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2024年4月18日 (木)

【Marshall Blog Archive】RE-BIRTH WITH MUSIC! ~ いわき街なかコンサート2011 <前編>

 
先回のMarshall Blogでは今年3月に開催された福島を応援するイベント『がんばっぺ福島!応援の集い』の第7回目のもようをレポートした。
その記事内にいわき市が出て来たところで「いわきアリオス」のことを思い出した。
かつてMarshall Blogでは『いわき街なかコンサート』という、いわき市を挙げての音楽イベントを2度ほど取材していて、それを懐かしく思い「マー索くん」を使って久しぶりに記事を読んでみた。
まずは2回目にお邪魔した2012年の記事「いわき街なかコンサートin 平 2012 <後編>」から…フムフム、コレは懐かしい!
次にその前の年のレポートはどうかな?
(検索)………(検索!)………(検索!!)………(検索!!!)………
アラ?
ない…ないぞ!
どこをどう検索しても見当たらない!
頭の中では完全にレポートを公開していたつもりだったので少々取り乱してしまったが、よくよく考えてみると当該のイベントは2011年にのことなので、916本の記事を投稿して同年末に終了して今ではもう見ることができない以前のMarshall Blogで公開していたのだ。
しかし、簡単にあきらめることはできない。
この名イベント、名ライブをカバーしていないだなんて「Marshall Blog」の名がすたる!
ということで【Marshall Blog Archive】として、写真の差し替え&追加、並びに文章を加筆訂正した上でココに再録することとした。
オリジナル通り2本立て。
それでは「13年前のいわき」へGO!
 
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生まれて初めて訪れた「いわき」。
我が家は残念ながら縁がないため福島は全くの不案内。
せいぜい保科正之と松平容保、会津藩と斗南藩に関する各種の本を読むぐらい。
だからテレビで「浜通りで地震」というニュース速報が流れるたびに「浜通り」とは福島駅前辺りの通りの名前だと思っていた。
世間の皆さんには釈迦に説法であろうが、「浜通り」というのは福島県東部の太平洋沿岸の地域の名前なのね。
通りの名前ではなかった。
福島県の地域はタテに割って東から「浜通り」、「中通り」、そして「会津」となる…なんて知ってた?
というのは、明治9年まではそれぞれが別の県として存在していたことから。
そして「浜通り」地域で最も大きな都市が「いわき市」で、その玄関が下の「いわき駅」。
この駅はかつて「平駅」という名称だった。
上野駅の低いホームによく「平行き」の電車が止まっていたのを覚えているが、その駅名は1994年に改名されたそうだ。
Img_0001「いわき市」も元はといえば明治12年にスタートした「平市」で、合併に合併を重ね1966年に「いわき市」となり、「平」はひとつの字名となった。
この「平」の名前は浜通りの南部地方を納めていた「磐城平藩(6.7万石)」を引き継いだもの。
磐城平藩は戊辰の際、平将門の末裔である相馬家が統治する浜通り北部の中村藩と共に「奥羽越列藩同盟」に参加して佐幕派を貫いた。
エライ!
江戸っ子の私としては佐幕派大好きよ。
さて、この磐城平藩の5代目の当主が有名な安藤信正。
1858年の「桜田門外の変」で井伊直弼が暗殺されると、久世広周を老中に任じ2人で幕政を取り仕切った優秀な人。
何しろ公武合体策のひとつである和宮の徳川家茂への降嫁は信正のアイデアだったという。
1862年にはその和宮降嫁問題によって水戸藩士が反幕感情を抱いて信正を襲撃。
それが「坂下門外の変」。
信正は一命をとりとめたものの重症を負ってしまったが、事件の直後に包帯グルグル巻きの姿でイギリス公使のオールコックと会見。
その信正の根性にオールコックはビックリ仰天したという。
新渡戸稲造の「武士道」じゃないけど、会津の松平容保、米沢の上杉鷹山等、東北の佐幕派には立派な人が多かったんよ。
「ならぬものはならん」のよ。
Na ちなみに20世紀後半の高度経済成長期に入ると浜通り地区は産業の転換を迫られ、「炭鉱&木材地帯」から「電源地帯」へと変貌し、原子力発電所や火力発電所が次々に建設された。
そうした炭鉱が閉鎖される背景で導入された地域振興策が「常磐ハワイアンセンター(現在のスパリゾート・ハワイアンズ)」なのだそうだ。
昔から「福島にハワイ」を不思議に思っていたんだけど…なるほどそういうことだったのか。
Img_0070福島県いわき市も東日本大震災で甚大な被害を受けた地区のひとつ。
Img_0028街の復興が進む中、市民のポジティブな気持ちを具現するかのように『いわき街なかコンサート』が開催された。Img_0003市民の皆さんにあっては、楽器を手にする気も起きず、大好きな音楽を聴いても心が動かない過酷な日々が続いた時期もあったという。
しかし、このコンサートの開催が発表されたのが震災から3ケ月が経った頃だったという…つまり6月。
6月といえば東京のライブ・ハウスではまだ自粛ムードが強く、キャンセルとなった公演も散見された時分だ。
災害を被った地元の人がコンサートを企画している頃、東京ではコンサート自粛…何ともおかしな話しではなかろうか?
なんてことより、いわきの皆さんが「音楽の力」を信じて企画を推進した精神力に脱帽せざるを得ない。
結果、地元いわき市の方々だけではなく、東京、千葉、茨城、神奈川、静岡からの参加者もありまさに街全体がライブ・ステージと化した音楽の祭典となった。
Img_0005いわき駅周辺に大小10ヶ所以上のライブ・スペースが設けられ、総勢200を超すプロ・アマのバンドやパフォーマーが出演する。
そして、多くの会場でMarshallが一生懸命働いていた。
この駅前の会場にも…しかもJMDのコンボ!
うれしかったネェ。
Img_0006銀行の駐車場でも…Img_0008GSバンドにもおなじみマーシャル・ロゴが!
Img_0016とにかくそこら中で音楽!
イトーヨーカドーの駐車場もこの通り。
Img_0024出演者はロック・バンドばかりではなく、ギターとボーカルのジャズ・デュオや…
Img_0012小学生によるキーボードのアンサンブル…Img_0018さらにダンス・パフォーマンス…とバラエティに富んでいた。Img_0020露店もいろいろ。
Img_0019屋外でのライブだけではなく、市内のライブハウスも解放される。
Img_0021コチラのライブ・ハウスも満員だった。
Img_0026そして、このお祭りの総本山が「いわき芸術交流館アリオス」。
駅から徒歩で15分ぐらいのロケーション。
Img_0032ココのステージでもプロ&アマによる数々のパフォーマンスが繰り広げられた。


Img_0039音楽の種類もバラエティに富んだもので、下は神奈川から駆けつけてくれたファンク・バンド。
Tower of Powerばりのゴキゲンな演奏だった。Img_0044_2ところでこの日の朝、いわき駅を降りたところでギタリストの谷川史郎さんにバッタリ出くわしてビックリ!
「アレ、史郎さんどうしたんですか?」
「どうした?って出るんだよ~」…と私のアホな質問にやさしく答えてくれた史郎さん。
東京にいても全然行き会わないのにこんな遠くでバッタリだなんて!
さっそく取材のお願いをしたことは言うまでもない。
史郎さんが登場したのはもちろん「アリオス」のステージ。Img_0046谷川史郎Img_0059TATSU崎山Img_0085 Boss木内Img_0128後藤直人Img_0127 史郎さんは根っからのマーシャリスト。Img_0077 2000年に開催した『マーシャル祭り』というイベントで司会を務めて頂いたこともあった。
この時はAVTシリーズの発表会を兼ねていて、ジム・マーシャルも出席してくれた。
あの頃はジムもまだピンピンしていたナァ。
Mm
上の写真で史郎さんの後ろに見えているのはMarshall初のデジタル回路搭載のモデル「JMD:1」シリーズの100W、2x12"コンボ「JMD102」。
このシリーズ好きだったナァ。
今でもウチのMarshall Museumで50Wコンボの「JMD501」を1台大事に保管している。Jmd102で、史郎さんが実際に鳴らしたのはその後ろに置いてあるJVMシリーズのコンボ「JVM210C」。
史郎さんのトレードマークである「Marshall+レスポール」サウンドを炸裂させた。

10_jvmc
木内さんのベース・アンプもMarshall。Img_0073MBシリーズの「MB450H」と「MBC115」のスタック。
ベース・アンプの商売はなかなか難しくてネェ。
「1992 SUPER BASS」の後、「Integrated Bass System」とか、「Dynamic Bass System」とか、「VBAシリーズ」とか、何度もベース・アンプのラインナップをを投入したけど結果的には苦戦を強いられた。
どれもとてもいい商品だったんだけど、どうしても「Marshall=ギター・アンプ」のイメージが強く、ことベース・アンプとなる色物的な扱いを受けてしまってなかなかうまく行かなかった。
このMBシリーズは目先を変えて小型のエントリー・モデルからコンサート・モデルを手頃な価格で網羅した。
MBはどのモデルも低価格の割にはすこぶる音質がよく、かなりコスパに長けたシリーズだった。
とりわけこの450WヘッドのMB450Hのサウンドは極上だった。
その証拠に、実際に使用している渋谷のライブハウスこのモデルを設計したエンジニアを連れて行ったところ、しばらくの間ジ~っとそのベースの音に聴き入って小声でこう言った。
「こんなにいい音が出るとは知らなかった…」
買った人ラッキー。
ココでひと言…「いつまでも あると思うな 親とマーシャル」。
  
私は上のJMDシリーズもこのMBシリーズも企画の段階からMarshallの会議に出席していたが、あの頃は楽しかったナァ。
ギター・アンプの世界もスッカリおかしくなっちゃって…ホントに悲しいわい。Mbstack あ、ちなみに上で「色物」という言葉を使ったけど、この言葉の本当の意味は「寄席に出ている落語以外の芸人」のことで、決して価値が小さいとか、オマケ的なモノを指すワケではござんせんからね。
寄席の看板に落語以外の出演者を赤色で示すことからそういわれているだけの話。
でもね、コレは関東だけの話なのかも知れないけど、落語っていうのは日本のエンターテインメントの中では地位が高い方なんですよ。
たとえば浪曲なんてのは元々は「大道芸」で、屋根のないところで演じる芸だったりするワケ。
それに比べると落語には江戸の昔から大いに栄えた寄席があって、花街では裕福なお客さんのお座敷に呼ばれ、「吉原と歌舞伎や落語は切っても切れない関係」と言われ、確固たるしきたりがあり…と、実際の格式の高さも売り物だったように見受けられる。Im 現在でもバラエティに富んだ活動を展開している史郎さん。
今日のバンドは「Valley Wood Bros」…って「谷川兄弟」かい!Img_0050Bad Company他、70年代の名曲を素材に「ロック」らし~い「ロック」を聴かせてくれた。
Img_0082それにしても美しいトーン。
史郎さんのギターって歌い回しがものすごくロックなんだよね。
そりゃそうだ。
ロックの進化をリアルタイムに体験している人だから。
Img_0091そして、アーティキュレーションが途方もなく豊かなのだ。
「ロック・ギターはこう弾くべし!」という原点を見る思いがする。Img_0134それでも同じ曲を長年演奏しているものだから「最近は飽きちゃってサァ」と「Burn」をメジャーで弾いて見せてくれたことが昔あったけど、アレには笑ったナァ!
もちろんこのステージではそんなことはしませんよ。Img_0112史郎さんのギターを中心に…
Img_0098数々のロックの名曲と熱気のこもった演奏に大いに盛り上がった!
Img_0158谷川史郎の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイトImg_0141<後編>につづく
 

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200 (一部敬称略 2011年10月16日 いわき市内にて撮影   記事の初出は2011年11月17日)