水洗い・ドライクリーニング
前回作成したタイルパターン生成システムに少し変更を加え、模様にランダムで色が付くようにした。生成されたパターンの中から適当に何種類かを選び出して、実際にタイルとして空間に並べてみた様をシミュレートしてみた。
単一のプログラムから作られたにしては、わりあい幅のあるバリエーションを作ることができたかなと思う…。こういうデザインを考える際に、ゼロベースからひたすらバリエーションを考えていくのではなく、最初は自動生成で100個でも1000個でもパターンを作り、その中から良さそうなものを選んでいき、それをブラッシュアップしていくというスタイルはなかなか面白い。時間の短縮になるだけでなく、自分で発想できない組み合わせや配色が得られるので、発想が展開しやすくなる。自分の手癖から少し抜け出せる…。何よりモチベーションが持続する。バリエーションをひたすらスタディしていくというのは体力を要するから…。
ちなみにこれらのパターンは、単なる抽象図形以外の要素も入れていくともう少し面白くなるかもしれない。このままだと少し退屈だ。
ホッカイロ
このブログのコメント欄のアイコンにも使用しているidenticon、およびjared tarbellのNine Blockあたりの幾何学的パターン生成技法とカッサンドルの作った書体Bifurのオーナメント(活版印刷時代の飾り枠)パターンあたりから着想を得て、自動オーナメント生成プログラムを作った。いくつかの基本モジュールとなる図形をデザインして、それらをランダムに選び出し、規則的に並べていくことでパターンを作り、それを四角く配置していくことでオーナメントが出来上がる。
手作業でやっていたら死ぬような作業だが、例によってプログラムを組めば一発で多様なパターンを生成することが出来る。例えば上記の画像のように、ネームカードなどを作るときに一枚一枚すべて違ったデザインにすることが簡単にできるようになる。単純な仕組みだが、「一品モノの大量生産」という、Computer-Aided-manufacturingならではの一例となると思う…。(特に意味ないが、サンプル画像にはバウハウス関連の人々の名前を記載してみた)
カッサンドルの作った書体Bifurのオーナメント部分の見本帳…
ピザ屋
毛がうねるような画像を作ってみた。毛らしきものの太さや長さが一定のせいか、どうも平面的なイメージになってしまっている…プログラムによる描画は、中途半端にアナログな表現を入れると急にちゃちなものになる…。やはり面白いと感じるものは、前にも描いたがHectorやFacade Printerのような、アナログな質感なのにもの凄くデジタルなプロセスを感じるものなので、これは違うか…。
ちなみに上記の画像群はPollockやKandinsky、Kleeらの絵画から色を自動的に抽出している。
デジタルデータ化されていると、巨匠の作品も一瞬でカラーパレットにして転用できてしまう。絵画を絵の具にさらに別なイメージを作るというプロセスが面白く感じる。