『0話・手紙』
俳句 背景
拝啓
お母様、お父様、そちらではどのようにお過ごしでしょうか?
僕は現在異世界で平凡に暮らしています。
最初は戸惑う事も多かったのですが、今は何とかやっています。
異世界では家族の様な存在も出来ました。
心優しい純粋無垢な、幼女に近い少女。
気高く勇躍とした、慈愛を持った子猫。
そんな一人と一匹が、僕のこちらの世界での家族です。
思えば、色々な事がありました。
お母様とお父様がお金欲しさに、僕を悪の組織に売っぱらった事もありました。
お母様とお父様の借金の返済に、僕の臓器が狙われたこともありました。
現在進行形で、元の世界に帰る方法を模索しております。
もしも、帰ることが出来たら、テメェ等覚悟しておけよ。ぶん殴るから。
それはそうと、気にかかっていることがあります。
僕は悪の組織の慰安旅行中に、こちらの異世界に来てしまった訳ですが、僕のポジションの変わりは居るのでしょうか?
そもそも、僕が居なくなったことに気付いてもらえているでしょうか?
……なんだか、悲しくなってきました。
答えを聴くのが怖いです。
それと、友人達は元気でしょうか?
僕が居なくなって悲しんでいないでしょうか?
もしも、僕が居なくなって爆笑していたら、構いません。ぶちのめして下さい。
色々と思うところはあります。
正義の味方との闘いも終わっていませんし、思い返せば彼女さえ出来ませんでした。
しょっぱい青春でした。
思い出すと涙が止まりません。
……泣いても……いいですか?
何はともあれ、僕は異世界で楽しくやっています。
ふぁんたじーで溢れているのに、全くの平和です。つまらないです。
イベントとか中々起こりません。フラグも立ちません。
僕が異世界に来た意味って何なんでしょうね?
……まぁ、事故なんですが。
それでも、僕はこの世界で生きています。
帰れるか帰れないか分かりませんが、精一杯生きています。
そんな僕の日常のひとつとして、この手紙を書きました。
(中略)
(後略)
と、いう訳です。面白いでしょう?
HAHAHAHAHA!!!
そろそろ紙面が足りなくなって来たので、これで筆を置くこととします。
お母様、お父様、どうぞ健康には気を付けずに風邪を拗らせて下さいますようお祈り申し上げます。
それでは、さようなら。
敬具
P.S.
帰ったらマジで覚えとけ。顔が変形するまで殴る。
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まえがき的なあとがき
はじめまして。炉真と申す者です。
初めての投稿なので、色々と至らない点などもあると思います。
拙い文章ですが、暇潰し程度に読んで頂ければ幸いです。
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追記
チラシの裏から引っ越してきました。
これが処女作なので、拙い文章でお目汚しになるかもしれませんが、暇潰し程度に読んで頂ければ幸いです。
忌憚ない意見・感想など、思ったことを遠慮せずにお書き下さい。
よろしくお願い致します。
2009/06/15・初出(多分)。
2009/07/17・チラシの裏から移転
2010/05/06・ひっそりと0話~19話までの書式変更
2010/05/07・苦行の20話~28話の文章間隔変更
2011/01/19・久方の更新
2011/01/21・さくしゃ は ちから つきた!
2011/03/27・終りがそろそろ見えてきたやっふぃ。