「ジュエルシード……取りに行ってくれるわね?私のために」
「はあ?行くわけねえだろ。自分で行け自分で」
「………」
……1時間後
「ジュエルシード……取りに行ってくれるわね?私のために」
「な、なんというドメスティックバイオレンス……」
何か、鞭の威力が前より増してるんですけど……
「行ってくれるわね?」
「わ、分かったって!分かったから、鞭をしまえ!あ、いえ、しまって下さい」
まったく、短気にもほどがあるっての
「そう……なら、さっさと行きなさい」
「はいはい」
ジュエルシードねえ……はあ、面倒くさ。リニスでもパシらせるか
~リニスの部屋~
「お~い、リニス~」
「何ですか……ああ、またやったんですね。ほら、早く横になって下さい。治療しますから」
この女はリニス。俺のペッ「使い魔です」……使い魔だ。態度がでかいのと、燃費が悪いのが欠点だが、非常に優秀なやつである
「サンキュ~」
「はあ、まったく……それで?また、馬鹿なことを言ってプレシアを怒らせたんですか?」
いきなり、俺が悪いことにされてるよ……昔は、泣きながら心配してたんだけどなあ
「いや、頼みごとされただけ」
「頼みごと?」
人間、変わるもんだな……ああ。人間じゃなくて、山猫か
「そう。リニスに伝言を頼まれた。ジュエルシードとって来いってさ」
ふう、これでよし。俺は部屋でゆっくり寝てるとしよう
「ジュエルシード?ロストロギアですか……気をつけて下さいね」
……バレてーら
「スミマセン。手伝ってください。リニス様」
「最初から、そう言えばいいんです」
「……なあ、リニスって、俺の使い魔だよな?」
婆ちゃんのお下がりの主人とはいえ、この扱いはなくね?
「もちろんです。私は、常にあなたの為を思って行動していますよ」
「はいはい、ババアの小言は聞き飽きてるっつーの」
「何か言いましたか?」
え、笑顔が怖すぎるぞ、リニス
「い、いや……リニスには、いつも苦労かけるなって」
「ふふ、気にしてませんよ。ちっともね。ええ、本当に。全く」
………信頼って、なんだろうね?
~輸送船~
「こちら、F。対象を確認した。オーバー」
さて、ところかわって……ジュエルシードを積んでるとかいう輸送船(リニスが調べた)である
「こちら、R。現在、接近してくる人影はないです。オーバー……これ、何か意味があるんですか?」
「特に意味はない。ということでやめよう……今から、回収する」
それにしても、婆ちゃん……取ってこいって、盗ってこいって意味だったのな
「まあ、面倒くさくなくていいけど。んじゃ、収納っと……よし。ずらかるぜ、リニス」
「相変わらず、こういう事は得意ですね……はあ、嘆かわしい」
「ふっ、鍛えてるかな……リニスで」
リニスに悪戯したり、リニスから逃げたり、リニスから隠れたり、リニスを罠にはめたり、リニスを騙したり……まあ、俺の努力の賜物だな
「そうですか……なら、今度からは、私との鍛錬も、もっと真面目にやってほしいものですね」
「気が向いたらな~」
「……はあ」
とりあえず、ミッションコンプリートだな。さっさと帰って、母ちゃんのオールヌードでも拝むとするか
おまけ
~今日のプレシアさん~
アルハザードに行くため、フェイトにジュエルシードを集めさせることにする……少々、不安が残るが、どうせリニスがついていくだろうから、大丈夫だろう
命令したら、いきなり反抗されたので、鞭打ちで従わせた……リニスは一体、何を教えてるのかしら。アリシアに似てるのは、悪戯好きなところだけね
とりあえず、ジュエルシードを積んだ船を沈めておいた。後は、あの馬鹿2人に任せておけばいいわね……ああ、アリシア。母さん、久しぶりに頑張ったわ