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No.17930の一覧
[0] 【習作】フロースガノレさん転生日記(世界樹の迷宮2×リリなの)[変わり身](2010/08/21 07:23)
[1] 1F 名称不明の冒険者が現実逃避する場所[変わり身](2010/08/21 07:24)
[2] 2F 相棒の獣と出会った学びの園[変わり身](2010/04/06 13:19)
[3] 3F 混乱と隣り合わせに眠る昼[変わり身](2011/04/06 19:24)
[4] 4F 事後に負う責に怯え訪れた屋敷[変わり身](2011/02/17 08:58)
[5] 5F 百獣の玉の咆え声[変わり身](2010/04/17 09:33)
[6] 10エン宿屋通い 【くろがねのきもち】[変わり身](2011/02/02 22:37)
[7] 6F 気づかぬ同郷とを繋いだ小花[変わり身](2011/02/02 22:37)
[8] 7F 成績と英語を秤にかけたら鬱だ死のう[変わり身](2010/05/15 18:43)
[9] 8F 結界に包まれしああっとの棲家[変わり身](2010/05/27 23:52)
[10] 9F 影で目覚し魔法少女[変わり身](2011/02/01 19:24)
[12] 10F 影尽く小児の集い此処に完成す[変わり身](2010/06/29 06:03)
[14] 20エン宿屋通い 【きまいらのきもち】[変わり身](2011/02/02 22:36)
[15] 11F前 逃げる事叶わぬ、[変わり身](2010/07/04 10:09)
[16] 11F後            桜色の柱[変わり身](2010/07/20 07:39)
[19] 12F 物話描かざれば通りえぬ交渉の儀[変わり身](2010/09/30 11:32)
[20] 13F 惑いし心断ち切るは蹴りの一撃[変わり身](2010/09/14 20:07)
[21] >>14F 大獣の誘う禿への一本路[変わり身](2010/09/30 11:48)
[22] 15F 撒かれる桃色の果て[変わり身](2011/01/24 08:04)
[23] 30エン宿屋通い 【あるろーかるちゃっとるーむでのひとまく】[変わり身](2011/02/03 07:48)
[24] ひっそりこっそり[変わり身](2014/03/13 18:41)
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[17930] 【習作】フロースガノレさん転生日記(世界樹の迷宮2×リリなの)
Name: 変わり身◆bdbd4930 ID:fcaea049 次を表示する
Date: 2010/08/21 07:23
大陸の遥か北方に広がる高地、そこには巨大な樹を街の神木と崇めるハイ・ラガード公国があった



その公国の神木は世界樹と呼ばれ、その天高く伸びる樹は空飛ぶ城へと繋がっているという伝説がある



そんな伝説の樹の中に、あるとき謎の遺跡群と未知の動植物を内包した巨大な自然の迷宮が見つかったのだ!



公国を治める大公は、その迷宮を調べ空飛ぶ城の伝説の真偽を確かめるために大陸全土に触れを出す



……しかし、どんなに多くの冒険者が集まろうと、その迷宮を踏破し伝説を解明する者は現れなかった



迷宮に生息する動植物は、その殆どが凶暴な化物……モンスターだったのだ



多くの冒険者達は迷宮の中で命を落とし、そこを徘徊するモンスターの餌となる



生き残った者も大半が心を折られ迷宮から去っていき、今までに崩壊して行ったギルドは既に100を超えていた



一瞬の油断や一寸の慢心が即座に死へと繋がる……熟練の冒険者でもそれは変わらない



崩壊していったギルド、散って行った冒険者達の中には、豊富な経験を持つ屈強な冒険者も多数含まれていた












――――――ギルド【ベオウルフ】も、そんな熟練ギルドの一つだった







■ ■ ■






世界中の迷宮、第一層地上5階

5階毎に層の分けられる迷宮、その第一層の最終階【百獣の王の吼え声】と称されるその階は、この迷宮に挑む者たち最初の難関と言ってもいい


第二層……地上6階に進むためには、百獣の王キマイラとの戦いが避けられないからだ


一つの獅子の頭と二つの羊の頭、獅子の体に鋭い爪、背には鉤爪の生えた大きな翼……と、魔獣の半身を持つキマイラはその見た目通りの凶悪な戦闘力を有している
しかも周りには常に僕を従え、集団で襲い掛かって来る

何人もの冒険者が、第二層に進むためにキマイラに挑み……そして返り討ちに遭い喰われて行く

その被害は連日止む事が無く、ついには公国側が討伐ミッションの触れを出すまでに至った



【ベオウルフ】はその討伐ミッションに挑み―――そしてミッションに参加できなかったメンバーを残し壊滅してしまったのだ



残されたメンバー……聖騎士風の男とその相棒クロガネは復讐に燃え、一人と一匹だけでキマイラを倒す事を仲間たちへの手向けとしようと考える






……しかし当然の事ながら、熟練の冒険者を何人も葬って来たキマイラがそんな少人数で倒せる筈も無く―――















―――大きな風きり音を立て、キマイラの爪が振るわれる

「!」

それに対する聖騎士風の男は咄嗟に盾を構え、爪に叩きつけて勢いを殺す

……が

「―――ぐッ!?」


完全に勢いを殺しきれず、その衝撃は防御の上から聖騎士風の男を貫き、とんでもない勢いで彼を吹き飛ばす
何度も地面をバウンドしながら転がり飛び、その勢いのまま周りに散らばる大きな瓦礫に轟音と共に激突

「がふっ……がぁ……ッ!」

背中から地面に崩れ落ち、ダメージで大きく咳き込む
だが悠長にへたり込んでいる時間は無い、震える膝を叩き無理矢理立ちあがって右方へと転がる


――ヒュパァン!!


……先程まで倒れていた所に獣王の僕が音速で突っ込み、瓦礫ごと爆散

少しでも転がるのが遅れていたら、聖騎士風の男の命は無かっただろう



聖騎士風の男は転がった勢いのまま近くに有った瓦礫の一つの陰に転がりこむ
皮肉にもあの攻撃でキマイラとの距離は大きく開いており、少しなら体を休める事が出来る

瓦礫に寄りかかり、痛みに震える体を抑えつける

「……流石に、キツイな……」

彼の右腕は妙な方向に折れ曲がり、額から流れ出る血は片目に入りこんで視界を奪っていた
着込んでいる鎧の隙間からは、決して少なくない量の血が絶え間なく流れ出ており、立っているのもやっとの状態
加えてアイテムも全て使い切り、剣も大盾もさっきの攻撃でどこかへ投げ出してしまった


満身創痍……その言葉がぴったりと当てはまる姿だった


「は、ははは……これは、死んだかな?」

クロガネだけでも逃がしておいて正解だった……
力無く笑い、目を瞑る

キマイラ達の猛攻により、大きな怪我を負ってしまったクロガネ

しかしその戦意は衰えることなく、再びキマイラに向かって行こうとした
聖騎士風の男はそれを押し止め、戦闘区域から押し出し無理矢理に戦線離脱させたのだ

助けを呼んできてくれ……そう言い含めて

運が良ければ、他のギルドに拾われて生き延びられるだろう

「……クロガネには、悪い事をした」

たった二人でのキマイラ討伐……それが不可能に近い事は分かっていたが、やらなければいけない事だった

そもそも【ベオウルフ】がこんな事になったのは、他メンバー三人が先走った事が原因なのだが、彼はそう思ってはいない


「あの日、自分達がミッションに参加できていれば仲間は死なずに済んだかもしれない」……そう考えていた


「……そうだ、だから私達が――いや、私がキマイラを倒さねば……!」


瓦礫に手をつき、歯を食いしばって立ちあがった……血が足りないのか視界がちらちら明滅する
深呼吸をして息を整え戦闘態勢を作る、と―――


ズシン…ズシン……


―――瓦礫の後ろから、大きなものが地面を踏みしめる重厚な音が響く

その音は男が裏に隠れている瓦礫へと、一歩一歩ゆっくりと近づいてくる
この小部屋のような地形の中で、こんな音を立てられるモンスターは一体しかいない

「来たか……」

聖騎士風の男は瞑っていた目を開き、鋭く細める




この戦いで、自分は間違いなく死ぬだろう

キマイラやその僕に喰われ奴らの血肉となり、他の冒険者達を襲うための糧となる

そして【ベオウルフ】は今度こそ完全に崩壊する

……だが、逃げる訳にはいかないのだ




「クロガネ……お前は生き抜いてくれよ?」

長年連れ添った相棒に一言だけ捧げ―――瓦礫の陰に隠れる事を止め、颯爽とキマイラの前に姿を現す

その体と長髪は血にまみれ斑に染め上げられていたが、聖騎士としての誇りは失われてはいなかった

キマイラはその巨体の左右に僕を従え、いきなり飛び出て来た男に僅かに警戒した様子を見せる








「私は【べオウルフ】を護る盾!!」









―――聖騎士の男は叫ぶ








「盾を失い、剣を失い! 仲間すらをも失おうと、その誇りは失うこと無く護り切る!!」









―――満身創痍の体、装備は何一つ無く、絶望的な状況でありながらもその眼光は光を保ち、敵を射抜く











「聞け! 百獣の王よ!! 我が名は――――――――――――!」












男は拳を握りしめ、キマイラへと突貫する

キマイラは獅子の前足を地面に踏みしめ、その口を大きく開く
すると口内に赤い光が集い始め、周囲の大気が熱によって歪み始める

―――劫火だ

男は走る速度を上げ、音速で飛んでくる僕を紙一重で避けながら接近する
キマイラの口内からは赤い炎が漏れだし、何時劫火が吐き出されてもおかしくは無い



しかし男はそれを恐れることなくさらに接近し、握りしめた拳を弓の様に引き絞り―――































「――――――――――――フr-sガリュッ」

























噛んだ












■ ■ ■











「ほぎゃぁぁぁ! ほぎゃぁぁぁぁ……あ……ぁ?(ま、待ってくれ! あれでは余りにも締まら……な…い?)」


清潔感のある白を基調とした部屋、そこで聖騎士の男は意識を取り戻した


意識?


疑問が頭をよぎるが―――深く考える前に、あまりの息苦しさに意識が拡散してしまう


「……っぎゃぁぁぁぁ! おぎゃぁぁぁぁ!!(……苦しい! 息ができない……!!)」


上手く呼吸を行う事が出来ず、まるで赤子の様に泣き叫ぶ事で辛うじて酸素を吸い込む
周りで何人かの人間が会話をしている様な気配がするが、何故か閉じた目を開ける事が出来ず、なによりそんな事を気に出来るほどの余裕が無かった


何分か何十分か、しばらくそのまま泣き叫んでいると徐々に呼吸が落ち着いていき……それと同時に先程頭を掠めた疑問が再びよぎる


……意識がある?


おかしい、自分はあの時の間抜けな名乗りを辞世の句として劫火に焼かれて死んだはず


(なのに何故、意識があるんだ……?)


とはいえ自由が利くのは意識だけで、体は自由に動かせない
目が開かないので周りの状況を確認する事も出来ず、音はくぐもって聞こえるため声の判別すらできない


(……何がどうなっている?)


もしや自分はキマイラに殺された訳ではなく、重傷を負いつつも帰還できたのだろうか

この体の不便はその後遺症で、絶対安静の状態?

だとすれば自分は助けられたという事か?

いや、それよりもクロガネは無事なのか?


幾つもの仮説が頭の中で渦を巻きパニック状態になりかけるが、答えは出ず

(……まずは、周囲の状況を確認せねば)

一旦そう結論を出し、とりあえず目を開こうと重い瞼と格闘する事しばし、もう少しで目を開けられる……という段階まで来た所、

(!? な、何だ?)

強烈な浮遊感

抱き上げられるような感覚を感じ、その衝撃であっさりと目が開く


すると目の前に無精ひげを湛え眼鏡を掛けた中年男性の姿が映る


……どうやら、自分はこの男性に抱きあげられているようだ


(貴方は一体何者だ? 私の体はどうなっている?)

疑問を問いかけようとするが、勿論声を出す事も出来ない
それを歯がゆく思いながら見ていると、男性の表情がじわじわと笑顔に変化していく


その表情は恵比寿の如く、幸福に溢れた笑顔だった


(―――ッ!! 何がおかしい!?)


今の自分がそんなに滑稽か!?

聖騎士の男は激高し、激しく怒鳴り散らす……勿論声は出せなかったが
目の前の男はその緩んだ口を開き―――





「⊃●_Α§Π@▼~」





……………………………………………何処の言語かも分からない、意味の分からない言葉を放った



その言葉は今まで聞いた事も無い種類のもので、思わず呆気にとられ男性の顔を凝視して



気付く



男性が掛けている眼鏡、そこには抱えられている自分の顔が反射され映っているはず……むしろそうで無くてはならない


だというのに


今映っているのは自分の大怪我を負っている(はずの)顔ではなく、さりとて傷一つない自分の顔でも無く





(赤子の顔が、映っている……!?)





―――今までに感じた疑問が全て解ける

しかし導かれた答えは余りに馬鹿げた物、それこそ「マスターは混乱しています!!」と怒鳴られてしまうほどに




(……………………私は今、赤子になっている?)




いやいやそんなバカな藩士が……いや話がある訳ないだろう



周りを見回す

ガラス戸に赤子を抱いた男性が映っていた



……いやいやいやいや見間違いに違いな



男性が聖騎士の男の右腕を握り、目の前でふりふりしている

明らかに幼児の腕だった








…………………………………………………………………………ああ、夢か








(………………クロガネ、早くこの悪夢から起こしてくれ…………)

「●Σ/⊃>仝℡? Ω~Ф、☆~Ν……」



―――聖騎士の……元・聖騎士の男は、かっくりと意識を手放す事にした









■ ■ ■









世界樹Ⅲをやってたら衝動的に書きたくなった、反省はするが後悔はしない

ミッションに参加しなかった云々はアンソロから

何故噛んだのか? それは彼がフロースガノレさんだから! 彼の名をどんな形であれ表するのはもはや禁忌である



*ご指摘に基づき題名変更を実施…………止めて! 石は投げないで!


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