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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2024年4月15日(月) Elvis Costello 「Look Up Again」~「I Still Have That Other Girl」

8年ぶりに来日公演を行ったエルヴィス・コステロ、最終日の浅草公会堂に行ってきました。

ステージにはギター数本とピアノ、キーボード。今回は盟友スティーヴ・ナイーヴとの2人だけのステージでした。
このコンビだからこそ出来る演奏曲の幅広さ...どんな曲が飛び出すか予測できないワクワク感、コステロの歌力を存分に味わえた良いライヴでした。

「She」、「(What's So Funny 'Bout)Peace,Love And Understanding?」など、有名・人気曲はもちろん、
スティーヴが可愛いミニアコーディオンに持ち替えての「New Amsterdam」(曲中にビートルズ「悲しみはぶっとばせ」を織り交ぜて)、「Tokyo Storm Warning」、「I Want You」、「Radio,Radio」など最終日のみ演奏された曲も色々ありました。

中盤にスティーヴのピアノのみで歌われたバート・バカラック共作曲が強く印象に残っています。
2023年発売『ソング・オブ・バカラック&コステロ』のディスク2収録「Look Up Again」、続けて披露された名曲「I Stll Have That Other Girl」の熱唱に感動!痺れました...。

最後は「Alison」でしっとりと締めてちょうど2時間のステージ。

次回はどんな趣向を凝らしたステージで驚かせてくれるでしょうか。
また元気で来日してもらえますように。東尾沙紀

★掲載ジャケットはエルヴィス・コステロ&バート・バカラック『ソングス・オブ・バカラック&コステロ』
(国内2CD 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 UICY-16148 3,960円税込)

<PET SOUNDS RECORDが選ぶ2023年ベスト・アルバム>コラム・コーナーに更新いたしました。
現在の営業時間は11時~21時。年中無休です。

2024年4月14日(日) Matthew Halsall 「Bright Sparkling Light」

本日4月14日は、武蔵小山駅前広場で『ムサコたけのこ祭り』が開催されました。
武蔵小山出身の笠原将弘シェフによる「たけのこ汁」を先着3000名に無料配布、もあって賑やかな1日でしたね。

コロナ禍でお休みしていた時期もありましたが、今回が第10回目。
このお祭りがあると、本格的な春の到来を実感します。

さて、春らしい穏やかな気持ちになれるアナログ盤の新譜アイテムを紹介しましょう。

Matthew Halsall『Bright Sparkling Light』
(輸入LP Gondwana Records GONDEP063)

Matthew Halsall(マシュー・ハルソール)は、イギリス/マンチェスターを拠点に活動しているトランペッター/ジャズ・ミュージシャンで、Go Go Penguinを輩出したGONDWANA RECORDSの創設者でもあるアーティスト。
本作は、2023年発表作『An Ever Changing View』(
2024年2月11日今日のこの1曲で紹介)と同時期にレコーディングされた3曲収録の12インチ・レコードで、2023年EUツアー会場で限定販売されていた1枚。

A面1曲目「Bright Sparkling Light」(7分43秒)、2曲目「Newborough Forest」(7分8秒)。
B面「The Tide And The Moon」(10分3秒)。
Halsallが奏でるカリンバ&トランペット、Matt Cliffeによるフルートが融合して、とても心地良いインスト3曲。
『An Ever Changing View』を愛聴されている方はこちらも要チェックです。森 陽馬


2024年4月13日(土) AD LIBS 「The Boy From New York City」

今日はアナログLPからの1曲です。

AD LIBS『Presenting The Ad Libs』
(輸入アナログLP パープル・カラー・レコード ORGM1025)

1965年2月に全米8位まで上昇したヒット曲「The Boy From New York City」を収録した1枚です。

アドリブスはアメリカ/ニュージャージー出身の女性1人・男性4人のヴォーカル・グループ。
リード・ヴォーカルの女性のハツラツとした声と、ドゥワップ・テイストなバック・コーラスがうまくミックスしたスタイルです。

当時、彼らのレコードを出していたのは、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラーが設立したレッド・バード・レーベルのサブ・レーベル、ブルー・キャット・レコーズでした。

「ボーイ・フロム・ニューヨーク・シティ」は1981年にマンハッタン・トランスファーによってカヴァーされ、全米7位という大ヒットを記録。

余談になりますが、ビーチ・ボーイズは「The Girl From New York City」というオリジナル曲を、アルバム『Summer Days (And Summer Nights)』の中で発表しています。森 勉


2024年4月12日(金) Mark Knopfler 「One Deep River」

美しい夕焼け、海へ繋がる川、そして、架かる橋。
ジャケットを眺めながら聴いていると、長いようで短い人生を想い、感慨深い気持ちになる1枚です。

Mark Knopfler『One Deep River』
(輸入2枚組CD 5曲入りボーナスCD付デラックス盤 EMI 6512665/輸入アナログ2LPもあり)

ダイアー・ストレイツの名ギタリスト、マーク・ノップラーの2018年発表作『Down The Road Wherever』以来ソロ10作目となる、約6年ぶりオリジナル・アルバム『One Deep River』が本日発売されました。

近作と同じく、ロンドンにあるマーク所有のBritish Grove Studios録音。
バンド時代からの盟友ガイ・フレッチャーとの共同プロデュースで、味わい深い作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、亡き友人へ捧げられたラスト12曲目のタイトル曲「One Deep River」を。
マークのギターに絡む、グレッグ・リーズが奏でるペダル・スティールの音色が心に沁みますね。
急かされているような日常に、憂いと優しさを与えてくれます。森 陽馬


2024年4月11日(木) サディスティック・ミカ・バンド 「ロックンロール・バンド」(1974年ライヴ)

サディスティック・ミカ・バンドの8CD+Blu-rayに、充実のブックレットも付いたBOXセットが発売されました。

サディスティック・ミカ・バンド『PERFECT MENU』
(国内8CD+Blu-ray UPCY-90244 22,000円税込)

1st『SADISTIC MIKA BAND』(1973)、2nd『黒船』(1974)、3rd『HOT! MENU』(1975)、『Live In London』(1976)、『天晴』(1989)、『晴天 Live In Tokyo 1989』(1989)の6枚に、全曲初CD化となる『Live At 京都円山公園野外音楽堂 On July 17th 1974』と、レア音源集『Rare Audio Tracks』。更に、ブルーレイ『Rare Video Tracks』が入ってお買得価格。

初期4作はアビー・ロード・スタジオのMiles Showell、第2期の2作は砂原良徳による最新リマスタリング。
場所を取らないCDサイズで、ミカ・バンドの作品をあまり持っていないという方にオススメしたいですね。

昔からのファンにはディスク7『Live At 京都円山公園野外音楽堂 On July 17th 1974』が聴きもの!
名作2nd『黒船』リリース前、キャロルと共にツアーを行っていた時期にあたる1974年7月17日京都で行われたライヴ音源がKBS京都から発掘! 50年間眠っていたマスターテープからの初CD化です。
50年前のライヴにしては良好な音質で、臨場感ある演奏が楽しめます。

特に、オリジナル・アルバムには未収録の小原礼作詞・作曲による「ロックンロール・バンド」!
高中正義のギター・ソロから今井裕のキーボード・ソロへの流れ、高橋幸宏のドラミングがかっこいい!
なお、ブックレットには当時のステージ写真と小原礼の最新インタビューも掲載されています。森 陽馬


2024年4月10日(水) Graham Parker & The Rumour 「Tripe Face Boogie」

1970年代後半にスタートし、現在も放送されているドイツの長寿音楽テレビ番組<ロックパラスト>。
有名ミュージシャンのライヴが数多く放送され、アーティスト毎にいくつかCD/DVD化もされておりますが、本日は最近再発になったグラハム・パーカー&ザ・ルーモアのライヴ盤を。

Graham Parker&The Rumour『Live At Rockpalast 1978 &1980』
(輸入2DVD+2CD MIG90490)

番組初登場1978年と、1980年の2回分の放送が収録されたものが、2012年にCD、DVDそれぞれ単体で発売されていました。DVDの方は長らく廃盤となっていましたが、今回CD2枚とDVD2枚がセットになり、音と映像両方楽しめるかたちで再発されました。

ホーン・セクションを率いた1978年も良いですが、本日は2度目の登場でアラサーGP&バンドも気合い充分!な1980年のステージから。

同年発表のアルバム『The Up Escalater』に参加していたご縁か、ニッキー・ホプキンスがキーボードを担当しています。
聴きどころのひとつとして、リトル・フィートのカヴァー「Tripe Face Boogie」でのニッキーの転がるピアノ、ブリンズリー・シュウォーツのスライド・ギター、テンション高めの歌とパフォーマンスがとにかくかっこいい♪
前年(1979年)に亡くなったローウェル・ジョージへの追悼の意を表し、ライヴ終盤にこの曲が披露されています。

DVDはリージョン・フリーで、国内のプレーヤーでも再生が可能です。東尾沙紀


2024年4月9日(火) Lucas Arruda 「OMINIRA」

風が強い1日でしたが、まさに春の風を感じさせる新譜が入荷しました。

ルーカス・アルーダ『OMINIRA』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-25388 2,750円税込)

ルーカス・アルーダは1983年ブラジル生まれの男性キーボーディスト/ソングライター。
本作は、2019年発表『Onda Nova』(
2019年3月8日今日のこの1曲で紹介)以来、ソロ4作目となるアルバムです。

『OMINIRA』は、西アフリカのヨルバ語で「自由」、「独立」、「自立」の意。
プロデュースとサウンド・アレンジはルーカスで、演奏もドラム以外はほぼ自身で手掛けています。

今日のこの1曲は、ブラジリアン・メロウ・グルーヴなタイトル曲⑧「OMINIRA」を。
タニア・マリア「Come With Me」を彷彿とさせるアジムス的なインスト・ナンバー。

なお、日本語解説は、ブルー・ペパーズの福田直木さんが執筆しています。森 陽馬


2024年4月8日(月) エルヴィス・コステロ 「アウト・オブ・タイム」

海外では形のない配信のみのリリース作品が、日本だけでCDとして発売になることが時折あります。
今日はそんな1枚を。

エルヴィス・コステロ『ザ・ボーイ・ネームド・イフ(アライヴ・アット・メンフィス・マグネティック)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-16211 2,750円税込)
(一部カヴァー曲の歌詞・対訳は付いていませんが、コステロ自身によるコメントの翻訳は付いています。)

2022年発表『ザ・ボーイ・ネームド・イフ』(
2022年1月16日今日のこの1曲で紹介)の配信限定だったデラックス・エディションに追加収録された11曲がCDになったわけです。

日本だけのパッケージ化! うれしい! その選曲もナイス!
全11曲中10曲はメンフィスのスタジオでリハーサル中にバンドでライヴ録音されたもので、そのうち4曲が驚きのカヴァー!

バーズの「ロックン・ロール・スター」、ポール・マッカートニー&ウィングス「レット・ミー・ロール・イット」、クリス・ファーロウ、ローリング・ストーンズの「アウト・オブ・タイム」、ビートルズ「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」をコステロが歌っています。
それから、なんと、オールドファンにはグッときてしまう「エヴリデイ・アイ・ライト・ザ・ブック」もセルフ・カヴァー。

オリジナル曲もいいけど、今日はイントロがキンクス風に始まる「アウト・オブ・タイム」を。
しばらく、「Baby、Baby、Out Of Time」とリフレインを口ずさみそうです。森 勉


2024年4月7日(日) James Taylor 「You Can Close Your Eyes」

ジェイムス・テイラーの2024年4月6日東京ガーデンシアター公演を観てきました。

現在の最新にあたるアルバム『アメリカン・スタンダード』(
2020年3月1日今日のこの1曲で紹介)の収録曲ではなく、ヒット&人気曲中心のセットリスト。いつまでも見続けていたくなる夢のような素晴らしいコンサートでした。

バンドメンバーは、スティーヴ・ガッド(Dr)、ジミー・ジョンソン(B)、ディーン・パークス(G)、ケヴィン・ヘイズ(key)に、コーラス隊のアンドレア・ゾン(fiddle)、ケイト・マルコヴィッツ、ドリアン・ホリーという布陣。
2024年ツアーの初日ということもあり、序盤は声が濁っていて緊張感漂うステージでしたが、上着を脱いでから(腕の筋肉が凄い!)は、小さいライヴハウスにいるような親密な空間になりましたね。

・ジョニ・ミッチェルのコーラスをJTの生歌・演奏に合わせて流した「Long Ago And Far Away」
・「自分にはもう遅すぎる(若くはない)けれど」と前置きして歌った「Never Die Young」
・フィドルが加わってケルト的なイントロが付いた「Sweet Baby James」
・感動的だった「Up On The Roof」→「Shower The People」の流れ
・JTの妻キムがコーラスに加わり、じっくりと歌われた「You've Got A Friend」
他の曲でも、涙が溢れる瞬間が何度もありました。

今日のこの1曲は、2024年2月に逝去した小澤征爾さんへ捧げられた「You Can Close Your Eyes」を。
JTの妻キムはボストン交響楽団の広報に関わる仕事を長年してきたそうです。
それがきっかけで小澤征爾さんとも親交が深かったことをMCで語ってからこの曲を歌ってくれました。
「When I'm Gone」(僕がいなくなった時でも)というフレーズが出てくるこの歌は、単なる「おやすみ」の唄ではないのだ、ということを今更ながら知りました。

そして、音楽というのは、その歌声や演奏の技術・秀逸さだけでなく、その音楽に付随した聴き手の想い出と繋がることにより、心を動かしてくれるのだ、ということにも改めて気付かされました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「You Can Close Your Eyes」収録アルバム『Mud Slide Slim and The Blue Horizon』。


2024年4月6日(土) Brittany Howard 「Power To Undo」

白昼夢のような浮遊感とソリッドなビートが混在する、力強い1枚。

アラバマ・シェイクスのシンガー/ギタリスト、ブリタニー・ハワード。
ソロ2作目となる約4年ぶりの新作『What Now』がリリースされています。

Brittany Howard『What Now』
(輸入CD Isaland 602458769012 輸入LPもあり)

初めて聴いた時はアレンジ等少し複雑にも聴こえたのですが、エネルギーに満ちた歌声はやはり圧巻!
不安や怒り、平和への想いなど様々な感情が詰まった楽曲も彼女にしか表現できない世界観なんだなと聴き込むほどに感じています。

パンデミックの最中に書かれたという強靭な「What Now」もあれば、サイケデリックなスウィート・ソウル・ナンバー「I Don't」等々。録音にはアラバマ・シェイクスのザック・コックレル(b)、ネイト・スミス(drs)らが参加しています。

今日のこの1曲には、彼女に影響を与えたミュージシャンの一人、プリンスを彷彿とさせる「Power To Undo」を。
ギターカッティングがかっこいい1曲です。東尾沙紀


2024年4月5日(金) Khruangbin 「Hold Me Up (Thank You)」

アルバム・タイトル『A LA SALA』はスペイン語で『部屋へ集合』の意。
クルアンビンがバンドを始めた頃の気持ち“原点という名の部屋”へ立ち返った作品を発表しました。

クルアンビン『A LA SALA』
(国内CD DOC357JCD 解説・歌詞・対訳付 2,750円税込)

アメリカ/テキサス州ヒューストンの教会でゴスペルを一緒に演奏していたMark Speer(ギター)とDonald "DJ" Johnson(ドラム)に、女性ベーシストLaura Leeが加わった3人組バンド、Khruangbin(クルアンビン)。

単独名義のスタジオ・オリジナル作としては、2020年発表作『Mordechai』(
2020年6月27日今日のこの1曲で紹介)以来、約4年ぶりの新作アルバムです。

前作が全曲ヴォーカル入りだったのに対し、本作は2曲目「May Ninth」以外ほぼインストで統一。
1stや2ndの頃のように独特な空気感を漂わせながらも、ジャケットに映っている窓の外のように、入道雲の奥から青い空が垣間見えるような、穏やかな希望も感じさせる1枚です。

ゆったりと漂うように揺れる曲が多い中、最もグルーヴィーでライヴ映えしそうなナンバー⑧「Hold Me Up (Thank You)」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2024年4月4日(木) paris match 「Desert Moon」

paris matchの2001年発表2nd『PM2』と、2003年発表4th『QUATRO』が、初アナログLP化されました。

・paris match『PM2』(国内LP JSLP218 4,620円税込)
・paris match『QUATRO』(国内LP JSLP219 4,620円税込)

どちらも発売当時は、良質な作品を色々出していたaosis recordsからのリリースでした。
ジャズやボサノヴァ的なジャンルが多かったaosisレーベルの中で、パリスマッチの本作はそういう要素も含んだポップスが新鮮に響き、店内でもよくかけてプッシュしていたのが懐かしいです。

今日のこの1曲は、『PM2』(2001)から1曲目「Desert Moon」を。

スタイリッシュなサウンドながら、何故か切ない気持ちになるメロディーに惹き付けられますね。
松原正樹さんによる、らしいギター・ソロもグッときます。

ちなみに、クールなドラミングは誰が叩いているのかな?と、クレジットをチェックしたら、全曲が杉山洋介さんによる打ち込み(プログラミング)で、ビックリしたことを思い出しました。森 陽馬


2024年4月3日(水) 愚 「あかりが消えたら」

新宿のカレー店、curry草枕が閉店することを知りました。

<ちょっと変わった1階の本屋「模索舎」へ寄り、それから2階の「草枕」でカレーを食べる>
という、新宿へ行った時のルーティーンができなくなるのは残念ですね。

辛さが10段階あり、3番で食べても汗ダラダラ、ヒーヒー言いながら食べていた弱者でしたが、オーガニックな辛さは心と身体に優しい刺激を与えてくれました。
聴きたい時に聴く、観たい時に観る、と同様に、食べたい時に食べる、も心に留めておきたいと思います。

さて、今日のこの1曲は、伊藤銀次さんセレクションによる『URC銘曲集』から、愚「あかりが消えたら」を。

V.A.『URC銘曲集3 伊藤銀次セレクション』
(国内CD ライナーノーツ・全曲解説掲載 2024年リマスタリング MHCL-30976 2,500円税込)

フォークのイメージが強いURCレーベルから、伊藤銀次さんがロックの視点で18曲をセレクトした編集盤です。

愚は、金延幸子、中川イサト、松田幸一、瀬尾一三の4人で1969年~70年に活動していたバンド。
(前身は、西岡たかしを加えた「秘密結社○○教団」)
『み空』(1972)をリリースする前、金延幸子さんのピュアな歌声と感性が胸に響きます。森 陽馬



2024年4月2日(火) Diane Birch 「Jukebox Johnny」

4月に入って、桜がやっと咲いてきました。
桜を眺めていると、歳を重ねた感慨深さと共に、新たな気持ちになりますね。

今日紹介するダイアン・バーチも、新たな想いを込めて、本作をレコーディングしたのかもしれません。

ダイアン・バーチ『Flying On Abraham』
(国内CD ダイアン・バーチ本人による曲解説&日本語解説・歌詞・対訳付 PCD-25390 2,750円税込)

“新世代のキャロル・キング”とも評された2009年発表デビュー作『Bible Belt』(
2009年8月12日今日のこの1曲で紹介)から約15年。2014年発表2ndアルバム『Speak A Little Louder』から約10年ぶりとなる3枚目のオリジナル・フル・アルバム『Flying On Abraham』が本日入荷しました。

ポール・ステイシープロデュースによるイギリス録音で、デビュー作に近い70'sなサウンドに戻りました。
1stがキャロル・キング的だとすれば、本作はリッキー・リー・ジョーンズ的な雰囲気を持った1枚です。

今日のこの1曲は、2曲目「Jukebox Johnny」を。
別れた恋人との惜別を綴ったこの曲は、唄い方もリッキー・リー・ジョーンズへ寄せているように感じます。森 陽馬


2024年4月1日(月) ビーチ・ボーイズ 「サーフズ・アップ」

これといったニュースがなかったビーチ・ボーイズですが、新しく制作されたドキュメンタリーがディズニープラスで配信されるそうです。

『アン・アメリカン・バンド』(1985)、『エンドレス・ハーモニー』(1998)と、今までも良質なグループ・ヒストリー・ドキュメンタリーが作られていますが、今回はどんな作品に仕上がっているのか楽しみです。
映画館でも公開してくれるとうれしいのですが・・・。

今日の1曲は、おそらく今回の映像でもハイライト・シーンの1つにあるであろう『スマイル』エピソードの中の1曲「サーフズ・アップ」を。

この曲が収録された同名アルバム『サーフズ・アップ』は、アメリカでは1971年夏に発売されました。
日本では4カ月ほど遅れた1971年12月に出ましたが、ほとんど話題になることはありませんでした。

当時はビーチ・ボーイズの作品に同調してくれる仲間もほとんどいなくて寂しい思いをしました。
しかし、時代は変わり、ビーチ・ボーイズを支持してくれる方々は増え、現在この『サーフズ・アップ』は、それなりの人気曲になっているようです。
3つのパートを組み合わせたブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの傑作! 森 勉

★ビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25601 1,885円税込)


2024年3月31日(日) Chaz Jankel 「Mitts Blues」

2023年発表作になりますが、英国ベテラン・ミュージシャンのこんな新作がリリースされています。

Chaz Jankel『Flow』
(輸入CD 歌詞付 CJ Records CJF001)

チャズ・ジャンケルは、イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズのメンバーで、クインシー・ジョーンズの大ヒットで有名な「愛のコリーダ」作者としても知られるミュージシャン。
『Flow』は、ファンク、ジャズ、ダブ、R&B、クラブ・ミュージックなど、ジャケット・アートのような様々な色が混ざり合った、全曲オリジナルによる13年ぶりの新作です。

ザ・ブロックヘッズのDave Lewis(sax)が参加、イアン・デューリーの歌が聴こえてきそうな怪しげなファンク・チューン「Key To Life」、クラブ・インスト「Dreamtime」、アフロっぽいリズムの「Deep Water」、ヴォーカリストAndrea Melody Parmer&Christina Matavouをフィーチャーした洗練されたR&Bナンバー「Meet Me In The Middle」など全13曲。

最初に聴いた時は全編打ち込みで少し軽いかもと感じたのですが、聴き込むほどにカッコよさが増していくアルバム。
アコースティック・ギターとハープが絡みあうブルージーな「Mitts Blues」がお気に入りです。東尾沙紀


2024年3月30日(土) The Spinners 「Could It Be I'm Falling In Love」(フィラデルフィアより愛をこめて)

山下達郎さんD.J.によるラジオ番組『サンデー・ソングブック』。
2024年3月の放送は、<フィリー・ソウル特集>連発!でした。

イイ曲がたくさんかかりましたが、フィリー・ソウル関連のCDは入手困難なものが現在多いのです。
2010年前後は国内盤でも色々出ていたんですけれどね。

でも、フィラデルフィアを代表する名グループ、スピナーズに関しては、こんな凄いBOXが2023年に出ました。

The Spinners『Ain't No Price On Happiness:The Thom Bell Studio Recordings』
(輸入CD7枚組 QSMCR-5212BX/帯のみ付いた国内仕様盤CDSOL-71588 8,250円)

スピナーズが1972年から79年の間に発表した8枚のアルバム全曲に、未発表音源を多数追加した7CD。
タイトルは“トム・ベル・スタジオ・レコーディングス”!
素晴らしい歌声はもちろん、名アレンジャー、トム・ベルが手掛けた優雅でグルーヴィーなサウンドを満喫できます。

今日のこの1曲は、1972年12月にシングル・ヒットし、1973年リリースのアトランティック移籍第1弾アルバム『SPINNERS』に収録された「Could It Be I'm Falling In Love」(邦題:フィラデルフィアより愛をこめて)。森陽馬


2024年3月29日(金) Dent May 「You Already Know」

朝食はパン? 和食? どちらでしょうか。

Dent Mayの新作ジャケットに映っているパンケーキ、美味しそうですねー。
(でも、朝からこんなに食べれるのかなぁ。)

Dent May『What's For Breakfast?』
(輸入CD Carpark Records CAK171)

デント・メイはミシシッピ州出身で、現在はL.A.拠点に活動している男性シンガー・ソングライター。
本作『What's For Breakfast?』は、彼の6作目となる2024年発表アルバムです。

ポップなサウンドとメランコリックなメロディーが、雨上がりの陽射しのように優しい1枚。
今日のこの1曲は、ブライアン・ウィルソンの影響も感じさせるポップ・センスな①「You Already Know」を。

ちなみに、裏ジャケットには、目玉焼き2つとカリカリに焼いたベーコン。(これも美味しそう♪)
内ジャケットには、食べ残したパンケーキ(やっぱり食べきれなかった?)の写真が映っています。森 陽馬


2024年3月28日(木) 離婚伝説 「追憶のフロマージュ」

甘酸っぱくて爽やかで、グルーヴィーでちょっと懐かしい...今大注目の男性2人組、<離婚伝説>。
結成から約2年、セルフタイトルを掲げた待望の1stフル・アルバムがリリースされました。

離婚伝説『離婚伝説』
(国内CD 歌詞付 RKN-10001 3,000円税込)

先頃、アリオラジャパンからメジャーデビューすることも発表された別府純(g)、松田歩(vo)によるユニット。
(一度聴いたら忘れない名前の由来はマーヴィン・ゲイのアルバム邦題から!)

今作には2022年1stシングル「愛が一層メロウ」から最新曲「あらわれないで」まで、配信リリースされてきたシングルを中心に10曲が収録されています。

ロック、ソウル、70~80年代の日本のポップスなど様々なルーツを感じられる2人の楽曲はとってもキャッチー♪
ダンサブルな曲も良いですが、本編最後を飾る名曲「メルヘンを捨てないで」などバラードにも注目してほしい、ということで本日は「追憶のフロマージュ」を今日の1曲に。

切ないメロディに心地良いハイトーン・ヴォーカル、そして終盤のギター・ソロ、何度聴いてもジリジリと胸が熱くなります。
この曲には佐野康夫(ds)、山本連(b/LAGHEADS)、柿沼大地(key/Chapman)らが参加しています。東尾沙紀


2024年3月27日(水) 大滝詠一 「魔法の瞳」

書籍『大滝詠一 EACH TIME読本』が入荷しました。


(ステレオサウンド 監修:湯浅学 B5サイズ 154ページ 2,750円税込)

湯浅学さん監修による超充実のEACH TIME研究本です。
40周年盤の解説、マスタリング・エンジニア内藤哲也氏へのインタビュー、井上鑑と湯浅学によるEACH TIME各種聴き比べ、関連アーティストへの最新インタビュー(稲垣潤一、斉藤ノブ、中西康晴、浜口茂外也、松武秀樹)等々、EACH TIME40周年盤をより楽しめる1冊になっています。

「YMO第4の男」と呼ばれている松武秀樹さんですが、ここでのインタビューを読めば、大滝詠一さんとの結びつきも非常に深かったことが実感できます。
「魔法の瞳」のレコーディングで「紙テープを投げる音を作ってくれ」と言われ苦労した話が面白いですね。
♪Magic In Your Eyes~♪の後、右チャンネルに入る“シューッ”というのがその音だそうです。森 陽馬


2024年3月26日(火) James Taylor 「Shower The People」(Live)

ジェイムス・テイラーの来日公演が近づいてきました。

2024年4月6日(土)東京ガーデンシアターにて1日限りのコンサートです。
東京の桜はまだまだですが、その頃にはちょうど満開になっているかもしれませんね。

さて、来日を記念して、ジェイムス・テイラーの1993年発表ライヴ名盤が再CD化されました。

ジェイムス・テイラー『ライヴ』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31705 2,970円税込)

1992年秋に行われた全米ツアーの名演からセレクトされた全30曲収録のライヴ・アルバム。
2024年最新リマスター&新規解説付で、パッケージもスリム・サイズになりました。
当時の盤を持っているのでスルーしようかなと思いましたが、やっぱり持っておきたい1枚ですね。

東京ではずっと雨が降っていたので、今日のこの1曲は「Shower The People」(愛の恵みを)。

オリジナルはジェイムス・テイラーが1976年に発表したアルバム『In The Pocket』に収録。
♪誰の人生にも雨は降るものだよ。(中略) 愛する人たちへ愛の光を降り注ごうよ♪ 森 陽馬


2024年3月25日(月) The Who 「Getting In Tune」

映画『COUNT ME IN 魂のリズム』をヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。

ドラマーが音楽やドラムについて語るドキュメンタリー映画で、楽しく観ることができました。

出演するドラマーは、チャド・スミス(レッチリ)、シンディ・ブラックマン・サンタナ(サンタナの奥様、レニー・クラヴィッツ等)、スティーヴン・パーキンス(ジェーンズ・アディクション)を中心に、スチュワート・コープランド(ポリス)、ロジャー・テイラー(クイーン)、ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン)、イアン・ペイス(ディープ・パープル)、ニック・メイスン(ピンク・フロイド)、エイブ・ラボリエル・ジュニア(ポール・マッカートニー)、ジム・ケルトナー、故テイラ・ホーキンス他多数。ラストにはドラム・セッションもあり。

技術論ではなく、ドラマーとしての生きがいや、自身がドラムを始めたきっかけ(女性ドラマーのサマンサ・マロニーが、モトリー・クルーのコンサートを観てドラムを叩きたくなった経緯から、実際にモトリー・クルーのツアーメンバーに参加した話は最高!)を各々語っていて、<ドラム愛>をひしひしと感じられる作品でした。

チャーリー・ワッツ(ローリング・ストーンズ)、キース・ムーン(The Who)、リンゴ・スター(ビートルズ)、ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)等、60~70年代ロックの礎を築いたドラマーにもスポットを当てており、当時の楽曲や映像が多く流れたのもよかったですね。

映画内では、キース・ムーンのところでThe Who「Who Are You」がかかりましたが、今日のこの1曲は、ドラミングのみならず、バンど自体の魅力が伝わる1971年発表名盤『Who's Next』から「Getting In Tune」を。森 陽馬

・The Who『Who's Next/Life House』
(国内2枚組CD UICY-16182 3,960円税込)


2024年3月24日(日) ヒメーシュ・パテル 「イエスタデイ」

「心に残るあの名作を聴こう!」
というキャッチフレーズで、サントラの名盤が3月27日に低価格で色々と再発されます。

1枚1,320円税込、2枚組は1,980円で、全71タイトル。
個人的に好きな盤を少し紹介したいと思います。

★『ロシュフォールの恋人たち』(リマスター完全盤)
ボーナス曲追加の2枚組CDです。音楽を担当したミシェル・ルグランの名曲たっぷり。
近年、車のCMに使用され話題になった「キャラバンの到着」収録。

★『アメリカン・グラフィティ』
ジョージ・ルーカス監督作品。50's、60'sのポップス、ドゥーワップ名曲がめじろ押しの2枚組CD。

★『パイレーツ・ロック』
1960年代イギリスのラジオ局事情を皮肉たっぷりに描いた音楽映画。
キンクス、クリーム、ホリーズ、トロッグスなど、イギリスのグループだけでなく、ビーチ・ボーイズ、タートルズ、ボックス・トップス、ミラクルズ、オーティス・レディング、シュプリームスなどの楽曲を収録した60'sのヒット曲集としても聴ける好選曲。

その他、この機会に揃えておきたいサントラCDがいっぱいです。

今日は、5年ほど前に公開された、とても印象に残っている映画から。
物語も音楽も最高でした。

・『イエスタデイ』
(3/27発売 国内CD UICY-80381 1,320円税込)
もしも、ビートルズの存在を誰も知らなかったら・・・、という設定が斬新でした。森 勉



2024年3月23日(土) Duane Betts 「Waiting On A Song」

オールマン・ブラザーズ・バンド、サザン・ロック好きの方に、是非聴いてもらいたい1枚!

Duane Betts『Wild & Precious Life』
(輸入CD RPF2309)

オールマンのギタリストとして、サザン・ロックの黄金期を支えたディッキー・ベッツの息子デュアン・ベッツは、Allman Betts Band名義で快作(
2019年9月13日2020年9月2日今日のこの1曲で紹介)を発表し、フジロック・フェス2024への来日も決定しました。
その彼が2023年に発表した初ソロ・アルバムです。

デレク・トラックス、ウォーレン・ヘインズ、デヴォン・オールマン他、オールマン人脈の中でも、デュアン・ベッツの本作が、一番オールマン的な楽曲&サウンド・アレンジですね。

特に2曲目「Waiting On A Song」は、完全に“新「ランブリン・マン」”!
父ディッキーの持ち味を引き継ぐカントリー・テイストな演奏と伸びやかなギター・ソロがNice♪

ちなみに、デレク・トラックスが⑥「Stare At The Sun」、マーカス・キングが⑨「Cold Dark World」に参加。
らしいギター・ソロを弾いています。森 陽馬


2024年3月22日(金) THE SINSEERS 「Sinseerly Yours」

春分の日を過ぎましたが、まだまだ寒いですね。

例年なら満開近いかむろ坂上の陽光桜も、今年は二分咲きくらい。
ソメイヨシノの開花は来週以降でしょうか。
夕方過ぎると冷え込んで、温もり伝わる音楽が聴きたくなりますね。

ということで、味わい深い現代ソウル・グループの新譜推薦盤を紹介しましょう。

THEE SINSEERS『Sinseerly Yours』
(輸入CD COLEMINE RECORDS CLMN12030/輸入LPもあり)

ヴィンテージ感ある現代チカーノ・ソウルのミュージシャンJoseph Quinones(ジョセフ・キニョーネス)を中心としたグループ、THEE SINSEERS(ザ・シンシアーズ)。
オリジナル曲10曲を収めた初のフル・アルバムです。

現在進行形の渋いソウルを多数輩出しているオハイオ発のレーベル、COLEMINE RECORDSからのリリース。
生バンドのレトロな音と歌声&コーラス・ワークが渋い!
ファンキーなものより、スウィート&メロウなソウルがお好きな方にオススメ♪

今日のこの1曲は、ラスト10曲目のタイトル曲「Sinseerly Yours」を。
プラターズ、スカイライナーズのような50~60'sコーラス・グループ的で、心がほっこり暖まります。森 陽馬


2024年3月21日(木) Rod Stewart with Jools Holland 「Almost Like Being In Love」

昨日3月20日に一夜限り、13年ぶりとなる来日公演を行ったロッド・スチュワート。
ロックやソウルの名曲カヴァーを中心に、約2時間ほどのステージは「セイリング」の大合唱で幕を閉じたのだそう。
スーパースターも来年で80歳!また元気に来日してほしいですね。

これまでも沢山の名曲を歌ってきたロッドが最新作のテーマに選んだのは''スウィング・ジャズ''♪
「センチメンタル・ジャーニー」、「テネシー・ワルツ」、「ぺニーズ・フロム・ヘヴン」他、ビッグ・バンド黄金期に生まれた名曲をカヴァーした作品です。

ロッド・スチュワート・ウィズ・ジュールズ・ホランド『スウィング・フィーヴァー』
(国内CD 解説付 WPCR-18658 3,300円税込 輸入LPもあり)

今作は、イギリスBBCの人気音楽番組『Later』司会者としても知られるミュージシャン/ピアニスト、ジュールズ・ホランドとコラボレーションしています。
ジュールズ率いるビッグ・バンドによる華やかで迫力あるサウンドと、ロッドのいい具合に掠れた声がベスト・マッチ♪

駅構内で撮影されたプロモーション・ビデオが公開されている「Almost Like Being In Love」は、ハートフルな雰囲気で特にお気に入りです。(その場に居合わせた人々も踊ったり、笑顔で楽しそう)

谷口雄さんによる各楽曲の細やかな解説によりますと、フランク・シナトラ、ナット・キング・コールによるバージョンが有名なのだそうです。東尾沙紀


2024年3月20日(水) 大滝詠一 「恋のナックルボール」(1st Recording Version)(take1)

メジャーリーグ開幕戦(ドジャースVSパドレス)が韓国で本日行われました。

日本人対決(大谷VSダルビッシュ)が開幕から観れるなんて、40年前には考えられなかったですよね。
ということで、40年前に発売された『EACH TIME』から、野球名曲「恋のナックルボール」を取り上げましょう。

なお、『EACH TIME』40周年盤VOXには、「恋のナックルボール」のセッション音源がディスク3に入っています。
その名も「恋のナックルボール」(1st Recording Version)(Take 1)!

「恋のナックルボール」(1st Recording Version)は、『EACH TIME』20周年盤(2004年発売)に初収録されたヴァージョンで、通常よりもテンポダウンしたアレンジ。ダース・ベイダーのようなシーハーという息遣い(大滝氏曰く特に意味はないそう)が後半に入っていました。

今回の1st Recording Version(Take 1)は、そのテンポダウンしたバンド・アレンジで、大滝詠一の歌には歌詞がまだなく、ハミングで歌われているヴァージョン。(シーハーはなし)
冒頭の♪バンドゥビ・バンバンバン♪もなく、ハミングながら節回しも違っています。
初期セッションならではの、手さぐりな遊び心溢れるバンド演奏も聴きどころです。

ちなみに、前田幸長投手が巨人に在籍していた時(2002~2007年)、東京ドームでの登場曲として「恋のナックルボール」(前田幸長ヴァージョン)が使用されていました。最近のようで、20年近く経つんですね、、、。森 陽馬


2024年3月19日(火) 大滝詠一 「ペパーミント・ブルー」(テイク1)

発売から40年!

大滝詠一『EACH TIME』の40周年記念盤『EACH TIME VOX』出ました。

大滝詠一『EACH TIME 40th Anniversary VOX』
(国内3CD+2LP+Blu-ray+ブックレット冊子他グッズ付 SRCL-12700 25,000円税込)

大きさ、重さに圧倒されますが、やはり、その内容の濃さとナイアガラ・スタッフの執念を感じるVOXセット。
全体の作りが凄い!

CD3枚に、ブルーレイ・ディスク、そしてLP2枚に厚いLPサイズのブックレット、更に、ステッカー、ポスター等グッズ満載の『VOX』です。

まだきちんと全部チェックできていないのですが、今日はすべて未公開だった<ディスク3>『EACH TIME Session』の中からの1曲を。

<ペパーミント・ブルー>(テイク1)
とにかく、ディスク3は、大滝さんの「ラ・ラ・ラ」コーラスや、スタジオ内での会話など・・・。
ヘッドフォンでじっくりチェックしたくなる音源ばかりです。ハナ歌万歳!

現在、当店で『EACH TIME 40th Anniversary VOX』をお買い上げの方には、特製トートバック、周年記念のタオル、オリジナル・リーフレットを差し上げています。森 勉


2024年3月18日(月) 大滝詠一 「熱き心に」

大滝詠一『EACH TIME』40周年に合わせて、こんな凄い本も出ました!


・『大滝詠一レコーディング・ダイアリー Vol.3 1983-1985』
(リットー・ミュージック社 A5サイズ 464ページ 2,750円税込)

1983年から1985年の間に大滝さんが行ったレコーディングやリリースの記録が網羅された書籍です。
貴重な写真も満載で、更に、吉川忠英さんへのインタビュー、エンジニア田中真也氏によるナイアガラ・セッション話、小林旭「熱き心に」制作秘話等々、興味深いコラムもあって読み応えタップリ!

『EACH TIME』のレコーディング・セッションやミックスをギリギリまで当時行っていたことが確認できて、1984年3月21日の発売によく間に合ったなぁ(と同時に、スタッフは大変だったんだろうな)と読んで感じましたね。

マニア向けな1冊ですが、これを読みながら『EACH TIME』を聴くと、より深みが増してくると思います。

今日のこの1曲は、大滝詠一が歌う「熱き心に」を。
この本によると、「熱き心に」の大滝詠一本人による仮歌は、1985年6月25日に録音されています。森 陽馬

★掲載ジャケットは、大滝詠一『DEBUT AGAIN』
(国内CD 大滝詠一が歌う「熱き心に」収録 SRCL-8716 2,750円税込)


2024年3月17日(日) 鈴木祥子 「名前を呼んで ~When You Call My Name」

大滝詠一『EACH TIME』40周年記念盤の発売が近づいてきました。

3月21日発売の商品ですが、3月19日(火)には店頭に並びます。
大滝さんの321新アイテムを手に取ると、春の訪れを感じますね。

さて、その前に、大滝詠一ファンも要チェックの新譜を紹介しておきましょう。

鈴木祥子『16 ALL-TIME SYOKOS BEARFOREST SINGLES AND MORE... 2009-20XX』
(国内CD+8cmCD BECD-30 4,180円税込)

鈴木祥子さんが主宰するBEARFOREST RECORDSの設立15周年を記念した編集盤CD。
大滝詠一の名曲「青空のように」カヴァー(2011)等のシングル曲や初CD化音源も収録されています。

更にブックレットには、祥子さん自身による詳細な曲解説に加え、「青空のように」をカヴァーする前の2010年に、祥子さんと大滝詠一がメールで直接やり取りした往復書簡を掲載。入口と出口の話など大滝さんらしい興味深い話です。

今日のこの1曲は、「この曲を作って録音する直前に大瀧詠一さんとお逢いしてお話する機会に恵まれた」(曲解説より)という2010年発表曲「名前を呼んで (When You Call My Name)」を。
ローラ・ニーロ「Wedding Bell Blues」とナイアガラ・サウンドを合わせたようなナンバーです。 森 陽馬


2024年3月16日(土) Faye Webster 「Wanna Quit All The Time」

アトランタを拠点に活動している1997年生まれのシンガーソングライター、フェイ・ウェブスター。

ささやきに近い甘い歌声、他愛もない日常や恋愛のあれこれをメランコリックなメロディに乗せて歌う、彼女の5作目がリリースされました。

フェイ・ウェブスター『アンダードレスド・アット・ザ・シンフォニー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加 SC491JCD 2,750円税込)

彼女の楽曲ではペダル・スティールが印象的に使われています。演奏は過去作にも参加しているMatt 'Pistol' Stoessel。今作で特に耳に残った曲「Wanna Quit All The Time」でもペダル・スティールがフィーチャーされ、彼女の歌声を包み込むようにゆったりとやさしい音色を奏でています。

ブックレットに詳細なクレジットは記載されていませんが、先日の単独来日公演も評判となったウィルコのギタリスト、ネルス・クラインがこの曲に参加しています。
いつまでも聴いていたくなる、滑らかで心地良いギターソロは必聴です。東尾沙紀


2024年3月15日(金) ビーチ・ボーイズ 「Fun Fun Fun」

PET SOUNDS RECORDは、1981年4月22日武蔵小山駅前にオープン。
駅前開発で2007年3月15日に現在の場所へ移り、早いもので17周年を迎えました。

武蔵小山駅周辺はこの17年で大きく様変わりしました。
それでも営業を続けることができているのも、お客様のおかげだと思っております。
本当にありがとうございます。そして、これからも末永くよろしくお願いいたします。

さて、3月15日は当店の現店舗オープン日であると同時に、マイク・ラヴの誕生日でもあります。
2024年で83歳! おめでとう、マイク!

マイク・ラヴはビーチ・ボーイズを率いて、2024年もライヴ・ツアーを続行中!
元気に楽しくロックし続けてほしいですね。

今日のこの1曲は、マイクがリード・ヴォーカルのビーチ・ボーイズ定番曲「Fun Fun Fun」!

♪まだまだ、お楽しみはこれからさ!♪
1964年にヒットしたナンバーなので、2024年でリリース60周年となります。森 陽馬

★掲載ジャケットは『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-16075 2,750円税込)


2024年3月14日(木) 細野晴臣 「Undercurrent」

細野晴臣さんが音楽を手掛けた映画『アンダーカレント』(監督:今泉力哉監督、原作:豊田徹也)で使用された楽曲を、細野さん自身によって再構築した音源作品が10インチ・アナログ・レコードで発売されました。

細野晴臣『Undercurrent』
(10インチ・レコード 完全限定盤 カクバリズム KAKU-183 3,300円税込)

物語に出てくる人々の心象風景と同様に、心の奥底に眠っている想いへ、深く潜っていくような音楽。
旋律が美しいインストゥルメンタルで、繰り返し聴く毎に、じっくり沁み込んできますね。

なお、僕は最初恥ずかしながら33回転で聴いていましたが、このレコードは45回転です。
それはそれでアンビエント・ワークスのように楽しめましたが、お買い上げの方はご注意を。

ちなみに、映画『アンダーカレント』の最後の方に出てきた喫茶店は、千葉県の『音楽と珈琲の店 岬』です。
房総の海沿い/岬にあって、オールディーズやジャズがかかっている、のどかな雰囲気のお店。
人気店で混雑しているかも、ですが、音楽・映画好きの方はチェックしてみてください。森 陽馬



2024年3月13日(水) Tangarine 「Big Star」

双子のミュージシャン、というと、誰が思い浮かびますか?

邦楽はピーナッツ、リリーズ、ショコラ&ヒーコ、等々。
洋楽ならばビージーズでしょうかね。

今日紹介するのは、新しい世代でオススメの双子ユニットです。

タンジェリン(Tangarine)『Blank Cassette』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞付 PCD-26108 2,860円税込)

1983年オランダ生まれのアーノウト&サンダー・ブリンクス兄弟(一卵性双生児)によるユニット、タンジェリン。
本作は、彼らがオランダで2023年に発表した最新アルバムの日本盤CDになります。

これが、心地良い春の陽射しにピッタリの1枚でした。

70'sウエスト・コースト・ロック+ビージーズやブレッドを彷彿とさせるハーモニー♪
ジェリー・ベックリーのアメリカを彷彿とさせる雰囲気もありますね。

今日のこの1曲は、♪トゥル・ル・ル♪コーラスがアメリカ的で爽快な5曲目「Big Star」を。森 陽馬


2024年3月12日(火) リトル・リチャード 「Tutti Frutti」

映画『リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング』を、新宿シネマートにて鑑賞。

本作は、ロックン・ロールの元祖、リトル・リチャードのドキュメンタリー映画です。
黒人でゲイを公表していた彼の人生にスポットを当てた内容で、かなり見応えのありましたね。
音楽に詳しくない方がご覧になっても、こんな破天荒な人がいたんだ、という感じで楽しめると思います。

インタビュー映像や関係者の証言を中心に構成されていて、ライヴ映像をじっくり観たかったな、とも感じましたが、リトル・リチャードの音楽ルーツも紹介され、シスター・ロゼッタ・サープ、マリオン・ウィリアムス等ゴスペル歌手のシャウトが、彼の歌い方へ大きな影響を与えたことも知ることができました。

今日のこの1曲は、リトル・リチャードが1955年(今から69年前!)に発表した最初のヒット曲「Tutti Frutti」。
たくさんの人がカヴァーしていますが、リトル・リチャードのオリジナルが圧倒的ですね。
エルヴィス・プレスリーやポール・マッカートニーがこの歌を聴いて、ロックンロールを志したのだな、と改めて実感。
ちなみに、ポール・マッカートニーやミック・ジャガーも映画に少しだけ出てきますよ。森 陽馬

★掲載ジャケットは映画サウンドトラック『リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング』
(国内CD 英文ライナー訳・解説・歌詞付 UCCO-1242 2,860円税込)


2024年3月11日(月) Glen Campbell 「Didn't We」

グレン・キャンベルが有名歌手になったのは、ジミー・ウェッブのおかげ・・・。
ジミー・ウェッブが有名作詞及び作曲家になったのは、グレン・キャンベルのおかげ・・・。

お互いに持ちつ持たれつのいい関係のシンガー(グレン・キャンベル)とソングライター(ジミー・ウェッブ)。
ジミー・ウェッブの曲だけのグレン・キャンベルのCDがACEレーベルから出ました。

GLEN CAMPBELL『Sings JIMMY WEBB ~ I Am A Lineman For The Country』
(輸入CD 20ページ英文ブックレット付 ACE CDTOP-1641)

全23曲。ACEならではの最新リマスター。
極上の歌唱で名曲が最高の音質で楽しめます。

1960年代の名曲3部作「恋はフェニックス」、「ウィチタ・ラインマン」、「ガルベストン」はもちろん、1980年代に入ってからの曲も含まれています。

今日はその中から、ジミー・ウェッブの入魂名盤、リチャード・ハリス『A Tramp Shining』に収録されていた「Didn't We」のグレン・キャンベルがカヴァーしたものを。

1969年に発表された2枚組ライヴLPからのうれしいチョイスです。
アレンジはアル・デ・ロイ。

それにしても、ジミー・ウェッブっていい曲を書きますね。森 勉


2024年3月10日(日) Johnny's Uncalled Four 「Daydream」

サーフ・インスト、ガレージ好きな方も要チェック♪
オハイオ発60年代ロックンロール・コンボ未発表作が初リリース。

Johnny's Uncalled Four『The Lost Album』
(輸入CD WICK RECORDS WCK-007)

Johnny's Uncalled Fourは、フィフス・ディメンション、ビル・ウィザースをはじめ、60年代後半から現在まで数多くの作品に携わってきたマスタリング・エンジニアのジョニー・ゴールデンが高校時代に活動していた4人組バンド。

ニューヨークのレーベルDaptone Records創設者が古いテープをたまたま耳にしたことでリリースに至ったという本作には、1962~1965年頃に録音されたという完成度の高いカヴァーとオリジナル14曲が収録されています。

カヴァーはデュアン・エディ、バディ・ホリー、デイヴ・クラーク・ファイヴ、ベンチャーズ、リンク・レイ、「朝日のあたる家」、ジョニー・オーティス、アイズレー・ブラザーズやガーシュウィン等々。
インストが中心ですが、ジョニーさん自身のヴォーカルもなかなか良い感じです。

本日は、ジョニー・ゴールデン作によるオリジナル曲「Daydream」を今日の1曲に。
シャドウズ「春がいっぱい」を彷彿とさせる穏やかなインスト・ナンバー♪
うっすらと聴こえてくる女声コーラスも相まって、正に白昼夢に誘われるような心地良い1曲です。東尾沙紀


2024年3月9日(土) 民謡クルセイダーズ 「南部俵積み唄」

祝受賞! 民謡クルセイダーズの2023年発表アルバム『日本民謡珍道中』が、第16回CDショップ大賞2024の関東ブロック賞に選ばれました。

日本各地の民謡に、様々な音楽要素が加味された“民クル”の音楽は、関東・日本に留まらず、世界でも評価されています。
民謡の素晴らしさをより多くの人に知ってもらえたらうれしいですね。

今日のこの1曲は、その『日本民謡珍道中』から「南部俵積み唄」(青森県)を。

民謡クルセイダーズ『日本民謡珍道中』
(国内CD UCCJ-9248 3,300円税込)

「南部俵積み唄」は青森県三戸町発祥の祝い唄。
まさに、祝い事で皆が踊りたくなるような“民クル・アレンジ”がとっても楽しい!
青森県出身の女性歌手、竹の子みどりさんによるこぶしの効いた華やかな歌声がいいですね。森 陽馬


2024年3月8日(金) ノラ・ジョーンズ 「On My Way」

雨上がりに陽射しが出てきて、穏やかな空気が流れる昼下がりに聴きたいオススメ盤です。

ノラ・ジョーンズの新作オリジナル・アルバム『Visions』が本日入荷しました。

ノラ・ジョーンズ『Visions』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック1曲追加 初回DVD付 UCCQ-9666 3,630円税込/通常盤 UCCQ-1197 2,860円税込/輸入LPもあり)

本作は2021年発表クリスマス・アルバム『I Dream Of Christmas』を手掛けたリオン・マイケルズによるプロデュース。
彼女の美声が活かされたシンプルなサウンド・アレンジで、とても心地良い1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、鳥のさえずりや口笛がピースフルに響く10曲目「On My Way」を。
虹を探しに、朗らかな気持ちで散歩に出たくなりますね。森 陽馬


2024年3月7日(木) ロニー・ダンテ 「シンク」

オールディーズ・ファンにはすっかりおなじみになったティーンズヴィル・レーベルから、新しいコンピCDが発売になりました。

V.A『LOLLIPOPS & TEARDROPS~34 Pop Diamonds From The 1960s』
(輸入CD Teansville Records TV1063)

今回は男性歌手が中心の全34曲。
ヴォーカル・グループものが7曲、男女デュエットが1曲、そして女性シンガー1曲(このリンダ・ジーンという人の曲がとてもイイ感じ。Fayetteというレーベルから出ている「Spider & The Fly」というシングル!欲しいですね。) その他は男性ソロ・シンガー。

相変わらず珍しい曲ばかりなのに、オールディーズ好きの心をがっちり掴んでくれる曲が多いですね。
ボビー・ヴィー(未発表曲)、ジョー・サウス、B.J.トーマス、レターメンなどの有名アーティストも入っていますが、曲は捻りの効いたレアものばかり。

ボブ・フェルドマン、ジェリー・ゴールドスタイン、リッチャード・ゴッテラーのコンビ作品、ロン・ウィンターズ「マイ・ガール」、ジェリー・リオペルが1964年にレターメンへ提供した「ユー・ドント・ノウ・ジャスト・ハウ・ラッキー・ユー・アー」、P.F.スローン&スティーヴ・バリ作のジンジャー・スナップス「アイヴ・ガット・フェイス・イン・ヒム」など、気になる曲が満載ですが、今日の1曲は、アーチーズ、カフリンクスなどのヴォーカルを担当したロン(ロニー)・ダンテが1966年にコロンビアから発売した、知る人ぞ知るシングル曲を。森 勉


2024年3月6日(水) 家主 「耐えることに慣れ過ぎている!」

新しい世代のギタリスト/ソングライターで注目の存在、といえば、田中ヤコブです。

その田中ヤコブが中心のロック・バンド、家主(ヤヌシ)の3枚目となるCDアルバムが出ました。

家主『石のような自由』
(国内CD NFD-011 2,800円税込)

本盤は2023年12月に配信された新作アルバムの楽曲に、ボーナス曲を3曲追加したCD版。
これが、全編に生気が漲っていて、大きな音で繰り返し聴きたくなる傑作でした。

田中ヤコブのギターと才能も爆発していて、心臓を鷲掴みにするような力強さに満ちています。

今日のこの1曲は、グッド・メロディーな8曲目「耐えることに慣れ過ぎている!」を。森 陽馬


2024年3月5日(火) 池間由布子 「とんかつ」

寺尾紗穂さんが発起人として行っているりんりんふぇすのVol.11が、3月3日に山谷の玉姫公園で行われました。

今回の<りんりんふぇす山谷>はフリー・コンサートで開催され、老若男女多くの人で賑わっていましたね。

一番盛り上がっていたのは『カラオケタイム』で、山谷にお住まいのご年配の方々が北島三郎や山内惠介をステージで歌う、というコーナーでしたが、観ていて朗らかな気持ちになり、とても良かったです。
様々な人たちの人生に歌が寄り添っていたんだなぁ、と実感して、じんわりと胸が熱くなりました。

今日のこの1曲は、夕方17時30分から登場した、池間由布子さんの「とんかつ」を。
♪とんとんと キャベツを切る♪
さりげない日常に移ろいゆく感情が描かれたこの歌を、りんりんふぇす山谷で聴き、背筋が伸びる思いになりました。

池間由布子『My Landsscapes』
(国内CD 「とんかつ」収録 2020年発表作 IKEMAYUKO003 2,200円税込)

ちなみに、トップバッターの寺尾紗穂さんは、「反骨の人」からスタート。
「魔法みたいに」、「心の旅」(チューリップカヴァー)、「たよりないもののために」を披露。
新人Hソケリッサの時にも出てきて、「孤独な惑星」、「楕円の夢」、「アジアの汗」を歌いました。

りんりんふぇす山谷“第1回目”、とMCで話していたので、2回目もいつか開催されるといいですね。森 陽馬


2024年3月4日(月) 松尾清憲 「ジュリア」(佐藤清喜プロデュース)

松尾清憲さんの新曲「ジュリア」が、本秀康さんの雷音レコードから4月24日発売決定しました。

松尾清憲『ジュリア/I'm A Singer』
(国内7inchアナログ・レコード RHION-36 1,760円税込)

2024年は、松尾清憲さんがソロ・デビュー曲「愛しのロージー」をリリースして祝40周年♪
オリジナル・アルバムを現在制作中だそうで、その新作からの7インチ・シングルカットです。

サウンドは、マイクロスターの佐藤清喜さんによるプロデュース!
A面「ジュリア」は超ポップなメロディーに、ナイアガラ的アレンジが印象的なキラーチューン♪
繰り返し聴きたくなるとっても素敵なナンバーですね。

なお、B面「I'm A Singer」はアルバム未収録&未配信になる予定とのこと。
松尾清憲&マイクロスターファンはもちろん、全ポップ・リスナー要チェックの7インチです。森 陽馬

通販コーナーにて予約受付中!


2024年3月3日(日) Andy Partridge & Chris Braide 「Queens Of The Planet Wow !」

アンディ・パートリッジ(ex.XTC)最新作♪

Andy Partridge & Chris Braide『Queens Of The Planet Wow !』
(輸入CD Easy Action EAR205CD / 輸入10inchレコードもあり)

2023年は3人組バンドThe 3 Clubmenとして作品を発表したアンディが、今回はクリス・ブレイドとのコラボEP(全6曲)をリリースしました。
クリス・ブレイドはアンディより20歳ほど下の英国出身のシンガーソングライターで、現在はLAを拠点にSiaなど人気アーティストの楽曲/プロデュース、映画音楽などを手掛け大活躍しています。

今作は全曲2人による共作で、アンディはギターをメインに、クリスはピアノやベース等その他の楽器とリード・ヴォーカルを務め、ドラムにはティム・ウェラー(Divine Comedy)、アッシュ・ソーンが参加しています。

ジャジーなアレンジのタイトル曲「Queens Of The Planet Wow !」をはじめ、穏やかな歌声とメロディが耳に残ります。
ジャケットのイメージも相まって、ロマンティックでとても良い雰囲気♪
The 3 Clubmenとはまた一味違った素敵なポップス作品に仕上がっています。東尾沙紀


2024年3月2日(土) ロイ・オービソン 「カム・バック・トゥ・ミー」

今年も3月に突入しました。
3月と言えば桜でしょうか?
桜も待ち遠しいですが、ナイアガラ・ファンは、もういくつ寝ると3・21、という気持ちでしょうね。

2024年の3・21は、1984年に発売された『EACH TIME』から40年ということもあり、『EACH TIME 40th Anniversary Edition』が発売されます。

CDが3枚、ブルーレイ、2枚組LPレコード、そして豪華ブックレットをセットにしたBOXセット。
その名も『EACH TIME VOX』。お値段は税込25,000円!
絶賛予約受付中です。

さて、今日は、大滝さんが所有していたジューク・ボックスに入っていたお気に入りのシングル・レコードの音源を収録したCDを。
このCDも発売されてから約10年。なくならないうちにまた紹介したいと思います。

『大瀧詠一のジューク・ボックス~ユニヴァーサル・ミュージック編』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICZ-1585 2,200円税込)

1960年代前半に話題になり、大滝さんも大好きだった曲を全30曲収録。
ダイアン・リネイ、ポールとポーラ、レスリー・ゴーア、ガス・バッカス、トミー・ロウ、リトル・リチャード、シャーリー&リー、etc...。
今日はその中から、日本独自にシングル化されて、ラジオでもよくかかっていたロイ・オービソンの「カム・バック・トゥ・ミー」を。森 勉


2024年3月1日(金) 寺尾紗穂 「ある絵描きの歌」

寺尾紗穂さんが発起人として行っている<りんりんふぇす>。
路上生活者が販売員となり、売上の約6割が収入になる仕組みの雑誌『BIG ISSUE』を多くの人に知ってもらい、ホームレス問題や自分たちの生活・仕事について考えよう、との目的で行ってきたイベントです。

その第11回目
りんりんふぇす山谷が、3月3日(日)東京・山谷の玉姫公園にてフリーコンサートで開催されます。

出演は、寺尾紗穂、三輪二郎、池間由布子、川村亘平斎、新人Hソケリッサ!。
恒例の座談会や炊き出し(無料の軽食配布)なども行われます。

寺尾紗穂さんは大学時代に山谷の夏祭りへ行き、絵描きで元土方のSさんと出会いました。
Sさんはその5年後に急死しましたが、「ある絵描きの歌」、「アジアの汗」等の歌が生まれ、様々な人との出逢いを経てイベントを続けてきた紗穂さんにとって、山谷・玉姫公園での開催はとても意義深いものだと思います。

「隣」の人と「輪」になる、というメッセージが込められた“りんりん”ふぇす。
何かを感じられると思いますので、お時間ある方はよろしければ足を運んでみてくださいね。森 陽馬

★掲載ジャケットは、寺尾紗穂「ある絵描きの歌」収録の2006年発表ソロ・デビュー作『愛し、日々』。
(国内CD VCCM-2018 2,096円税込)



2024年2月29日(木) Geraint Watkins 「Champion」

ヴァン・モリソン、ニック・ロウ、デイヴ・エドモンズ、ロリー・ギャラガー、ビル・ワイマンをはじめ、数多くのレコーディングやツアーサポートでも活躍してきた英ウェールズ出身のシンガーソングライター/鍵盤&アコーディオン奏者、ゲラント・ワトキンス。

パブ・ロックと聞いてイメージするミュージシャンは人それぞれかと思いますが、このワトキンスさんも欠かせない存在です。
今作はソロ・キャリアを総括する2枚組ベスト♪
デイヴ・エドモンズやロックパイル等を想起させる''Theパブ・ロックな70~90年代の作品から選曲したディスク1、味わい深い近年の楽曲を中心としたディスク2。たっぷり全41曲が収録されています。

ゲラント・ワトキンス『エイドメモワール』
(国内流通仕様CD LMCD233J 3,300円税込)

活きのいい初期作もかっこいいですが、本日は2008年発表の名作『In A Bad Mood』に収録されている「Champion」を今日の1曲に。
優しい音色のピアノに、やわらかな管楽器のアレンジも素敵な1曲です。

曲によって音の大きさにバラつきがあるのが少し難点なCD(ディスク1)ですが、入門編として是非チェックしていただきたい1枚。ビーチ・ボーイズ「英雄と悪漢」、ニック・ロウ「Heart Of The City」など小粋なカヴァーがセレクトされているのも嬉しいところです。東尾沙紀


2024年2月28日(水) ドアーズ 「タッチ・ミー」

今日は久しぶりにドアーズが聴きたい気分。

ドアーズのレコードは、アメリカやイギリスではエレクトラ・レーベルが発売していました。
1960年代後半、日本ではエレクトラ・レーベルはビクターが販売権を持って発売していました。
なので、家にあるドアーズのレコードはほとんどビクター盤だと思います。

さて、今日はドアーズの曲で、僕が一番ポップだと思う曲を。

「ハートに火をつけて」、「まぼろしの世界」、「ラヴ・ミー・トゥ・タイムズ」、「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」。
いろいろヒット曲がありますが、1969年に日本でも大ヒットした「タッチ・ミー」をこの20曲入りのベストCDで。

ドアーズ『ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ドアーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-26203 1,430円税込)

この曲を聴くと、1972年に日本で大ヒットとなった山本リンダの「どうにもとまらない」が頭に浮かんできてしまうのは、日本人のさがなのでしょうか。森 勉


2024年2月27日(火) 13(ワンサン) 「ガラクタ」(フェイセズの日本語カヴァー)

<日本が産んだパブロックならぬ、パブフォークの真髄を聴け!>(13『ALBUM』帯裏の文より)

13(ワンサン)は、一色進(CINEMA、ジャック達)と河合徹三(ラストショウ)によるフォーク・デュオ。
1971年高校時代に意気投合し一緒にバンド活動をしていた2人が、2004年に再びデュオを組んでから約20年を経て、遂に1stアルバム『ALBUM』をリリースしました。

13(ワンサン)『ALBUM』
(国内CD NRSD-25127 2,800円税込)

パブフォーク/デュオですが、サウンドは味わい深いロック・バンドな雰囲気で聴きやすいですね。
オリジナル曲に加え、一色進が歌詞を書き河合徹三が作曲したラストショウ「バンジョー・マン」のセルフカヴァー等全9曲収録されています。

今日のこの1曲は、フェイセズ「Debris」(ロニー・レイン作)の日本語カヴァー⑤「ガラクタ」を。
一色進さんが日本語訳を手掛けており、元の歌詞の意味そのままではなく、日本的なアレンジで「ガラクタでも誰かにとっては宝物かもね」という意味合いの歌になっています。森 陽馬


2024年2月26日(月) ローザ三宅 「浦島太郎」

朝ドラ『ブギウギ』人気に便乗してか、戦後~昭和の歌謡曲が最近色々再発されています。
先日はこんな珍しい1枚も出ました。

ローザ三宅『ブラジルの妖精/ローザ三宅 日本を歌う』
(国内CD 2024年最新リマスタリング UPCY-7930 2,750円税込)
<アナログLPも2024年3月27日再発売予定>

ローザ三宅は、祖父母が岡山県出身の日系3世で、ブラジル生まれ&育ちの女性シンガー。
ロベルト・カルロスに見出されて1966年に歌手デビュー。
本作は、1968年に来日した20歳の彼女が日本で録音したアルバムです。

“ブラジルの妖精”とタイトルに書かれているので、アストラッド・ジルベルトやソニア・ローザをイメージして聴いてみたら、ボサノヴァな感じとは全然違って、まさに“昭和歌謡”な作品でした。

14曲中12曲が歌謡曲のカヴァーで、伊東ゆかり「小指の想い出」「恋のしずく」、西田佐知子「涙のかわくまで」、ロス・インディオス「コモエスタ赤坂」、小川知子「ゆうべの秘密」「恋のときめき」、黛ジュン「天使の誘惑」等収録。

今日のこの1曲は、唱歌と思いきやオリジナル?!の「浦島太郎」を。
アルキメデス・メシーナ作曲、サカオ・ヒデノリ作詞のこの歌。
「昔、昔、浦島は、助けた亀につれられブラジルにやってきて」から始まり、「玉手箱あければびっくり、その中には日本まで往復切符。早速飛んでった」で終わる、なんだか凄い1曲です。森 陽馬


2024年2月25日(日) The Caraway 「Our Brilliant Weekend」

春が待ち遠しくなる、ネオアコ/ギターポップ新作この1枚♪

The Caraway『Our Brilliant Weekend』
(国内CD 歌詞付 blvd-036 2,500円税込)

Swinging Popsicleの嶋田修によるソロ・ユニット、The Carawayが18年ぶりとなる2ndアルバムをリリース。
爽やかな歌声/ハーモニー、シンプルな英語詞、多幸感溢れるメロディが満載です。
ひんやり雨ばかりでまだまだ寒い日が続きますが、今作を聴いているとやわらかな春の匂いを感じます。

イケミズマユミ(Three Berry Icecream)がアコーディオン&コーラスで参加、可愛らしい世界観の「Cookies dances waltz at midnight」、岩渕尚史(Sloppy Joe)がベースで参加「All up to you」などゲスト陣も華を添える全11曲。

本日はその中から、軽快なパーカッションとアコースティック・ギターが気持ち良い「Our Brilliant Weekend」を。
素敵な週末を過ごせば次の1週間もまた頑張れる...川上桃子さん(Keichi & The Coconut Groove)のトランペットをフィーチャーした心弾む1曲です。

ミックスは嶋田さんご自身、マスタリングは佐藤清喜さん(microstar)が担当されています。東尾沙紀


2024年2月24日(土) REOスピードワゴン 「Keep The Fire Burnin'」

皆さんのお気に入りのラジオ番組は何でしょうか?

僕のお気に入り番組は、日曜日に集中しています。
早朝5時の根本要さん『要のある音楽』から始まり、『山下達郎サンデー・ソングブック』、カックルさん&麻耶さんの『Lazy Sunday』、片寄明人『洋楽グロリアスデイズ』、ピーター・バラカン『Barakan Beat』、『宮治淳一のラジオ名盤アワー』、クリス松村の『いい音楽あります』、『スピッツ草野マサムネのロック大陸漫遊記』、そして、深夜25時からの細野晴臣さん『Daisy Holiday!』等々。本当に日曜日は盛り沢山で楽しいですね。

しかし、NHK-FM片寄明人の番組『洋楽グロリアスデイズ』が2024年3月で放送終了となるそうです。
70~80年代の様々な洋楽がかかり、片寄さんの曲解説&語り口もゴキゲンだったんですけれどね。
新年最初の放送で恒例だった佐野元春さんとの新春放談も終わってしまうのかな、、、残念!

とにかくも片寄明人さん、毎週の放送8年間お疲れさまでした。

今日のこの1曲は、REOスピードワゴンの1982年発表曲「Keep The Fire Burnin'」を。
『洋楽グロリアスデイズ』のオープニング・ナンバーです。森 陽馬

★REOスピードワゴン『ジャパニーズ・シングル・コレクション』
(国内CD+DVD SICP-31372 3,300円)


2024年2月23日(金) Neil Young With Crazy Horse 「Kansas」

ニール・ヤングのアナログLP新アイテム『DUME』が本日入荷しました。

Neil Young With Crazy Horse『DUME』
(輸入2枚組LP Reprise/Warner 093624882107)

この『DUME』は、2021年3月に発売された輸入CD10枚組BOX『Neil Young Archives Vol.2(1972-1976)』のディスク8を、単体で初アナログ化したものです。

内容は、1975年発表名盤『ZUMA』の楽曲(「Cortez The Killer」、「Dangerbird」他)を中心に、その時期のクレイジー・ホースとのセッションで生まれた音源を未発表含め全16曲収録。

「わたしの人生でもとりわけすばらしく、生気にあふれていた時期だった」
と、ニールが自伝で語っている通り、クレイジー・ホースとの演奏からは強靭な活力が伝わってきますね。

ブルース・スプリングスティーンの人気曲とは同名異曲の「Born To Run」、「Kansas」のクレイジー・ホース・ヴァージョン、「Powderfinger」の初期ヴァージョン等々、初アナログ化の貴重音源も聴きものです。

なお、CDの裏ジャケには、黒猫と映っているニールの写真が使われていましたが、LPの裏ジャケ及びインナースリーヴは、James Mazzeo(後の『Greendale』(2003)ジャケットもこの人)のイラストになりました。
Wジャケット内側は、CDと同じくヘンリー・ディルツ撮影によるニール&クレイジー・ホースのモノクロ写真を使用。
この写真は4人の表情が清々しく、個人的にも好きなフォトなので、LPサイズになってうれしいですね。森 陽馬


2024年2月22日(木) 村田和人 「SEE YOU AGAIN」

先週、春を飛び越して初夏の陽気だったというのに、今日の東京は息も白くなる冷たい小雨の1日でした。

ちょうど8年前、2016年2月22日もひどく寒い日で、嫌な感じの雨がずっと降り続いていました。
店内も不思議と重い雰囲気が漂っていたその日の夜、村田和人さんの訃報が届いたのです。

村田さんの音楽、そして存在自体は太陽のようでした。
でも、太陽が見えない冷たい雨の日にこそ、村田和人さんのことを想い出してしまいます。

♪あふれそうな想い出の扉をたたけば、会えるはずの君は遠い人♪
(村田和人「SEE YOU AGAIN」歌詞より)

村田和人「SEE YOU AGAIN」は、1986年発表4thアルバム『Showdown』に収録。
竹内まりやさんが手掛けた歌詞が胸に響きます。

なお、『Showdown』はロニー・フォスターによるプロデュース作でロサンゼルス録音が中心ですが、「SEE YOU AGAIN」は日本でレコーディング(青山純&伊藤広規のリズム隊)され、そのテープを持ち込みトラックダウンのみL.A.で行ったそうです。森 陽馬

★村田和人『SHOWDOWN』(+8)
(国内CD 川崎太郎氏による新規解説付 BRIDGE-383 2,530円税込)


2024年2月21日(水) ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ 「ラヴ・ソー・ファイン」

若い頃はテレビっ子でした。
スポーツ中継、ドラマ、ドキュメンタリー、音楽、映画、バラエティ、アニメ、海外ドラマ、etc...
本当にいろいろなものを見ていました。

しかし、自分の年齢が還暦を過ぎたあたりから、見たい番組がどんどんなくなり、現在では一部の旅番組と街歩きものを少し見る程度になってしまっています。
昔のテレビに比べて今のテレビは、、、なんて言うつもりはありません。
自分の興味がいろいろと変化してきているのでしょう。

今、そんな僕でも、テレビから偶然流れてくる素敵な曲に反応してしまうことが度々あります。
それは映像のバックに差し込まれてくるBGMだったり、好きな曲の一部がジングルとして使われているのを聴いたりする時です。

今日はそんな中から、1週間に1回はテレビから流れてくる「ラヴ・ソー・ファイン」を。
NHKの朝の番組『あさイチ』の中で、博多華丸さんが「みんな!グリーンだよ!」と言ったあとに、この曲のイントロがかかるんですね。
誰が選曲したのかわかりませんが、さわやかな曲なので朝にぴったり。いいセンスだと思います。森 勉

★ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
『コンプリート・ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』
(国内CD 解説:小西康陽 歌詞・対訳付 UICY-25710 1,885円税込)


2024年2月20日(火) The Bremenrocks 「闇のまにまに」 feat 畠山英莉

インスタント・シトロン、PANICSMILE、インディー・ガール・ポップお好きな方、要チェックの1枚!

The Bremenrocks『ブレーメンロックス』
(国内CD PECF-3284 2,750円税込)

ブレーメンロックスは、竹村カツジ、長瀬五郎、吉田肇によるポップ・ロック・ユニット。
インスタント・シトロン結成前に長瀬五郎と、片岡知子さんも在籍していたそう。

本作は、約30年の時を経て再集結し、女性シンガー(畠山英莉、TOMO、山田マキ)をfeatして制作された新作。
佐藤清喜(マイクロスター)がマスタリングを手掛けておりサウンドもNice♪
ポップで甘い女性シンガー好きならば楽しめるハズ!の全10曲入りです。

今日のこの1曲は、キャッチーなメロディーが印象的な1曲目「闇のまにまに」。
ヴォーカルは、カノサレ(元・彼女のサーブ&レシーブ)の畠山英莉。
なお、ジャケットは岡田崇さんによるデザインです。森 陽馬


2024年2月19日(月) Chris Smith 「Don't Let Anybody Keep You Down」

金澤寿和氏監修<Light Mellow Searches>から、90年代のシンガーソングライター/AOR良作が再発♪

クリス・スミス『ルーム・インサイド・マイ・ハート』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-26087 2,860円税込)

クリス・スミスは、1989年に3人組ロック・バンド、レガッタのメンバーとしてデビュー。
ソロでも4枚のアルバムを発表、現在もライヴを中心に活動しているカナダ人シンガーソングライターです。

今回再発されたのは、1995年発表のソロ1stアルバム『Room Inside My Heart』。
日本では殆ど知られていない存在とのことですが、アコースティックを基調としたバンド・サウンドは今聴いてもあまり古さを感じさせませんし、良いメロディーの曲が多く、新作を聴く感覚で楽しんでいます。

メロディーや曲展開がどことなくスティングを彷彿とさせる曲があったり、「What's Going On」風のイントロが印象的な②「The Wisdom Of Insecurity」など70年代ソウルの影響も感じられたり...。
個人的には、アルバム最後を締め括るピアノをメインとした「Don't Let Anybody Keep You Down」が気に入っています。

解説によりますと、2024年は久々に新作をリリースする予定があるとのことです♪東尾沙紀


2024年2月18日(日) Natalie Merchant 「Come On, Aphrodite」

音楽ライターの天辰保文さんが、2023年ベスト3に挙げている1枚。

Natalie Merchant『Keep Your Courage』
(輸入CD Nonesuch Records 07559707858)

本作は、女性シンガー・ソングライター、ナタリー・マーチャントの約9年ぶりとなるオリジナル・アルバム。
天辰保文さんが運営しているWEBサイトの
<私の、僕のbest3 2023年>にて紹介している方が多かったので、気になっていた作品でした。

暗めなジャケットにNonesuchレーベルからのリリースということで、重い質感を想像していましたが、曲調やサウンドはポップで聴きやすく、彼女の力強い歌声に、“勇気(Courage)”づけられる傑作でした。

今日のこの1曲は、静かな出だしから徐々に盛り上がっていく「Come On, Aphrodite」を。
中盤から後半に躍動するホーンの音色とナタリーのヴォーカルは、目線を上に向ける力を与えてくれます。

なお、タイトルの言葉『Keep Your Courage』(勇気を持ち続けて)は、ラスト10曲目「The Feast Of Saint Valentine」の歌詞に登場します。森 陽馬


2024年2月17日(土) ジョニ・ミッチェル 「Down To You」(あなたのもとへ)

書籍『じゃじゃ馬娘、ジョニ・ミッチェル伝』が本日入荷しました。

(亜紀書房 デヴィッド・ヤフィ著 丸山京子翻訳 全492ページ 4,950円税込)

本書は、2017年に発売されたジョニ・ミッチェル評伝『Rockless Daughter:A Portrait Of Joni Mitchell』の翻訳本です。

値段が高いな・・・、と最初思いましたが、約500ページにも及ぶ内容はとても濃いですね。
丸山京子さんによる翻訳は読みやすく、巻末に索引(ニール・ヤング ○○ページ、ボブ・ディラン ○○ページ、アルバム『ブルー』に関しては○○ページ、等々)が付いているので、気になる部分をかいつまんでチェックこともできます。

ボブ・ディラン『ローリング・サンダー・レビュー』に参加した時のエピソードや、『マイルズ・オブ・アイルズ』の話、『ラスト・ワルツ』ニールのバックで歌った時のこと等をまず読んでみましたが、とても面白いですね。

<望むものを得るために望まないものを受け入れたのよ。そこからは美しい音楽が生まれ、私たちは互いから学び合った>(帯文記載のジョニ・ミッチェルによる言葉より)

彼女の恋多きエピソードだけでなく、印象深い言葉や歌の意味がより深く感じられる1冊となりそう。
これから読み進めていくのが楽しみです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、ジョニ・ミッチェル『アーカイヴスVol.3:アサイラム・イヤーズ1972-1975』
(国内5枚組CD WPCR-18635 12,100円税込)


2024年2月16日(金) 平山みき&野宮真貴 「ホットな地球よ」

昨日2月15日、東京では春一番が吹き、最高気温が20℃を越えました。
今週は各地でも暖かい日が多かったようですね。

さて、筒美京平作の新曲(!)が、シングルCDで2月14日に発売されました。
平山みきさんと野宮真貴さんによるデュエットで、「アーティスト」と「ホットな地球よ」の2曲です。

平山みき&野宮真貴『アーティスト/ホットな地球よ」
(国内2枚組CD DDCS-12985 3,300円税込)

本作は、筒美京平(2020年他界)が作曲していた楽曲に、橋本淳が盟友への想いを込めて作詞した新曲です。
「アーティスト」は船山基紀、「ホットな地球よ」は本間昭光がサウンド・プロデュースを担当。
多くの筒美京平作品に関わってきた名編曲家二人が、筒美メロディーを見事に引き立たせていますね。

今日のこの1曲は、ピチカート・ファイヴ的グルーヴィーなアレンジがかっこいい「ホットな地球よ」を。
橋本淳による一見奇想天外な歌詞は、元々は戦争反対をイメージして書かれたそうです。
(「アーティスト」の方は、筒美京平とその妻の想い出が基になっているとのこと)

ちなみに、ボーナス・ディスクは、野宮真貴2023年9月18日ビルボードライヴ東京でのライヴ音源。
平山みきもゲスト出演し、「アーティスト」のライヴ・ヴァージョンや和やかなMCも収録されています。森 陽馬


2024年2月15日(木) クリエイション 「スピニング・トー・ホールド」

廃盤や生産中止になっていたクリエイション及び竹田和夫の作品が、リマスターされ紙ジャケット仕様で全11種再発売されています。

今日はその中から、1977年発表のサード・アルバムを取り上げたいと思います。

クリエイション『ピュア・エレクトリック・ソウル』
(国内CD 紙ジャケット仕様 UPCY-7908 3,000円税込)

なぜ、このアルバムを選んだのかというと、昭和プロレス・ファンの僕にとっては、忘れられない曲が入っているからです。

曲名は「スピニング・トー・ホールド」。
ドリー・ファンク・ジュニア、テリー・ファンクによるファンク兄弟の必殺足技「スピニング・トー・ホールド」をイメージした曲!
カッコよく、印象的なリフを持つこの曲は、ザ・ファンクスにイメージぴったりの躍動感を持っていましたね。
竹田和夫のレスポールと飯島義昭のストラトキャスターによるツイン・ギター、しびれるインスト・ナンバーです。

なお、このアルバムには、ヤードバーズ後期の名曲「幻の10年」(Happenings Ten Years Time Ago)のカヴァーも収録。森 勉


2024年2月14日(水) キンモクセイ 「この世の果てまで」

2024年のベスト・アルバム、早くも確定!?

キンモクセイの新作オリジナル・アルバム『洋邦問わず』が本日発売。
感動的な素晴らしい作品でした。

キンモクセイ『洋邦問わず』
(国内CD KMKS-001 3,300円税込)

キンモクセイは1998年頃結成された日本人ロック・ポップス・バンド。
2023年にベーシスト白井雄介が脱退して4人編成となった彼らの、新たなスタートと言える1枚です。

これが、エヴァー・グリーンなポップ・サウンドと、グッド・メロディーが詰まった大傑作!

捨て曲なしの全10曲から、今日のこの1曲はラスト10曲目「この世の果てまで」を。
伊藤俊吾によるソングライティングの秀逸さを多くの人に知ってもらいたくなる名曲です。森 陽馬


2024年2月13日(火) J Mascis 「Old Friends」

ダイナソーJrのJ・マスキス、ソロ名義としては4作目となるアルバムが出ました。

J Mascis『What Do We Do Now』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 OTCD-6870 2,860円税込)

2018年発表の3作目『Elastic Day』(2018年11月22日今日のこの1曲で紹介)以来ながら、J節の泣きメロ健在!
演奏はほぼJの多重録音ですが、バンド感ある仕上がりです。
エレキ・ギター・ソロも各曲に入っているので、ダイナソー好きの方は必聴ですね。

では、ダイナソーとどこが違うのか?、というと、リズムギターがアコースティックなことでしょうか。
歌詞もソロの方が言葉数が多いような、、、。
もっとラウドな音で聴きたい、という人もいるでしょうが、これはこれで僕的にはかなりゴキゲンな1枚です。

今日のこの1曲は6曲目「Old Friends」を。
曲後半のかっこいいギター・ソロの後、心なしかテンポアップするところが、Jらしくていいですね。森 陽馬


2024年2月12日(月) The Move 「消えた稲妻(たった一度の稲妻に) (Lightnin' Never Strikes)」

ロイ・ウッド、ジェフ・リンらが在籍した英国のロック・バンド、ザ・ムーヴ。
シングルAB面+レア・トラックを収録した日本独自企画によるベスト盤がリリースされました。

ザ・ムーヴ『グレイテスト・ヒッツ UKシングルズ1966-1970+2』
(国内CD 日本独自企画 解説・歌詞対訳付 CDSOL-3149 2,420円税込)

1966~1970年にデラム、リーガル・ゾノフォン、フライから発表された10枚のシングルAB面曲(「Night Of Fear」から「When Alice Comes Back To The Farm」まで計20曲)が時系列に収録されています。

「I Can Hear The Glass Glow」、「Blackberry Way」他人気のあるA面だけでなく、B面にも良い曲が色々あることを再発見出来ました。メンバーの入れ替わり、ジェフ・リン加入によるサウンドの変遷も楽しめる1枚です。

本日は、スライド・ギターが炸裂する重厚なロック・ナンバー「Brontosaurus」(1970)のB面曲「Lightnin' Never Strikes」を今日の1曲に。
ベーシストとして一時在籍したリック・プライスとマイク・テイラー(シェリダン)による共作曲で、プライスがリード・ヴォーカルも務めています。曲終盤のシタール(?)を用いたサイケデリックな展開が特徴的なムーヴ版は、テンポの良いプライス&シェリダン版とはまた違ったかっこ良さがあります。

さらに「Something」のイタリア語ver.や「Brontosaurus」のエディットver.の2曲も追加されています。東尾沙紀


2024年2月11日(日) Matthew Halsall 「Water Street」

ピーター・バラカン氏が2023年のベストとして紹介していた1枚。

Matthew Halsall『An Ever Changing View』
(輸入CD GONDCD062/輸入2枚組LP GONDLP062)

Matthew Halsall(マシュー・ハルソール)は、イギリス/マンチェスターを拠点に活動しているトランペッター/ジャズ・ミュージシャンで、Go Go Penguinを輩出したGONDWANAレーベルの創設者でもあるアーティストです。

本作は、彼がスピリチュアルなジャズと新世代のエレクトロニカを融合した2023年発表アルバム。
・・・と書くと、CLUB MUSIC的or難解なイメージですが、実際聴いてみると、凄く気持ち良い作品♪
ジャズやエレクトロニカに興味ない方が聴いても、穏やかに心地良く楽しめる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、2曲目「Water Street」。
彼自身が奏でるカリンバ、グロッケン、トランペット他に加え、ゲスト・ミュージシャンによるフルートやローズの奏が美しく絡みあい、極上の音浴に浸れます。森 陽馬


2024年2月10日(土) オスカー・ピーターソン・トリオ 「Hymn To Freedom」(自由への賛歌)

映画『オスカー・ピーターソン』を吉祥寺アップリンクにて先日鑑賞しました。

本作は名ジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンのドキュメンタリー映画で、彼のライヴ&インタビューやトリビュート・コンサート、他アーティストのコメント等で構成された、カナダ制作の映像作品です。

オスカー・ピーター・ソンはカナダ人、ということを、この映画で初めて知りました。
また、あれだけ多くの名作を世に送り出し、世界各国をツアーで回っていたにも関わらず、黒人というだけで差別を受け苦労した時代があったことを告白していました。

その当時(1962年末)、マーティン・ルーサー・キングJr牧師の公民権運動に影響を受けて録音したのが、彼のオリジナル曲「Hymn To Freedom」(自由への賛歌)です。

オスカー・ピーターソン・トリオ『Night Train』
(国内CD 1963年発表作 「自由への賛歌」収録 UCCU-5563 1,650円税込)

映画内では、軽快でかっこいいピアノ曲が多くかかりますが、美しい「自由への賛歌」が印象に残りましたね。

あと、ハービー・ハンコック、クインシー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、ブランフォード・マルサリスに加え、ビリー・ジョエル、ジョン・バティステ等々、彼のことを語るアーティストが豪華でした。
音楽だけでなく、人間的な側面(亡くなるまで添い遂げた奥様&娘のことなど)にもスポットが当てられているので、ジャズに詳しくない方でも楽しめて勉強になる伝記映画だと思います。森 陽馬


2024年2月9日(金) ザ・クロマニヨンズ 「くだらねえ」

ザ・クロマニヨンズの新作アルバム『ヘイ!ワンダー』に、「くだらねえ」(作詞・作曲:真島昌利)が入っています。

この曲の歌詞は「くだらねえ」のみ! かっこいい!!

ザ・クロマニヨンズ『ヘイ!ワンダー』
(国内CD BVCL-1356 3,204円税込/国内LP 完全生産限定アナログ盤 BVJL-104 3,204円税込)
先着特典:ステッカー付

先行シングル「あいのロックンロール」(
2023年12月14日今日のこの1曲で紹介)のB面も、歌詞は曲名の「SEX AND DRUGS AND ROCK'N'ROLL」だけでしたし、タイトルを連呼する歌は昔からありました。

今回は「くだらねえ」という言葉が刺さりました!
そして、その「くだらねえ」ことにも、温かい眼差しを感じさせてくれるのが、ザ・クロマニヨンズらしいですね。

ゆっくりした出だしから、どんどんスピードアップしていく「くだらねえ」。最高! 森 陽馬


2024年2月8日(木) エミー・ジャクソンとスマッシュメン 「涙の太陽」(Crying In A Storm)

それなりの年齢の方々、エミー・ジャクソンを覚えていますか?

1965年に「涙の太陽」を大ヒットさせた女性シンガーです。
英語詞の和製ポップスでしたが、ラジオでもよくかかり、彼女がテレビにもよく出演し、大人気の曲でした。

この曲の仕掛け人は湯川れい子さん。
当時はまったく気付きませんでしたが、作詞も湯川さんでした。

曲のクレジットには、作詞:R.H.Riversと書いてありましたね。
レイコ・ホット・リヴァース・・・。ホットなリヴァー・・・湯川・・・。

あと、バックを担当したスマッシュメン・・・。
実はブルー・コメッツが関係していたとの事です。
よく聴いてみると、バック・コーラスの声がブルコメっぽいですね。

ヒットした後に色々な種明かしがありましたが、エミー・ジャクソンのパンチのある歌声がとにかくイカしていました。

エミー・ジャクソン『エミー・ジャクソン・アルバム~涙の太陽+9』
(国内CD 紙ジャケット仕様 SWAX1034 2,970円税込)

彼女が1967年に発表したファースト・アルバム全12曲に、9曲をプラスしたCDです。森 勉


2024年2月7日(水) Paul Weller 「Rip The Pages Up」

2024年2月3日・4日にEXシアター六本木で行われた、ポール・ウェラー来日公演へ行ってきました。

前回の来日(2018年1月)以降、スタジオ・アルバム3枚、ライヴ・アルバム1枚、B面&レア音源集等リリースも色々あり、生で聴きたい曲が溜まっていく一方でしたが、『Fat Pop』(2021)など近作の曲を中心に、ソロ初期、ジャム、スタイル・カウンシル、さらには新曲をまじえ30曲近く♪アツいパフォーマンスを見せてくれました。

「Start!」「My Ever Changing Moods」「Shout To The Top」ほか昔の曲がやはり盛り上がるし楽しいのですが、最近の曲ほどライヴで聴くとより良い!と感じられたことがとても嬉しく思いました。

「That Pleasure」は絶対ライヴのアレンジがかっこいい!、ギブソンSGを弾く姿が沢山見れて感激...など書きだすとキリが無いので、本日は今回の日本ツアー全公演のオープニングを飾った「Rip The Pages Up」を今日のこの1曲に。

元々は、2008年発表作『22ドリームス』のリード・シングル「Have You Made Up Your Mind」のカップリング曲で、アルバム本編には未収録の曲ですが、ライヴでイントロが流れるとお客さんのテンションもMAX!
サビの♪Better Better...♪の合唱でも盛り上がるかっこいい曲です。

ロックン・ロールな「Jumble Queen」、バラード「Nothing」...披露してくれた新曲もすごく良かったので次回作への期待で胸が膨らみます。アルバムは5月頃を予定しているのだそうです!発表を楽しみに待ちましょう。東尾沙紀

★掲載ジャケットは、「Rip The Pages Up」収録されたボーナス・ディスクが付いた『22ドリームス』デラックス・エディション。(国内CD2枚組 解説・歌詞・対訳付 UICI-9032 税込3,666円)
(この曲は2022年発売のB面曲&レア音源集『Will Of The People』にも収録されています。)


2024年2月6日(火) ASOUND 「Midnight Drive」

2024年、新しい風を運びつつ、懐かしさも感じさせるニューカマーです。

ASOUND『オリジナル』
(国内LP 完全生産限定盤 SEJL-67 3,850円税込)

ASOUND(アサウンド)は、東京・神奈川を拠点に活動している2020年結成の男女4人組バンド。
レゲエを基に、ソウル&ワールド・ミュージックをブレンドさせたサウンドがかっこいいですね。
その勢いは、1990年代のラヴ・タンバリンズや、ブレイク寸前のUAを彷彿とさせます。

今日のこの1曲は、グルーヴが心地良い「Midnight Drive」を。

なお、メンバーは女性シンガーARIWAに、Manaw(ドラマー)、Couta(キーボード)、Soma(ベース)の4人。
ARIWAは、ZELDAのSAYOKOの娘。ドラマーのManawは、トンコリ奏者OKIの息子だそうです。森 陽馬


2024年2月5日(月) 竹内まりや 「人生の扉」

「降雪の影響で本日の商品出荷が行えない状況」と、取引先各所から連絡が入りました。
そのため、2月7日発売新譜は通常ならば2月6日店頭に並びますが、2月7日以降の商品入荷となります。
楽しみにしていたお客様には大変申し訳ございませんが、ご了承くださいませ。

さて、竹内まりやさんが2007年に発表した名作『DENIM』のアナログ・レコードが4月24日発売決定しました。

<2024年4月24日発売>
竹内まりや『DENIM』
(国内LP2枚組 完全限定盤 WPJL-10198 5,500円税込)

2007年はRECORD STORE DAYもまだ開催されておらず、アナログ盤の発売自体が少ない時期でした。
この『DENIM』に関しても、発売当時は商品化されなかったため、今回が初アナログ・リリースです。

センチメンタル・シティ・ロマンスとのセッションが心を温めてくれる「シンクロニシティ(素敵な偶然)」、『マイ・フェア・レディ』の中で歌われている名曲の素敵なカヴァー「君住む街角」(On The Street Where You Live)、ピカデリー・サーカス「Never Cry Butterfly」の名カヴァー、シングル曲「スロー・ラヴ」「返信」等々、イイ曲揃いのアルバムですね。

特に「人生の扉」は、年を重ね、出逢いや別れを経験して、歌に込められた切実さをより感じるようになりました。

「満開の桜や色づく山の紅葉をこの先いったい何度見ることになるだろう。ひとつひとつ人生の扉を開けては感じるその重さ。ひとりひとり愛する人たちのために生きてゆきたいよ。」(「人生の扉」歌詞より)

アルバム・タイトルの『デニム』という言葉は、この歌詞の後に出てきます。森 陽馬

通販コーナーにて予約受付中。入荷枚数が限られますのでご予約はお早めに。


2024年2月4日(日) ジェイムス・ギャング 「ウォーク・アウェイ」

最近、ジョー・ウォルシュをよく聴いています。

ハードなギター・サウンドでガツン!ときながらも、ポップな感覚も持ち合わせた楽曲が彼の良さだと思います。

今日は彼がソロになる前のスリー・ピース・バンド、ジェイムス・ギャングでの1971年作品を。

ジェイムス・ギャング『サーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-79496 1,100円税込)

彼らの3枚目のアルバムから1曲目に入っているシングルとしてもスマッシュ・ヒッツとなった「ウォーク・アウェイ」!

幾重にもダビングされた躍動するギターに、まだ23歳のジョーの若々しいヴォーカルが乗り、独特のロック・グルーヴが迸っている曲です。

ジョーがソロになってから、そしてイーグルス時代にもずっと演奏している、ジョーにとっての大切な曲ですね。
このジェイムス・ギャングのヴァージョンがオリジナルということになりますね。森 勉



2024年2月3日(土) Boygenius 「Not Strong Enough」

第66回グラミー賞授賞式が2024年2月4日(日本時間2月5日)に開催されます。

主要部門の本命は、テイラー・スウィフトorシザでしょうか。
6部門にノミネートされているボーイジーニアスにも勢いを感じますね。

ということで、今日のこの1曲は、ボーイジーニアスの疾走感溢れるナンバー「Not Strong Enough」を。

ボーイジーニアス『The Record』
(国内CD 「Not Strong Enough」収録 ボーナス・トラック4曲追加 歌詞・対訳付 2,860円税込)

ボーイジーニアスは、ジュリアン・ベイカー、フィービー・プリジャーズ、ルーシー・ダッカスによる女性シンガー3人によるユニットで本作が1stフル・アルバム。2023年春に配信&輸入盤で出て、国内盤CDがこの度やっと発売されました。

♪ドラッグ・レースで峡谷を走り抜けていく。「Boys Don't Cry」を歌いながら♪
(Boygenius「Not Strong Enough」歌詞より)

「Boys Don't Cry」はThe Cureの1979年発表ナンバーですね。
曲名「Not Strong Enough」は、シェリル・クロウ「Strong Enough」(1993)からインスパイアされたそうで、ポップなメロディーもさることながら、その歌詞やルーツにも親近感が湧きました。

なお、今回のグラミー賞授賞式で、ジョニ・ミッチェルがパフォーマンスを行います。
(『Joni Mitchell At Newport』(
2023年7月30日今日のこの1曲で紹介)がフォーク部門にノミネート!)
楽しみですね。森 陽馬


2024年2月2日(金) 大滝詠一 「マルチスコープ」

2024年3月21日に発売する大滝詠一『EACH TIME』40周年盤のメディア向け試聴会が本日行われ、関係者・制作側のご厚意で参加させていただきました。

まず最初に、限定VOXセットのBlu-rayに収録される映像「EACH TIME THE MOVIE」が上映。
この『EACH TIME THE MOVIE』は、『EACH TIME』のジャケットを手掛けた河田久雄氏の様々なイラストを基に、名アニメーターの方が新たに手を加えてミックスされた映像作品です。
これが、大滝詠一の志していたドリーミーなポップスを見事に表現した素晴らしい映像で、本当に感動的でした。
試聴会では1回のみの上映でしたが、リリースされたら何度も繰り返して鑑賞したいですね。

続けて、完成したばかりという5.1chサラウンドMix音源の「マルチスコープ」、「1969年のドラッグレース」、「ペパーミント・ブルー」、「レイクサイド・ストーリー」、「魔法の瞳」がかかりました。
3~4分の曲の中に、多彩な音が魔法のように詰まっているのを再確認して、大滝さんが長い時間をかけ苦心し当時制作したことを痛感できました。

ちなみに、『EACH TIME』1984年オリジナル盤制作の際、河田久雄氏が最初にアルバム・ジャケット用に提案した幻のジャケット・イラストが
公式ページに公開されました。
40周年盤に同梱されるブックレットの表紙に使用されるそうです。森 陽馬


2024年2月1日(木) ℃-want you! 「コステロメガネ」

4月上旬に8年ぶりの来日公演を予定しているエルヴィス・コステロ&スティーヴ・ナイーヴ。
東京・大阪の3公演が即日ソールド・アウトとなっていましたが、4月12日(金)浅草公会堂での追加公演も発表されました
ね。

コステロの来日を楽しみにされているファンの方も要チェック♪
Magic,Drums&Loveのメンバーとしても活躍する女性シンガーソングライター℃-want you!(シー・ウォンチュ)による新曲7インチ・シングル、その名も「コステロメガネ」が雷音レコードからリリースされました

℃-want you!『コステロメガネ/Sugar Sugar』
(国内7インチ・アナログ RHION-35 1,760円税込)

本秀康さんイラストによる『Armed Forces』パロディ・ジャケもキュートな「コステロメガネ」は、コステロみたいな眼鏡をしたステージの彼に夢中!な女の子の抑えきれない恋心を歌った℃-want you!作詞・作曲による、とびきりキャッチーなナンバー♪
「Oliver's Army」の印象的なピアノのフレーズを織り交ぜた武藤星児さんのアレンジにも胸が躍ります。

モータウン・ポップなB面「Sugar Sugar」もとっても良い曲!
ガール・ポップお好きな方も必聴の1枚です。東尾沙紀


2024年1月31日(水) ベベウ・ジルベルト 「E PRECISO PERDOAR」(許してあげよう)

「思い出っていうのは過去のことですよね。でも、それが未来で待っている。」

これは、現在劇場公開されている
角野栄子さんのドキュメンタリー映画『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』で、角野栄子さんが語った言葉です。

『魔女の宅急便』の原作者で、童話の名作を多数手掛けている角野栄子さん。
2024年1月で89歳を迎えた彼女の話には含蓄があって、たくさんの気付きがありました。

映像も彼女の日常を追ったドキュメンタリーながら、とあるブラジル人と62年の時を経て再会する場面は、壮大な美しい物語を観ているようで感動しましたね。

今日紹介する曲は、映画とは直接関係ありませんが、ブラジル繋がりで選びました。

ベベウ・ジルベルト『ジョアン』
(国内仕様CD PIASR5165CDJ 2,860円税込)

ベベウ・ジルベルトが2019年に亡くなった父ジョアン・ジルベルトの歌をカヴァーした2023年発表アルバム。
Thomas Bartlettがプロデュースを手掛けたシンプルなボサノヴァ作ながら、味わい深い1枚です。
今日のこの1曲は、「許してあげよう」という意を持つ3曲目「E Preciso Perdoar」を。

ちなみに、角野栄子さんの娘リオ(名前の由来はブラジル!)は、母の作品を一度も読んだことがないそうです。
ベベウも父の曲を歌うことが少なかったのですが、リオさんも向き合う時がいつかくるかもしれませんね。森 陽馬


2024年1月30日(火) 角銅真実 「Carta de Obon」

2024年、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいましたね。
年始は新たな気持ちで、と一念発起していたものの、モヤモヤした感じで1月が終わろうとしています。

そんな心の曇りを、ゆらゆらと漂いながら解き放つようなアルバムが出ました。

角銅真実『Contact』
(国内CD UCCJ-2233 3,300円税込)

角銅真美は長崎出身で東京藝術大学卒の女性シンガー・ソングライター/打楽器奏者。
ceroのサポートや原田郁子とのくくく等でも活動している彼女の約4年ぶりとなるソロ・アルバムです。

バック・バンドは古川麦、秋田ゴールドマン、光永渉、巌裕美子。更に石若駿、Sam Amidon他も参加。
メキシコのヘラルド・バスガスが描き下ろしたジャケットのように、水に潜っている音表現が作中にありますが、通して聴くと、白昼夢に空の彼方へ昇華していくような気持ちにさせられる1枚です。

今日のこの1曲は、10曲目「Carta de Obon」を。
あの世へ旅立った人と“Contact”をとろうとする想いが伝わってきます。森 陽馬


2024年1月29日(月) マーゴ&マーヴェッツ 「ホエン・ラヴ・スリップス・アウェイ」

ACEレーベルのソングライター・シリーズが近年あまり出なくなっているのが、ちょっと淋しい感じです。

今年は色々出して欲しいですね。
希望としては・・・、
レス・リード、ピート・アンダース&ヴィニ・ポンシア、デニス・ランバート&ブライアン・ポッター、トニ・ワイン、ケニー・ギャンブル&レオン・ハフ、そして、2024年の新春放談で少し話題になったリック・ヘンあたりを出して欲しいな。それから、トム・ベル、ジミー・ウェッブ、テディ・ランダッツォ、ローラ・ニーロ、トニー・ハッチの続編にも期待したいです。

さて、少し前に出たものですが、極上の内容のジェリー・ロス作品集を今日は聴きたいと思います。

『Some Kinda Magic ~ The Songs Of Jerry Ross』
(輸入CD ACE Records CDTOP1475 20ページ英文ブックレット付)

ジェリー・ロスならではのソウル&ポップ・テイストがほどよくブレンドされた全24曲。名曲揃いです。
この中からどの曲を今日の1曲にするか。
ダスティ・スプリングフィールド「ミスター・ドリーム・マーチャント」にしようか、ジミー・ジェイムス&ヴァガボンズ「ヘルプ・ユアセルフ」にしようか迷いましたが、今日は北アイルランドのグループ、マーゴ&マーヴェッツが1967年にパイ・レーベルから出した「ホエン・ラヴ・スリップス・アウェイ」を。

ダスティ・スプリングフィールド似のリード・ヴォーカルの力強さと、メリハリのきいたドラム・ビートがなんともいい感じです。森 勉


2024年1月28日(日) Bobby Purify 「My Life To Live Forever」

2023年9月末に4年ぶりの来日公演を行ったダン・ペン&スプーナー・オールダム。
ホーム・コンサートのようなゆる~い雰囲気がいい感じで、80歳を超える2人が揃ってまた元気に来日してくれたことが嬉しかったです。
変わらずいぶし銀な歌声を聴かせてくれたダン・ペン関連のこんなアイテムが先日発売になりました。

Dan Penn『The Inside Track On Bobby Purify』
(国内CD LMCD231)

今作は、昨年LPで発売されたダン・ペン未発表デモ集『Unheard Demos』(
2023年5月24日の今日のこの1曲でご紹介しました)収録の10曲と、更にそのデモを基としたボビー・ピュリファイの2005年作『Better To Have It』がまるまる追加された全20曲入りのCDです。

ダン・ペンが作曲/プロデュースを手掛け、レジー・ヤング、スプーナー・オールダム、デヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソンなど名プレイヤーが集結しナッシュヴィルで録音された『Better To Have It』は嬉しい再発!
ごくごくシンプルなダン・ペンのデモ、味わい深く艶のあるボビー・ピュリファイによる完成版の両方を楽しめる1枚となっています。

ダン・ペン2022年のインタビューや楽曲に関するコメント、当時の写真などを掲載した16ページのブックレットも付いています。最近知ったのですが、このボビーさんは二代目だそうで、本名ベン・ムーア名義でも作品を残し、2022年8月にお亡くなりになっています。東尾沙紀


2024年1月27日(土) Marlena Shaw 「California Soul」

2024年1月19日に81歳で逝去した女性シンガー、マリーナ・ショウの楽曲を今週はよく聴きました。

彼女のアルバムでこの1枚、といったら、Blue Noteレーベルから1975年に発表した名盤『Who Is This Bitch, Anyway?』になると思いますが、Cadetレーベルからの1969年発表作『The Spice Of Life』もオススメです。

マリーナ・ショウ『The Spice Of Life』
(国内CD 解説・歌詞付 UCCU-6386 1,650円税込)

1969年はマーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺され、公民権運動が過熱していた時期。
マリーナ・ショウ自身が書いた「Woman Of The Ghetto」やビリー・テイラー作「I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free)」等、社会的な内容の歌があるものの、リチャード・エヴァンス&チャールズ・ステップニーが手掛けた編曲はソウルフルかつポップで聴きやすいアレンジになっています。

特に、アシュフォード&シンプソン作の「California Soul」がいいですね。
オリジナルはThe Messengers(1967)で、フィフス・ディメンションやマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルも歌っていますが、マリーナ・ショウのヴァージョンはビッグバンドのアレンジが素晴らしくて、何時聴いても心が高揚します。森 陽馬



2024年1月26日(金) ピエール・バルー 「Samba Saravah」

ウッディ・アレン監督映画『サン・セバスチャンへ、ようこそ』(原題:Rifkin's festival)を新宿ピカデリーにて鑑賞。

スペインのサン・セバスチャン映画祭を舞台にした、ウッディ・アレン監督らしさ全開のロマンス・コメディ映画。
『男と女』、『勝手にしやがれ』、『突然炎のごとく』等、ヨーロッパ映画の古い名作をオマージュした場面が所々に出てきて、監督の映画愛(&社会的テーマの作品に対する皮肉も?)を感じ、とても楽しめました。

なお、本作後の2023年、アレン監督はフランスで全編撮影した新作映画『Coup De Chance』を製作しています。
日本でもいつか上映されるといいですね。

今日のこの1曲は、フランシス・レイが音楽を手掛けた映画『男と女』のサントラ盤から。
(国内CD 「Samba Saravah」収録 COCB-54193 2,037円税込)

なお、1月24日の今日のこの1曲で紹介した高橋幸宏「Saravah!」のタイトルは、幸宏さんが中学生時代に18回も映画館へ通った大好きな映画『男と女』の中で、ピエール・バルーが唄う曲「Samba Saravah」から取られています。森 陽馬


2024年1月25日(木) 休みの国 「第五氷河期」

2023年6月21日から、URCレコードの音源がソニー・ミュージックより発売になっています。
11月に発売されたボーナス・トラック入りのはっぴいえんどのCDはここでも紹介しましたが、その他の僕の好きな盤を遅ればせながらいくつか紹介しておきたいと思います。

今日はまず<休みの国>から。

休みの国『休みの国』
(国内CD MHCL-30896 2,000円税込)

休みの国は高橋照幸のひとりユニット。
URCレコードが<アングラ・レコード・クラブ>という会員制でレコードを配布していた1969年6月に、『岡林信康リサイタル』とのカップリングで発売されたのが最初でした。
その時は片面だけなので、現CDの中の7曲だけの収録でしたが、1972年7月に単独でLP化されたのがこのCDです。

高橋照幸の素朴な歌声と彼の作るメッセージ性の強い歌詞が、妙なバランスで耳に入ってきて、いかにも1970年代初頭のURCレコードならではの味をかみしめたくなります。
バックには、当時のジャックスのメンバー、早川義夫、谷野ひとし、木田高介、角田ひろが参加しています。

今日の1曲は、1曲目の「第五氷河期」を。
六角精児『人は人を救えない』でカヴァーされた「追放の歌」のオリジナル・ヴァージョンも入っています。森 勉



2024年1月24日(水) 高橋ユキヒロ 「Elastic Dummy」

高橋幸宏のライヴ映像作品『YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE 2018 SARAVAH SARAVAH!』を、109シネマズ・プレミアム新宿にて鑑賞。

高橋幸宏さんが1978年に発表した1stソロ・アルバム『サラヴァ!』。
2018年にはヴォーカルのみを新録音した『SARAVAH SARAVAH!』を発売し、同年11月24日東京国際フォーラムCにて、全曲再現するコンサートを一夜限りで行いました。

今回は、その映像をより高音質に調整し、高橋幸宏さんが居を構えていた軽井沢での日々を捉えた映像も追加。坂本龍一が音響監修を手掛けた映画館<109シネマズ・プレミアム新宿>にて期間限定上映しています。

2018年コンサートのメンバーは、佐橋佳幸、Dr.kyon、林立夫、矢口博康、有賀啓雄、斎藤有太、ゴンドウトモヒコ、藤井珠緒、重住ひろこ、岡村玄、ツヤトモヒコ。更に、細野晴臣さんもゲスト参加。
卓越した演奏&歌がくっきりと立体的に伝わる音響が凄かったですね。
実際のライヴとはまた違った、素晴らしい映画音響体験ができて良かったです。

今日のこの1曲は、最高にグルーヴィーなナンバー「Elastic Dummy」を。
この曲での、高橋幸宏と林立夫によるダブル・ドラムが最高にかっこよかったなぁ。

なお、109シネマズ・プレミアム新宿は、一般料金4,500円(S席は6,000円)で完全キャッシュレス決済。
高めな値段設定ですが音響最高! ドリンク&ポップコーンは無料。座席は広くてとても快適でした。
映画&音楽に没頭したい作品があれば、またここで観てみたいな、と感じましたね。森 陽馬

★掲載ジャケットは、高橋ユキヒロ『SARAVAH!』
(国内CD KICS-3743 2,530円税込)


2024年1月23日(火) 秘密のミーニーズ 「午前0時2分」

1970年代米国ウエスト・コースト・サウンドへの音楽愛を、日本で表現している現在進行形ロック・バンド、<秘密のミーニーズ>の2024年発表新作アルバムが本日入荷しました。

秘密のミーニーズ『Our new town』
(国内CD HYCA-8066 2,750円税込)

2021年発表作『down in the valley』(
2021年6月22日今日のこの1曲紹介)で、女性シンガーの菅野みち子が活動休止しましたが、オリジナル・メンバーだった淡路遼が再加入し、女性シンガーmayugenがサポートで参加。
渡辺たもつを中心に“令和のはちみつぱい”と評される、より結束したバンド・サウンドを響かす1枚になりました。

今日のこの1曲は、2曲目「午前0時2分」を。
♪今夜風が止んだなら 月明かりを纏って 好きな曲かけて出かけましょう♪(「午前0時2分」歌詞より)

月夜の0時頃、静かになった街を抜け、どこかへ彷徨いたくなるナンバー。
後半のコーラスからアウトロの演奏が、黄昏れた余韻を残しますね。

なお、当店にてお買い上げの方には、特典CDRを先着でプレゼント!
PET SOUNDS RECORDオリジナル特典CDRには以下が収録されています。
1.「午前0時2分」ライヴ音源 Recorded At 下北沢440(2023年11月11日)
2.「さすらい人」(レコーディング未発表テイク)

更に、毛塚了一郎氏が手掛けたジャケット・イラストの四角マグネットも差し上げてます。森 陽馬


2024年1月22日(月) Paul Weller 「Glad Times (Soul Steppers)」(Remixed Boogie Back)

ポール・ウェラーの6年ぶりの来日がいよいよ今週末に迫り、気持ちが早くもソワソワしてまいりました。
初日1月26日大阪~2月4日東京の5都市全6公演をまわるツアーで、うち4公演はソールド・アウト!

待望の来日を祝してこんなCDが先週発売されました。

ポール・ウェラー『ファット・ポップ・エクストラ』
(国内CD 歌詞・対訳付 UICY-16208 2,750円税込)

今作は、2021年発表のソロ16作目『ファット・ポップ』海外盤デラックス・エディション(CD3枚組)のディスク3に収録されていた本編未収録のボーナス6曲と、ペット・ショップ・ボーイズ、ストーン・ファンデーション他による配信限定リミックス・バージョン8曲(初CD化)で構成された日本独自企画盤です。

海外盤をすでにお持ちだという方も歌詞対訳が本作に付いていますし、配信曲がこうやってカタチになりまとめて聴けるのもありがたいですね。

本日は『ファット・ポップ』楽曲のリミックスの中から激推し曲!
Boogie Backリミックスによる「Glad Times (Soul Steppers)」を今日の1曲に。

ガリアーノをはじめ様々なセッションで活躍してきた黒人ベーシスト/Boogie Back Records主宰Earnie McKoneが、ソウル~AORテイストに仕上げた素晴らしいバージョン♪ 原曲の良さを一層引き出してくれたアレンジに大拍手です。
ウェラー・ファンじゃない方にも是非聴いていただきたい1曲です。東尾沙紀


2024年1月21日(日) ルラル 「ねぇ、ダーリン!!」

ルラル「ねぇ、ダーリン!!」が、アメリカのネット・ラジオでかかりました!

David Poonakさんのラジオ番組『The Nice Age』、2023年1月19日の放送で19分後くらいにON AIR!
(上記サイトのPODCASTSから、番組『The Nice Age』を聴くことができます。)

アメリカン・ポップスの夢を追い続けたルラルの音源が、ラジオを通じてアメリカ人の耳に...。
曲紹介でPET SOUNDS RECORDの言葉も出てきましたね。うれしいなぁ。
Davidさんがルラルのレコードを手にする橋渡しをしてくれたCHIKAさん、ありがとうございました!

ルラル『ねぇ、ダーリン!!/夢みがちクローバー』
(国内7インチ・アナログ+4曲入CD PET-001 1,980円税込)

ちなみに、そのラジオでルラルの次にかかったレモン・ツイッグスの新曲「My Golden Years」が、ビーチ・ボーイズっぽくて、これまた最高でしたね。
2023年ベストに選出した『Everything Harmony』は素晴らしいアルバムでしたが、次作も楽しみになりました。森 陽馬


2024年1月20日(土) マンハッタン・トランスファー 「バードランド」

1970年代~1980年代のアメリカのヒット・チャートは、実にさまざまな音楽ジャンルの面白さがギュッと詰まったものでした。(それ以前の1960年代もそうでしたが・・・)

例えば、マンハッタン・トランスファーのLPがアルバム・チャートで話題になったり、シングルが全米チャートでヒットしたりした時期がありました。
コーラス好きやドゥワップ・ファンは大拍手でしたね。

ということで、今日はマンハッタン・トランスファーの名作アルバムを。

マンハッタン・トランスファー『エクステンションズ』
(国内CD 解説・歌詞付 UCCO-5631 1,650円税込)

長らく生産中止になっていた1979年発表の名作が、2023年11月に再発されました。

デヴィッド・フォスター、マイケル・オマーティアン、ジェフ・ポーカロ、そしてプロデューサーとしてもクレジットされているジェイ・グレイドンが奏でる見事な演奏に乗って、ティム・ハウザー、ジャニス・シーゲル、アラン・ポール、シェリル・ベンティーンのヴォーカル・ハーモニーが自由奔放に泳いでいます。

今日の1曲は、トップに収録されている「バードランド」を。
ウェザー・リポート1977年の名曲が、スリリングなヴォーカル曲に仕上がっています。森 勉



2024年1月19日(金) John Scofield 「Old Man」(ニール・ヤングカヴァー)

音楽ライターの天辰保文さんが運営しているWEBサイトに、<私の、僕のbest3 2023年>が公開されました。

天辰保文さんとサイト読者の方々によるベスト3が紹介された毎年恒例の企画ページです。
「こんなアルバムも出ていたんだ」と新しい発見があったり、「様々な想いを抱えながら、みんな音楽を聴いているのだな」と感じて、興味深く拝見しました。

そのページの一番下、天辰保文さんが2023年ベスト3にこのアルバムを挙げています。

ジョン・スコフィールド『Uncle John's Band』
(国内2枚組CD UCCE-1201 日本語解説・本人よる曲解説翻訳付 3,960円税込)

ジャズ・ギタリストのジョン・スコフィールドが、2023年10月に発表したECMレーベルからの3作目。
ヴィンセンテ・アーチャー(ベース)、ビル・スチュワート(ドラムス)とのトリオ編成で2022年8月に録音。
タイトルはグレイトフル・デッドの曲名「Uncle John's Band」(1970年発表作『Workingman's Dead』収録曲)から取られており、本作のディスク2最後にそのカヴァーも収録されています。

今日のこの1曲は、ニール・ヤングのカヴァー「Old Man」を。

<昔から好きだったニール・ヤングのヒット曲は、今でこそ、より共感できる。彼のオリジナルの6小節のイントロ・パターンを引き伸ばし、ソロを乗せている。>(ジョン・スコフィールドの曲解説より)

ジョン・スコらしい、自由奔放のようでクールかつ理知的なギタープレイに“JAZZ”を感じますね。森 陽馬


2024年1月18日(木) Eilen Jewell 「Breakaway」

アーマ・トーマスが歌う「ブレイカウェイ」が発表されて2024年で60年になるそうです。

作者であるジャッキー・デシャノン自身が歌ったものをはじめ、様々なアーティストがカヴァーしていますが、やはりトレイシー・ウルマンのバージョンが一番有名でしょうか。
最近ではアメリカの女性シンガーソングライター、イーリン・ジュエルが4年ぶりにリリースした2023年最新作でこの曲を取り上げています。

イーリン・ジュエル『ゲット・ビハインド・ザ・ホイール』
(輸入国内仕様CD 解説付 BSMF-6237 2,750円税込)

元夫でドラマーのJason Beek、ギターJerry Miller(モビー・グレープ)、アップライト・ベースMatt Murphy、ペダル・スティールFats Caplin、今作のプロデュースも手掛けるWill Kimbroughらが集った9枚目も、ルーツ・ロックに根差したブルージーで深みのある作品。

「ブレイカウェイ」原曲の弾むようなアレンジも好きですが、テンポを落とし、レイドバックした味わいある彼女のバージョンもとても良い雰囲気です。(終盤のギターアレンジが印象的です。)
この曲の他、ヴァン・モリソン作/ゼムの「Could You Would You」のかっこいいカヴァーも。Steve Fultonのオルガンが効いています。東尾沙紀


2024年1月17日(水) CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN 「15 Eunomia」

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。
チョコパコチョコキンキン、これがバンド名です。

・細野悠太(細野晴臣の孫、ベース)
・Daido(作曲/映像)
・So(サウンドエンジニア/DJ)
メンバー3人を中心とした本バンドの1stアルバムが発売されました。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN『tradition』
(国内CD CCPQ-2 2,500円税込/国内LP CCPQ-1 4,400円税込)

ここではない何処か。今ではない何時か。
そんな不思議な力を持った音像が、ジャンルを越えて響いてくる音楽です。

今日のこの1曲は、グルーヴィーな4曲目「15 Eunomia」。
現代の空気を震わす、新しい息吹を感じて、久々に心がワクワクしました。

ちなみに、CDのレーベル面にはかわいいイラストが描かれています。森 陽馬


2024年1月16日(火) The Pen Friend Club 「Darlin'」

平川雄一を中心としたバンド、The Pen Friend Clubの新アイテムが本日入荷しました。

新しい女性シンガーNiinaを迎えての新体制でレコーディングされたビーチ・ボーイズ「Darlin'」と、山下達郎「土曜日の恋人」のカヴァーをカップリングした限定7インチ・レコードです。

The Pen Friend Club『Darlin'/土曜日の恋人』
(7inchアナログ・レコード JS7S391 2,090円税込)

The Pen Friend Clubは、「Darlin'」を2014年発表1stアルバム『Sound Of The Pen Friend Club』で、「土曜日の恋人」を2016年発表3rdアルバム『Season Of The Pen Friend Club』ですでにカヴァーしていました。

今回はどちらも再レコーディング。基本的なアレンジはほぼ同じながら、「Darlin'」は「I Keep Thinkin' bout My Darlin'」の歌詞を曲後半に付け足して歌っているこだわりのヴァージョンで再録音しています。

そういえば、2023年12月11日に亡くなったジェフリー・フォスケットの2015年来日公演で、The Pen Friend Clubと共演したことがありました。あれからもう8年以上が経つのですね。森 陽馬


2024年1月15日(月) Tamas Wells 「To My Love」

1/14(日)放送されたラジオ『サンデー・ソングブック』新春放談。
山下達郎さんと宮治淳一さんの超マニアックな選曲&トーク、面白かったですね。

知らない曲&レーベルの連発!
オーストラリアには未知のイイ音楽がまだまだたくさんありそうです。

さて、オーストラリアの現行アーティストの新作を今日は紹介しましょう。
メルボルン在住オーストラリア人男性シンガー・ソングライター、タマス・ウェルズ。
2017年作『The Plantation』以来となる約6年ぶりのアルバム『To Drink Up The Sea』を2023年末に発表しました。

タマス・ウェルズ『To Drink Up The Sea』
(国内仕様CD 解説・歌詞・対訳付 LIIP-1555 2,640円税込)

“ニック・ドレイク meets シガー・ロス”という表現もされていますが、自らの声の重ね方やアコースティック・ギター&ピアノのダウナーな雰囲気は、エリオット・スミスorスフィアン・スティーヴンス的な空気を僕は感じました。
実際に、前作から6年の間に父親を亡くしたそうで、死生観が反映されたのかもしれません。

ソフト・ロックなメロディの①「It Shakes The Living Daylights From You」や、ネオアコ・ポップな③「Every Other Day」もオススメですが、今日のこの1曲は、夜遅くに1人でじっくり聴きたい⑩「To My Love」を。森 陽馬



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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