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Protemnodonはサイズも生態も多様だったらしいということがわかりました。

 Protemnodonは、オーストラリアとニューギニアの約500万年前~約4万年前(新生代新第三紀鮮新世~第四紀更新世)の地層から多くの化石が発見されているカンガルーです。これまでに新種が報告されたり、報告された種が無効にされたりを繰り返してきました。
 今回、2013年、2018年、2019年に新たに発見された化石と、4か国の14か所の博物館に所蔵されている800点以上の化石が詳しく調べられ、Protemnodonの種が改めて報告されました。
 この結果、Protemnodonは新種3種を含む7種に分けられることがわかったそうです。7種は体重50kgから170kgと種によってサイズが異なり、開けた場所で速いスピードでジャンプして移動したり、森林で四足歩行で歩いていたりと、生態も多様だったらしいということがわかったそうです。

4/15 Flinders UniversitySystematics and palaeobiology of kangaroos of the late Cenozoic genus Protemnodon (Marsupialia, Macropodidae). Megataxa, 011(1), 1-261

最大の魚竜類が発見されました。

 魚竜類は最大で全長20mを超える海棲爬虫類です。出現してから300~500万年後の約2億4500万年前(中生代三畳紀中期)には全長15mを超える種が出現したことが知られています。そして三畳紀後期(約2億3700万年前~約2億100万年前)には全長21mのShonisaurus sikanniensisを含むシャスタサウルス類が出現しました。
 イギリス、サマセットの約2億200万年前の地層から、2020年に、魚竜類の下顎の後ろの方の骨の化石が発見されました。欠けている部分があるものの、その長さは2mを超えると推定されています。
 2018年には、2020年に発見された化石と同じ特徴をもつ下顎の化石が、2020年の化石の発見場所から10kmほど離れた場所にある同じ時代の地層から発見されています。この2つの化石は同種のものと、研究者は考えています。
 そして、この下顎をもつ魚竜は新属新種とされ、Ichthyotitan severnensisと名付けられました。
 下顎のサイズと三畳紀後期の地層から発見されたことから、Ichthyotitanはシャスタサウルス類ではないかと、研究者は考えています。そしてその全長は25mと推定されています。論文で報告されている魚竜類、そして海棲爬虫類の中で最大のサイズと、研究者は考えています。

4/18 University of BristolThe last giants: New evidence for giant Late Triassic (Rhaetian) ichthyosaurs from the UK. PLOS ONE

Rhinopteraspisの口が3次元的に復元され、食性がわかりました。

 脊椎動物の起源と多様化を考えるうえで、食性は非常に重要です。脊索動物は主に水中の有機物を食べるのに対し、顎口類(顎のある脊椎動物)の食性は、原始的な種類でさえ、多様だったと考えられています。脊索動物から顎口類へと進化する途中の存在である無顎類の中で唯一、口の周りの構造がよく保存された化石が発見されているのが、異甲類です。
 今回、ドイツの約4億800万年前(古生代デボン紀前期)ごろの地層から発見された異甲類Rhinopteraspis dunensisの化石がCTスキャンにかけられ、頭部が3次元的に復元されました。
 この結果、口の下側に、13本の細長い骨が並んでいることがわかったそうです。この骨は回転させることができたものの、動く範囲は小さかったと考えられるそうです。
 この骨は獲物を噛んだり咥えたりするのに適した構造をしていないためRhinopteraspisが他の動物を食べていた可能性は低く、堆積物を食べるには“鼻”が長く眼の位置が低いため堆積物食だった可能性も低いと、研究者は考えています。
 Rhinopteraspisの口の下側に並ぶ骨には口の開閉をコントロールし、口の中に取り入れた水から食物を漉し取る役割があったのではないかと、研究者は考えています。

4/10 University of BirminghamThe three-dimensionally articulated oral apparatus of a Devonian heterostracan sheds light on feeding in Palaeozoic jawless fishes. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 291(2019)

南極から新属新種のエラスモサウルス類が発見されました。

 南極半島の北東部にあるジェイムズ・ロス島の約6700万年前(中生代白亜紀末期)の地層から新属新種のエラスモサウルス類の化石が発見され、Marambionectes molinaiと名付けられました。
 発見されたのは、頭骨、首、胴体、尾、ヒレなどの骨の化石と、胃石とのことです。
 Marambionectesは、エラスモサウルス類の中でもWeddellonectiaに属し、Aristonectinaeに近い種類だったと考えられるそうです。そしてMarambionectesにはAristonectinaeにあるような特徴がいくつも確認できるとのことです。
 このことから、Aristonectinaeの特徴は、Aristonectinaeが出現する前に、Aristonectinae以外のエラスモサウルス類で獲得されたいたのだろうと、研究者は考えています。

4/4 Sci NewsA new elasmosaurid (Plesiosauria: Sauropterygia) from the López de Bertodano Formation: new data on the evolution of the aristonectine morphology. Journal of Systematic Palaeontology, 22(1)

耳小骨の変化がわかる哺乳形類の化石が発見されました。

 耳小骨は、哺乳類の重要な特徴の1つです。哺乳類の耳小骨は、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の3つの骨で構成されています。この耳小骨は、顎の後ろの方にある骨が変化したものと考えられています、上顎の方形骨がキヌタ骨に、下顎の関節骨がツチ骨になって耳の中に入ったと考えられています。しかしこれらの変化がわかる化石はほとんど発見されていません。
 今回、中国遼寧省の約2億100万年前~約1億8400万年前(中生代ジュラ紀前期)の地層と、中国内モンゴル自治区の約1億6800万年前~約1億6400万年前(ジュラ紀中期)の地層から中耳の構造がわかる哺乳形類の化石が発見されました。遼寧省から発見された哺乳形類はDianoconodon youngi、内モンゴル自治区から発見された哺乳形類はFeredocodon chowiと名付けられました。
 Dianoconodon youngiの方形骨と関節骨は関節しているものの顎を噛んだ時の圧力に耐えられる構造はしておらず、Feredocodon chowiの方形骨と関節骨は下顎の骨にくっついているものの、純粋に音を聴くための機能しかなかったらしいということがわかったそうです。
 今回の発見から、方形骨と関節骨は顎の骨から離れる前に、圧力に耐えられる構造を少しずつ失っていったのだろうと、研究者は考えています。

4/3 Sci NewsFossils document evolutionary changes of jaw joint to mammalian middle ear. Nature