2024/03/19

JEPでは語れないJava 22

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毎度おなじみ半年ぶりのJavaのアップデートです。

Java 22は、LTSであるJava 21の次のバージョンですが、意外と新機能盛りだくさんです。

Java 22のJEPは以下の12。しかも、スタンダードJEPが4もあります。

  • 423: Region Pinning for G1
  • 447: Statements before super(...) (Preview)
  • 454: Foreign Function & Memory API
  • 456: Unnamed Variables & Patterns
  • 457: Class-File API (Preview)
  • 458: Launch Multi-File Source-Code Programs
  • 459: String Templates (Second Preview)
  • 460: Vector API (Seventh Incubator)
  • 461: Stream Gatherers (Preview)
  • 462: Structured Concurrency (Second Preview)
  • 463: Implicitly Declared Classes and Instance Main Methods (Second Preview)
  • 464: Scoped Values (Second Preview)

注目すべきは、長らくIncubatorやPreviewだったJEP 454。FFMと省略して呼ぶことがおおいですが、Project Panamaのメインとなる機能です。

JNIの代わりに、ネイティブコードをコールしたり、ヒープ外のメモリにアクセスするためのAPIです。

モジュールはjava.baseで、パッケージはjava.lang.foreignになります。

APIなので、本来であれば本エントリーでも取り上げるのですが、ちょっと量が多いですし、差分を紹介してもしかたありません。そこで、別エントリーで使い方についてまとめて紹介する予定です。

ちなみに、同じくProject Panamaで仕様策定しているVector APIはまだIncubatorのままですが、次のバージョンで正式にリリースされるのではないかというのが、さくらばの予想です。

言語仕様の変更がJEP 447, 456, 459, 463と4種類もあります。JEP 456だけがスタンダードJEPで使用しない変数やパターンを _ (アンダーバー)で省略して記述できるというものです。

スタンダードJEPであるJEP 423はG1GCのアルゴリズム改良、JEP 458はjavacでコンパイルすることなく複数のJavaコードを実行できるというものです。この機能は、JEP 330の拡張ですね。

あらたにPreview JEPになったのが、JEP 457とJEP 461です。

JEP 457はバイトコードを扱うためのAPIです。今までバイトコード操作というと、ASMなどが使われていましたが、標準のAPIで可能になります。

JEP 461はStream APIの拡張です。今まで中間操作はストリームの流れてくる1データに対する処理に限定されていましたが、Gathereを使用するとかなり柔軟に中間操作を記述することができるようになります。

 

と、軽くJEPを説明したところで、APIの変更について紹介していきましょう。JEPは多いのですが、意外にもAPIの変更は少ないです。ほとんどがJEP 454とJEP 457に関する変更です。ただし、今回もPreviewやIncubatorの変更は省略するので、JEP 457に関連したAPI変更はStandard JEPになった時に紹介します。また、前述したようにJEP 454 FFMは別エントリーで紹介する予定です。

例によって、セキュリティ関連のAPIは省略します。本バージョンでも、java.baseモジュール以外にもAPIの変更はありますが、使用頻度が低いAPIであるため、解説を省略します。

 

廃止になったAPI

Java 22では1つのメソッドが廃止になりました。しかし、もともと使用しても例外をスローする実装になっているので、廃止されても問題はないはずです。

 

メソッド

  • java.lang.Thread.countStackFrames()

スタックフレームをカウントするメソッドですが、Java 21まではUnsupportedOperationException例外をスローする実装になっています。

 

廃止予定のAPI

Java 21で追加された廃止予定のAPIはありません。

 

追加/変更されたAPI

Java 22のjava.baseモジュールで追加されたAPIは約300なのですが、そのうちの200以上がJEP 457 Class-File APIで、約30がJEP 454 FFM APIです。8割ぐらいは、この2つのJEP由来の変更ということになります。本エントリーでは残りの2割を紹介していきます。。

 

java.base/java.ioパッケージ

java.ioパッケージのConsoleクラスで1つだけメソッドが追加されました。

 

Consoleクラス

Consoleオブジェクトで扱っているデバイスがターミナルかどうかを調べるメソッドが追加されました。

  • static boolean isTerminal()

ターミナルというのは標準入出力に対応したデバイス(POSIXでいうところのtty)です。ターミナルであればtrueが返ります。逆にいうと、JShellやIDEのコンソールだとfalseになります。

jshell> System.console().isTerminal()
$1 ==> false

jshell>

 

java.base/java.langパッケージ

Java 22では、Unicode 15.1に対応したのでそれに応じたブロックの追加が行われました。これ以外にClassクラスとStackWalker.Option列挙型に追加があります。

 

Character.UnicodeBlockクラス

Unicode 15.1で追加されたブロックの定数が追加されました。

  • static final Character.UnicodeBlock CJK_UNIFIED_IDEOGRAPHS_EXTENSION_I

 

Classクラス

プリミティブ型に対応するClassオブジェクトを取得するメソッドが追加されました。

  • static Class<?> forPrimitiveName(String primitiveName)

引数にはプリミティブ型を表す文字列、たとえば"int"とか"double"を指定します。引数がnullの場合、NullPointerException例外がスローされます。

 

StackWalker.Option列挙型

StackWalkerクラスはスレッドごとに作成されるスタックフレームを操作するクラスです。Option列挙型はStackWalkerオブジェクト生成時に使用する列挙型ですが、定数が1つ追加されました。

  • StackWalker.Option DROP_METHOD_INFO

StackWalkerオブジェクトがスタックフレームを操作する時にメソッドの情報を扱わないように指定します。

 

java.base/java.lang.reflectパッケージ

いつものことですが、新しいリリースを表す定数が追加されています。

StackWalker.Option列挙型

Java 22に対応する定数の追加です。

  • ClassFileFormatVersion RELEASE_22

 

java.base/java.netパッケージ

IPv4/IPv6のアドレスを表すInet4Addressクラス/Inet6Addressクラスは直接生成することはできず、スーパークラスのファクトリメソッドを使用していました。これに対し、それぞれのクラスにファクトリメソッドが追加されました。

 

InetAddressクラス

"127.0.0.1"などに対応するInetAddressオブジェクトを生成するにはセグメントの配列を使用するgetByAddressメソッドか、ホスト名も使用できるgetByNameメソッドを使用してきました。これに対し、アドレスを文字列で指定するファクトリメソッドが追加されました。

  • static InetAddress ofLiteral(String ipAddressLiteral)

ofLiteralメソッドでは、引数の文字列をまずIPv4と仮定してパースを行います。失敗した場合、IPv6としてパースします。パースに失敗するとIllegalArgumentException例外がスローされます。

実際の処理はInet4AddressクラスおよびInet6Addressクラスに委譲します。

 

Inet4Addressクラス

Inet4Addressクラスにもアドレスを文字列で指定するファクトリメソッドが追加されました。

  • static Inet4Address ofLiteral(String ipv4AddressLiteral)

アドレスの表記は今まで使用してきたのと同じです。d.d.d.d形式だけでなく、d.d.dからd.d、そしてd形式もパース可能です。

jshell> Inet4Address.ofLiteral("127.0.0.1")
$1 ==> /127.0.0.1

jshell> Inet4Address.ofLiteral("127.0.1")
$2 ==> /127.0.0.1

jshell> Inet4Address.ofLiteral("127.0.257")
$3 ==> /127.0.1.1

jshell>

 

Inet6Addressクラス

Inet6Addressクラスも同様にファクトリメソッドが追加されました。

  • static Inet6Address ofLiteral(String ipv6AddressLiteral)

アドレスの表記も従来と同じで、::や::d.d.d.d形式なども使用できます。

jshell> Inet6Address.ofLiteral("::1")
$1 ==> /0:0:0:0:0:0:0:1

jshell>

 

java.base/java.nio.charsetパッケージ

UTF-8などの標準的な文字セットを定数に持つStandardCharsetsクラスに定数が追加されました。

 

StandardCharsetsクラス

StandardCharsetsクラスではUTF-8やUTF-16系の定数は定義されていましたが、UTF-32系がなかったので追加されました。

  • static final Charset UTF_32
  • static final Charset UTF_32BE
  • static final Charset UTF_32LE

 

java.base/java.nio.fileパッケージ

Pathインタフェースにデフォルトメソッドが追加されました。

 

Pathインタフェース

Pathインタフェースにresolveメソッドのオーバーロードが2種類追加されました。いずれもデフォルトメソッドです。

  • default Path resolve(String first, String... more)
  • default Path resolve(Path first, Path... more)

実際の動作はfirstに対しresolveを行い、得られたPathオブジェクトに対しmoreを順々にresolveしていきます。

実際のコードは以下のようになっています。

    default Path resolve(Path first, Path... more) {
        Path result = resolve(first);
        for (Path p : more) {
            result = result.resolve(p);
        }
        return result;
    }

 

java.base/java.textパッケージ

リストをフォーマットするクラスが追加されました。

 

ListFormatクラス

ListFormatクラスはリストのフォーマッタークラスです。なぜになって導入されたのか、いまいち謎です。

他のフォーマッターと同様にスタイルなどを指定する列挙型も導入されています。

  • enum ListFormat.Style { FULL, SHORT, NARROW }
  • enum ListFormat.Type { STANDARD, OR, UNIT }

ListFormatクラスの使い方は他のフォーマッタークラスと同じです。getInstanceメソッドでListFormatオブジェクトを生成し、フォーマットするのであればformatメソッド、パースをするのであればparseメソッドを使用します。

主なメソッドを以下に示します。

  • static ListFormat getInstance()
  • static ListFormat getInstance(Locale locale, ListFormat.Type type, ListFormat.Style style)
  • String format(Object obj)
  • String format(List<String> input)
  • List<String> parse(String source)
  • Object parseObject(String source)

Objectクラスを引数にするformatメソッドと、parseObjectメソッドはFormatクラスで定義されたメソッドです。

また、引数のないgetInstanceメソッドはデフォルトロケール、STANDARD、FULLとなります。

StyleとTypeによるフォーマットの違いはListFormatクラスのJavadocにまとめられているので、参考にしてください。

個人的には日本語ロケールだと、ちょっと使いものにならない気が...

jshell> import java.text.*

jshell> var format = ListFormat.getInstance()
format ==> ListFormat [locale: "日本語 (日本)", start: "{0}、{1}", ... }", three: "{0}、{1}、{2}"]


jshell> format.format(List.of(0, 1, 2, 3))
$3 ==> "0、1、2、3"

jshell> format.format(List.of("a", "b", "c"))
$4 ==> "a、b、c"

jshell>

ここで示したようにデフォルトの日本語ロケールだと、リストの区切り文字に全角の"、"が使われます。それはちょっとなぁと思うわけです。

これに対し、たとえばUSロケールでSTANDARD/FULLだと次のようになります。

 jshell> var format = ListFormat.getInstance(Locale.US, ListFormat.Type.STANDARD, ListFormat.Style.FULL)
format ==> ListFormat [locale: "英語 (アメリカ合衆国)", start: "{0},  ... ree: "{0}, {1}, and {2}"]


jshell> format.format(List.of(0, 1, 2, 3))
$6 ==> "0, 1, 2, and 3"

jshell>

英語的には最後の要素が", and "となるのは分かるのですが、これを使いたいことがあるのでしょうか。

結局、よく使うのはTypeをSTANDARDではなくUNITにし、StyleはFULLかSHORTのような気がします。

 jshell> var format = ListFormat.getInstance(Locale.of("c"), ListFormat.Type.UNIT, ListFormat.Style.FULL)
format ==> ListFormat [locale: "c", start: "{0}, {1}", middl ... , three: "{0}, {1}, {2}"]

jshell> format.format(List.of(0, 1, 2, 3))
$8 ==> "0, 1, 2, 3"

jshell>

parseメソッドは戻り値の型がList<String>となることに注意してください。

 

java.base/java.util.concurrentパッケージ

Fork/Join Framework関連でメソッドが追加されました。いずれも割り込みに関するメソッドです。

 

ForkJoinPoolクラス

割り込みがかからないタスク実行のメソッドが追加されています。

  • <T> List<Future<T>> invokeAllUninterruptibly(Collection<? extends Callable<T>> tasks)

複数のタスクをまとめて実行する時に使用するのがinvokeAllメソッドですが、それに割り込みがかからないようにしたのがinvokeAllUninterruptibly()メソッドです。

このメソッドではタスクをjoinする時に、quitelyJoinメソッドを使用しているため、割り込みがかからないようになっています。

 

ForkJoinTaskクラス

ForkJoinPoolクラスとは逆に、割り込みがかかるタスクのファクトリーメソッドが追加されました。

  • static <T> ForkJoinTask<T> adaptInterruptible(Callable<? extends T> callable)
  • static <T> ForkJoinTask<T> adaptInterruptible(Runnable runnable, T result)

今までのadoptメソッドでタスクを生成した場合、タスクに割り込みをかけることができませんでした。これに対し、adaptInterruptibleメソッドではタスクに対して割り込みを書けることができます。

戻り値の型はForkJoinTaskクラスですが、実際には派生クラスのInterruptibleTaskクラスのさらに派生クラスであるAdaptedInterruptibleCallableクラスが戻ります。

2種類のオーバーロードの違いは、引数の型が違うのでjoinした時の戻り値に違いがでるということです。Runnableインタフェースではタスクの戻り値がないので、adaptInterruptibleメソッドの第2引数のresultが返ります。

 

java.base/java.util.randomパッケージ

乱数値のストリームを生成するメソッドが追加されています。

 

RandomGeneratorクラス

RandomGeneratorクラスではdoubleの乱数値のストリームを生成するdoublesメソッドがあります。これの派生メソッドが追加されました。

  • default DoubleStream equiDoubles(double left, double right, boolean isLeftIncluded, boolean isRightIncluded)

doublesメソッドでは要素数を指定しますが、equiDoublesメソッドは無限ストリームになります。

引数は境界値で、その境界値を含むかどうかを第3, 4引数で指定します。

 

 

Java 22のAPI変更について紹介しましたが、やはり少ないですね。

また、これは便利だとか、使えそうというAPIの追加もないようです。

とはいうものの、FFMは外部ライブラリを使いたい人には有用ですし、Class-File APIもASMを使っていた人にはうれしいはず。といっても、これらを使う開発者はごくごくわずかだとは思います。

普通の開発者であれば、ストリームのGathererは便利に使えるはずです。GathererがStandard JEPになるまで、待ちましょう!

 

さて、次のJava 23では、長らくIncubatorだったVector APIが入るかどうかです。最近はVector APIのAPI変更もないようなのですが、一波乱あるのかどうか。ぜひ入ってほしいなぁ。

2024/03/17

Jfokus 2024 その2 セッション編

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前回に引き続き、Jfokusの参加記です。

www.javainthebox.com

 前回はJfokusに参加するまでの話ですが、本エントリーではさくらばがJfokusに参加して興味深かったセッションを紹介します。


Jfokusは3日間の会期中、1日目がチュートリアルとハンズオンが行われます。2, 3日目が通常のセッションです。


Java 21 Deep Dive - Better Language, Better Scalability, Better APIs, Better Tools

チュートリアルで聴講したのがこれ。おなじみのOracleのアドボケイトのNicolai ParlogとAna-Maria Mihalceanuのセッションです。

資料はこちら。

slides.nipafx.dev


Pattern Matching、Virtual Threads、String Templatesが前半で、後半はSequenced Collectinosなど細かな機能、最後にツール系を紹介していました。

まぁ、さくらばには、ほとんどが知っていることだったので、機能の再確認をしたという感じです。

適度にまとまっているので、機能のチェックをしたいのであれば、ちょうどいいと思います。


Java in 2024

Jfokusのキーノートセッションで、こちらもおなじみ、OracleのGeorges Saabです。


当初は、JavaのチーフアーキテクトのMark Reinholdが話す予定でした。しかし、Markの来訪がキャンセルになってしまって、急遽Georgesになりました。

さくらばはMarkのセッションを楽しみにしていたので、キャンセルと聞いてモチベーションダダ下がり。さらにVM Tech Summitもなくて、さらにモチベーションが下がる。

そのモチベーションの低さが会場の写真などをほとんど撮らなかったことにつながるわけです。

Georgesの話はいつも通りな感じですね。


Java Language Update

Devoxx BEでBrian Goetzが話したセッションのアップデート版。JfokusではOracleのViktor Klangが担当。


最近、ViktorさんとParさんが話すことが多いようなんですけど、そういう役割なんですかね。

Java 21だけでなく、Java 17ぐらいからのJava言語仕様の変化についてまとめたセッションです。


Enter the Parallel Universe of the Vector API

AzuleのSimon RitterのVector APIに関するセッション。


資料はこちら。

Enter The Parallel Universe of the Vector API


Vector APIについての分かりやすい解説。これを見ておけば、だいたい理解できるんじゃないかなぁ。資料だけだとちょっとつらいかもしれないですが。

Java 22でFFMが正式に導入されるので、Vector APIももうすぐですね。


Modern Java in Action

こちらもNicolai Parlogのセッション。


資料はこちら。

slides.nipafx.dev


GitHubをクロールしてするサンプルアプリケーションを古いスタイルから新しいスタイルに書き換えていくというライブコーディングのセッション。

なかなかおもしろいけど、早すぎて途中からついていけないのが...


これ以外にも、Ubertoの関数型のセッションや、ParさんのLeydenのセッション、Datadogのプロファイラー、AlinaとShaunのGraalVMなどを聴講しました。

それにしても、VM Tech Summitがなかったのがイタイ。

来年は、VM Tech Summitがあれば参加するつもりですが、ないのならばやめようかなぁと思うさくらばなのでした。

2024/03/16

Jfokus 2024 その1 準備編

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2月5から6日にかけて、スウェーデンのストックホルムでJavaのカンファレンスのJfokus 204が開催されました。今回、日本人の参加者は私を含めて3人しかいませんでした。

ぜひ、来年は日本からの参加者が増えるといいなぁということで、Jfokusの備忘録です。

なお、2月3, 4日にはベルギーのブリュッセルでFOSDEMというカンファレンスも開催されています。FOSDEMとJfokusの両方とも参加される方も多いのですが、さくらばはJfokusだけ参加しました。

今回はあまり写真を撮っていないので、会場などの写真はほぼないです。すみません。


Jfokus

Jfokusはスウェーデンのストックホルムで2007年から開催されているJavaのカンファレンスです。VM Tech SummitというVMに特化したイベントも一緒に行っているなど、ちょっとデープなカンファレンスになっています。

しかし、コロナ後はVM Tech Summitが開催されておらず、普通の大規模なJavaカンファレンスになっていました。今年は、事前にはVM Tech Summitもあると言われていたのですが、結局なかったらしいです。かなり残念。

www.jfokus.se

参加者は1,000人ぐらい?上述したようにFOSDEMから参加している方も多いようです。

スウェーデンでの開催ですが、セッションは英語です。スウェーデンはTOEICの国別ランキングで常に上位にいる国なので、どこでも英語でOKのようです。


チケット

JfokusはDevoxxのようにチケットの争奪戦になることはないですが、売り切れることもあるので早めに取得するのがいいと思います。また、Devoxxとは異なり、クレジットカードに対応しています。


ストックホルムへ

Jfokusに参加することが決まったら、まずやることは交通手段と宿泊の確保です。


空路

ストックホルムはアーランダ空港とスカブスタ空港がありますが、ほとんどがアーランダ空港になると思います。ただし、ライアンエアーなどの航空会社はスカブスタ空港をしていますが、まぁ使うことはないと思います。

現状、アーランダ空港への直行便はないので、どこかしらで乗り継ぎを行う必要があります。

スウェーデンはシェンゲン協定加盟国なので、フランクフルトやパリから乗り継ぐ場合は乗り継ぐ場所で入国審査を受ける必要があります。このため、乗り継ぎには余裕をみてスケジュールしたほうがいいです。

イギリスなどシェンゲン協定に加盟していない国はスウェーデンで入国審査を受けます。

今回、さくらばはロンドン ヒースロー空港で乗り継ぎで、アーランダ空港着でした。


ストックホルム市内へ

アーランダ空港からストックホルム市内へは、鉄道のアーランダエクスプレスを使うのが便利です。

ターミナル5に直結したアーランダ北駅と、ターミナル2, 3, 4から利用できるアーランダ南駅とストックホルム中央駅を結ぶ鉄道で、だいたい40分ぐらいでストックホルム中央駅に着きます。

チケットは空港でも購入できますが、事前にオンラインで購入する方がいいと思います。オンラインで購入すると、QRコードが発行されるので、それを駅でスキャンすればOKです。

列車内で検察にくることもあります。

www.arlandaexpress.com


宿泊

Jfokusの会場はストックホルム中央駅に直結したStockholm Waterfront Congress Centreという場所で開催されます。

なので、中央駅近辺でホテルを探すのがいいと思います。

一番いいのは会場と同じ建物にあるRadisson Blu Waterfront Hotelですが、周りのホテルに比べると宿泊費は高めです。なお、すぐそばに同じ系列のRadisson Blue Royal Vikingというホテルもあるので、お間違えなく。

Radisson Blue Waterfront Hotelは新しい建物なのですが、中央駅の近辺は古い建物が多いのでホテルも古いところが多い感じです。ちょっと離れると新しいところもあるので、会場まで近いという利便性をとるか、施設のよさをとるかのどちらかですね。

今回、さくらばはFreys Hotelに宿泊しましたが、ここもかなり古い建物でした。


気候

北欧と聞いたらやっぱり寒いと思いますよね。

今年のJfokus会期中は一番寒い日で最低気温-10度、最高気温-3度ぐらいでした。

Jfokusの前の週がかなり暖かくて、前々週は最低気温が-20度になるぐらいの寒さだったようです。

したがって、行くとしたら、最低気温が-20度になっても耐えられるぐらいの服装で!今年もそこまで寒いというわけではなかったですが、日本からの参加者の1人が寒さで風邪をひいてしまっていました。せっかくカンファレンスに参加するのですから、体調を崩さないように、万全の体制で挑むようにしましょう。

前週が暖かったということから、今年は街中はほとんど雪は残ってませんでした。昨年は雪も残っていて、道がアイスバーン化しているところもあったらしいので、靴もそれ用に用意したほうがいいと思います。

ストックホルムは湖に面した街ですが、最低気温が-10度にもなると湖も運河もカチカチに凍りますね。


Jfokus会場

Jfokusの会場は前述したようにWaterfront Congress Centreです。ストックホルム中央駅からほぼ直結してます。

ただ駅の裏側なので、ちょっと分かりにくいかもしれません。

古い建物が並ぶストックホルムの中心街の中で、ここだけは妙にモダンな建物になっています。

運河に面している建物ですが、運河の向かい側は市庁舎です。私は知らなかったのですが、魔女の宅急便に出てくる時計台の尖塔は、この市庁舎がモデルらしいです。

入り口にはクロークがあるので、上着はここで預けられます。会場は暖かく、上着は邪魔になるだけなので、預けた方がいいと思います。


食事

Jfokusは、朝食とランチが提供されます。

朝食にはスウェーデン名物でもあるカネルブッレ(シナモンロール)やカルダモンマブッレ(カルダモンロール)、オープンサンドのスモーブローなどが出されます。

昼は日によって異なりますが、スウェーデン料理のプレート。けっこうおいしいです。

また、会期2日目の夜は展示会場でレセプションがあり、軽食がでます。ただ、おなかがいっぱいになるほどではないですね。

気をつけなくてはいけないのが、レストランが意外と早い時間にしまってしまうこと。行くところが決まっているのであれば、予約してからいくのがいいようです。

逆に早朝からやっているカフェやイートイン併設のパン屋さんは多いんですけどね。


後編では、さくらばがJfokusで聴講したセッションの中から面白かったものについて紹介します。