幹事クリタのコーカイ日誌2024

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5月11日 ● 憧れという目標。

 昨年のWBCで大谷が「今日だけは憧れるのはやめましょう」という名言を残しましたが、本来は憧れるのが当たり前だからこそ、この言葉が名言とされるわけです。逆に誰にも憧れないような人がその道で何を目指すのかと疑問に感じます。憧れる対象がいてこそ、目指すべき目標がはっきり見えてくるのではないでしょうか。憧れの人もいないで本気でやっているのかと言われても仕方ありません。

 とは言うものの、僕自身も自分がやっていること全てで「憧れの人」がいるのかと言われると、少々怪しいところもあります。コピーライターになった1983年、当時のスターコピーライターと言えば糸井重里(このあと登場する人は全て敢えて敬称略でいきます)でしたが、それはメディアに登場して一般人が知っているからで、業界内では恐らく仲畑貴志が駆け出しコピーライターの間では一番人気だったのではないかと思います。

 僕も仲畑はもちろん憧れの一人ではありましたが、一番好きだったのは秋山晶でした。当時すでに巨匠と言っても良い存在でしたが、とにかく切れ味が鋭いカッコいいコピーを書かせたらナンバーワンだと思っていました。残念ながら僕は全然そういうタイプのコピーは書けなかったというか、下手な物真似しかできなかったのですが、それだけにより憧れたというところはあります。「ただ一度のものが、僕は好きだ。」(キヤノン)、「精神力だけでは、テープを切れない。」(カロリーメイト)、「時代なんかパッと変わる。」(サントリー)など、秋山のコピーは今見ても惚れ惚れします。

 テニスでは始めたばかりの頃に憧れたのはローズウォール、次にマッケンロー、エドバーグと続きましたが、フェデラーの登場以降はフェデラー一択です。これもとても真似したいけれども真似できないのが残念ですが、引退した今も現役当時のプレーを見たら感動すらします。最近サーブの時に足を揃えないで打つ形に戻しましたが、これもフェデラーに憧れていたから昔やっていたフォームです。フェデラーのタッチ感覚があったらさぞかしテニスは楽しいだろうなと常々思います。

 問題は音楽です。サックスは習い始めた頃に有名なプレーヤーの演奏を一通りCDを買って勉強しましたが、どうもピンときませんでした。さらにライブハウスに生演奏も聴きにいきましたが、「上手いなぁ」とは思うものの、憧れるという感じにはなりません。唯一アンテナに引っかかったのがデイブ・コーズでした。フュージョンのサックス奏者で、後で知ったのですが僕より2歳年下でした。他に聴いた著名なサックス奏者はレジェンドばかりだったので、逆に同世代だから何か感じるものがあったのかとも思います。来日した時には、ライブにも行って堪能しました。

 ピアノに関しては未だにそれほど聴き込んでいないこともあって憧れと言う人はいません。なのでピアノは道しるべなしでレッスンを受けている感じがずっとしています。ボーカルは逆に長年好きでいろいろな音楽を聴いてきているので、ボーカリストとして好きな人がたくさんいます。話が長くなるのでボーカリストについてはまた機会があれば書こうと思います。



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