もはや名前も忘れた小さな都市。
俺の住んでいたその都市は、ある日汚染獣によって滅ぼされた。
そして、炎に包まれた都市から俺はじいさんによって助け出された。
じいさんはその時都市を訪れていた武芸者で、身寄りの無くなった俺を育ててくれた。
それから、俺とじいさんは旅を続けた。
武芸者だったじいさんは傭兵として都市を回り、俺はその合間を縫って武芸を教えてもらっていた。
幸い俺には才能があったらしく、じいさんもよく褒めてくれた。
数年間の鍛錬を積み、俺も10歳の時に初めて戦場を経験した。
それからも、ずっとじいさんと旅を続けて、汚染獣と戦って。
これからも、そんな人生を送っていくんだと思っていた。
でも、14の時の汚染獣戦だった。
俺の人生最悪の敵、老生体三期。
一期とは戦ったことがあったが、三期の強さはまるで別物だった。
けっこう大きな都市で、都市に居た武芸者は1流から3流まで合わせて100人以上。
その武芸者たち全員で迎撃に出た。
死闘は2日間続いた。
出撃しては帰還、交代、休憩、そして出撃。
そうやって何度も繰り返し戦った。
どんどんと武芸者たちも死んでいき、それでも戦って。
俺たちは、なんとか老生体を倒すことができた。
最後まで生きていた武芸者は15,6人。
それも、みんな重症と言っても差し支えないくらいの怪我だった。
念威操者の中には力を使いすぎて発狂しているやつも居た。
じいさんも、そのときの怪我が元で死んだ。
「キリエレ、自分の生きたいように生きろ。やりたいようにやれ。
何をしたって構わない、だが自分が後悔しないそんな生き方をしろ」
じいさんはそう言った。
俺は、じいさんの残してくれたお金で学園都市の試験を受けた。
昔、じいさんが通っていたという学園に行こうと思った。
何一つ下調べなんかしなかった。
どんな場所なのか全く知らない。
ただ、じいさんが通っていたというだけでよかった。
憧れの人と同じことをしてみたいという思いから行くことを決めたのだろう。
一つ一つ同じ道を辿っていけば同じ場所に到達できるんじゃないかと思って。
そして俺はなんとか試験に受かり、学園に入学することができた。
キリエレ、エマラスティン。
今年から学園都市ツェルニの武芸科一年生。
最近まで書いていたやつがどうにも続けれなくなったので新しく書き始めることにしました。
考えさせられることも参考になることもあって序章を消した。
なによりこれでフェリをヒロインから外すことに成功した・・・よね?
いろいろと修正したりしないといけないところもあるので、おかしな点に気づいたら教えてください。