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『生きられた障害――障害のある人が、妊娠、出生前検査、親や子どもについて、語ったこと』
『生きられた障害――障害のある人が、妊娠、出生前検査、親や子どもについて、語ったこと』
二階堂祐子[著]

「障害」のある女性は、妊娠や出産、自分の親や、出生前検査について、何を思ってきたのだろうか。「障害」のある男性は、パートナーの妊娠や出産に何を思っただろうか。また、「障害」のある彼ら彼女らは、胎児の「障害」や「疾病」を「知る」ための医療技術を使える社会について、どのように考えているのだろうか。一人ひとりの語りに耳を澄ませ、共に考える。
『国家をもたぬよう社会は努めてきた——クラストルは語る』
『国家をもたぬよう社会は努めてきた——クラストルは語る』
ピエール・クラストル[著]
酒井隆史[訳]

「国家なき社会」は、なぜ「国家なき社会」なのか。それは、その社会が「国家に抗する社会」だからである。その社会が、国家を忌〔い〕み嫌い、祓い〔はらい〕のけてきたからである。本書は、クラストルへのインタビューを通じて、彼の著作が人文社会科学全般にもたらした強烈なインパクトを紹介している。クラストルの人類学を知りたい人のための入門書である。
荷を引く獣
『荷を引く獣たち――動物の解放と障害者の解放』
スナウラ・テイラー[著]
今津有梨[訳]

もし動物と障害者の抑圧がもつれあっているのなら、もし健常者を中心とする制度と人間を中心とする倫理がつながっているのなら、解放への道のりもまた、交差しているのではないか。
壊れやすく、依存的なわたしたち動物は、ぎこちなく、不完全に、互いに互いの世話をみる。本書はそのような未来への招待状である。アメリカン・ブック・アワード(2018年度)受賞作品!
不妊、当事者の経験 日本におけるその変化20年
『不妊、当事者の経験
 ―― 日本におけるその変化20年』
竹田恵子[著]

多くの人は、不妊治療を始めるとなると、戸惑い、不安、焦りなどの、重い感情を経験します。このような経験は、不妊治療が普及していったこの20年間で、どのように変化していったのでしょうか。この本は、一人ひとりの当事者へのインタビュー調査をもとに、日本の家族形成、仕事環境、インターネット利用、公的支援も視野に入れ、当事者が編み出す、不妊治療への対処法を明らかにしています。