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No.26411の一覧
[0] 【ネタ】ISに追加装甲かぶせれば某黒百合になるんじゃないか?[1サマー](2011/03/08 14:54)
[1] 【タイトル縮めて】追加装甲黒百合  2話「篠ノ之箒」[1サマー](2011/03/14 13:26)
[2] 追加装甲黒百合 3話「セシリア・オルコット」[1サマー](2012/02/23 20:08)
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[26411] 【ネタ】ISに追加装甲かぶせれば某黒百合になるんじゃないか?
Name: 1サマー◆d25542fa ID:46432425 次を表示する
Date: 2011/03/08 14:54
「あ~、ドキッ☆女の子だらけの学園生活、してぇ……」


織斑一夏は女好きである。
三度の飯より女の子が大好きな欲望まっしぐらな男子中学生である。
異性の好意に対して呆れるほど天然で唐変木とかマジありえない。
ある意味健全といえば健全に過ぎるオトコノコである彼は、隠しもせず己の醜い願望を口に出していた。


「女尊男卑がなんて言うんだ。虐げられようと罵られようと、自分、女の子大好きですよ……」


高校入試のため試験会場へ進む最中、憂鬱そうな目でぶつぶつ独り言を繰り返す。
男女の立場が一転したこのご時世、むしろ罵ってくれと前向きに捉えられる素敵な思考回路の持ち主は、ふらふらと導かれるようにある建物の前までやって来た。


「……あぁ、IS学園」


羨望の眼差しでIS学園の入試会場である多目的ホールを見上げる。
一夏曰く「俺の嫁達」にしか動かせないパワード・スーツ、通称「IS」の操縦者育成機関であるIS学園は乙女の花園である。
ISという兵器柄、女性しか入学を許されないその学び舎は、一夏にとって地上の楽園に等しい。
世界中から集まる美女美少女達、ここに想いを馳せなければ男が廃るというものでもある。少なくとも、本性を隠さないいち狼である一夏はそう思っている。


「入学、できないものか……」


叶わぬ望みとわかっていても呟かずにはいられない。
無数の女の子に囲まれる男子一匹。それなんて夢のパラダイス。
別段IS学園ではなくとも普通の女子校で達成できる望みではあるが、それはそれ、これはこれである。
女子校は男に生まれた時点で突破口は既に存在しないが、IS学園には万分の一の確率だとしても、まだ活路がある。
早い話、どんな手段を使おうが、ISを動かせればいいのだ。
すれば、“IS操縦者育成機関”である学園に入学できる資格が手に入る。決して“女子専門機関”ではない、ここが重要だ。


「くそぅ……!」


本来受ける高校の試験会場を無視し、魔力に吸い寄せられるようにこの場へ来てしまった一夏は唸る。
この会場に忍び込んでもしもISを見つけ、もしもそれを動かせてしまって、もしもお偉いさん方の目にとまって、もしも「世界で唯一ISを使える男」とか持て囃され強制的に入学を許されたなら……。
もしももしもの連続。そんな上手い話があるとは一夏も思っていないが、しかしこの年の健全な男子だったら一度くらい夢想してしまうだろう。
異例中の異例になってみたい、と。

ダメ元で侵入してしまおうか。
いや、ぶっちゃけ半分その気でこの場へ足を運んだのだが。まだ本命受験校の試験開始時間までは余裕がある。試験にコケさえしなければまだ姉には許されるレヴェルの筈。
やらなければ可能性はゼロのままだ。だが踏ん切りがつかない。自分でもアホなことをやっている自覚はあるのだ。
本来ならば、今まで養ってきてくれた実姉の為、こんな所で油を売っている暇はないのである。

それでも。
それでも、織斑 一夏は、どうしようもなく、女の子が大好きだった。
ファースト幼馴染とキャッキャッウフフするためだけに奇天烈に厳しい剣道道場に入門した。セカンド幼馴染とイヤッハァーッ!するためだけに彼女の中華料理店へ度々散々通い詰め、家計を一時逼迫させ姉にしばき倒された。
しかしいくら傷付き血を吐こうとも、どれだけ姉にボコられてボコられてボコられようとも、一夏は自分の信念を曲げようとしなかった。
一夏はそこの所だけは胸を張って言える。この想いは、決して間違いなんかじゃないんだからと。


「……どっかに男でも使えるIS落ちてないのかぁ」


思わずそんな呟きを発してしまう。
主に「男でも~」のくだりを強調しながら。無茶な注文である。
残念なイケメンの残念な溜息が、寒空の下で白くぼやけていった。


「……もし。もし、そこのお兄さん」

「ん……?」


小さな声が一夏の耳を撫でた。
振り向くと、電柱の小陰からちょいちょいと手招きする謎の人物が。
白衣を着て胡散臭げなバイザーをしている。見るからに怪しいその姿に一歩後退した一夏だったが、白衣の下からちらちらと覗かせる1/10スケール電子の妖精フィギュアに、釣られるようにふらふら~と招き寄せられた。
どんどん誘導され見知らぬビルの中に引き込まれる。


「こんにちは、織斑一夏くん」

「あんた誰だ。どうして俺の名を。あとそのフィギュアをくれ」


まぁまぁ待ちなさい、と手で制される。
一夏は改めて目の前の人物をじっくり見つめる。結構長身でメリハリのある体。頭の後ろでまとめられているブロンドの髪はきらきらと輝いている。目はバイザーのせいで窺えないが、顔立ちからして間違いなく美人だ。
白衣のせいか博士然とした印象も受けつつ、大人のお姉さんという形容がぴったり当てはまった。


「ふぅ、ジャンプで見知らぬ世界に飛ばされ早数年。手元にあったCCは現地の科学者にネコババされ、目の前の少年のナノマシン改造手術に使われた挙句摘出不可能。我ながら自分の不幸を呪うわ」

「おい、ちょっととんでもないこと言ってないか」


危険過ぎるワードに一夏の首筋が汗に濡れた。
よく聞き取れなかったが、すごい伏線が配置されたような気がする。
何者ぢゃぁ、とちょっぴり凄んで目の前の人物を睨みつけた。


「私は怪しい者ではないわ。貴方も知っている篠ノ之束、その友人兼研究仲間よ」


ダメだ、信用できない。
ファースト幼馴染の姉の名前が出てきた時点でアウツだ。当時の記憶はよく覚えてないが、あの人だけはいけないと本能が訴えている。
彼女と自分の姉のせいで、年上の女性はすっかり一夏のセンサーに引っかからなくなってしまった。


「信用できない、という顔をしているわね。けれど……コレを見て貴方は平常でいられるかしら?」


パチン、と女性が指を鳴らすと、彼女の背でスッポトライトが当てられた。
薄暗い室内の中照らされるのは、無機質な床に鎮座している鎧の塊。
一夏の目が見開く。


「まさか……IS!?」

「そう。この世界で最強の機動兵器、正式名称インフィニット・ストラトス……そしてこれは、“男の貴方でも動かせる”世界でたった一つのIS」


今度こそ一夏は驚愕をあらわにした。
男の自分でも動かせる? ……それは、つまり。


「どうかしら? 私を信じて協力してくれるならこのISを貴方に譲ってあげても「信じます」……そ、そう」


即答だった。
一夏は前に出る。悪魔の契約だろうが知ったことかと女性の両手を握りしめた。
このISに限らずとも彼は機動させることが可能だったが、原作ルートを外れた今や知る由もない。


「俺は、一体何をすればいいんですか!? どうすれば、俺は俺の嫁達に会うことができるんですか!?」

「え、ええと……そうそう、このISを動かしてデータを集めて欲しいの。用途は問わないわ。そうね、IS学園に入るのが私にとっても好ましい」

「ヒャッホウッ!」


そこから長々とした説明を一夏は小躍りしながら聞いた。
あまりよく聞いていなかったが、とりあえずジャンプというものを兎にも角にもしまくって欲しいらしい。
その場でマリオみたいにぴょんぴょん飛び跳ねまくればいいのかと一夏は自己解釈する。何たる楽な仕事か。今からでも実践してやってもいいくらいだ。


「遺跡とこの世界は繋がって……後はこの世界の機体のフレーム強度とジャンプ精度のデータを回収できれば……私も戻ることが……ぶつぶつ、ブツブツ」

「すいません、コレ乗ってみてもいいですか!」

「ん? あぁ、構わないわよ」


一夏も男だ。こういうメカ的なものには無条件で反応するし、姉の影響でIS自体に憧れてすらいる。
ましてや楽園へと進出できる乗車券だ、興奮しない訳がない。
好奇心旺盛な子供のようにIS本体に近寄りシートを覗きこんだ。


「なんか……俺の知ってるISと全然違う。やけにゴツイし」

「ふふっ、私の趣味よ」

「趣味かよ」

「冗談よ。データ集めにはそれが丁度いいの。頑丈そうでしょう?」


ええまぁ、と相槌打ちながら視線をあちこち往復させる
一夏のゲーム知識や世界大会で見たISとは形状も規格も何もかも違った。
ISは専用機の場合を除いて、装着解除時はしゃがんだ姿勢で待機しているのだが、これは言ってしまえば土下座の体勢をしている。IS自体が大き過ぎるためだ。
脚部それ自体はまるで大砲のように太く、更に悪魔を連想させる尻尾まで付いている。肩は仰々しいくらいに膨れていて、肉厚。紅いエンブレムが印象的だった。
そして何より、全身装甲(フルスキン)。
シート部分を中心にがぱっと展開されている全身規模の装甲が、まるでパイロットを食らうおうと待ち受けているかのようだった。あくまで一夏の主観であるが。
背中からは大きく伸びる翼、いやスタビライザーが鋭く突き出している。

どう乗り込むのか戸惑っていると、シートに背中を押しつけるようにと指示がくる。
素直に聞くと、ガシュという音ともに黒い装甲が閉じた。
体が包み込まれる。一夏の視界から一瞬光が消えた。


『このIS、名前とかあるんですか?』

「そうね……ブラックサレナ……『黒百合』って所かしら?」

『黒百合……あ、あと』

「?」


ハイパーセンサーに接続され視界を含めた全感覚が鮮明になる中、一夏は視線を動かした。自然的に外部音声が機械じみたものになっている。
兜が動き、淡く輝くデュアルセンサーが彼女を見つめる。


『貴方の名前は?』

「……説明お姉さんと、そう呼びなさい」


名前ですらねー、とは思ったが素直に一夏は頷いた。
IS学園に導いてくれるという時点で一夏は全幅の信頼を彼女に寄せていた。信頼とは違うかもしれないが、とにかく探るような真似はしなかった。
嫁達に囲まれて本懐を遂げる。それが一夏の中で何より重要な事柄だったからだ。


『おお、動く動く! 本当に俺でも動かせる!』

「貴方以外の男性が乗り込んでも作動しないようにロックをかけておいたから。勿論、女性も動かせないわ」

『ありがとう、説明おばさん!』

「お姉さんよ。じゃあ、一度だけこの場で実験に付き合ってくれる? この後は貴方の好きにしていいから」

『イエスマム!』


どこか行きたい場所を思い浮かべて、と説明お姉さんは言った。
そしてそこに行きたいと強く念じろ、とも付け加えた。
黒百合に様々なケーブルが繋がれていく中、一夏は目を瞑り集中する。
自分が行きたい場所……IS学園……しかし行ったこともないので具体的なイメージが湧かない……ならば俺の理想の嫁……黒髪はもう十分だ金髪がいい、有り体だが均整の取れた体、芸術品のごとき流線美を誇るしなやかな足、巨乳は譲れない、モデルもびっくりなくびれたウエスト……。
邪念が邪念を呼び起こす。もはや場所ですらなかったが、一夏本人いたっては至極真面目な顔付きで想像を膨らませた。


「いってらっしゃい」


ポチ、とケーブルと接続された機械のスイッチを説明おばさんは押し込んだ。
きらきらとした透明色の光がISを包み込み、次の瞬間一夏は、機体とともにその場から跡形もなく姿を消した。


「ジャンプ成功……ふむ、幸先は明るそうね」











「なっ……なんなですの、コレはーっ!!?」

『……あれ?』


IS学園一年生寮。
自室で着替え中のセシリア・オルコットが悲鳴を爆発させる中。
部屋の壁をブチ抜いた漆黒のISが、可愛らしく小首を傾げた。











原作再構成、若干クロスオーバー。
説明おばさん出現→影響を受けた束の改造手術→一夏壊れる
設定これだけ。考えなしの執筆。
取りあえず、ただ黒百合に暴れて欲しかった。暴れてすらないけど。今は反省してる。


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