好奇心の轍

脳・心・人工知能といった、よくわからんものを研究するふりをしながら、日々と人生についてつらつらと考えている「たっきー」のブログです。
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2007/04/12 (Thu) 腸重積その2

[育児] 腸重積その2

腸閉塞の中でも腸重積というのは、腸管がそのさきの腸管の中に入り込んじゃうというタイプで、大人もなることがあるが、実は2歳以下の幼児に多いらしい。ともかく腸の一部が詰まっているので、痛いし、食べ物が入っていかない。放っておくと、ぜん動運動でどんどん重積がひどくなるし、1日以上経つと腸の組織が壊死を起こし始める。最悪の場合は死んでしまうこともある、ともかくたいへんな病気なのです。

しかし、ものの本を見ると、「腸重積はともかく死ぬほど痛い。5分ぐらいおきに火のついたように泣く。嘔吐もひどく、血便も出る」という感じだが、痛いとも言わないし、血便もないのだけど…。じっくりエコーを取ってもらわなければ、もっとひどくなるまでわからないところでした。しっかり診察してもらえて本当にありがたい。

で、腸重積とわかったら治療をするわけだが、何をするかというと、腸をゆるめる薬を点滴した後、高圧浣腸をかけることで押し戻す。…なんと原始的な。ただし、めくらめっぽうに浣腸していてはトラブルがあったときに大変なので、造影剤を入れてX線で透視しながら浣腸する。なので、小児外科がある大きい病院じゃないと処置できないのだ。

幸いこの病院では処置できるので、「外科のスタッフ5人ぐらいでやりますから。お父様、お母様は外に出ていてください」ということで、あとはすべてをまかせて外に出る。でもドアの隙間から絶叫がきこえてくる…。つらいよなー。がんばれー…。10分ぐらいで終わり、運び出されてきたが、もう怒る気力もないような様子で、本当にかわいそう。よくがんばったね、とほめてあげる。

腸重積は再発の可能性が高く、直してすぐに再発というパターンもあるので、一応1日ぐらいは様子を見るということで、一晩入院ということになった。姫の初入院である。できることなら付き添いたいが、面会時間は9時までなので、その後は姫を一人残して帰らなければならない。

点滴をつけたまま 病棟に連れて行くと、すでに連絡が来ているようで (当たり前) ベッドに入院セットが一式準備してあったのだが、そのなかに子供用の拘束具が備え付けてあり、びっくり。

「お子様の安全のために拘束させていただきますが、よろしいですか?」とナースが言う。妻は「今は、私がついているので、抑制は最小限でお願いします」といい、即答。そうだよね、かわいそうだよね。しかしそのあとも、別のナースが来るたびに、「拘束具をつけていいですか」といってくるが、妻は「拘束は最小限にしたいので、いまはしなくていいです」と言って追い返していた。その後、しばらくして身体拘束の承諾書を持ってきたナースにサインを迫られる。

ナース「点滴を抜いたりすると危ないので、夜間は抑制させていただきます」

妻「これまでもそうでしたが、話せばちゃんとわかる子です。抜かないでといえば、勝手に点滴を抜いたりすることはありません。点滴の自己抜去だけの理由で拘束するのであれば、固定の仕方など工夫してみませんか?本人に刺入部が見えないように包帯で覆うとか、ルートを見えないように服の下に通すとか・・・。たぶん、拘束されるほうが暴れると思うんですよ。泣き叫んでよけい大変になると思います。」

ナース「包帯で覆ったら刺入部の観察ができなくなるからダメです!」

妻「それだったら、観察するときは、包帯を少しずらせば、いいだけのことでしょう」

ナース「じゃあ、点滴抜いたらどうしてくれるんですか!」

妻「その時点で、点滴の必要性を評価して、もういちど点滴を入れるか、そのままはずすか決めていただければいいです。」

承諾書がとれなくて苛立ち始めているナースに妻がとどめの一言。

妻「ここは、完全看護なのですよね。だったら、だれでもすぐに拘束ではなく、まず状況を評価してからにしてください。どうしても拘束が必要だというなら、してもかまいませんが、そのときは、本当に必要な状態かどうか15分おきに拘束の必要性を再評価してください。ともかく私は、そうしてくれない限り、この承諾書にサインすることはできません」

いや、ここまでナースにいわれたら、普通の親だったらあきらめてサインするよ。現に周りの子供はほとんど体も手も縛られてるよ。おしゃぶりだって、とれないようにテープで貼り付けられてる・・・。これだけ言い返せるというのは、かっこいい〜と妻を見る目がハートになっていると、ナースはしばらく上のほうと相談していたが、戻ってきて

ナース「それでは、付き添いしますか?寝る場所は椅子になりますけど」

とのこと。いや、もとから付き添いたかったのでうれしいです。でも、昨日から二人ともほとんど寝ていないので、僕と妻の交代で夜の付き添いをすることにする。

長くなってしまったのでさらにつづく。

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numsdapqbo [htOKoIGVrejdvFnR]

cwvagtlxrr [eMCGcunBvnOc]

みっとさん [牧野さんのお子さん、頭がいいんですね〜。]


2007/04/08 (Sun) 腸重積!!

[育児] 腸重積!!

何か最近は姫の病気ブログと化している気がするが…大病ばっかりするんだもーん。

2日 (月曜) の夜中の3時半ごろ、姫が急にげぼーっと吐いたのでびっくりして飛び起きる。前の日カレー食べさせすぎかなぁなどと思い、汚れた服を着替えさせたりして、寝かかった頃に、またげぼーっ。

2回も吐くなんて普通じゃないし、前の日に食べたにんじんとかが7時間とかたってるのに未消化で出てくるのはどういうわけか。ともかくかわいそうなのでまた寝せるが、その後も20〜30分おきに嘔吐を繰り返す。痛いところは、と聞くと右のわきのあたりを指すが、それほどいたくはなさそう。熱もないし。だんだん吐くものがなくなってきて胃液風のものが出てくる。

とりあえずぐぐって、熱がない幼児の嘔吐を調べると、周期性嘔吐症 (別名、自家中毒orアセトン血性嘔吐症) か虫垂炎あたり、もしかしたら脳腫瘍、という程度。もし虫垂炎なら一刻を争うし、ともかく嘔吐がとまらないので、とりあえず医者にかかろうと決めたのが朝の7時ごろ。

ちょっと遠いが大きな小児病院の救急にかかろうかと電話したが、今来るよりは通常の診察枠で来たほうがいいといわれる。ただし、予約優先なのでまたされますよ、とおどされる。

しょうがないので近所の、でも前回の小児科はいやなので小さめな総合病院をチョイスしてつれていった。それも朝一番に診察を受けられるように一度僕だけでいって初診の手続きをして、また家に戻って9時ぎりぎりに子供をつれてくる。

…が、なんかおかしい。がらがらなのだ。小児科が、月曜の朝一番で、しかも春休み中でこの状況は信じがたい。いやーな予感がしつつ、呼ばれるのを待つ…が、呼ばれない…。どうやら先生が来ていないらしい。結局30分以上遅れて登場 (--; ほんとに総合病院なのか (^^;

やってきた医者は40代後半。とりあえず聴診器で音を聞いて、のどを見て、「とりあえずX線を取って…、それと、点滴と吐き気止めをいれましょうか」という感じ。

妻「点滴と吐き気止めで様子みていいものなのですね。最近X線とったばかりなのですが、どうしても必要というわけではないのなら、やめたい気持ちはありますが」

医者「それなら、点滴と吐き気止めだけにしておきましょうかね」

僕「本人が右のわきが痛いというのですが、虫垂炎という可能性はありますか」

医者「虫垂炎?…は、そうですね…まぁ、ありえますね。子供の虫垂炎はわかりにくいことが多いんで、難しいんですけどね…」

僕「僕が子供の頃自家中毒をやっているのですが、その可能性は」

医者「自家中毒?…ですか。そうですねぇ、子供だと自家中毒ということもあるかもしれませんね…」

僕「もしX線を取ったら、そういうことが調べられるのですか」

医者「X線だと、ちょっとわからないですねぇ。エコーをとれば虫垂炎はわかると思いますが、この病院、エコーの技師が大人しかできないから…」

妻「イレウス (腸閉塞) の可能性はどうですか」

医者「イレウスも…、あるかもしれませんねぇ…」

妻「いちどひきつけを起こしたりしているのですが、脳の問題で吐き気がでている可能性は」

医者「まぁ…、そういうこともありますね…」

妻「結局、嘔吐の原因は、何の可能性があると考えられるのでしょうか?」

医者「えー、まぁ、子供というのはいろいろな原因で吐くものですから…、なんとも言えないですが…」

つーか、まったく原因の鑑別ができてないじゃないですか。あなたは聴診器で何を聞いたのですか。原因の可能性を挙げるたびに考え込むってことは、言われるまでなんにも考えてなかったってことでしょう。

そのうちに医者のほうが、こうるさい親とかかわりたくないと思ったらしく、

医者「虫垂炎とかが心配でしたら、紹介状を書きますから、大きい病院にいきますか?」

といわれたのが最初に電話した病院…。だからそこは、予約なしだと待たされるというのに。

そんな話をしている間にも吐いたりしてかわいそうなのだが、このままたらいまわしにされるくらいなら、最初から電話した病院にいけばよかったよ。さんざん待たされたあげくに点滴と吐き気止めだったらどうしよう…という不安のもと、かなり強引に転送を承諾させられる。病院がガラ空きの理由を心の底から納得しつつ、結局何も処置してもらえなかった姫を連れて、大きい病院へ。結局11時を過ぎてしまった。

そこでは、診察一番

「とりあえずX線とエコーを取りましょう」

しかし、さすが大きい小児専門病院、X線撮影は暴れても確実に撮影できるよう、ネットで固定してさっと撮影。エコー室には各種ビデオがとりそろえられていて、アンパンマンなど見せながら20分以上かけてじっくりとエコーをチェック。

その結果、「腸重積です」との診断が下されたのでした。

長くなりすぎたのでつづく。ちなみに今はだいぶ元気になっています。

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たっきー [みなさんありがとうございます。 引っ越したばかりで、いい医者がみつからないんですよ〜。 ちょっとでも評判のいいところ..]

n 06 [牧野先生の家が大変だったみたいだよと息子がいうのでお邪魔しました。おひさしぶりです。姫さま大変な目に遭われましたね。..]

たっきー [O6さん、ありがとうございます。きっと使い物にならない医者がどっかの医局から飛ばされてきたんじゃないかという感じです..]


2007/03/07 (Wed)

[生活][健康] 骨折り損なその後

RSウイルスの迅速診断キットは、2歳以下の幼児が入院する場合にしか保険適用にならないらしい。件の町医者にないというのは納得だが、それなら電話で教えろよー。

で、処方された薬が、フロモックス (抗生物質)、ミノマイシン (別の系統の抗生物質)、カロナール (解熱剤:アセトアミノフェン)、鎮咳剤・整腸剤etc.のミックス、という4種類。ぜんぶ粉薬でだされるし、「フロモックスとミノマイシンは拮抗するから、2時間あけて交互に飲め」とかいって、子供に薬を一回のませるだけでも大変なんだぞー。

抗生物質は、前者が一般の風邪用、後者はRSウイルスを弱らせる効果もある、という医者の話だったのだが、妻が「抗生物質2種類の処方なんて聞いたことないというので (確かに)、ぐぐってみると、RSウイルスにミノマイシンが聞くなんていう話はどこにも出てこない。ミノマイシンが効くのはマイコプラズマ肺炎の場合。そもそもそんな診断ではなかったし、一般的にマイコプラズマ感染症は小さい幼児では症状が軽く、年長さんぐらいから重症になるという。まだ1歳9か月の姫がマイコプラズマでこれだけ高熱になるとはちょっと疑いにくい (長期化するなら調べる価値はあるが)。さらに、8歳以下の子供の場合、ミノマイシンには歯牙着色 (歯が黄ばむことがある。一生消えない) の副作用があるため、マイコプラズマとわかった場合でも第一選択では使わないらしい。おいおい、なんつー薬を処方するのだ。あやうく飲ませそうだったじゃねーか。

というわけで本当に骨折り損だったことが確定。いまどき医者でなくてもこれだけ調べられるのに、いいかげんなことしないでほしい・・・。まあいいけど。二度といかないから。

姫の熱は、昨日からだいぶ下がってきたが、気管支をかなり傷めたらしく、せきがひどい。かわいそうに・・・。

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あまてらす [姫ちゃんの病気が一日もはやく回復することをお祈りいたします。]


2007/03/05 (Mon) 骨折り損な一日

[日常][育児] 骨折り損な一日

金曜日から姫が熱を出した。ひさびさの発熱であるが、とりあえず様子を見ていると夕方からぐんぐん熱が上がり、38.7℃に。土曜の朝は熱が下がったものの、夕方には39.1℃。日曜の朝も37.5度ぐらいだったが、夕方にはついに40.1℃。でもそんな熱の割りに元気なので、以前もらっていたけいれん止めの座薬だけで様子を見ていた。

で、今朝も38.3℃ぐらい熱があったので、保育園に休みの連絡を入れると、「同じクラスの子で、RSウイルスに感染して1週間熱が下がらず、肺炎になって入院した子がいる。発熱のパターンも似ているし、同じウイルスがうつったのではないか」とのこと。

なんですかRSウイルスって。聞いたことない。ぐぐってみると、風邪症状のウイルスの中でも小児は重症化しやすいというけっこうたちの悪いやつであることが判明。まあ、治療法としては対症療法しかないらしいのだが、それでも肺炎になるようでは困るし、鼻汁で簡易検査できるらしいので、とりあえず医者に行くことに、

で、今日の午前中に、ぼくもつきそって保育園の人のおすすめの病院にいった。病院に親1人でいくと、待合室でもっと重症な病気をうつされるのではないかと心配になるが、親2人だと1人が中で順番待ち、1人が外とか菌の少ないところで子供をキープできるので、楽なのだ。

しかし、やたら待たされる。3人しか待っていなかったはずなのに、1時間以上まちぼうけというのはどういうわけかわからん。外は暖かいが、嵐が近づいているようで、風が少しずつ強くなってきている。

ようやく順番が来て診察へ。上のような事情を話すと

「なんで熱が出た段階ですぐ病院つれていかなかったんですか? どうして?」

どうして、って、つれてかなかったものはしょうがないでしょう。だいたいかぜなんて対症療法しかできないじゃん。以前喀痰剤を飲んだら咳き込みすぎて吐いたりしてるし。解熱剤いれたら薬が切れるときの急激な体温上昇でけいれん起こしたし、あまり薬に頼りたくない。熱性けいれんはいやだけど、どうせけいれん止めは使ってるし。インフルエンザだとしてもタミフルは最近こわいし、そもそも周囲にインフルの人いないし。夜間救急とかで病気うつされるほうが困るんだって。

とりあえず検査ということで鼻汁を採取。そのあと、看護師が解熱剤を飲めといって持ってきた。当の子供は鼻汁採取されて泣き叫んでいるのに飲ませるなんて無理でしょう。とりあえずおさまるのを待っていると、また看護師が来て「まだ飲んでないんですか。熱が高くて心配なので早く飲ませてください」と。いまそんなに熱は高くないのに、結局3人がかりで押さえ込んで強制投与。あーあ、いままで無理強いしてあげたことなんてなかったのに。これで薬が嫌いになっちゃうよ。どうせたいして熱が下がらないのに。

そのあとも30分以上待たされたあげく、「検査の結果ですが、インフルエンザは陰性でしたので」……って、RSウイルスの検査じゃなかったのかい。だから最初からインフルは疑ってないんだって。こっちの話は聞いてなかったのか? 文句を言うと、この病院にはRSウイルスの迅速検査キットはないことが判明。電話で事前に確認したのはなんだったのか。

怒り爆発の妻をなだめつつ、なんとかRSの場合にもそうでない場合にも対応できるように薬を処方してもらい、薬局で薬を受け取り (これも待たされた)、家に戻るともう2時近い。そのあとも、薬を飲まないのでオブラートゼリーを買ってくるとかいろいろしていると、2時半になってしまった。

A君と1時に話すと約束していたのにもう到底無理だが、一応大学に行こうかと家を出た。いよいよ強まる風の中、自転車をこいで武蔵野線の駅まで行くと、「強風でとまってます」……。都心まわりのルートでいくと、大学に着いたらもう5時になっちゃうじゃん。

なんだかなー。あーあ……。というわけで、電車に乗らずにこの日記を書いたりしているわけです……。年休とらないとね……。ずるやすみじゃないんだよ〜……。

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はるお [こりゃ、僕でもブチ切れます。 育児は本当に大変だね。 お疲れ様でした。]