幹事クリタのコーカイ日誌2024

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4月26日 ● J-POPのルーツ。

 僕がひそかに愛している番組にNHK-BSで放送されている『歌える!J-POP黄金のベストアルバム30M』という音楽番組があります。タイトル通り30分で懐かしいJ-POPを紹介していく番組ですが、昨日の放送はゲストに京本政樹を迎えて1970年代のJ-POPのルーツを探る内容でした。京本政樹は僕より2歳年上の65歳。世代が近いだけに聴いていた音楽も近いというだけではなく、昨日の話からすると分析的に音楽を聴いていたという性向も似ていてかなり親近感を抱きました。

 昨日はまず沢田研二の『TOKIO』からスタート。歌謡曲からJ-POPへと進化していく過程でジュリーが果たした役割の大きさが語られます。そして次にジュリーと同世代の布施明『シクラメンのかほり』。それまで平尾昌晃メロディーを歌っていた歌謡曲代表の布施明が、シンガーソングライター小椋佳の楽曲を歌って大ヒットを飛ばすことで、一気に歌謡界のムーブメントが変わりました。そして小椋佳『さらば青春』をはさみ、次に太田裕美『ドール』。こちらは松本隆作詞、筒美京平作曲のゴールデンコンビの作品。J-POPを語る上でこのコンビの存在も触れないわけにはいきません。

 ここまで見ていた僕は「J-POPならユーミンはどうした?」と思っていたら、なんと次の曲が石川ひとみ『まちぶせ』でした。荒井由実が三木聖子に提供し、5年後に石川ひとみがカバーしてヒットした曲。ユーミンが歌謡曲に大きな変革をもたらした最初のきっかけとなった曲として『まちぶせ』を取り上げるのは正しい判断です。

 1970年代後半から1980年代初頭にかけて、日本の歌謡曲はロックやフォークをどんどん取り込んでJ-POPへと進化を遂げたわけですが、それを職業作家とシンガーソングライターそれぞれの代表的な作家が提供した楽曲で端的に切り取って見せた見事な構成でした。中でも『ドール』の選曲は唸りました。どうしても松本筒美太田なら『木綿のハンカチーフ』にしたくなるところですが、よりアイドル的な楽曲を選ぶところが憎いです。昨日の放送は神回でした。



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