに、携帯電話の調子が悪くなってしまっても、韓国では安心だ。SKTでは全国4カ所の海水浴場にASセンター「レインボーASカフェ」の設置を行った。SKT版「海の家」ともいえる同カフェでは、携帯電話の修理を行ってくれるだけでなく、冷たい飲料水の提供やビーチタオルの貸し出し、フェイスペインティングなども行ってくれる。設置は8月7日で終わってしまったが、蚊退治ソフト同様、ぜひとも毎年恒例にしてほしいサービスだ。

 日差しの強い野外で水やアイスクリームなど、冷たいものをつい摂り過ぎ、お腹の調子を壊す人もいることだろう。そんな時にはKTFの無線インターネットコンテンツ提供サービス「multipack」やLG Telecom(以下、LGT)の「ez-i」で提供されている「消化不良アシスタント」が使える。

 これは胃腸に効く体のツボを、「消化不良」「急な食あたり」「胃腸障害」の症状別に教えてくれるソフトだ。ツボの名前やその機能を、絵つきで細かく指導してくれる。同時に音楽療法として胃腸不良に良い音楽も提供し、疲れた胃腸を癒してくれる。

カーナビいらずのテレマティクスサービス

 旅行やレジャーで出かけることの多い夏は、車の利用率も高くなる季節だ。そこで各キャリアでは、テレマティクスを始めとした自動車関連のサービスにも力を入れている。

 KTFの「K-ways」では、「3・6・9フリープロモーション」を展開中だ。K-waysには、道案内や交通情報などを提供する「道案内サービス」と、現在の速度や、当日の走行距離などを知らせてくれる「安全運転サービス」がある。これらが月額7000ウォン(約700円)で利用し放題となる料金制「K-ways Free」に加入すれば、その後3カ月目、6カ月目、9カ月目の料金が無料になるというものだ。

 同様のテレマティクスサービスは、SKT(Nate Drive)やLGT(ez Drive)も提供しており、対応機種が増えつつある最近は各社間の競争も激しい。KTFでは利用率の高い夏にこうしたプロモーションを展開することによって、加入者を増やしたい考えだ。

 長い間運転していれば、つい眠気がさすこともあるもの。そんな時に備えて、SKTとKTFでは「眠気退治機」ソフトを提供している。脳を覚醒させる音を、多様な周波数とテンポで出力することで、眠気を吹き飛ばしてくれる。

せっかくの夏、遊べない人も携帯でストレス解消

 ところでせっかくの夏なのに遊べない人も多いことだろう。仕事がたまって休日出勤の会社員、試験を控えた受験生など、休みたくても休めない人はけっこう多いものだ。そんな人たちはストレスも貯まりがちだが、それを緩和できるサービスももちろん用意されている。

 LGTでは「モバイルスクエア 受験生チャンネル」が提供されている。これは専門の音楽治療研究所で開発された、脳波を刺激する機能性音楽により、ミュージックセラピーを提供するサービスだ。「ストレスバイバイ!」「眠気脱出」などのメニューで勉強や仕事に必要な集中力を高められるほか、ダイエットや美容、便秘解消などにも効果を発揮するメニューもあるので、この夏にダイエットをしたい女性にも効果的だ。

 またSKTでは、ストレスや疲労をほぐす音楽が聴ける「モバイル聡明湯」を提供している。製作したのはソウル市内にある病院の院長で、かつ100名による臨床実験を通過したという本格的なサービスだ。ほかのコンテンツが大部分2000ウォン(約200円)であるのに対し、同コンテンツは4000ウォン(約400円)と割高ではあるが、それだけにストレス解消効果も大きいかもしれない。


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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